●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-3.III.1:1 ~ T-3.III.2:11

III. Perception versus Knowledge
知覚 対 叡智



1. We have been emphasizing perception, and have said very little about knowledge as yet. This is because perception must be straightened out before you can know anything.
  • emphasize [émfəsàiz] : 「重要視する、重視する、力説する、際立たせる」
  • perception [pərsépʃn] : 「知覚、認知、知力、認識、理解」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見、智慧」
  • straighten [stréitn] : 「〜をまっすぐにする、〜を整える」
  • as yet : 「今のところは」
  • straighten out : 「〜を正す、〜を取り除く」
❖ "We have been ~ "「我々はずっと知覚について強調してきた」。"and have said ~ "「そして、叡智については今までほとんど語ってこなかった」。"This is because ~ "「これは、あなたが何かを知ることが出来るようになる前に、知覚が正されなくてはならないからだ」。幻想を幻想と見極めることが出来るように知覚を修正し、知覚がヴィジョンに生まれ変わった時、ヴィジョンは真実だけを捉える。ヴィジョンが知り得ること、それが叡智である。
"knowledge"を「叡智」と訳したが、"knowledge"は、神やホーリー・スピリットのレベルにおける智慧である。我々一般人の知恵や知識のことではない。あるいは、叡智は仏教でいう『般若』に非常に近い。いずれにせよ、"knowledge"はACIMにおける最重要キーワードの一つである。



To know is to be certain, and certainty is strength. Perception is temporary. As an attribute of the belief in space and time, it is subject either to fear or to love.
  • certain [sə́ː(r)tn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
  • certainty : 「確信、確実なこと、必然」
  • strength [stréŋ(k)θ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • temporary [témpərèri] : 「一時の、一時的な、暫定の、仮の、当座の」
  • attribute [ǽtribjùːt] : 「特質、特性、性格、属性」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「支配下にある、支配を受ける、〜に従属している」
  • subject to : 「〜に支配されて、〜の支配下に、〜に従属して」
  • either [íːðər] : 「〜か〜、または」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
❖ "To know is ~ "「知ることは確信することである」。どちらも不定詞の名詞的用法。"and certainty is ~ "「そして、確信は力である」。"Perception is ~ "「知覚は一時的なものである」。"As an attribute ~ "「時空を信じることの属性として、知覚は恐れか愛の支配を受ける」。時空を信じるとは、この世界が幻想(夢)であることを忘れて、変化流動する属性を自然なものとして受け入れること。したがって、知覚は対象の変化につれて時間とともに従属的に変わる。知覚は一時的なものになるのだ(temporary)。あなたは瞬間瞬間、真実も虚偽もともに知覚する。虚偽を知覚するれば恐れになり、真実を知覚すれば愛につながる。あるいは、虚偽を真実だと誤知覚すれば、偽りの愛を感じ、真実を虚偽と誤知覚すれば、偽りの恐れを抱く。



Misperceptions produce fear and true perceptions foster love, but neither brings certainty because all perception varies. That is why it is not knowledge.
  • misperception [mìspərsépʃən] : 「誤解、誤った知覚」
  • produce [próudjuːs] : 「〜を作り出す、生産する、引き起こす、発出する」
  • foster [fɔ́ːstər] : 「〜を育てる、育成する、助成する、助長する」
  • neither [níːðər] : 「どちらも〜ない」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • vary [vέəri] : 「変わる、変化する」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見、情報、事実」
❖ "Misperceptions produce ~ "「誤った知覚は恐れを生み出し、真実の知覚は愛を育てる」。"but neither brings ~ "「しかし、どちらも確実性をもたらすことはない」。" because all perception ~ "「なぜなら、知覚なるものはすべて変化するからである」。"That is why ~ "「それが、知覚が叡智ではない理由である」。肉体的な知覚は、幻想世界の諸現象を実在であるかのように見せるためのトリックである。錯覚を生み出す装置なのだ。知覚が時空間の錯覚から自由になって、恒久的な真実を見抜くヴィジョンとして生まれ変わったとき、実相的な知恵、すなわち叡智があなたの心の中で現実化する。だから、前文「知ることは確信することであり、そして、確信は力である」となるのだ。



True perception is the basis for knowledge, but knowing is the affirmation of truth and beyond all perceptions.
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • basis [béisis] : 「土台、基礎、基盤」
  • affirmation [æ̀fərméiʃən] : 「確約、断言、肯定、確認」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
❖ "True perception ~ "「真の知覚は叡智にとっての基盤である」。"but knowing is ~ "「しかし、識(し)るということは真実を肯定的に断言することであり、すべての知覚を超えている」。知覚は感覚したものを単に受動的に受け入れること。識るという行為は、ヴィジョンをもって真実を看破し、能動的に受け入れること。つまり、真実を肯定的に断言すること。この違いは大きい。



2. All your difficulties stem from the fact that you do not recognize yourself, your brother or God. To recognize means to "know again," implying that you knew before.
  • difficulty [dífikʌ̀lti] : 「 困難、難事、面倒なこと、問題」
  • stem [stém] from : 「〜から生じる、〜から起こる、〜に由来する」
  • fact [fǽkt] : 「事実、真相、現実、実際」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて、この場合もやはり」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "All your difficulties ~ "「あなたの感じる困難のすべては、〜という事実に由来する」"that you do not ~ "「あなたは、あなた自身、あなたの兄弟、そして神を認識していない」という事実に由来する。"To recognize means ~ "「認識するとは再び知るということである」。"implying that you ~ "分詞構文、単純接続、「そして、再び知るとは、裏を返せば、あなたは以前にそれを知っていたということである」。神の子が神から分離する以前は、あなたは真実を見抜くヴィジョンもヴィジョンがもたらす真実の泉、つまり叡智ももっていた。今この幻想世界にあって、真実をしっかり認識するとは、あなたがもっていたヴィジョンや叡智を取り戻して、再び識るということ(know again)、真実の再確認を行うことなのだ。



You can see in many ways because perception involves interpretation, and this means that it is not whole or consistent. The miracle, being a way of perceiving, is not knowledge.
  • in many ways : 「 いろいろ、さまざまに、いくらでも」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする、〜に伴って生じる」
  • interpretation [intə̀ːrprətéiʃn] : 「解釈、説明、解説」
  • whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない」
  • consistent [kənsístənt] : 「一致した、一貫性のある、一貫した、矛盾しない」
❖ "You can see ~ "「あなたは色々様々に見ることが出来る」。ここは肯定的な意味合いではなく、人それぞれによって、様々に対象を知覚する、ということ。"because perception ~ "「なぜなら、知覚とは解釈を含むからである」。"and this means ~ "「そして、このことは、知覚は完全なものでもないし、一貫性もないことを意味している」。知覚する段階で、先入観が入り込み、知覚した後には印象が入り込み、また、判断、感想、解釈(interpretation)も混じり込む。時と場合によって変化し、一貫性はない(not consistent)。また、知覚は対象の一部を断片的に知覚するものだから、対象をまるごと全部(whole)を知覚するのでもない。"The miracle ~ "「奇跡は、知覚の一方法であるので、叡智とは言い難い」。この文章で、奇跡が最終目的ではないことがわかる。奇跡は手段、方法である。奇跡を通じて、たとえば、叡智を得るのである。また、奇跡が知覚の一方法であることは重要だ。結局、奇跡とは知覚を変えること、今までの見方、考え方を変えることなのだ。



It is the right answer to a question, but you do not question when you know. Questioning illusions is the first step in undoing them. The miracle, or the right answer, corrects them.
  • rightfully [ráitfəli] : 「正当に、合法的に、当然」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、疑問、問い、質疑、課題、問題」
  • question [kwéstʃən] : 「質問する、〜を疑問に思う」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • undo [ʌndú] : 「元どおりにする、取り消す」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
❖ "It is the right answer ~ "「奇跡は、疑問に対する正しい答えだが、」"but you do not ~ "「しかし、あなたが(本当に)知っているときは、質問などしない」。あなたが真偽の判断に迷って疑問を発するとき、奇跡は真実を具現化することで、あなたに正しい答えを与えてくれる。しかし、そもそも疑問を発するとは、叡智が欠けているからであり、もしあなたに実相的な叡智があるなら一切の疑問を発することはないはずだ。"Questioning illusions ~ "「幻想に対して疑問を発することは、幻想を取り消しにするための最初のステップである」。叡智を忘れたあなたが、はたしてこの世界は幻想なのではないかと疑問を発するのは、あなたが幻想を払拭して実相に目覚めるための第一段階である。この疑問に対して、奇跡が正しい答えを与えてくれるわけだ。"The miracle ~ "「奇跡、あるいは正しい答えは、幻想を正す」。こうして、あなたは奇跡を通して、失われた叡智を回復していくのである。



Since perceptions change, their dependence on time is obvious. How you perceive at any given time determines what you do, and actions must occur in time.
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • dependence [dipéndəns] : 「依存、依存関係、付属物」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「 明らかな、明白な、分かりきった、疑う余地のない」
  • at any given time : 「いつでも、その時々で、常に、今」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心させる」
  • action [ǽkʃən] : 「行為、振る舞い、活動、行動、活力、動き、動作」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "Since perceptions ~ "「知覚は変化するので、知覚の時間依存は明らかである」。"How you perceive ~ "「その時々であなたがどう知覚するかが、あなたがなすことを決定する」。"and actions ~ "「そして、行動は、時間という枠組みの中で起こるに違いない」。知覚も判断も決定も行動も、すべて時間に依存した事象である。真実は永遠不変であり、実相が恒常的な安定と平和に満たされていることと大違いである。



Knowledge is timeless, because certainty is not questionable. You know when you have ceased to ask questions.
  • timeless [táimlis] : 「時間を超越した、無時間の、永久の、永遠の」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
  • questionable [kwéstʃənəbl] : 「疑わしい、疑問の余地がある」
  • cease [síːs] : 「〜をやめる、よす、中止する」
❖ "Knowledge is ~ "「叡智は時間依存しない」。"because certainty ~ "「なぜなら、確実なことは疑問の余地がないからだ」。叡智は実相的真実の総体であり、永遠不変である。完璧に完結した叡智であるので疑問を発する必要はない。"You know when ~ "「あなたが疑問を発するのを止めたとき、それを知る(であろう)」。あなたが奇跡によって真実を識り、叡智を取り戻したとき、あなたは疑問を発することがなくなった自分に気付く。
 
 
 




T-3.II.5:1 ~ T-3.II.6:7

5. Nothing can prevail against a Son of God who commends his spirit into the Hands of his Father. By doing this the mind awakens from its sleep and remembers its Creator.
  • prevail [privéil] : 「広がる、流行する、勝つ、勝る」
  • prevail [privéil] against : 「〜に打ち勝つ、〜をしのぐ」
  • commend [kəménd] : 「委ねる、託する、褒める、称賛する」
  • spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神、気分、気迫」
  • awaken [əwéikən] : 「目を覚まさせる、呼び起こす」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
❖ "Nothing can prevail ~ "「スピリットを父なる神の手の中に委(ゆだ)ねた神の子に対して、何ものも打ち勝つことは出来ない」。"spirit"は"mind"と同等だと思っていい。心の神髄がスピリットである。簡単に言えば、垢がとれてピュアーになった心、それがスピリット。"By doing this ~ "「こうすることで、心は眠りから醒め、その創造主を思い出す」。心の神髄を神の意思に委ねたとき、心は幻想の深い眠りから覚め、神の愛を思い出す。神に心を委ねること、それが、ACIMの絶対他力である。誤解してはならないのは、他力とは依存ではないということ。ところが、我々の多くは、絶対他力と絶対依存を混同している。『叶わぬ時の神頼み』などという言葉を生み出すわけだ。『人事を尽くして、天命を待つ』と言うべきであり、人事を尽くす際にもホーリー・スピリットの導きに一任し、結果もまた神の意思に委ねる、つまり、一貫して心をすべて神に委ねてしまうのである。絶対他力である。



All sense of separation disappears. The Son of God is part of the Holy Trinity, but the Trinity Itself is One. There is no confusion within Its Levels, because They are of one Mind and one will.
  • sense [séns] : 「感覚、感覚能力」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • trinity [trínəti] : 「三つ組、3人組」
  • the Holy Trinity : 「三位一体」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱状態、混乱、混同、当惑」
  • level [lévəl] : 「地位、階級、段階、レベル、高さ、高度、深さ」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "All sense of ~ "「すべての分離感覚は消滅する」。"The Son of God ~ "「神の子は三位一体の一部である」。"but the Trinity ~ "「しかし、三位一体自体は一つである」。"There is no ~ "「そこにはレベルの混乱はない」"because They are ~ "「なぜなら、三位一体は一つの心、一つの意志だからである」。三位一体はご存じのように「神と精霊と子」である。形は3つに分裂しているように表現されるのだが、本当は一つである。したがって、どれがどのレベルに属するかというようなレベルの混乱は起きない。つまり、どれがどれに優先するとか、どれが一番レベルが高いか、などという序列はない。
神から分離した神の子が、ホーリー・スピリットの導きに従って神の住む天の王国に回帰出来たとき、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)は融合する。それが三位一体。実相世界は純粋な一元論世界なので、三位一体は必然である。



This single purpose creates perfect integration and establishes the peace of God. Yet this vision can be perceived only by the truly innocent.
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
  • integration [ìntigréiʃən] : 「統合、一体化、統一、融合、調和」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、正確に」
  • innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、無害の、率直な、純真な」
❖ "This single purpose ~ "「このただ一つの目的は、完璧な統合を創造し、神の平和を樹立する」。"This single purpose"とは、神の子がそのスピリット(あるいは心)を神に委ね、眠りから醒めて神とホーリー・スピリットと神の子が一体になること。"Yet this vision ~ "「だが、このヴィジョンは真に無辜(むこ)なる者によってしか知覚し得ない」。清い水が月を映すように、心が清くなると、そこにヴィジョンが映し出される。濁った水は何も映さない。清い心の持ち主だけが、三位一体がもたらす平和を、心のヴィジョンを通して目撃する。



Because their hearts are pure, the innocent defend true perception instead of defending themselves against it. 
  • purely [pjúərli] : 「純粋に、単に、きれいに」
  • defend [difénd] : 「守る、防御する」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
❖ "Because their hearts ~ "「彼らの心は純粋だから、」"the innocent defend ~ "「無辜なる者は、正しい知覚に対抗して自分自身を守ろうとする代わりに、正しい知覚を守る」。つまり、正しい知覚をすると自分の罪が露わになるのではないかと恐れて、正しい知覚に対抗して自分を守ろうとする誘惑が生じるだろうが、無辜なる者は自分に罪がないことを知っているので何も恐れることなく、積極的に正しい知覚、正しい認識を守ろうとする、ということ。



Understanding the lesson of the Atonement they are without the wish to attack, and therefore they see truly.
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
❖ "Understanding the lesson ~ "分詞構文、理由、「贖罪のレッスンを理解しているので、彼らは攻撃を望むことはないし、そして、それゆえ、彼らは正しく見る(ことが出来る)」。罪が幻想であると認識し、それを受け入れて赦すことで罪を消滅させる。これが贖罪である。その赦しの原理、贖罪の原理を知っているので、攻撃もまた幻想であるから、それを望むことはない。彼らはヴィジョンをもって正しく真実を見ているのだ。



This is what the Bible means when it says, "When he shall appear (or be perceived) we shall be like him, for we shall see him as he is."
  • mean [míːn] : 「〜を意味する」
  • appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
❖ "This is what ~ "「これは、聖書が次のように書いていることと同じ意味である」。 "When he shall ~ "「彼(イエス・ キリスト)が現れるとき(知覚されたとき)、我々は彼と同じようになるであろう。なぜなら、我々は彼をありのまま見るであろうから」。イエスが現れてイエスをありのままに見ることが出来たとき、それは無辜なるあなたのヴィジョンがイエスを見ていることを示している。イエスとあなたの無辜性は同一なのだ。
この文章はヨハネの手紙一 3:2に出てくる。参考までに、ここに載せておくが、皮肉なことに、この手紙の作者は、イエスが肉体を持たない霊的存在であることを否定し、イエスの磔刑によって人類が贖罪されたことを肯定している。つまり、ACIMのイエスは、ヨハネの手紙を書いた人物を批判する代わりに、手紙の内容を再解釈して、正しい認識に到らしめようとしているのだ。

[1 John 3:2 from King James Bible]
Beloved, now are we the sons of God, and it doth not yet appear what we shall be: but we know that, when he shall appear, we shall be like him; for we shall see him as he is.
愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者になるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。(新共同訳)



6. The way to correct distortions is to withdraw your faith in them and invest it only in what is true. You cannot make untruth true.
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
  • distortion [distɔ́ːrʃən] : 「ゆがみ、ねじれ、歪曲、ねじ曲げ」
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「〜を取り消す、取り下げる、撤回する」
  • faith [féiθ] : 「 信頼、信用、信仰、信条」
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する、運用する、注ぎ込む」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • untruth [ʌntrúːθ] : 「真実でないこと、虚偽」
❖ "The way to correct ~ "「(心の)歪みを正す方法は、歪みを信じることを撤回して、真実なるものだけに信じる気持ちを注ぎ込むことである」。"You cannot make ~ "「虚偽を真実に変えることは出来ない」。幻想を実相に変えることは出来ないのだ。幻想を信じることを撤回し、実相だけを信じる。



If you are willing to accept what is true in everything you perceive, you let it be true for you. 
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
  • accept [əksépt] : 「引き受ける、認める、容認する、受け入れる」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "If you are willing ~ "「もし、あなたが、あなたが知覚するすべてのものの中にある真実なるものを心から受け入れる用意があるなら、」"you let it ~ "「あなたはそれを、あなたにとっての真実に出来る」。玉石混交の幻想世界にあっても、ヴィジョンをもって真実を知覚し、その真実だけを受容することで、自分にとっての真実にすることが出来る。



Truth overcomes all error, and those who live in error and emptiness can never find lasting solace.
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • overcome [òuvərkʌ́m] : 「勝つ、打ち勝つ、克服する、乗り越える」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • emptiness [émptinəs] : 「 空虚、むなしさ、無意味」
  • find [fáind] : 「発見する、見いだす、気付く、理解する」
  • lasting [lǽstiŋ] : 「長続きする、永久の、永続する、続く、持続的な」
  • solace [sɑ́ləs] : 「慰め、安堵、癒やし」
❖ "Truth overcomes ~ "「真実はすべての誤りに打ち勝つ」。"and those who ~ "「そして、誤りの中に、あるいは空虚の中に生きる人々は、決して永続する慰めを見つけることは出来ない」。



If you perceive truly you are canceling out misperceptions in yourself and in others simultaneously.
  • cancel [kǽnsl] : 「〜をキャンセルする、〜を取り消す、〜を中止する」
  • misperception [mìspərsépʃən] : 「誤解、誤った知覚」
  • simultaneously [sàiməltéiniəsli] : 「同時に、いっせいに」
❖ "If you perceive ~ "「もしあなたが正しく知覚するならば、あなたは、あなたの中の、そして同時に他者の中の誤った知覚を取り消すことになる」。あなたがヴィジョンをもって正しく真実を見ることが出来れば、自他一如である他者もまた、あなたと同じ無辜なる神の子であると認識することが出来、他者の誤った知覚は幻想であると赦して、他者のヴィジョンを回復出来るのだ。



Because you see them as they are, you offer them your acceptance of their truth so they can accept it for themselves. This is the healing that the miracle induces.
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する、〜を勧める」
  • acceptance [əkséptəns] : 「受け入れること、承諾、承認、受諾、受理」
  • healing [híːliŋ] : 「癒やし、治療、治癒、回復」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす、誘導する、誘発する」
❖ "Because you ~ "「あなたは彼らをあるがままに見るので、」"you offer them ~ "意訳すると、「彼らが自分自身に対して自分の真実を受け入れることが出来るようにするために、あなたは、彼らの真実を心から受け入れる」。あなたがヴィジョンをもって他者もまた無辜なる神の子であると受け入れることが出来れば、その真実は彼らにも反映して、彼らもまた自分が無辜なる神の子であると受け入れることが出来る。"This is the healing ~ "「これが、奇跡が引き起こすヒーリングである」。ヒーリングとは真実の具現化、幻想を払拭して、無辜なる存在に気付かせることである。 
 
 
 


T-3.II.3:1 ~ T-3.II.4:5

3. When you lack confidence in what someone will do, you are attesting to your belief that he is not in his right mind. This is hardly a miracle-based frame of reference.
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない、足りない」
  • confidence [kɑ́nfidəns] : 「信頼、信用、信任、確信、自信」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • right [ráit] : 「正しい、正当な、合っている、適切な」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • frame of reference : 「関係枠、基準系、準拠枠、理論構成の枠組み、視点」
❖ "When you lack ~ "「あなたが、誰かが何かをしようとしていることに対して信頼がもてないなら、」"you are attesting to ~ "「あなたは、その彼が正しい心の状態にないと信じていることを証言している(ようなものだ)」。誰かの行動が信頼出来ないでいることは、心の中で、その人の心が正しくないと勝手に思いこんでいることだ、ということ。"This is hardly ~ "「これは奇跡に根ざした判断基準だとは言い難い」。そういう勝手な思いこみをするようでは、心が奇跡に根ざしているとは言い難い。たとえば、誰かが何かをしようとしているときに、あなたが『アイツのことだからまた失敗するに違いない、誤りを犯すに違いない』などと思えば、それは、彼の心が正しい位置にないと宣言しているようなものあり、あなたと彼は自他一如なのだから、あなた自身の心が正しい位置にない証拠なのだ。思いは現実化するので、あなたの不信も現実化して、きっと彼は失敗したりあを犯してしまうだろう。他者を不信の目で見ることは、決して奇跡を根ざした心の見方ではない。



It also has the disastrous effect of denying the power of the miracle. The miracle perceives everything as it is. If nothing but the truth exists, right-minded seeing cannot see anything but perfection.
  • disastrous [dizǽstrəs] : 「破滅的な、悲惨な」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効力」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • as it is : 「そのままに」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
  • seeing : 「見ること、視覚、視力」
  • perfection [pərfékʃən] : 「完全、完璧、完成」
❖ "It also has ~ "「それは、また、奇跡の力を否定するという悲惨な結果を伴う」。「それ」とは前文の「奇跡に根ざした判断基準をもたないこと」。具体的には「他者の行動を信じ切れないこと」、あるいは「他者の心は正しくないと勝手に思いこむこと」。不信の目で見ると、起きるべき奇跡も起きなくなってしまう。奇跡は信じる心が生み出すものだからである。『信じれば 山をも動かす』というわけだ。"The miracle perceives ~ "「奇跡はすべてをあるがままに知覚する」。"If nothing but ~ "「もし、真実だけが存在するなら、」"right-minded seeing ~ "「正しい心をもって見れば、完璧であること以外は見えてこないはずだ」。奇跡に根ざした判断基準からものを見れば、実在する真実(完璧性)だけが見えてきて、肉体の知覚が捉える非実在は幻想と認識される。これがヴィジョンである。ヴィジョンをもって他者を見れば、その他者は完璧な神の子として見えてくるはずだ。不信を抱くことなどない。



I have said that only what God creates or what you create with the same will has any real existence. This, then, is all the innocent can see. They do not suffer from distorted perception.
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • will [wíl] : 「意志、精神力」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • existence [igzístns] : 「存在、生存、現存、実存、実在」
  • innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、無害の、率直な、純真な」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • distort [distɔ́ːrt] : 「歪める、誤り伝える、歪曲する」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
❖ "I have said that ~ "「私は、神が創造したものだけが、あるいは、神と同様の意志をもってあなたが創造したものだけが、真に存在すると言ったことがある」。"This, then, is all ~ "「したがって、これは無辜なる者が見ることの出来るすべてである」。"They do not suffer ~ "「無辜なる者はゆがんだ知覚に苦しむことはない」。ここの"the innocent"は、"the + (形容詞)"の形で、名詞化され、「〜な者、〜なこと」という意味になる。無辜なる者とは、心正しい者のこと。無辜なる者は、したがって、ヴィジョンでものを見ることが出来るだ。



4. You are afraid of God's will because you have used your own mind, which He created in the likeness of His Own, to miscreate. The mind can miscreate only when it believes it is not free.
  • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる、〜について心配だ」
  • in the likeness of : 「〜と偽って、見せかけて」
  • miscreate [miskriéit] : 「 〜を誤って作る、作りそこなう」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
❖ "You are afraid of ~ "「誤った創造をするためにあなた自身の心を使ってしまったから、あなたは神の意志を恐れている」。"which He created ~ "「その心は神が自身の心とそっくりに創ったのだが」。神は愛の拡張として神の子を創造し、神の子に神の属性のすべてを継承した。したがって、本来、神の子の意思は神の意思と同等である。しかし、神の子は神から分離し、神の意思を神に投げ返してしまった。こうして、神の子は、神の意思とは異る意思をもってこの幻想世界を偽創造した。神の意思を裏切ってしまったという罪の意識をもち、神の報復を恐れるようになったのだ。"The mind can ~ "「心は、心が自由ではないと信じているときに限って、誤った創造をしでかす」。実相的な自由とは、喩(たと)えて言えば、真実の海(実相)を自在に泳ぐ、ということだ。神の子は、その真実の海を自ら捨てた。そこで、神の子は、実相的な自由の代わりに、偽の自由を得ようとして虚偽の海(幻想)を作り出したのである。



An "imprisoned" mind is not free because it is possessed, or held back, by itself. It is therefore limited, and the will is not free to assert itself.
  • imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
  • possess [pəzés] : 「〜を所有する、保有する、持つ、〜に取り付く」
  • hold back : 「控える、自制する、思いとどまる、逮捕する、阻害する」
  • by itself : 「独りでに、自然に、離れて、単独で、自動的に」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • limit [límit] : 「 限定する、制限する、制限をかける」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • assert [əsə́ːrt] : 「〜を断言する、強く主張する、〜と言い張る 」
  • assert oneself : 「自分の権利を主張する、自己の存在を主張する」
❖ "An "imprisoned" mind ~ "「『囚われ』の心は自由ではない」。"because it is  ~ "「なぜなら、その心は自分自身に取り憑かれているから、あるいは、自制させられているからだ」。"It is therefore ~ "「それゆえ、心は制限され、そして、その意志は自分の存在を主張する自由がない」。真実の海(実相)を自在に泳ぐ自由を失った心は、いわば囚われの心である。自分ででっち上げた虚偽の海(幻想)に自らを投獄したようなものだから。自分自身に取り憑かれているとは、幻想の自分が本当の実在だと信じている、ということ。真実に基づく意思は、したがって本当の自由を失い、自らの存在さえ主張出来ない。



To be one is to be of one mind or will. When the will of the Sonship and the Father are One, their perfect accord is Heaven.
  • sonship : 「息子であること」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
  • accord [əkɔ́ːrd] : 「調和、一致、合意、合致」
❖ "To be one is ~ "「一つになるとは、一つの心あるいは一つの意志になるということである」。"When the will ~ "「神の子と父なる神の意志が一つになったとき、その完璧な調和が天の王国である」。真実の海(実相)を自在に泳ぐ自由をもった心、あるいは真実に基づく意思は、神と神の子の心と意思が一つになったときに初めて現実化する。ACIM最終目的は、すべての神の子が神に回帰し、神と合一することである。その回帰の道案内をしてくれるのがホーリー・スピリットであり、最終的に、神と神の子とホーリー・スピリットの三位(さんみ)が一体となるのである。こうして、不二一元の実相世界が完成し、天の王国となる。
 
 
 



 

T-3.II.2:1 ~ T-3.II.2:6

2. Miracles as True Perception
真の知覚としての奇跡



1. I have stated that the basic concepts referred to in this course are not matters of degree. Certain fundamental concepts cannot be understood in terms of opposites.
  • state [stéit] : 「述べる、はっきり言う、提示する」
  • basic [béisik] : 「基礎の、基本的な」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方、構想、考え」
  • refer [rifə́ːr] to : 「〜に言及する、〜に注意を向ける」
  • course [kɔ́ːrs] : 「講座、課程」
  • matter [mǽtə(r)] : 「事柄、件、問題」
  • degree [digríː] : 「程度、度合い、度」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、ある種の、とある、ある」
  • fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本となる、基礎の、基本的な、根本的な」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • in terms of : 「: 〜に関して、〜の点から見ると、〜の観点では」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、逆の物、反対の物」
❖ "I have stated ~ "「私は、このコース(ACIM)で言及された基本的なコンセプトは度合いの問題ではないと述べてことがある」。"referred"は過去分詞で、"concepts"を修飾する、意味は受動。「度合いの問題ではない」とは、たとえば、真実が90%であるとか、真実が50%であるとか、あるいは恐れが多いか少ないか、誤りが大きいか小さいか、というように、度合いで測れる問題を扱っているのではないということ。"Certain fundamental ~ "「ある種の基本的な概念は、対立するものから見ることで理解しようとしても無理である」。ACIMは純粋な一元論(monolism or non-dualism)である。相反する2つの概念の力学で世界を説明するようなことはしない。二項対立で論ずる、あるいはテーゼとアンチテーゼで論ずる弁証法が成立するのはこの幻想世界である。ACIMは、真に存在するものはたった一つであり、一見対立するかに見えるものは幻想であり、錯覚とする。したがって、『あれも、これもある』ではなく、『これしかない』という世界が実相である。これしかないのであれば、これの度合いがどれだけあるかという問い掛けは無意味である。たとえば、虚偽と真実のグラデーションはない。半分嘘で半分正しい、などということはない。灰色はないのだ。100%の虚偽か、100%の真実か、そのどちらかである。




It is impossible to conceive of light and darkness or everything and nothing as joint possibilities. They are all true or all false.
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない」
  • conceive [kənsíːv] : 「〜を思う、考える、思い付く、心に抱く」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • joint [dʒɔ́int] : 「結合、接合」
  • possibility [pɑ̀səbíləti] : 「可能性、見込み、実現性、あり得ること」
  • false [fɔ́ːls] : 「本物でない、偽りの、偽の」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、うその、虚偽の、偽の」
❖ "It is impossible to ~ "「光と闇、あるいはすべてと無を、混在する可能性があるとして、心に抱くことは不可能である」。"as joint possibilities"は訳しにくい箇所である。ACIMは純粋な一元論である。光と闇、すべてと無のように相反する2つのものがパーセンテージを分けあって混在することは不可能なのだ。したがって、"They are all ~ "「それらはすべてが真実か、あるいは、すべてが虚偽である」。



It is essential that you realize your thinking will be erratic until a firm commitment to one or the other is made. A firm commitment to darkness or nothingness, however, is impossible.
  • essential [isénʃəl] : 「必須の、最も重要な、肝心な、本質の」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • thinking [θíŋkiŋ] : 「考え、考えること、思考」
  • erratic [irǽtik] : 「風変わりな、異常な、一貫性のない、不安定な」
  • until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
  • firm [fə́ːrm] : 「堅い、堅固な、頑丈な、しっかりした」
  • commitment [kəmítmənt] : 「約束、言質、義務、傾倒、献身」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "It is essential that ~ "「that以下は絶対必要である」"that you realize ~ "「あなたが、あなたの思考が、〜するまでは、一貫性を欠くであろうことを認識すること」は絶対必要である。"until a firm ~ "「これかあれか、どちらに堅く身入れするか決めるまでは、」一貫性を欠くであろうことを認識することは絶対必要である。"A firm commitment ~ "「闇、あるいは無に対して堅く身入れすることは不可能である」。ある時は実相に憧れ、ある時は幻想に流される、そういう状態では、あなたの考えは一貫性を欠く。そのことをしっかり認識する必要がある。また、無であり闇である幻想に対してどんなに献身しようとしても、相手が無なのだから、あなたの献身は空を切るばかりなのだ。



No one has ever lived who has not experienced some light and some thing. No one, therefore, is able to deny truth totally, even if he thinks he can.
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • be able to : 「〜することができる、〜し得る、〜が可能である」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • totally [tóutəli] : 「全く、完全に、全体的に、全体として」
❖ "No one has ever ~ "「何らかの光や何かを経験しなかった者など、かつて生きたなめしはない」。"No one, therefore ~ "「したがって、誰も真実を全面的に否定することは出来ないのだ」。"even if he ~ "「たとえ、自分では否定出来ると思っていても」。"some light and some thing"は、たとえば、「愛」と置き換えて読んでみるといい。愛や愛にまつわる何かを一度も経験しない者は今まで生きてきたためしがないと言えるし、愛を否定出来ると思い込んでいても、否定し切れるものではない。つまり、幻想の中だけで生きてきた者は、本当に生きているとは言えず、実相を全面的に否定しようと思っても、虚偽なる生き方をしている者に実相の真実を否定することなど不可能だ、ということ。



2. Innocence is not a partial attribute. It is not real until it is total. The partly innocent are apt to be quite foolish at times. 
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔」
  • partial [pάːrʃəl] : 「部分的な、一部の、不完全な」
  • attribute [ǽtribjùːt] : 「特質、特性、性格、属性」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
  • total [tóutl] : 「全部の、すべての、全体の、全面的な、完全な」
  • partly [pɑ́ːrtli] : 「一部分は、ある程度は、部分的に、一部は」
  • innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、無害の、率直な、純真な」
  • be apt to : 「〜しがちである、〜する傾向がある、〜しそうである」
  • quite [kwáit] : 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • foolish [fúːliʃ] : 「愚かな、分別のない、ばつが悪い、恥ずかしい」
  • at times : 「時々、折々、時たま、時には」
❖ "Innocence is not ~ "「無辜であるとは、部分的な属性ではない」。無辜とは、一部だけ無辜だ、などと言える性質のものではない。"It is not real ~ "「無辜は、全面的な属性になるまでは現実化しない」。100%無辜であると言えたとき、初めて無辜性が確立する。"The partly innocent ~ "「一部だけ無辜であるなどということは、時に、全くばかげたことになりかねない」。真実は、"everything"か"nothing"か、その中間はない。ACIMの基本コンセプトは、"matters of degree"「度合いの問題」ではないのだ。



It is not until their innocence becomes a viewpoint with universal application that it becomes wisdom.
  • It is not until ... that ~ : 「...して初めて〜する」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • viewpoint [vjúːpɔ̀int] : 「見地、観点、見方、見解、視座 」
  • universal [jùːnəvə́ːrsl] : 「一般的な、どこにでもある、普遍的な」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • wisdom [wízdəm] : 「賢明さ、英知、学問、知恵、知識」
❖ "It is not until ~ "ここの"It"は仮主語で、本主語は後ろの"that it becomes wisdom"、「無辜であることが叡智になるには、〜を待たなければならない」。"until their innocence ~ "「無辜であることが、普遍的な適用を伴った観点となるとき」を待たなければならない。ここの"with universal application"とは、ものを見るときに普遍的に当てはめてみるということ。無辜であることが基準となって、つまり、無辜の心の目で、あるいは、先入観や判断などをもたない素直な目で、すべてのことを普遍的に見ることが出来るようになったとき初めて、無辜なることは叡智になる。



Innocent or true perception means that you never misperceive and always see truly. More simply, it means that you never see what does not exist, and always see what does.
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • misperceive [mispərsíːv] : 「誤った知覚をする、誤解する」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • simply [símpli] : 「造作なく、たやすく、簡単に」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する 」
❖ "Innocent or true ~ "「無辜であること、あるいは、正しく知覚することはthat以下を意味している」。"that you never ~ "「決して誤った知覚をしないこと、あるいは、いつも正しく見ること」を意味している。"More simply ~ "「よりシンプルに言えば、それは、存在しないものは決して見えず、存在するするものは常に見えるということを意味している」。無辜とは、幻想は存在せず、実相だけが存在すると見抜くヴィジョンを持つことである。叡智をもって知覚したとき、、あるいは知覚を叡智にまで昇華させたとき、それが実相的なヴィジョンとなる。無辜とは、ヴィジョンを得るための通行手形である。叡智獲得の切り札なのだ。
 
 
 



T-3.I.7:1 ~ T-3.I.8:5

7. The Atonement itself radiates nothing but truth. It therefore epitomizes harmlessness and sheds only blessing.
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
  • radiate [réidiət] : 「放射する、発する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • epitomize [ipítəmàiz] : 「〜を要約する、〜を集約する、〜の典型である」
  • harmlessness [hάːrmlisnis] : 「無害」
  • shed [ʃéd] : 「発する、発散する」
  • blessing [blésiŋ] : 「恩恵、幸運、神の恵み、神への祈り」
❖ "The Atonement itself ~ "「贖罪自体は、真実だけを放つ」。贖罪は真実の光だけを放射する。幻想の闇を払拭する光である。"It therefore epitomizes ~ "「贖罪は、したがって、無害であることの典型であり、恩恵のみを発する」。贖罪は、他者に対して犠牲など強いることはないから、いわば『無害』である。贖罪に攻撃性は一切ない。典型だと強調しているのは、それに例外など一つもない、ということ。ここの"blessing"「恩恵」とは、前文の"truth"「真実」と同義であると考えていい。両者共に、神の愛である。
我々の無意識の中には、神から分離してしまったという罪悪感が根付いている。それが、罪の原型である。しかし、真実のレベルから見れば、それは錯覚であって、神の子は神から一歩たりとも分離などしていはいない。そのことに気付き、錯覚の罪を赦してしまうこと(Forgiveness)が贖罪(Atonement)である。そうすることで、自分には罪などない、完全な無辜(むこ)であると悟るのである。
ACIMは自他一如の思想であって、真実のレベルから見れば、自分と他者は同一である。したがって、真実のレベルで自分の罪を赦すことは他者の罪を赦すことにつながるのだ。そこには攻撃性の一かけらもなく、幻想を払拭する真実の光のみが充溢する。贖罪は真実のみを放ち、無害であり、恩恵に満ちている、というわけだ。



It could not do this if it arose from anything but perfect innocence. Innocence is wisdom because it is unaware of evil, and evil does not exist.
  • arose [əróuz] : 「arise の過去形」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
  • innocence [ínəs(ə)ns] : 「無罪、潔白」
  • wisdom [wízdəm] : 「賢明さ、英知、学問、知恵」
  • be unaware of : 「〜に気付いていない、〜を知らない」
  • evil [íːvl] : 「害悪、悪、弊害、邪悪」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "It could not do ~ "典型的な仮定法過去、現在の事実に反したことを仮定する、「もしも、贖罪が完全な無辜である状態以外から生まれたのであるならば、贖罪が真実を放ったり、無害であったり、恩恵を発っしたりすることはないであろう」。ここの"this"は前文のこと。"Innocence is ~ "「無辜であることは叡智である」"because it is unaware ~ "「なぜなら、無辜であるとは邪悪さを知らないし、邪悪さは存在しないからだ」。贖罪によって自分が無辜であると知った者は、実相的な真実、叡智(knowledge)を知った者である。罪も含め、邪悪さは幻想に過ぎず、存在さえしていないと悟った者のことだ。



It is, however, perfectly aware of everything that is true. The resurrection demonstrated that nothing can destroy truth.
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている、知っている」
  • resurrection [rèzərékʃən] : 「生き返り、よみがえり、蘇生、復活」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、行動で示す、明示する、実証する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する、ぶち壊す、破損する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "It is, however ~ "「無辜であることは、しかし、真実であることをすべて、完全に知っている」。"The resurrection ~ "「復活は、何ものも真実であることを破壊出来ないということを実証したのである」。自分の無辜性に覚醒した者は、叡智をもってすべての真実を知る。無辜とは神の属性であって、神の属性をすべて継承した神の子は、神の全知をも継承しているからだ。一方、イエスの復活は、幻想の肉体が破壊されても、永遠の命は決して破壊され得ないことを証明して見せた。幻想が実相を破壊することは出来ないのだ。ちょうど、夜見る夢の中で、たとえばあなたが誰かに殺されたとしても、目覚めれば、あなたはそれが単なる夢であったと知ることだけである。あなたの命は夢の死によって破壊されることはない。



Good can withstand any form of evil, as light abolishes forms of darkness. The Atonement is therefore the perfect lesson. It is the final demonstration that all the other lessons I taught are true.
  • good [gúd] : 「親切、善、美徳」
  • withstand [wiðstǽnd] : 「〜に抵抗する、逆らう、耐える、持ちこたえる」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
  • evil [íːvəl] : 「邪悪、不正、不道徳」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • abolish [əbɑ́li] : 「〜を廃止する、撤廃する、廃する」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
  • demonstration [dèmənstréiʃən] : 「証拠、証明、実演」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teachの過去・過去分詞形」
❖ "Good can withstand ~ "「善は、光がいかなる形の闇をもかき消してしまうように、どんな形の邪悪にも打ち勝つことが出来る」。実相は、いかなる幻想にも打ち勝つことが出来る。闇とは光のない状態のことであり、闇という実体が存在するわけではないのだ。光の欠如が闇である。したがって、闇は幻想であり、光が実相である。"The Atonement is ~ "「したがって、贖罪は完璧なレッスンである」。贖罪とは、罪という闇が存在しないことを知って、その事実を受け入れて、真実の光を当てて赦してしまうこと。なるほど、完璧なレッスンである。"It is the final ~ "「それは最終的にthat以下を実証してみせる」。"that all the other ~ "「私(イエス)が教えた他のレッスンがすべて真実である」ことを実証して見せる。"final demonstration"「最終的な実証」とは、レッスンの最終段階で学ぶもの、という意味合い。イエスは生前、いろいろな真実を教え、レッスンを指導してきたが、最終レッスンの贖罪を通して、そのすべてが真実であることが示される。なお、『イエスは生前』と書いてしまったが、イエスに死はないから、前文の、肉体的死の後の復活もレッスンに含めて考えていい。



If you can accept this one generalization now, there will be no need to learn from many smaller lessons. You are released from all errors if you believe this.
  • accept [əksépt] : 「受け入れる、承認する、認める、容認する」
  • generalization [dʒènərəlizéiʃən] : 「 一般化、汎化、総合、概括、総括 」
  • need [níːd] : 「必要、必要性」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる、〜を覚える、知る」
  • small [smɔ́ːl] : 「小さい、小規模の、つまらない、取るに足りない」
  • release [rilíːs] : 「〜を解放する、自由にする、放つ」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
❖ "If you can accept this ~ "直訳すると「今、あなたがこの唯一の総括を受け入れることが出来るなら、多くの小さなレッスンから学ぶ必要はなくなるであろう」。"this one generalization"「この唯一の総括」とは、イエスが生前教えたレッスンのすべてを総括する贖罪のこと。贖罪は完璧なレッスンであるから、これがマスター出来れば、その他の小さなレッスンは不要となる。"You are released ~ "「もし、あなたがこれを信じるなら、あなたはすべての誤りから解放される」。"all errors"「すべての誤り」とは、幻想を実在だと勘違いした誤りのすべて。たとえば、罪が存在していると思い込んだ誤り、神を裏切ったという勘違い、神から分離したという誤認識、等々。また、イエスの磔刑や、復活に対する誤った思い込みも含む。



8. The innocence of God is the true state of the mind of His Son. In this state your mind knows God, for God is not symbolic; He is Fact.
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • symbolic [simbɑ́lik] : 「象徴する、象徴となる、象徴の、象徴的な」
  • fact [fǽkt] : 「事実、真相、現実、実際」
❖ "The innocence of ~ "「神の無辜は、神の子の心の真実なる状態である」。神は神の子を神の延長上に創造した。神は無辜であるから、当然、神の子も無辜である。"In this state ~ "「この状態において、あなたの心は神を知る」"for God is not ~ "「なぜなら、神はシンボルではなく、事実だからである」。無辜なる心は、神をシンボルとして知覚するのではなく、神を事実として認識する。なぜなら、それが一番自然なことだからだ。真実はシンプルで自然なのだ。神は象徴でも偶像でもなく、極く自然な実在であり、実体である。



Knowing His Son as he is, you realize that the Atonement, not sacrifice, is the only appropriate gift for God's altar, where nothing except perfection belongs.
  • realize [ríːəlàiz] : 「悟る、自覚する、実感する、理解する、体得する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「生け贄、犠牲、犠牲的行為」
  • appropriate [əpróuprièit] : 「適した、適切な、適当な、妥当な、見合う」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、神からの贈り物、天賦の才」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • except [iksépt] : 「〜以外は、〜を除いては、〜を別にすれば、〜のほかは」
  • perfection [pərfékʃən] : 「完全、完璧、完成」
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
❖ "Knowing His Son ~  " 分詞構文、「神の子をありのままに知ったとき、あなたはthat以下を認識する」。"the Atonement, not ~ "「犠牲ではなく、贖罪こそが神の祭壇に唯一ふさわしい贈り物だと」と認識する。罪を贖うためにイエスを十字架上で犠牲にすることではなく、人間は神の子として生来無辜なのだと知ることこそが、神に捧げる贈り物にふさわしい。関係副詞whereを用いて祭壇を説明し、"where nothing except ~ "「その祭壇には完全なものしか属さない」。あなたの心の大半はエゴに支配されているが、心の奥底の最も神聖で純粋な部分に神の祭壇があって、そこにホーリー・スピリットが宿っている。この祭壇が、神へ通じる唯一のチャンネルであって、ホーリー・スピリットがあなたと神との媒介者である。あなたが贖罪によって自分の無辜性を知ったとき、その無辜性を神の祭壇に捧げる。ホーリー・スピリットは神にその事実を報告する。それが、神への贈り物であり、神の愛への返礼となる。その時、神の喜びは計り知れない。



The understanding of the innocent is truth. That is why their altars are truly radiant.
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、正確に」
  • radiant [réidiənt] : 「光を放つ、燦然とした、光り輝く、明るい」
❖ "The understanding ~ "「無辜を理解することは真実である」。無辜性を認識することは誤りなどではなく、実相的な真実である。"That is why ~ "「それが、神の祭壇が真実、光を放っている理由である」。真実は光を放つ。贖罪を通して知った無辜性は真実だから、神の祭壇に捧げたあなたの無辜性は光を放って祭壇を飾る。供物(くもつ)はいらない。線香も蝋燭(ろうそく)もいらない。花で飾る必要もない。あなたの清らかな心だけが神の祭壇にふさわしいのだ。
 
 
 



T-3.I.5:1 ~ T-3.I.6:7


5. I have been correctly referred to as "the lamb of God who taketh away the sins of the world," but those who represent the lamb as blood-stained do not understand the meaning of the symbol. 

    • correctly [kəréktli] : 「 正しく、正確に、正確に言えば 」
    • refer [rifə́ːr] to : 「〜に言及する、〜に注意を向ける」
    • lamb [lǽm] : 「子羊、柔和な人」
    • eth [-iθ] : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
    • taketh : 「takesの古いもの」
    • take away : 「取り去る、取り上げる、取り除く、撤去する」
    • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
    • those who : 「〜する人々」
    • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
    • blood-stained : 「: 血のついた、血染めの、血まみれの」
    • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
    ❖ "I have been correctly ~ "「私(イエス)は『世界の罪を取り除く、神の子羊』と正しく言われてきた」。イエスが磔刑によって犠牲にされることで、人間の原罪が贖(あがな)われたと言われてきたが、これはパウロの解釈。ここの"correctly"「正しく」とは、この解釈が正しい、という意味ではない。イエスが世界を罪から救うということが正しいのである。"but those who ~ "「しかし、子羊を血塗られたものとして描写する者はそのシンボルの意味を理解していない」。子羊を血塗られたものと描写することは誤知覚をしている証拠であり、子羊というシンボルを理解していない。子羊は、神の子の無辜性(むこせい)を象徴しているものだからだ。
    なお、"the lamb of God who taketh away the sins of the world"は、ヨハネの福音書1:29に出てくる。参考までにここに載せておこう。

    [John 1:29 from New American Standard Bible]
    The next day he saw Jesus coming to him and said, “Behold, the Lamb of God who takes away the sin of the world! “This is He on behalf of whom I said, ‘After me comes a Man who has a higher rank than I, for He existed before me.
    その翌日、ヨハネは、自分の方にイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の子羊だ。『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしより先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」(新共同訳)



    Correctly understood, it is a very simple symbol that speaks of my innocence. 
    • correctly [kəréktli] : 「正しく、正確に、正確に言えば」
    • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
    • simple [símpl] : 「簡素な、簡略した、易しい、難しくない」
    • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢、純潔、純真」
    ❖ "Correctly understood ~ "分詞構文、「正しく理解されれば」。"it is a very ~ "「それは、私の潔白さを物語る非常にシンプルな象徴である」。子羊というシンボルは、イエス(神の子)の潔白さ、無辜性をシンプルに象徴している。



    The lion and the lamb lying down together symbolize that strength and innocence are not in conflict, but naturally live in peace.
    • lamb [lǽm] : 「子羊」
    • lie down : 「横たわる、横になる」
    • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に、同時に」
    • symbolize [símbəlàiz] : 「〜を象徴する、記号で表す、〜の印である」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    • conflict [kάnflikt] : 「不一致、対立、衝突、葛藤」
    • in conflict : 「衝突して、戦って、紛争中で」
    • naturally [nǽtʃərəli] : 「当然ながら、もちろん、必然的に、自然に」
    ❖ "The lion and ~ "「一緒に横たわっているライオンと子羊は、that以下を象徴する」。"that strength and ~ "「力と無辜が衝突し合うことなく、平和のうちに、自然に暮らせるのだ」ということを象徴する。
    なお、"The lion and the lamb lying down together"という表現は、聖書には登場しない。イザヤ書11:6に、この光景を彷彿とさせる箇所があるので、参考までに載せておく。

    [Isaiah 11:6 from King James Bible]
    The wolf also shall dwell with the lamb, and the leopard shall lie down with the kid; and the calf and the young lion and the fatling together; and a little child shall lead them.
    狼は小羊と共に宿り、豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち、小さい子供がそれらを導く。(新共同訳)



    "Blessed are the pure in heart for they shall see God" is another way of saying the same thing. A pure mind knows the truth and this is its strength.
    • bless [blés] : 「〜を賛美する、あがめる、〜に感謝する、祝福する」
    • pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない、清潔な、純血の、清らかな」
    • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
    • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
    • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    ❖ "Blessed are the pure ~ "「心の清い者は祝福される」"for they shall ~ "「なぜなら、彼らは神を見るであろうから」。ここまでが主語となり、この言葉は"is another way of ~ "「同様のことを示す別の言い方である」。つまり、"The lion and the lamb lying down together"という言葉と同様の意味をもつ、ということ。一見、関係なさそうに見えるが、"A pure mind knows ~ "「清らかな心は真実を知っているし、これはその力でもある」。子羊がピュアーな心を、ライオンが真実のもつ力を象徴している。心の正しい者は子羊のように見えるだろうが、清い心ゆえに神に祝福された者であり、神の真実を知り得る者である。真実を知り得る者こそ、真実の力を手にすることが出来るのであって、まさに、ライオンのような強い力を身に付けることが出来るのだ。
    なお、"Blessed are the pure in heart for they shall see God" はマタイの福音書5:8に登場する。有名な山上の垂訓の一節である。少々長いが、ここに載せておく。

    [Matthew 5:1~5:12 from New American Standard Bible]
    When Jesus saw the crowds, He went up on the mountain; and after He sat down, His disciples came to Him. He opened His mouth and began to teach them, saying, “Blessed are the poor in spirit, for theirs is the kingdom of heaven.“Blessed are those who mourn, for they shall be comforted. “Blessed are the gentle, for they shall inherit the earth.“Blessed are those who hunger and thirst for righteousness, for they shall be satisfied.“Blessed are the merciful, for they shall receive mercy.“Blessed are the pure in heart, for they shall see God. “Blessed are the peacemakers, for they shall be called sons of God.“Blessed are those who have been persecuted for the sake of righteousness, for theirs is the kingdom of heaven.“Blessed are you when people insult you and persecute you, and falsely say all kinds of evil against you because of Me. “Rejoice and be glad, for your reward in heaven is great; for in the same way they persecuted the prophets who were before you.
    イエスは群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。そこで、イエスは口を開き、教えられた。「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。柔和な人たちは、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。義に飢え渇く人々は、幸いである、その人たちは満たされる。憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。」(新共同訳)



    It does not confuse destruction with innocence because it associates innocence with strength, not with weakness.
    • confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、混同させる、乱す、困惑させる」
    • confuse A with B : 「AとBをはき違える、AとBを混同する」
    • destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
    • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢、純潔、純真 」
    • associate [əsóuʃièit] : 「〜と結び付ける、結び付けて考える、関連付ける」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、脆弱性、衰弱」
    ❖ "It does not confuse ~ "「清らかな心は破壊と無辜を混同することはない」。ここの"It"は"the pure mind"「清らかな心」のこと。無辜であること(罪がないこと)はもろく壊れやすいように思われ、攻撃されるとすぐに破壊されそうだが、そうではない。清い心は無辜と破壊を混同しない。"because it associates ~ "「なぜなら、清い心は無辜であることを力と結びつけて考えるが、決して弱さと結びつけて考えることはないからだ」。無防備であることが、力を生み出すのだ。
    ここまで来れば理解出来るだろうが、一緒に横たわるライオンと子羊は、食うものと食われるものが平和に共存する理想的な姿を表しているという一般的な解釈は妥当ではない。力を象徴するライオンと無辜なる心を象徴する子羊が共存出来ること、つまり、力と無辜は矛盾しない、同一である、という教えである。力愛不二。



    6. Innocence is incapable of sacrificing anything, because the innocent mind has everything and strives only to protect its wholeness.
    • be incapable [inkéipəbl] of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
    • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、生け贄にする 」
    • strive [stráiv] : 「努力する、努める、真剣に努力する」
    • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
    • wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、完全であること」
    ❖ "Innocence is incapable ~ "「無辜なるものは、何ものも犠牲にすることは出来ない」。"because the innocent ~ "「なぜならば、無辜なる心はすべてを持っているし、その完全性を守るためだけに努力するからである」。無辜なる心はすべてを持っているから欠けたところはない。それが"wholeness"「完全性、全体性」である。神の子が神から分離する以前は、神の子に罪の意識はなかった。完全な無辜の状態であった。なぜなら、神は神の子を完全な存在として、神の延長上に創造したからだ。不足もなく、欠けるところもない者が、いったい何を求めて犠牲にする必要があるだろうか? 



    It cannot project. It can only honor other minds, because honor is the natural greeting of the truly loved to others who are like them.
    • project [prɑ́dʒekt] : 「〜を投影する、発射する」
    • honor [άnər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する」
    • honor [άnər] : 「敬意、光栄、高潔、誠実、正直さ」
    • natural [nǽtʃərəl] : 「普通の、ありのままの、自然な」
    • greeting [gríːtiŋ]: 「あいさつ、会釈 」
    • truly [trúːli] : 「心から、誠実に、正直に、本当に、真に」
    ❖ "It cannot ~ "「それは投射することが出来ない」。清き心は自分の責任を他者に押しつけることがない。罪の意識がないから、罪の原因を他者に探すこともない。自分の復讐心を隠し、神の名を借りて、他者を犠牲にしようなどと思うこともない。結果、無辜なる心は投射しないし、出来もしない。"It can only honor ~ "「それは他者の心を尊敬することが出来るだけだ」。"because honor ~ "「なぜなら、敬意を払うとは、真に愛されている者が自分と似た他者に対して送る自然な挨拶なのだから」。真に愛されている者とは、神に愛されている者のこと。自分と似た他者とは、同じように神に愛されている者のこと。つまり、共に神の子だということである。神の子として自他一如。



    The lamb "taketh away the sins of the world" in the sense that the state of innocence, or grace, is one in which the meaning of the Atonement is perfectly apparent.
    • take away : 「奪い去る、連れ去る、持ち去る」
    • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
    • in the sense that : 「(that 以下)という意味では」
    • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
    • grace [gréis] : 「恩寵、神の愛、恩恵、品のよさ、優雅、優美」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
    • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
    • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な、はっきり見える」
    ❖ "The lamb "taketh away ~ "「〜という意味において、子羊は『世界の罪を取り除く』」。"in the sense that ~ "「that以下の意味において」。"that the state of ~ "「無辜である状態、あるいは、神の恩寵を受けている状態は、贖罪の意味が完全に明白な状態である」という意味において、子羊は『世界の罪を取り除く』。自分の無意識に存在する罪から解放されることが贖罪。その意味が明白になる心の状態が清き心。すべての心(mind)が贖罪によってその罪から解放され、清き心になるとき、世界は同時に罪から解放される。つまり、神の子は神を裏切って神から分離し、裏切りという罪の意識をもってしまったのだが、実はそれは夢の中の出来事であった。罪は幻想に過ぎないと認識し、それを受け入れて赦せば、幻想の罪の意識は消滅する。それが、罪を滅ぼすことであり、贖罪である。こういう贖罪の意味を明白に知って、贖罪を果した心が清き心であり、無辜なる心である。子羊とは、無辜なる心をもっている者のことであり、世界の罪もまた幻想に過ぎないと赦し、幻想の罪を消滅させるのである。かくして、子羊は『世界の罪を取り除く』のだ。



    The Atonement is entirely unambiguous. It is perfectly clear because it exists in light. Only the attempts to shroud it in darkness have made it inaccessible to those who do not choose to see.
    • entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
    • unambiguous [ʌnæmbígjuəs] : 「曖昧でない、疑わしくない、明白な」
    • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
    • clear [klíər] : 「澄んだ、きれいな、汚れていない、明快な」
    • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
    • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
    • shroud [ʃráud] : 「覆う、包む 」
    • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
    • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
    • inaccessible [ìnəksésəbl] : 「 手の届かない、近づき難い、アクセスできない」
    • those who : 「〜する人々」
    • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
    ❖ "The Atonement is ~ "「贖罪は完全に明白である」。"It is perfectly clear ~ "「それは光の内にあるから、まったく明らかである」。幻想が払拭され真実の光に満たされた中にあるから、贖罪の本当の意味が明白になる。"Only the attempts ~ "「暗闇の中に贖罪を覆い隠してしまう試みは、贖罪を、見ることを選択しない人々にとってアクセス出来ないものとしてしまった」。贖罪の本当の意味を幻想の闇の中に隠してしまったので、真実を見ようとしない人達にとっては、本当の贖罪によって罪から救われることが手の届かないものとなってしまった。
    たとえば、神が独り子イエスを犠牲にすることによって、人間全体の贖罪が果されたのだ、などと信じて、幻想(投影)の闇の中に贖罪の実相的な意味を隠してしまえば、真実を見ようとしない限り、その人の本当の贖罪は果されない。真実から目を逸(そ)らしている限り、罪の意識からの救いは手の届かないものになってしまう。また、たとえば、食うもの(ライオン)と食われるもの(子羊)が共存する世界こそが平和の姿なのだと幻想を抱く者は、力と愛が、あるいは力と無辜とが同一であることを知り得ない。結果、自己の弱さから解放は手の届かないものとなる。闇の中で心はいつまでも濁り、清い心、無辜なる心もまた、手の届かないものとなる。
     
     
     



    T-3.I.3:1 ~ T-3.I.4:7


    3. The statement "Vengeance is mine, sayeth the Lord" is a misperception by which one assigns his own "evil" past to God. The "evil" past has nothing to do with God.

    • statement [stéitmənt] : 「陳述、述べたこと、発言、供述、記述」
    • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
    • mine [máin] : 「私のもの」
    • eth : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
    • sayeth :「saysの古い形」
    • lord [lɔ́ːrd] : 「神」
    • misperception [mìspərsépʃən] : 「誤解、誤った知覚」
    • assign [əsáin] : 「〜を割り当てる、指定する、任命する、与える」
    • assign A to B : 「AをBに割り当てる、AをBの発明だとする」
    • evil [íːvl] : 「悪い、害を与える、邪悪な」
    • past [pǽst] : 「過去、昔、過ぎたこと、過去のこと」
    • have nothing to do with : 「〜と関係がない」
    ❖ "The statement ~ "「『主曰く、復讐するは我にあり』という発言は、ある者が自分の『邪悪な』過去を神に押し付けようとした誤認識である」。ある者が過去に抱いた邪悪な思い、たとえば、憎悪などを正当化しようとして、他者に復讐したい気持ちを抑えられずに、神の名を借りて、勝手に作り出した言葉が『主曰く、復讐するは我にあり』である。"The "evil" past ~ "「『邪悪な』過去など、神と一切関係がない」。神は幻想と一切の関わりをもたない。邪悪な過去は邪悪な幻想であり、神とは完全に無関係である。そもそも、完全な愛である神に、復讐という概念はない。憎悪という概念も、罰するという概念も、神は持ち合わせてはいない。
    この文章の"past"「過去」は、"Vengeance is mine"が書かれた時代、つまり、旧約聖書(申命記)の時代、という意味が込められている。
    なお、新約聖書においては、"Vengeance is mine"という記述は、パウロによって書かれた『ヘブライ人への手紙』10:30と『ローマの信徒への手紙』12:19に出てくる。参考までに載せておく。

    [Hebrews 10:30~31 from New American Standard Bible]
    For we know Him who said, “VENGEANCE IS MINE, I WILL REPAY.” And again, “THE LORD WILL JUDGE HIS PEOPLE.” It is a terrifying thing to fall into the hands of the living God.
    「復讐は私のすること、私が報復する」と言い、また、「主はその民を裁かれる」と言われた方を、わたしたちは知っています。生ける神の手に落ちるのは、恐ろしいことであります。(新共同訳)

    [Romans 12:19 from King James Bible]
    Dearly beloved, avenge not yourselves, but rather give place unto wrath: for it is written, Vengeance is mine; I will repay, saith the Lord.
    愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。(新共同訳)

    また、パウロがこの言葉をどこから引用したかというと、『申命記』32:35にその記述がある。参考までに載せておく。

    [Deuteronomy 32:35 from New American Standard Bible]
    Vengeance is Mine, and retribution, In due time their foot will slip; For the day of their calamity is near, And the impending things are hastening upon them.
    私が報復し、報いをする。彼らの足がよろめく時まで。彼らの災いの日は近い。彼らの終わりの日は速やかに来る。(新共同訳)



    He did not create it and He does not maintain it. God does not believe in retribution. His Mind does not create that way. He does not hold your "evil" deeds against you.
    • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
    • maintain [meintéin] : 「支える、支持する、〜を保持する、〜と主張する」
    • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
    • retribution [rètrəbjúːʃən] : 「 懲罰、報い、天罰、仕返し、処分、報復」
    • that way : 「そのように、あのように、あんなふうに、そんなふうに」
    • hold A against B : 「AのことでBを責める」
    • deed [díːd] : 「行為、行い、行動」
    ❖ "He did not create ~ "「神はそんな発言を造り出しもしなかったし、主張もしていない」。"create it"のitは"Vengeance is mine"という発言のこと。"God does not ~ "「神は報復など信じていない」。"His Mind does not ~ "「神の心はそのように創造はしない」。神は、報復や復讐など、そんなことは思いもよらない。"He does not hold ~ "「神は、あなたの邪悪な行いをもち出して、あなたを責めるようなことはしない」。"your evil deeds"は"your evil past"と同じ。



    Is it likely that He would hold them against me? Be very sure that you recognize how utterly impossible this assumption is, and how entirely it arises from projection.
    • likely [láikli] :「ありそうな、あり得る、〜しそうな」
    • sure [ʃúər] :「確信して、確信している、固く信じている」
    • recognize [rékəgnàiz] :「〜を認める、認識する、認知する、承認する」
    • utterly [ʌ́tərli] :「全く、完全に、徹底的に」
    • impossible [impɑ́səbl] :「不可能な、とてもあり得ない、できない」
    • assumption [əsʌ́mpʃən] :「想定、仮定、前提、仮説、条件」
    • entirely [entáiərli] :「全く、完全に、全体に、ひたすら」
    • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
    • projection [prədʒékʃən] : 「投影、射影、投射、映写」
    ❖ "Is it likely that ~ "「神が、いまわしい過去をもち出して、私を責めるようなことがあり得るだろうか」。ここの"them"は邪悪な過去。つまり、人間が犯した罪を理由に、イエスを贖罪のために犠牲にすることなどあり得ない、ということ。"Be very sure that ~ "「あなたが〜を認識していることを固く確信しなさい」。"how utterly impossible ~ "「この想定がどんなにかまったく不可能であるか、また、その想定がいかにもまったく投影から生じたものか」、それを認識していることを固く確信しなさい。"this assumption"は「神が復讐すること」。自分の心にある復讐心を認めることが恐ろしくて、復讐心を他の者の責任に転嫁することが投影。『主曰く、復讐するは我にあり』という想定は、選(よ)りに選ってその責任を神に転嫁したというわけである。



    This kind of error is responsible for a host of related errors, including the belief that God rejected Adam and forced him out of the Garden of Eden.
    • this kind of : 「この種の、こういう種類の」
    • error [érər] : 「誤り、間違い」
    • responsible [rispɑ́nsəbl] : 「責任がある、責任を負うべき、責任を伴う」
    • a host of : 「たくさんの、多くの、多数の」
    • related [riléitid] : 「 関係のある、関連した」
    • include[inklúːd] :「〜を含める、〜を含有する、包含する」
    • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
    • reject [ridʒékt] :「排斥する、拒絶する、拒否する、拒む」
    • force [fɔ́ːrs] : 「〜を強要する、強いる、無理にさせる」
    • the Garden of Eden : 「エデンの園」
    ❖ "This kind of error ~ "「この種の過ちは、多くの関連する過ちに対して責任がある」。この種の過ち、すなわち、神が復讐すると考える過ちは、関連する似たような過ちをいっぱい生み出している、ということ。" including the belief ~ "分詞構文、「そして、that以下を信じることも含んでいる」。"that God rejected Adam ~ "「神はアダムを拒絶してエデンの園から彼を追放した」ということを信じてしまうことも含む。つまり、神がアダムに復讐したという誤った考えが造られた、ということ。
    余談にあるが、なぜここで、Adamとだけ書いてEveの名は書かなかったのだろう? 創世記によれば、神はAdamを深い眠りに陥らせ、Adamの肋骨を1本抜き取ってEveを創造したことになっている。私見に過ぎないが、神の子の深い眠りはこの時点で始まっている。神の子は深い眠りに陥り、自らを分離してEveを作る夢を見た。その後のエデンの園における逸話、ヘビの唆(そそのか)しにのって善悪の知識の木の実を食べたことも、神の怒りに触れてエデンの園を追放されたことも、すべて、Adamの見た夢に過ぎない。エデンの園の追放は神との分離を象徴し、Eveの創造は神の子の分離を象徴する逸話である。



    It is also why you may believe from time to time that I am misdirecting you. I have made every effort to use words that are almost impossible to distort, but it is always possible to twist symbols around if you wish.
    • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また、〜もやはり」
    • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
    • from time to time : 「時々、折々」
    • misdirect [misdirékt] : 「誤って教える、誤った指導をする」
    • effort [éfərt] : 「尽力、努力、試み、取り組み」
    • make every effort to : 「〜するためにあらゆる努力をする」
    • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分通り、大体」
    • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
    • distort [distɔ́ːrt] : 「歪める、誤り伝える、歪曲する」
    • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
    • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る、なし得る」
    • twist [twíst] : 「歪める、ひずませる」
    • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
    • wish [wíʃ] : 「望む、願う」
    ❖ "It is also why ~ "「それは、また、なぜ、あなたは時折that以下を信じてしまうのかという理由である」。"that I am ~ "「私(イエス)があなたに誤った指導をする」と信じてしまう理由である。"I have made ~ "「私は、歪めることがほとんど出来ないような言葉を使おうと、あらゆる努力をしてきた」。"but it is always ~ "「しかし、あなたが望むなら、シンボルを歪めることはいつでも可能である」。ここでの"symbols"は、イエスの"words"と考えてよい。旧約聖書における神の属性の歪曲同様、新約聖書におけるイエスの言動にも、多くの誤解が含まれている。新約聖書はイエス物語であり、すべてを史実と捉えてはいけない。福音書作者が、乏(とぼ)しい史実を題材に、自分流の物語を創作したものである。イエスの伝えたかった真意、そのための言葉が、福音書作者の恣意によって歪められてしまったのだ。さらに、聖書の書写を通して、無数の改竄(かいざん)がなされた。これは悲劇を通り越して、ほとんど喜劇である。水戸黄門のテレビドラマを見て、これは本当の出来事だと主張する人がいたら、あなたはどう思うか?
    翻訳自体も、ある適度の改竄と考えていい。だからこそ、ACIMを原書で読む価値がある。幸いなことにACIMには原書が残っている。その原書という原点に戻ってイエスの言葉を吟味出来ることは幸運である。しかし、実はこのACIMですら、編集という名のもとに、多くの改竄がなされてきたことは知っておくべきだろう。ACIMのスタンダード版は、理由はともかく、原典Urtextの最初の5章分のほとんどが削除されている。



    4. Sacrifice is a notion totally unknown to God. It arises solely from fear, and frightened people can be vicious.
    • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「生け贄、犠牲、犠牲的行為」
    • notion [nóuʃən] : 「意見、考え、観念」
    • totally [tóutəli] : 「全体的に、全体として、すっかり、何から何まで」
    • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の、不明の」
    • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
    • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ、単に」
    • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
    • frightened [fráitnd] : 「脅えた、怖がって、驚いた」
    • vicious [víʃəs] : 「意地の悪い、悪意のある、卑劣な、凶暴な」
    ❖ "Sacrifice is a notion ~ "「犠牲とは、完全に神の知ることのない概念である」。神の辞書に犠牲という文字はない。"It arises solely ~ "「犠牲という概念は、ただ恐れからのみ発生したものであり、」"and frightened people ~ "「恐れを抱く人々は悪意のある存在となり得る」。悪意のある人間の多くは、心に恐れを抱いており、その恐れが凶暴な行動を誘発する。神が犠牲や罰を人間に強(し)いる存在なら、神は何かを恐れているはずである。しかし、神は何も恐れてはいない。だから、犠牲や罰を強いることなど決してない。



    Sacrificing in any way is a violation of my injunction that you should be merciful even as your Father in Heaven is merciful.
    • in any way : 「何らか、多少なりとも、決して、形はどうあれ」
    • violation [vàiəléiʃən] : 「違反、妨害、侵害、暴行」
    • injunction [injunction] : 「禁止命令、差し止め命令、強制命令」
    • merciful [mə́ːrsifl] : 「慈悲深い、情け深い、情けのある、寛大な」
    • even as : 「〜と同時に、〜とともに、〜にもかかわらず」
    • heaven [hévən] : 「天国、神、天」
    ❖ "Sacrificing in any ~ "「犠牲を強いる行為は、いかなる形であれ、私の〜という強い願いを台無しにするものである」。接続詞thatを用いて、"that you should ~ "「天の王国の神が慈悲深いように、同時にあなたも慈悲深くあらねばならない」という強い願い。"injunction"「禁止命令」を、ここではイエスの強い願い、と訳してみた。慈悲深くあって欲しいと願うイエスの気持ちである。犠牲は、どの角度から見ても、慈悲のかけらすら見えない。



    It has been hard for many Christians to realize that this applies to themselves. Good teachers never terrorize their students.
    • hard [hάːrd] : 「難しい、困難な、つらい」
    • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
    • apply [əplái] : 「〜を…に適用する、応用する、当てはめる」
    • terrorize [térəràiz] : 「怖がらせる、おびえさせる、恐れさせる」
    ❖ "It has been ~ "「that以下を自覚することは多くのキリスト教徒にとって難しいことである」。"that this applies ~ "「このことが自分自身に当てはまる」ということを自覚することは多くのキリスト教徒にとって難しい。このこととは、犠牲を強いることがイエスの慈悲深くあって欲しいという願いにまったく反していること。過去の正統派キリスト教が、神の名を借りてどんなに多くの残虐なことを行ってきたか、歴史を見ればすぐわかる。その根っこは今は微塵(みじん)も残されていないと誰が言えよう。"Good teachers ~ "「良き師は彼らの教え子を決して脅えさせたりしない」。真実に導く指導者は、決して犠牲や罰などを持ち出して教え子に恐れを植え付けるようなことはしない。



    To terrorize is to attack, and this results in rejection of what the teacher offers. The result is learning failure.
    • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
    • result [rizʌ́lt] in : 「〜に終わる、〜に帰着する、〜に結実する 」
    • rejection [ridʒékʃən] : 「拒絶、断ること、拒否、棄却」
    • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する、〜を勧める」
    • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
    • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
    • failure [féiljər] : 「失敗、不成功」
    ❖ "To terrorize is ~ "「怖がらせることは攻撃することである」。"and this results ~ "「そして、これは、師が差し出すものの拒絶につながる」。"The result is ~ "「その結果は学びの失敗である」。神(あるいはホーリー・スピリット)は、あなたを真実に導く師である。あなたに恐怖心を植え付けるようなことをしたら、それは、神による教えと学びの失敗にほかならない。神が失敗する可能性があるだろうか? 
     
     
     



    T-3.I.2:1 ~ T-3.I.2:11

    2. The best defense, as always, is not to attack another's position, but rather to protect the truth. 
    • defense [diféns] : 「防衛、防御,弁護、擁護」
    • as always : 「いつものように」
    • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
    • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つのもの、もう一人、別の人」
    • position [pəzíʃən] : 「立場、位置、地位、身分」
    • rather [rǽðər] : 「それどころか、もっと正確に言えば、正しくは」
    • protect [prətékt] : 「保護する、守る、かばう」
    • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
    ❖ "The best defense ~ "「最もよい防御は、いつでもそうなのだが、相手の立場を攻撃することではなく、真実を守ることである」。"not ~ but ~"の構文。



    It is unwise to accept any concept if you have to invert a whole frame of reference in order to justify it.
    • unwise [ʌnwáiz] : 「思慮が足りない、分別がない、愚かな、知恵がない」
    • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
    • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方、構想、基本的な方向」
    • invert [invə́ːrt] : 「逆さにする、反対にする、反転させる」
    • whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない」
    • frame of reference [réfərəns] : 「 関係枠、基準系、準拠枠、視点」
    • in order to: 「〜するために、〜する手段として 」
    • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正しいとする、弁明する、正当化する」
    ❖ "It is unwise to accept ~ "「もし、あなたが、ある概念を正当化するために、考え全体の基準系を逆転させる必要があるなら、どんな概念をも受け入れるのは賢明でない」。考え全体の基準系を逆転させてまで、ある概念を受け入れる必要はない、それは賢明でない、ということ。真実を守ることが大切なのであって、自己正当化のために真実の基準系を逆転させてはいけない。簡単に言えば、主義、思想、信仰の正当化のために、真実をねじ曲げてはいけない、ということ。



    This procedure is painful in its minor applications and genuinely tragic on a wider scale.
    • procedure [prəsíːdʒər] : 「手順、手続き、手段、処置、やり方、行為」
    • painful [péinfl] : 「痛い、苦しい、苦痛の、悲痛な」
    • minor [máinər] : 「重要でない、より小さい、大したことのない」
    • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
    • genuinely [dʒénjuinli] : 「誠実に、純粋に、真に、正真正銘」
    • tragic [trǽdʒik] : 「悲劇の、悲惨な、痛ましい、悲劇的な」
    • wide [wáid] : 「広い、広範な、幅が広い、幅広の」
    • scale [skéil] : 「目盛り、定規、物差し、尺度、基準」
    ❖ "This procedure is ~ "「このようなやり方は、ちょっとした応用でも苦痛であるし、より大きなスケールにおいてはまさに悲劇的である」。"This procedure"とは「考え全体の基準系を逆転させてまで、ある概念を受け入れること」。既存の主義、思想、信仰を正当化しようと、あなたが感じる真実を180度ねじ曲げてしまうことは、小さな真実に対してさえ苦痛を伴うが、より大きなスケールでは悲劇的でさえある。



    Persecution frequently results in an attempt to "justify" the terrible misperception that God Himself persecuted His Own Son on behalf of salvation. The very words are meaningless.
    • persecution [pə̀ːrsikjúːʃən] : 「迫害、虐待」
    • frequently [fríːkwəntli] : 「しばしば、頻繁に、たびたび」
    • result[rizʌ́lt] in :「〜に終わる、〜に帰着する、〜に結実する 」
    • attempt [ətémpt] : 「試み、企て、計画」
    • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」
    • terrible [térəbl] : 「ひどい、過酷な、恐ろしい」
    • misperception [mìspərsépʃən] : 「誤解、誤った知覚」
    • persecute [pə́ːrsikjùːt] : 「〜を迫害する、〜を苦しめる」
    • on behalf of : 「〜に代わって、〜のために、〜の利益になるように」
    • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
    • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
    ❖ "Persecution frequently ~ "「しばしば迫害は、神自らが救済を名目に独り子を迫害したというひどく誤った認識を『正当化』する試みに帰着する」。ここは主語と述語部分を逆にして、神が神の子すべての救済のためにイエス一人だけを犠牲にしたという誤った考えを正当化するために、しばしば迫害が起こった、ということ。信仰を正当化しようとして、大きなスケールの悲劇的な迫害が行われたのだ。"The very words ~ "「言葉自体がまさに意味がない」。"persecution"「迫害」と"salvation"「救い」とが直結しているわけで、矛盾語法的であり、意味がない、ということ。神が、救いのために迫害したなどという論法は、言葉自体が矛盾して意味がない、ということ。



    It has been particularly difficult to overcome this because, although the error itself is no harder to correct than any other, many have been unwilling to give it up in view of its prominent value as a defense.
    • particularly [pərtíkjulərli] : 「特別に、とりわけ、かなりの程度、非常に」
    • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
    • overcome [òuvərkʌ́m] : 「克服する、乗り越える、打開する、打ち勝つ」
    • although [ɔːlðóu] : 「〜ではあるが、〜だけれども」
    • error [érər] : 「誤り、間違い」
    • hard [hάːrd] : 「難しい、困難な、つらい」
    • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
    • unwilling [ʌnwíliŋ] : 「気が進まない、不本意の、嫌がる」
    • be unwilling to : 「〜することに気が進まない、〜することを嫌がる」
    • give up : 「あきらめる、中止する、見切りをつける」
    • in view of : 「〜を考慮して、〜が見えるところに」
    • prominent [prɑ́minənt] : 「突出した、目立った、顕著な」
    • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
    • defense [diféns] : 「防衛、防御,弁護、擁護」
    ❖ "It has been ~ "「これを克服することはとりわけ困難である」。"It ~ to do ~ "の構文。"this"は前文の、誤った考えを正当化するために真実をねじ曲げ、迫害すら辞さないこと。"because, although ~ "「なぜならば、誤り自体は、他に比べて修正が困難だというのではないが、多くの人がその誤った認識を諦めようとしないからだ」。誤りを修正することはさほど難しくはないが、誤りを認めることが困難なのだ。"in view of its ~ "直訳すると「それの、防御としての突出した価値を考慮すると、」多くの人がその誤った認識を諦めようとしないからだ。つまり、その誤認識を、防御として価値があると考えて、なかなか捨てようとしない、ということ。イエスが神の子全体の罪を背負って磔刑に処せられたのだから、神の意図通り、自分の罪は許されたはずだと考え、自己防御の価値を捨てることが出来ないのだ。
    ところが、これでは余りにも虫が良過ぎるだろうと考えたのか、『最後の審判』という概念を作り出し、イエスが神の子の罪を背負って犠牲になったにも関わらず、お前の罪は最後には審判にかけられて、地獄行きに処せられるかもしれないぞ、と脅すわけだ。宗教家が昔から使う飴とムチの論である。仏の慈悲を謳いながら、地獄の恐怖を吹き込むのも同様。



    In milder forms a parent says, "This hurts me more than it hurts you," and feels exonerated in beating a child. Can you believe our Father really thinks this way?
    • mild [máild] : 「温和な、温暖な、優しい、穏やかな、軽い」
    • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
    • parent [péərənt] : 「 親、両親」
    • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
    • more than + (節) : 「〜以上に、十二分に」
    • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
    • exonerate [igzɑ́nərèit] : 「〜の容疑を晴らす、〜の潔白を証明する、解放する」
    • beat [bíːt] : 「打つ、たたく、殴る、殴打する」
    • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
    • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
    • this way : 「このように」
    ❖ "In milder forms ~ "「より軽い形ではあるが、親は(子に次のように)言う」"This hurts me ~ "「おまえも痛いだろうが、こっちはもっと(心が)痛む」と。"and feels exonerated ~ "「そう言うことで、子供を叩くという罪悪感から解放されると感じる」。"Can you believe ~ "「私たちの父なる神が本当にこれと同じ様に考えると、あなたは信じられるであろうか」。



    It is so essential that all such thinking be dispelled that we must be sure that nothing of this kind remains in your mind.
    • essential [isénʃəl] : 「必須の、最も重要な、肝心な、本質の」
    • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払いのける、追い散らす」
    • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な、確固とした」
    • kind [káind] : 「種類」
    • remain [riméin] : 「残る、残存する」
    ❖ "It is so essential ~ "「そのような考えはすべて払拭されるべきだということは絶対必要であるから、」ここの"thinking be"の間に、省略された"should"を補うといい、"that we must be ~ "このthatは"so ~ that ~ "構文のthat、「この種のことはすべてあなたの心の中に残らないことを、私たちは確信しなくてはいけない」。愛を語るフリをして暴力を振るうとか、愛のために犠牲を強いるとか、そういった考えは払拭される必要があり、どんな種類のものであっても、そんな考えは心に残しておいてはいけない。いかなる種類の犠牲も真実ではない。真実ではないから幻想であり、特に自己を正当化するような幻想は心に隠し持っていてはいけない。



    I was not "punished" because you were bad. The wholly benign lesson the Atonement teaches is lost if it is tainted with this kind of distortion in any form.
    • punish [pʌ́niʃ] : 「〜を罰する、〜を懲らしめる」
    • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
    • benign [bənáin] : 「良性の、親切な、害のない、恵み深い、優しい」
    • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
    • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する、学ばせる、悟らせる」
    • lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
    • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
    • taint [téint] : 「〜を損なう、傷つける、悪化させる」
    • distortion [distɔ́ːrʃən] : 「ゆがみ、ねじれ、歪曲、ねじ曲げ」
    • in any form : 「いかなる種類のものであれ」
    ❖ "I was not ~ "「私(イエス)はあなたが悪いから『罰せられた』のではない」。イエスが十字架に架けられて殺されたのは、私たち人間の原罪を贖(あがな)うためだと信じられているが、そうではないとイエスは断言する。原罪は、もちろん、アダムとイブの神への裏切りに由来する。ACIMにおいては、楽園追放は、神からの分離を象徴する神話として語られている。"The wholly benign ~ "「もし贖罪が、いかなる形であっても、この種の歪曲によって損なわれたとしたら、贖罪が教える完全に恵み深いレッスンは失われてしまう」。ACIMでは、贖罪は命への扉である。その意味で、贖罪は恵み深いレッスンである。しかし、贖罪が、神への裏切りの罪を贖(あがな)うものであると曲解されたなら、贖罪のもつ恵み深さは失われてしまう。イエスの磔刑を曲解すれば、命の復活を教える贖罪の意味は失われる。
    くどくなるが、ここでもう一度ACIMの贖罪について話しておこう。贖罪とは、罪を贖(あがな)うこと、罪を償(つぐ)うことなのだが、ACIMでは、贖罪は罪を認めて許しを得る行為ではない。罪の存在を認めることは罪を現実化してしまうことであり、罪の消滅には繋がらないのだ。そうではなく、神を裏切った罪は、実は夢の中の出来事であって、それは幻想に過ぎないと認識し、その罪の幻想性を受け入れて受け流し、赦してしまうことなのである。赦しによって幻想は消滅し、したがって、幻想の罪も同時に消える。贖罪とは、まさに罪滅ぼし、罪を滅ぼすことなのである。
    したがって、ACIMの赦しとは、他者の悪行や罪を許すことではない。他者の悪行や罪もまた幻想なのだと認識して受け入れ、消滅させることである。しかし誤解してはいけない、ACIMは、あなたが他者から攻撃されたら、それも幻想なのだから、黙って攻撃されるに任せよ、などとは一言も言ってはいない。極端な話し、ヒトラーやスターリン、毛沢東、等々の残虐極まりない行為を黙認せよ、などとは言っていない。そうではなく、あなたの思考システムを変えよ、と言っているだけなのだ。夢を現実と錯覚してしまう思考、幻想を実相と取り違える思考を、その根本から変えよ、と教えているだけである。そこに赦しと贖罪の奇跡(真実の現実化)が生れるのである。
     
     
     



    T-3.I.1:1 ~ T-3.I.1:9

    Text - Chapter 3



    The Innocent Perception
    罪なき知覚



    I. Atonement without Sacrifice
    犠牲を伴わない贖罪



    1. A further point must be perfectly clear before any residual fear still associated with miracles can disappear. 
    • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお、さらに深く」
    • point [pɔ́int] : 「要点、核心、真意、効用、利益」
    • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
    • clear [klíər] : 「澄んだ、きれいな、汚れていない、明快な」
    • residual [rizídʒuəl] : 「残りの、残余の、剰余の」
    • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
    • associate [əsóuʃièit] with : 「〜と付き合う、〜を連想する」
    • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する」
    ❖ "A further point ~ "「〜の前に、さらなる点を完全に明らかにしなくてはならない」。"before any residual ~ "「いまだに奇跡に関して抱く恐れの残りが消滅してしまう前に」。恐れを消滅させるにはもう一点を明確にしなければならない。ここでの"associated"は過去分詞で、形容詞と同じ働きをする。意味は受動的となる。



    The crucifixion did not establish the Atonement; the resurrection did.
    • crucifixion [kuːsəfíkʃən] : 「はりつけ、キリストの十字架、磔刑」
    • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
    • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
    • resurrection [rèzərékʃən] : 「生き返り、よみがえり、蘇生、復活」
    ❖ "The crucifixion ~ "「キリストの磔刑が贖罪を確立したのではなく、復活が贖罪を確立したのだ」。キリスト教徒(あるいはパウロ信奉者)が一般に信じていることとは大分異なる思想である。前段落で、贖罪は命のヒーリングであると述べられている。イエスの磔刑による死が神の子の命を救うのではなく、イエスが復活したことが命の永遠性を示しているのだ。
    ところで、キリスト教徒の多くは、イエスの肉体自体が復活したと信じており、イエスが霊的な存在として、つまり、肉体を離れて、霊的に復活したとは信じていない。個人の信仰に異を唱えるつもりはないが、ACIMの基本理念は、肉体は幻想である、ということだ。それを踏まえれば、イエスがわざわざ幻想に過ぎない肉体を再びまとって生き返るとは考えにくい。



    Many sincere Christians have misunderstood this. No one who is free of the belief in scarcity could possibly make this mistake.
    • sincere [sinsíər] : 「誠実な、正直な」
    • Christian [krístʃən] : 「キリスト教徒」
    • misunderstood : 「misunderstand の過去・過去分詞形」
    • misunderstand [mìsʌ̀ndərstǽnd] : 「誤解する、取り違える」
    • be free of : 「(負担などが)ない、(税金などを)免除されている」
    • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
    • scarcity [skέərsəti] : 「不足、欠乏」
    • possibly [pɑ́səbli] : 「もしかすると、場合により、たぶん、あるいは」
    • mistake [mistéik] : 「ミス、誤り、過ち、思い違い、誤解」
    ❖ "Many sincere Christians ~ "「多くの敬虔なキリスト教徒はこのことを誤解してきた」。"No one who is free ~ " 非常に解釈に苦しむ箇所である。直訳すると「不足を信じることのない者は誰でも、たぶんこのような誤解をしないであろう」。この不足(scarcity)とは何か? 金銭や食べ物の不足ではあるまい。精神的な欠如感、愛の欠如感、そういったものととらえるべきだろう。簡単に言えば、自分は神に愛されていない、という愛の不足感である。すると、本文は「神を愛し、神に愛されることで満足している者は、キリストの磔刑を誤解しないであろう」という意味合いになる。この文章の対偶(たいぐう)をとってみよう、「キリストの磔刑を誤解する者は、神の愛を信じきれない者たちであろう」となる。



    If the crucifixion is seen from an upside-down point of view, it does appear as if God permitted and even encouraged one of His Sons to suffer because he was good.
    • upside down : 「逆さまに」
    • point of view : 「考え方、観点、視点、主張」
    • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」
    • as if : 「あたかも〜かのように、〜のように、まるで〜かのように」
    • permit [pərmít] : 「許可する、許す、認める、容認する」
    • encourage [enkə́ːridʒ] : 「〜するように勧める、奨励する」
    • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦労する、頭を悩ます」
    ❖ "If the crucifixion ~ "「もしも、磔刑を上下逆転の視点から見れば」"it does appear as if ~ "「まるで〜のように見える」。"as if God permitted ~ "「まるで神が、良き人間であるがためにその独り子が苦しむことを許し、それを奨励したかのようにさえ」見える。これが、一般的なイエスの磔刑の考え方であって、上下逆転の視点で捉えられたものだ。ACIMはそんな見方を批判する。



    This particularly unfortunate interpretation, which arose out of projection, has led many people to be bitterly afraid of God.  Such anti-religious concepts enter into many religions.
    • particularly [pərtíkjələrli] : 「 特に、特別に、とりわけ、殊に」
    • unfortunate [ʌ̀nfɔ́ːrtʃənət] : 「不運な、不幸な、運の悪い、残念な」
    • interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
    • arose [əróuz] : 「arise の過去形」
    • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
    • projection [prədʒékʃən] : 「投影、射影、投射、映写」
    • led [léd] : 「lead の過去・過去分詞形」
    • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、連れて行く」
    • bitterly [bítərli] : 「激しく、苦々しく、ひどく」
    • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
    • be afraid of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
    • anti-religious [æntai-rilídʒəs] : 「反宗教的な」
    • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト」
    • enter [éntər] : 「〜に入る、〜に参加する」
    • religion [rilídʒən] : 「 宗教、宗派、信条、信仰」
    ❖ "This particularly ~ "「このとりわけ不幸な解釈は、投影から生じたのであるが、多くの人々を、神をひどく恐れるようにしてしまった」。"Such anti-religious ~ "「そのような宗教に反する概念が多くの宗教に入り込んでいる」。"which arose out of projection"の部分であるが、我々は無意識の奥底に罪の意識を隠し持っている。それは神から分離してしまったことに対する罪の意識である。そして、罪の故に、いつかは神から罰せられるに違いないと無意識は恐れている。その無意識が外部に投影されたものが、この不幸な解釈につながっている、と言っている。簡単に言えば、神の子の犯した罪に対して、誰かをスケープゴート(犠牲)として神に捧げない限り、罪深い人間は神の罰から逃れることは出来ないという考えである。



    Yet the real Christian should pause and ask, "How could this be?" Is it likely that God Himself would be capable of the kind of thinking which His Own words have clearly stated is unworthy of His Son?
    • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
    • pause [pɔ́ːz] : 「中止する、ためらう、休止する、ちょっと止まる」
    • likely [láikli] : 「〜しそうである、起こり得る」
    • be capable of : 「〜の能力がある、〜の才能がある、〜が出来る」
    • kind of : 「〜のような種類の」
    • thinking [θíŋkiŋ] : 「考え、考えること、思考」
    • clearly [klíərli] : 「はっきりと、明らかに、明瞭に、疑いもなく」
    • state [stéit] : 「述べる、はっきり言う、提示する」
    • unworthy [ʌnwə́ːrði] : 「値しない、価値のない、取るに足りない 」
    • be unworthy of :「〜足りない、〜に値しない」
    ❖ "Yet the real ~ "「しかし、真のキリスト教徒はここで立ち止まって疑問を発しなくてはならない」"How could this ~ "「どうしてこんなことがあり得るのだろう?」。"Is it likely ~ "「that以下はあり得るだろうか?」"that God Himself ~ "「神自身は、〜のような考えがはたして出来るだろうか」。"which His Own ~ "「神自らの言葉で、神の子として価値がないとはっきり述べた」考え。つまり、神が自身の口で、お前は神の子にふさわしくないとはっきり明言するような考えを神はもち得るだろうか、という意味。ここの関係代名詞の使い方であるが、もともと"the kind of thinking which is unworthy of His Son"であったところに、"His Own words have clearly stated"が挿入されたものである。たとえば、"the bag which I think is hers"「彼女のものと思われるバッグ」と同じ構造。文法はともかく、簡単に言えば、神の子の罪と罰を帳消しにするために、神が愛するイエスを磔刑によって犠牲にするなどと、神自身が考えて宣言することなどあり得ようか、という意味合い。
    余談になるが、マルコによる福音書15章34節に、磔刑上のイエスがアラム語で『エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ (わが神、わが神、どうして、私をお見捨てになったのですか)』と訴えるくだりがあるが、この言葉は旧約聖書の詩編22からの引用である。あたかも、磔刑の苦しみから救ってくれない神をイエスがなじっているような響きであるが、明らかに、マルコ(とおぼしき人物)の想像であり、詩編からの引用である。イエスの最期の祈りだという説もあるが、そうであるなら、これほど重要な祈りに関するエピソードがなぜマルコの福音書だけに書かれているのだろう? マタイとルカの福音書がマルコの福音書を下敷きにして書かれたというのに。
    神はイエスの磔刑と無関係であり、イエスもそれを知っていた。神は幻想と一切の関わりをもたない。この幻想世界の諸現象とまったく関わりをもたない。イエスの磔刑に神の意図が関係する可能性は一切ないのだ。イエスは、肉体の死を厭わない永遠の命を知っていたからだ。
    さらに余談になるが、イエスの磔刑はローマ軍への反逆罪としての処罰である。反逆罪の場合、直径1~2センチもありそうな太いタガネのような釘をもって、踝(くるぶし)の下、そして、腕の尺骨(しゃこつ)と橈骨(とうこつ)の間に打ち付け(あるいは、腕を横木に被せるように後ろに回し、手のひらに釘を打ち付け)、十字架に張り付ける。多くは、これによって失血死する。失血を促すために、足の骨を砕くこともある。そして、失血死を確認するために、腹に槍を刺す。イエスは磔刑上で6時間後に絶命した。さて、磔刑の前に激しくむち打たれて肋骨を折り、十字架上で失血死寸前の磔刑者イエスが、『エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ 』と、磔刑を遠巻きに見守る民衆に聞きとれるような大声で叫ぶことなど不可能なのだ。小声でつぶやいたとしても、民衆には聞こえまい。
    信仰のレベルで聖書を信じることに異を唱えるつもりは毛頭ないが、聖書のもつ物語性を頭の片隅に置いておかない限り、狂信的な原理主義者になってしまう可能性は排除出来ないだろう。だからこそ、イエスはこのACIMの中で、再三、聖書に書かれたことの再解釈を促しているのだ。

     
     
     


    T-2.VIII.5:1 ~ T-2.VIII.5:10


    5. The term "Last Judgment" is frightening not only because it has been projected onto God, but also because of the association of "last" with death.

    • term [tə́ːrm] : 「用語、言葉、言葉遣い、言い回し、表現」
    • frightening [fráitniŋ] : 「恐ろしい、ゾッとするような、肝をつぶすような」
    • not only A but also B : 「AのみならずBも」
    • project [prɑ́dʒekt] : 「〜を投影する、発射する、与える」
    • association [əsòusiéiʃən] : 「つながり、関連性、連関、連想」
    • death [déθ] : 「死、死亡」
    ❖ "The term "Last Judgment" is ~ "「『最後の審判』という言葉は単に〜だけではなく、〜なので恐ろしい」。"not only ~ but also ~ "の形。 "not only because ~ "「その言葉が神に投影されたものであるからだけでなく、『最後の』という言葉が死を連想させるので」恐ろしい。神があなたに死を宣告すかもしれないと思って恐怖に身が凍る。



    This is an outstanding example of upside-down perception. If the meaning of the Last Judgment is objectively examined, it is quite apparent that it is really the doorway to life.
    • outstanding [àutstǽndiŋ] : 「目立った、顕著な、卓越した、際立った」
    • example [igzǽmpl] : 「例、実例、見本、標本」
    • upside down : 「逆さまに」
    • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • objectively [əbdʒéktivli] : 「客観的に」
    • examine [igzǽmin] : 「〜をよく見る、調べる、調査する、検査する」
    • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に、かなり、なかなか」
    • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
    • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
    • doorway [dɔ́ːrwèi] : 「戸口、出入り口」
    ❖ "This is an outstanding ~ "「これは上下逆転の知覚の際立った例である」。"upside-down perception"とは、前文にあるように、愛に満ちたものを憎悪と感じたり、その逆だったりする知覚のこと。虚偽を真実と、真実を虚偽と知覚すること。"If the meaning ~ "「もし、最後の審判の意味を客観的に吟味すれば、that以下はまったく明白である」。"that it is really ~ "「最後の審判は、本当は命への入り口である」ことはまったく明白である。命への入り口であることを神による処罰と感じてしまうことが「上下逆転の知覚」。最後の審判はヒーリングであるから、本当は実相的な命への入り口である。



    No one who lives in fear is really alive. Your own last judgment cannot be directed toward yourself, because you are not your own creation.
    • live [lív] : 「住む、居住する、生きている、生存する」
    • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
    • in fear : 「心配のあまり、恐れて、おどおどして」
    • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
    • alive [əláiv] : 「生存して、生きていて」
    • direct [dərékt] : 「〜を方向づける、命令する」
    • toward [tɔ́ːrd] : 「〜の方へ、〜に向かって、〜に向いて」
    ❖ "No one who ~ "「恐れの中で生きているものは、本当は生きていない」。"Your own last ~ "「あなた自身の最後の審判は、あなた自身に向かってなされるのではない」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたはあなた自身の創造物ではないから」。自分が真に創造したものでないものに対して、命を吹き込むという最後の審判は方向違いである、ということ。最後の審判は、あなたを創造した神があなたに命を吹き込み、あなたの命を復活させるヒーリングである。あなた自身があなたに向かって最後の審判を行うのではない。なぜなら、あなたはあなた自身を創造した本人ではないからだ。
    逆に、もしあなたが、愛や喜びなどの真実を創造出来たなら、あなたは愛や喜びに命を吹き込むことが出来る。いわば、あなたの創造したものに対して、あなたは最後の審判を行うことが出来るのだ。虚偽と真実を審判し、虚偽を滅して真実を生かすことが出来るのである。



    You can, however, apply it meaningfully and at any time to everything you have made, and retain in your memory only what is creative and good.
    • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
    • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、生かす、当てはめる」
    • meaningfully : 「意味があるように」
    • retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する、持ち続ける」
    • at any time : 「いつでも、常に、いつなりと、いつ」
    • memory [méməri] : 「記憶、思い出、出来事、事実」
    • creative [kriéitiv] : 「創造力がある、創造性に富んだ、独創的な」

    ❖ "You can, however ~ "「しかし、あなたは意味あるものとして、いつでもそれを〜に適用出来る」。それとは、命を吹き込む最後の審判。存在意味のある真実だけに命を吹き込むことが出来る。"to everything you ~ "「あなたが造ったすべてのものに」適用出来る。"and retain in your ~ "「そして、記憶の中に、創造的で良いものだけを保持出来る」。あなたが創造したものに対して最後の審判(ヒーリング)を適用し、虚偽や幻想を排して、真に創造的で善である真実に命を吹き込み、意味ある存在としてあなたの意識の中、記憶の中に永遠に保持出来る。



    This is what your right-mindedness cannot but dictate. The purpose of time is solely to "give you time" to achieve this judgment. It is your own perfect judgment of your own perfect creations.
    • right-mindedness [máindidnis] : 「正しい考えをもっていること」
    • dictate [díkteit] : 「〜を命令する、指示する、〜に影響する、〜を決定する」
    • cannot but do : 「〜せずにはいられない」
    • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向」
    • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ、単に」
    • achieve [ətʃíːv] : 「成し遂げる、達成する、成就する、やり遂げる」
    • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別 」
    • perfect [pə́ːrfikt] : 「申し分がない、完全な、完璧な」
    • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
    ❖ "This is what your ~ "直訳すると、「これはあなたの正しき心が決定せざるを得ないことである」。あなたの正しい心だけが指示、決定出来ることだ、という意味。何が創造的で良いものか判断し、記憶に留めておくのは、正しい心が決めることだ、ということ。"The purpose of ~ "「時間の目的は、もっぱら、〜するために『あなたに時間を与えること』である」。時間は幻想であるが、学びのための補助装置であることを思い出そう。時間を利用して、正しい心へと自分の心を修正していくのである。心が正しく修正された後は、その正しい心の指示、判断に従えばいい。"It is your own ~ "「それは、あなた自身の完璧な創造物に対する、あなた自身の完璧な判断である」。あなたが愛や喜びなどの真実を感じたとき(your own perfect creations)、それが実相的に正しいのだと完璧な判断(your own perfect judgment)を下してくれるのは、あなたの正しい心以外にない。



    When everything you retain is lovable, there is no reason for fear to remain with you. This is your part in the Atonement.
    • retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する、持ち続ける」
    • lovable [lʌ́vəbl] : 「愛らしい、かわいい、愛きょうのある」
    • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
    • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
    • remain [riméin] : 「とどまる、滞在する、残る、残存する」
    • part [pάːrt] : 「役、役目、役割」
    • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
    ❖ "When everything you ~ "「あなたが保持しているものがすべて愛らしいものであるとき、」"there is no reason ~ "「恐れにとっては、あなたと共に居座る理由は何もなくなる」。"This is your part ~ "「これが、贖罪におけるあなたの役割である」。あなたが愛や喜びで満たされたとき、それはあなたが正しい心にしたがって生きているという証拠なのだから、恐れなどという幻想が紛れ込む余地はない。恐れや罪の意識などの幻想を消滅させること、それが贖罪(Atonement)であり、あなたが恐れから自由になることはあなたの役割なのだ。
     
     
     


    T-2.VIII.3:1 ~ T-2.VIII.4:8


    3. The Last Judgment is generally thought of as a procedure undertaken by God. Actually it will be undertaken by my brothers with my help.

    • generally [dʒénərəli] : 「一般に、通例」
    • thought [θɔ́ːt] : 「thinkの過去・過去分詞形」
    • procedure [prəsíːdʒər] : 「手段、処置、手順、手続き、行動、行為」
    • undertaken [ʌ̀ndərtéikn] : 「undertakeの過去分詞形」
    • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う、〜に着手する」
    • actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、本当は、実は」
    ❖ "The Last Judgment ~ "「最後の審判は一般的に〜と思われている」。"as a procedure ~ "「神によってなされる手続きである」と思われている。"Actually it will ~ "「実際、最後の審判は〜によってなされるだろう」。"by my brothers ~ "「私の助力を得て私の同胞たちによって」なされるだろう。ホーリー・スピリットとしてのイエスの助力を得て、私たち神の子が最後の審判を行う。"brother"は「兄弟」であるが、「同胞」と解釈していいだろう。



    It is a final healing rather than a meting out of punishment, however much you may think that punishment is deserved.
    • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
    • healing [híːliŋ] : 「癒やし、治療、治癒、回復」
    • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
    • mete [míːt] : 「(罰を)与える」
    • mete out : 「割り当てる、与える、提供する」
    • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰、刑罰、処罰」
    • deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
    ❖ "It is a final ~ "「最後の審判は、罰を与えるというよりは最終的なヒーリングである」。" however much ~ "「たとえあなたが、どんなに罰の方がふさわしいと思ったとしても」。ここで初めて最後の審判の具体的な姿が見えてきた。最後の審判はキリスト教徒の間で信じられている神による罰ではなく、イエスの兄弟達によるヒーリングである。神の辞書に『罪』や『罰』などという文字はない。神は『愛』、それだけである。神が罪を裁くなどということは、原理的に不可能なのだ。



    Punishment is a concept totally opposed to right-mindedness, and the aim of the Last Judgment is to restore right-mindedness to you.
    • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方」
    • totally [tóutəli] : 「全体的に、全体として、何から何まで、全く」
    • oppose [əpóuz] : 「〜に反対する、反抗する、対抗する」
    • restore [ristɔ́ːr] : 「元に戻す、回復させる、修復する」
    ❖ "Punishment is a concept ~ "「罰は、正しき心の状態ということに完全に反した概念である」。"and the aim of ~ "「そして、最後の審判の目的は、あなたにとって正しき心を修復することである」。神の裁きという妄想に毒された心が正しからざる心の状態である。最後の審判を幻想であると見抜いて受け入れ、赦すことで幻想を消滅させる。それがヒーリングであって、心を正しき状態に修復することである。



    The Last Judgment might be called a process of right evaluation. It simply means that everyone will finally come to understand what is worthy and what is not. After this, the ability to choose can be directed rationally.
    • evaluation [ivæljuéiʃən] : 「評価、見積もり、値を求めること、評定」
    • simply [símpli] : 「簡単に、分かりやすく、単に、ただ」
    • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に」
    • worthy [ʌnwə́ːrði] : 「価値のある、値する」
    • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
    • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
    • direct [dərékt] : 「〜を方向づける、指図する」
    • rationally [rǽʃənli] : 「理性的に」
    ❖ "The Last Judgment ~ "「最後の審判は、正しい評価のプロセスのことと呼んだ方がいいかもしれない」。簡単に言えば、最後の審判は、何が真実で何が虚偽かという判断、評価のこと。"It simply means ~ "「それは単にthat以下を意味するに過ぎない」。"that everyone will ~ "「すべての人が最終的に何が価値があり、何が価値がないか理解するようになる」ことを意味しているに過ぎない。何が真実(実相)であって価値があり、何が虚偽(幻想)であって価値がないか、それを見極めるようになる。"come to do "で「〜するようになる」。"After this, the ability ~ "「この後に、選択能力は理性的に方向づけられるようになる」。ここの選択能力とは、何が価値があり、何が価値がないかを評価選択する能力のこと。あなたは、幻想をとるか実相をとるか、あなたの自由意思で選択しなくてはならない。"rationally"「理性的に」とあるが、頭脳による計算によって、という意味ではなく、ホーリー・スピリットが与えてくれる叡智によって、という意味合い。ACIMが用いる"rationally"「理性的に」を誤解してはいけない。



    Until this distinction is made, however, the vacillations between free and imprisoned will cannot but continue.
    • distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差別、差異、違い」
    • vacillation [væ̀səléiʃən] : 「動揺」
    • imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する」
    • continue [kəntínjuː] : 「続く、継続する」
    • cannot but do : 「せざるを得ない」
    ❖ "Until this distinction ~ "「この違いがわかるまでは、自由と拘束の間の揺れ動きは続かざるを得ない」。もちろん、この違いとは、価値あるものと価値なきものの違い。真実と虚偽、幻想と実相の違い。幻想と実相の見極めをしっかりし、その幻想から自由にならない限り、エゴによるあなたの投獄はいつまでも存続するのだ。



    4. The first step toward freedom involves a sorting out of the false from the true. 
    • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
    • freedom [fríːdəm] : 「自由、自主」
    • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする、を巻き込む」
    • sort [sɔ́ːrt] : 「〜を区別する、仕分ける、分類する、を取り除く」
    • false [fɔ́ːls] : 「本物でない、偽りの、偽の」
    ❖ "The first step ~ "「自由への最初のステップは本物から偽物を区別する仕分け作業を含んでいる」。



    This is a process of separation in the constructive sense, and reflects the true meaning of the Apocalypse.
    • process [prάses] : 「製造過程、一連の行為、進行、経過、推移」
    • separation [sèpəréiʃən] : 「 分離、区別、別居」
    • constructive [kənstrʌ́ktiv] : 「建設的な、前向きの、積極的な」
    • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
    • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • Apocalypse [əpɑ́kəlìps] : 「世の終末、啓示、ヨハネの黙示録」
    ❖ "This is a process ~ "「これは建設的な意味での分離作業である」。分離と言っても、ここでの分離は神からの分離とは違い、建設的な分離だということ。"and reflects ~ "「そして、これは世の終末の本当の意味を反映している」。"Apocalypse"についてであるが、ACIMのText、Workbook、Manualの中でこの言葉が出てくるのは唯一この場所だけである。一般に大文字から始まる"Apocalypse"は「ヨハネの黙示録」を表しているのだが、文脈から考えて「世の終末」ととらえた方がいい。世の終末、すなわち最後の審判。同じことを意味していると考えていい。幻想と実相の分離作業によって、両者の区別が出来るようになり、幻想を幻想として認識して受け入れ赦すことが出来れば、幻想は消滅する。この幻想世界は消滅するのである。これが『最後の審判』であり『世の終末』である。そのとき、もちろん、すべてが闇に消えるのではない。逆に、闇が光で満たされるのだ。実相世界という光の王国が出現するのである。



    Everyone will ultimately look upon his own creations and choose to preserve only what is good, just as God himself looked upon what he had created and knew that it was good.
    • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、最後に、ついに」
    • look on : 「〜を見る、〜を観察する」
    • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
    • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
    • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
    • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
    ❖ "Everyone will ~ "「すべての人は、ついには、自ら創造したものを観察し、良いものだけを保存することを選ぶ」。"just as God himself ~ "「ちょうど、神が自ら創造したものを観察し、それが良いものだと知るように」。あなたがでっち上げたこの幻想世界を観察し、学びのために必要なものだけを選び出すことが出来るようになる。それはちょうど、神が神の子を創造し、神の愛の拡張を「良し」と宣言した状況に似ている。



    At this point, the mind can begin to look with love on its own creations because of their worthiness. 
    • at this point : 「この時点で、今この瞬間に、ここで、ここに至って」
    • begin [biɡín] : 「〜を始める、〜するようになる」
    • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
    • worthiness : 「 価値、値打ち、相当量、財産」
    ❖ "At this point ~ "「この時点で、心は自ら創造したものを、愛をもって見ることが出来る」。「愛をもって」とは、真実を見極める心の目をもって、という意味合い。"because of their ~ "「創造したものが価値があるので」。創造したものが真実であれば、心の目はそれを逃さない。愛、喜び、平和、静寂、美、等々を、愛に満ちた心の目は確実に捉える。



    At the same time the mind will inevitably disown its miscreations which, without belief, will no longer exist.
    • at the same time : 「同時に、一緒に、加えて、その反面、一方」
    • inevitably [inévətəbli] : 「必然的に、必ず、不可避的に、確かに」
    • disown [disóun] : 「〜に関係がないと言う、〜を自分のものと認めない」
    • miscreation [kriéiʃən] : 「誤った創造」
    • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
    • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
    • no longer : 「もはや〜でない」
    • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
    ❖ "At the same time ~ "「同時に、心は必然的に誤創造したものと縁を切る」。でっち上げた幻想は切って捨てるのだ。"which, without belief, ~ "ここは関係代名詞の制限用法なのだが、意訳して、「信じていないので、もはやそれは存在することさえ出来ない」。幻想は赦されて消滅してしまうのだ。"without belief"ここは、心は誤創造した幻想の実在性を信じていないので、というニュアンス。
     
     
     




    T-2.VIII.1:1 ~ T-2.VIII.2:8

    VIII. The Meaning of the Last Judgment

    最後の審判の意味



    1. One of the ways in which you can correct the magic-miracle confusion is to remember that you did not create yourself.

    • correct [kərékt] :「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
    • confusion [kənfjúːʒən] :「混乱状態、混乱、混同、当惑」
    • remember [rimémbər] :「〜を覚えている、〜を思い出す」
    • create [kriéit] :「創造する、創り出す」

    ❖ "One of the ways ~ "「魔法と奇跡を混同する間違いを正すことが出来る一つの方法は、that以下を思い起こすことである」。"that you did not ~ "「あなたはあなた自身を創造したのではない」ということを思い起こすことである。あなたは神によって創造されたものであり、決して魔法によって生れたのではない。魔法は幻想や錯覚によって知覚を騙すが、奇跡は真実を具現化するだけである。神の創造は真実であり、あなたは神の真実の具現化によって創造されたのだ。あなたの存在は奇跡なのである。



    You are apt to forget this when you become egocentric, and this puts you in a position where a belief in magic is virtually inevitable.
    • be apt to :「〜しがちである、〜する傾向がある、〜しそうである」
    • forget [fərɡét] :「〜を忘れる、〜を思い出せない」
    • become [bikʌ́m] :「〜になる」
    • egocentric [ìːɡouséntrik] :「自己中心的な、自分本位の、利己的な」
    • position [pəzíʃən] :「立場、位置、地位、身分」
    • belief [bilíːf] :「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
    • virtually [və́ːrtʃuəli] :「実質的には、事実上、実際上」
    • inevitable [inévətəbl] :「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
    ❖ "You are apt ~ "「あなたは、あなたがエゴ中心的になっている時、このことを忘れがちである」。"egocentric"は「自己中心的」という意味だが、あなたがエゴに支配されている現状を表すために、「エゴ中心的」と訳してみた。あなたがエゴに支配されている限り、あなたは奇跡ではなく魔法を信じてしまう。"and this puts ~ "「このことがあなたを、魔法を信じる気持ちを実際上避けられない位置に置く」。エゴはあなたを幻想に縛りつけておくために、目にも鮮やかな魔法をあなたの目の前に展開して見せ、幻想があたかも実在であるかのように信じさせるのだ 。この圧倒的にリアルな世界を目にして、あなたはその実在性を信じる気持ちを避けることが出来ないでいる。



    Your will to create was given you by your creator, who was expressing the same will in his creation. 
    • will [wíl] :「意志、精神力、意欲」
    • given [ɡívən] :「giveの過去分詞形」
    • creator [kriéitər] :「創造者、創作者、創設者」
    • express [iksprés] :「〜を表現する、言葉で表現する、言い表す」
    • same [séim] :「同じ、同一の、変わらない」
    • creation [kriéiʃən]:「創造、創作、創作物、作品」
    ❖ "Your will to ~ "「あなたの創造しようとする意思は、創造主である神によってあなたに与えられた」。"who was expressing ~ "「その神は、創造するに際して同じ意思を表現したのである」。神は神の子を創造して真実の具現化をなした。神は神の延長上に神の子を拡張したのである。そして、神の属性のすべてを継承した神の子であるあなたは、神と同様の真実の具現化をあなたの意思としてもっている。



    Since creative ability rests in the mind, everything you create is necessarily a matter of will.
    • since [síns] :「〜なので、〜だから」
    • creative [kriéitiv] :「創造力がある、創造性に富んだ、独創的な」
    • ability [əbíləti] :「能力、才能、できること」
    • rest [rést] :「ある、置かれている」
    • necessarily [nèsəsérəli] :「必ず、必然的に」
    • matter [mǽtər] :「中身、内容、物、物質」
    ❖ "Since creative ~ "「創造する能力は心にあるので、あなたが創造するすべてのものは必然的に意思と(関係性を)もつものとなる」。真実を創造するのは心である。奇跡を起こすのは心なのだ。真実は形を持つことはなく、したがって実相的な想念である。その想念としての真実は、すべてあなたの意思を反映する。愛、喜び、慈しみ、美、静けさ、等々はすべてあなたの意思を反映している。あなたの思いそのものなのだ。
    ところが、虚偽を作り出す能力もまた、真実の創造と同じような現象を生み出す。偽創造もまた、あなたの心の反映として、あなたの目の前に現れる。ただし、それは虚偽であるから幻想であり、本当は実在することなど出来ない。この世界やあなたの肉体がその良い例である。



    It also follows that whatever you alone make is real in your own sight, though not in the Mind of God. 
    • follow [fɑ́lou] :「次に起こる、〜ということになる」
    • whatever [hwʌtévər] :「〜するのは何でも、どんなものが〜でも」
    • alone [əlóun] :「独りで、孤立して、独力で、単独で」
    • real [ríəl] :「実在する、現実の、実際の、本物の」
    • sight [sáit] :「視覚、視力、視界、景色」
    • though [ðóu] :「〜だけれども、〜だけど、そうは言うものの」
    ❖ "It also follows ~ "「それはまた、あなたが一人で作り出したものなら何でも、あなた自身の目にはリアルに見えるということになる」。"though not ~ "意訳する、「ただし、神の心にはリアルには映らない」。この世界が圧倒的にリアルに見えるのは、あなたの心がもつ創造性のなせる業である。ただし、それは幻想であって、神の目をごまかすことは出来ない。この世界がどんなに圧倒的なリアルさをもってあなたの目に見えようが、神は騙されない。神はどんな幻想とも一切の関わりをもたないから、当然、神はこの世界の現象と一切の関わりをもたない。



    This basic distinction leads directly into the real meaning of the Last Judgment.
    • basic [béisik] :「基礎の、基本的な」
    • distinction [distíŋkʃən] :「差異、区別、特徴、特質」
    • lead [líːd]:「ある結果に至る、導く」
    • directly [dəréktli] :「直接に、まっすぐに、率直に」
    • meaning [míːniŋ] :「意味、意義、意図、真意」
    • Judgment [dʒʌ́dʒmənt] :「判断、判断力、判決、審判」
    • The Last Judgement :「最後の審判」
    ❖ "This basic distinction ~ "「この基本的な区別は直接、最後の審判の真の意味につながっていく」。次の段落で、最後の審判について詳しく語られる。



    2. The Last Judgment is one of the most threatening ideas in your thinking. 
    • threatening [θrétəniŋ] :「脅迫的な」
    • idea [aidíːə] :「考え、着想、発想」
    • thinking [θíŋkiŋ] :「考えること、考え、思考、思索、思惑 」
    ❖ "The Last Judgment ~ "「最後の審判はあなたの思いの中でも最も脅迫的な考えの一つである」。世の多くのキリスト教関係の教団が『最後の審判』を持ち出して信者に恐怖心を植え付けているのは周知の事実である。



    This is because you do not understand it. Judgment is not an attribute of God.
    • understand [ʌ̀ndərstǽnd] :「理解する、分かる、把握する」
    • attribute [ǽtribjùːt] :「 特質、特性、性格、属性」
    ❖ "This is because ~ "「これは、あなたが最後の審判について理解していないからだ」。あなたが最後の審判を恐れているなら、それは神を誤解しているからだ。"Judgment is not ~ "「審判は神の属性ではない」。神は判断も審判もしない。神は決して裁かないのだ。罪を糾弾することも、罪を罰することもない。そもそも、神が愛する神の子を恐怖の淵に陥れることなど、原理的に不可能である。それが可能であるなら、それは神ではない。偽神である。



    It was brought into being only after the separation, when it became one of the many learning devices to be built into the overall plan.
    • brought [brɔ́ːt] :「bringの過去・過去分詞形」
    • bring [bríŋ] :「〜を持って来る、〜をもたらす」
    • being [bíːiŋ] :「存在、実在、生存、生命」
    • separation [sèpəréiʃən] :「分離、区別、別居、別離、離脱」
    • device [diváis] :「装置、道具、手段」
    • learning device [diváis] :「学びの装置、学びのための道具」
    • built [bílt] :「buildの過去・過去分詞形」
    • overall [óuvərɔ̀ːl] :「総合的な、全般的な、一般的な」
    • plan [plǽn] :「計画、企画、予定、意向、つもり、考え」
    ❖ "It was brought into ~ "直訳すると、「それは分離後、存在へともたらされた」。つまり、最後の審判という考えは、神の子が神から分離した後に存在するようになった。神の子が勝手に考え出した妄想である。"when it became ~ "「そしてその時、それは、総体的な計画の中で作られた多くの学びのための補助装置の一つになった」。時間も空間も学びのための補助装置であって、神との分離後に作られたものだ。同様に、最後の審判も、学びのための補助装置である。総体的な計画とは、すべての神の子の分裂した心(mind)が幻想から目覚め、神の元へ回帰し、一つの大きな心(Mind)になるという壮大な計画のこと。つまり、最後の審判という概念は神の子が勝手に幻想した絵図に過ぎないのだが、それを正しく理解することで幻想から目覚める学びの道具として利用すべきだ、ということ。簡単に言えば、最後の審判を妄想だと認識するために、つまり学びのために、最後の審判という妄想は存在しているということ。



    Just as the separation occurred over millions of years, the Last Judgment will extend over a similarly long period, and perhaps an even longer one.
    • occur [əkə́ːr] :「起こる、発生する、生じる、現れる」
    • million [míljən] :「100万、百万」
    • extend [iksténd] :「伸びる、広がる」
    • similarly [símələrli] :「同様に、類似して、同じように」
    • period [píəriəd] :「期間、時期、時間」
    • perhaps [pərhǽps] :「たぶん、もしかすると、ことによると」
    ❖ "Just as the separation ~ "「神からの分離が何百万年にも渡って起き続けているように、最後の審判も同じくらいの長きに渡るかもしれない」。"and perhaps an ~ "「ひょっとしたら、それ以上になるかもしれない」。将来、神からの分離が解消されるかもしれないが、ひょっとしたら、最後の審判という概念はその後も生き続けるかもしれない。神の子が神の下(もと)へと回帰した後でも、最後の審判という概念(妄想)は心の外傷(トラウマ)となって神の子の心に残るかもしれない。



    Its length can, however, be greatly shortened by miracles, the device for shortening but not abolishing time.
    • length [léŋkθ] :「長さ、時間の長さ、期間」
    • however [hauévər] :「けれども、しかしながら、また一方」
    • greatly [gréitli] :「大いに、非常に、とてもうまく」
    • shorten [ʃɔ́ːrtn] :「短くする、短縮する、縮める」
    • abolish [əbɑ́li] :「〜を廃止する、撤廃する、廃する」
    ❖ "Its length can ~ "「しかしながら、その期間の長さは奇跡によって縮められる可能性はある」。ただし、その奇跡は、"the device for shortening ~ "「時間を縮める装置であるが、時間を消し去るものではない」。幻想の時間を縮めてくれるのは、ホーリー・スピリットとしてのイエスである。しかし、最終的に時間を消滅させるのは、神の子自身による赦しである。



    If a sufficient number become truly miracle-minded, this shortening process can be virtually immeasurable.
    • sufficient [səfíʃənt] :「十分な、満足な、足りる」
    • truly [trúːli] :「全く、本当に、真に、正確に」
    • process [prάses] :「製造過程、一連の行為、進行、経過、推移」
    • virtually [və́ːrtʃuəli] :「実質的には、事実上、実際上」
    • immeasurable [iméʒərəbl] :「計り知れない、無限の、絶大な」
    ❖ "If a sufficient ~ "「もし、十分な数の人たちが真に奇跡に根ざした心を持てば」。"this shortening process ~ "「この時間短縮のプロセスは、実際、計り知れない(ほどの効果を生み出すであろう)」。



    It is essential, however, that you free yourself quickly, because you must emerge from the conflict if you are to bring peace to other minds.
    • essential [isénʃəl] :「必須の、最も重要な、肝心な、本質の」
    • free [fríː] :「〜を自由にする、解放する」
    • quickly [kwíkli] :「速く、すぐに」
    • emerge [imə́ːrdʒ] :「表面に出てくる、現れる、出現する」
    • conflict [kɑ́nflikt] :「不一致、対立、衝突、争い、紛争、闘争、戦争」
    • be to do : 「〜する予定だ、〜したい、〜できる、〜しなければならない」
    • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
    • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
    ❖ "It is essential ~ "「しかし、that以下は絶対必要である」。
    "that you free ~ "「あなたが一刻も早く自分を自由にすることは」絶対必要である。"because you must ~ "「なぜならば、もし、あなたが他の人たちの心に平和をもたらすのであるなら、あなたはコンフリクトを切り抜けなければならないからである」。"you are to bring"における"be + (不定詞)"は予定、運命、義務、命令などを表す。したがって、ニュアンスとしては「もし、あなたが他の人たちの心に平和をもたらす運命にあるのなら」となる。
    さて、ここの文脈で『最後の審判』はどこに行ったか、という話しになる。あなたが幻想から実相へ目覚めるには、第一に、あなたが抱え込んだ恐れから自らを解放しなくてはならない。神の子は神を裏切った罪の意識を抱き、神の罰を恐れるようになった。神の子は恐れに耐えきれなくなり自己を乖離し、エゴという別人格を作り上げた。このエゴが囁(ささや)くのである。『おまえは神を裏切ったのだから、神は最後にお前を裁きにかけ、お前に罰を与えるに違いない』。これが、『最後の審判』という概念となってエゴという偶像を支えている。したがって、あなたが自分を恐れから解放するには、この最後の審判という概念を利用して、これが幻想であることを見抜かなくてはいけない。学びの補助装置というのはそういう意味である。つまり、最後の審判を赦しの対象とするのだ。最後の審判は幻想であるとしっかり認識し、受け入れて赦し手放すのである。こうして、最後の審判という幻想は消滅し、恐れも消滅する。それが赦しの奇跡であり、恐れから解放される時間を大幅に縮小してくれるのだ。
     
     
     



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