●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-3.I.5:1 ~ T-3.I.6:7


5. I have been correctly referred to as "the lamb of God who taketh away the sins of the world," but those who represent the lamb as blood-stained do not understand the meaning of the symbol. 

    • correctly [kəréktli] : 「 正しく、正確に、正確に言えば 」
    • refer [rifə́ːr] to : 「〜に言及する、〜に注意を向ける」
    • lamb [lǽm] : 「子羊、柔和な人」
    • eth [-iθ] : 「三人称単数現在形の動詞の語尾につける」
    • taketh : 「takesの古いもの」
    • take away : 「取り去る、取り上げる、取り除く、撤去する」
    • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
    • those who : 「〜する人々」
    • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
    • blood-stained : 「: 血のついた、血染めの、血まみれの」
    • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
    ❖ "I have been correctly ~ "「私(イエス)は『世界の罪を取り除く、神の子羊』と正しく言われてきた」。イエスが磔刑によって犠牲にされることで、人間の原罪が贖(あがな)われたと言われてきたが、これはパウロの解釈。ここの"correctly"「正しく」とは、この解釈が正しい、という意味ではない。イエスが世界を罪から救うということが正しいのである。"but those who ~ "「しかし、子羊を血塗られたものとして描写する者はそのシンボルの意味を理解していない」。子羊を血塗られたものと描写することは誤知覚をしている証拠であり、子羊というシンボルを理解していない。子羊は、神の子の無辜性(むこせい)を象徴しているものだからだ。
    なお、"the lamb of God who taketh away the sins of the world"は、ヨハネの福音書1:29に出てくる。参考までにここに載せておこう。

    [John 1:29 from New American Standard Bible]
    The next day he saw Jesus coming to him and said, “Behold, the Lamb of God who takes away the sin of the world! “This is He on behalf of whom I said, ‘After me comes a Man who has a higher rank than I, for He existed before me.
    その翌日、ヨハネは、自分の方にイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の子羊だ。『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしより先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」(新共同訳)



    Correctly understood, it is a very simple symbol that speaks of my innocence. 
    • correctly [kəréktli] : 「正しく、正確に、正確に言えば」
    • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
    • simple [símpl] : 「簡素な、簡略した、易しい、難しくない」
    • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢、純潔、純真」
    ❖ "Correctly understood ~ "分詞構文、「正しく理解されれば」。"it is a very ~ "「それは、私の潔白さを物語る非常にシンプルな象徴である」。子羊というシンボルは、イエス(神の子)の潔白さ、無辜性をシンプルに象徴している。



    The lion and the lamb lying down together symbolize that strength and innocence are not in conflict, but naturally live in peace.
    • lamb [lǽm] : 「子羊」
    • lie down : 「横たわる、横になる」
    • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に、同時に」
    • symbolize [símbəlàiz] : 「〜を象徴する、記号で表す、〜の印である」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    • conflict [kάnflikt] : 「不一致、対立、衝突、葛藤」
    • in conflict : 「衝突して、戦って、紛争中で」
    • naturally [nǽtʃərəli] : 「当然ながら、もちろん、必然的に、自然に」
    ❖ "The lion and ~ "「一緒に横たわっているライオンと子羊は、that以下を象徴する」。"that strength and ~ "「力と無辜が衝突し合うことなく、平和のうちに、自然に暮らせるのだ」ということを象徴する。
    なお、"The lion and the lamb lying down together"という表現は、聖書には登場しない。イザヤ書11:6に、この光景を彷彿とさせる箇所があるので、参考までに載せておく。

    [Isaiah 11:6 from King James Bible]
    The wolf also shall dwell with the lamb, and the leopard shall lie down with the kid; and the calf and the young lion and the fatling together; and a little child shall lead them.
    狼は小羊と共に宿り、豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち、小さい子供がそれらを導く。(新共同訳)



    "Blessed are the pure in heart for they shall see God" is another way of saying the same thing. A pure mind knows the truth and this is its strength.
    • bless [blés] : 「〜を賛美する、あがめる、〜に感謝する、祝福する」
    • pure [pjúər] : 「純粋な、混じりけのない、清潔な、純血の、清らかな」
    • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
    • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
    • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    ❖ "Blessed are the pure ~ "「心の清い者は祝福される」"for they shall ~ "「なぜなら、彼らは神を見るであろうから」。ここまでが主語となり、この言葉は"is another way of ~ "「同様のことを示す別の言い方である」。つまり、"The lion and the lamb lying down together"という言葉と同様の意味をもつ、ということ。一見、関係なさそうに見えるが、"A pure mind knows ~ "「清らかな心は真実を知っているし、これはその力でもある」。子羊がピュアーな心を、ライオンが真実のもつ力を象徴している。心の正しい者は子羊のように見えるだろうが、清い心ゆえに神に祝福された者であり、神の真実を知り得る者である。真実を知り得る者こそ、真実の力を手にすることが出来るのであって、まさに、ライオンのような強い力を身に付けることが出来るのだ。
    なお、"Blessed are the pure in heart for they shall see God" はマタイの福音書5:8に登場する。有名な山上の垂訓の一節である。少々長いが、ここに載せておく。

    [Matthew 5:1~5:12 from New American Standard Bible]
    When Jesus saw the crowds, He went up on the mountain; and after He sat down, His disciples came to Him. He opened His mouth and began to teach them, saying, “Blessed are the poor in spirit, for theirs is the kingdom of heaven.“Blessed are those who mourn, for they shall be comforted. “Blessed are the gentle, for they shall inherit the earth.“Blessed are those who hunger and thirst for righteousness, for they shall be satisfied.“Blessed are the merciful, for they shall receive mercy.“Blessed are the pure in heart, for they shall see God. “Blessed are the peacemakers, for they shall be called sons of God.“Blessed are those who have been persecuted for the sake of righteousness, for theirs is the kingdom of heaven.“Blessed are you when people insult you and persecute you, and falsely say all kinds of evil against you because of Me. “Rejoice and be glad, for your reward in heaven is great; for in the same way they persecuted the prophets who were before you.
    イエスは群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。そこで、イエスは口を開き、教えられた。「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。柔和な人たちは、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。義に飢え渇く人々は、幸いである、その人たちは満たされる。憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。」(新共同訳)



    It does not confuse destruction with innocence because it associates innocence with strength, not with weakness.
    • confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、混同させる、乱す、困惑させる」
    • confuse A with B : 「AとBをはき違える、AとBを混同する」
    • destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
    • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢、純潔、純真 」
    • associate [əsóuʃièit] : 「〜と結び付ける、結び付けて考える、関連付ける」
    • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
    • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、脆弱性、衰弱」
    ❖ "It does not confuse ~ "「清らかな心は破壊と無辜を混同することはない」。ここの"It"は"the pure mind"「清らかな心」のこと。無辜であること(罪がないこと)はもろく壊れやすいように思われ、攻撃されるとすぐに破壊されそうだが、そうではない。清い心は無辜と破壊を混同しない。"because it associates ~ "「なぜなら、清い心は無辜であることを力と結びつけて考えるが、決して弱さと結びつけて考えることはないからだ」。無防備であることが、力を生み出すのだ。
    ここまで来れば理解出来るだろうが、一緒に横たわるライオンと子羊は、食うものと食われるものが平和に共存する理想的な姿を表しているという一般的な解釈は妥当ではない。力を象徴するライオンと無辜なる心を象徴する子羊が共存出来ること、つまり、力と無辜は矛盾しない、同一である、という教えである。力愛不二。



    6. Innocence is incapable of sacrificing anything, because the innocent mind has everything and strives only to protect its wholeness.
    • be incapable [inkéipəbl] of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
    • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする、生け贄にする 」
    • strive [stráiv] : 「努力する、努める、真剣に努力する」
    • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
    • wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、完全であること」
    ❖ "Innocence is incapable ~ "「無辜なるものは、何ものも犠牲にすることは出来ない」。"because the innocent ~ "「なぜならば、無辜なる心はすべてを持っているし、その完全性を守るためだけに努力するからである」。無辜なる心はすべてを持っているから欠けたところはない。それが"wholeness"「完全性、全体性」である。神の子が神から分離する以前は、神の子に罪の意識はなかった。完全な無辜の状態であった。なぜなら、神は神の子を完全な存在として、神の延長上に創造したからだ。不足もなく、欠けるところもない者が、いったい何を求めて犠牲にする必要があるだろうか? 



    It cannot project. It can only honor other minds, because honor is the natural greeting of the truly loved to others who are like them.
    • project [prɑ́dʒekt] : 「〜を投影する、発射する」
    • honor [άnər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する」
    • honor [άnər] : 「敬意、光栄、高潔、誠実、正直さ」
    • natural [nǽtʃərəl] : 「普通の、ありのままの、自然な」
    • greeting [gríːtiŋ]: 「あいさつ、会釈 」
    • truly [trúːli] : 「心から、誠実に、正直に、本当に、真に」
    ❖ "It cannot ~ "「それは投射することが出来ない」。清き心は自分の責任を他者に押しつけることがない。罪の意識がないから、罪の原因を他者に探すこともない。自分の復讐心を隠し、神の名を借りて、他者を犠牲にしようなどと思うこともない。結果、無辜なる心は投射しないし、出来もしない。"It can only honor ~ "「それは他者の心を尊敬することが出来るだけだ」。"because honor ~ "「なぜなら、敬意を払うとは、真に愛されている者が自分と似た他者に対して送る自然な挨拶なのだから」。真に愛されている者とは、神に愛されている者のこと。自分と似た他者とは、同じように神に愛されている者のこと。つまり、共に神の子だということである。神の子として自他一如。



    The lamb "taketh away the sins of the world" in the sense that the state of innocence, or grace, is one in which the meaning of the Atonement is perfectly apparent.
    • take away : 「奪い去る、連れ去る、持ち去る」
    • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
    • in the sense that : 「(that 以下)という意味では」
    • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
    • grace [gréis] : 「恩寵、神の愛、恩恵、品のよさ、優雅、優美」
    • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
    • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
    • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
    • apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な、はっきり見える」
    ❖ "The lamb "taketh away ~ "「〜という意味において、子羊は『世界の罪を取り除く』」。"in the sense that ~ "「that以下の意味において」。"that the state of ~ "「無辜である状態、あるいは、神の恩寵を受けている状態は、贖罪の意味が完全に明白な状態である」という意味において、子羊は『世界の罪を取り除く』。自分の無意識に存在する罪から解放されることが贖罪。その意味が明白になる心の状態が清き心。すべての心(mind)が贖罪によってその罪から解放され、清き心になるとき、世界は同時に罪から解放される。つまり、神の子は神を裏切って神から分離し、裏切りという罪の意識をもってしまったのだが、実はそれは夢の中の出来事であった。罪は幻想に過ぎないと認識し、それを受け入れて赦せば、幻想の罪の意識は消滅する。それが、罪を滅ぼすことであり、贖罪である。こういう贖罪の意味を明白に知って、贖罪を果した心が清き心であり、無辜なる心である。子羊とは、無辜なる心をもっている者のことであり、世界の罪もまた幻想に過ぎないと赦し、幻想の罪を消滅させるのである。かくして、子羊は『世界の罪を取り除く』のだ。



    The Atonement is entirely unambiguous. It is perfectly clear because it exists in light. Only the attempts to shroud it in darkness have made it inaccessible to those who do not choose to see.
    • entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
    • unambiguous [ʌnæmbígjuəs] : 「曖昧でない、疑わしくない、明白な」
    • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
    • clear [klíər] : 「澄んだ、きれいな、汚れていない、明快な」
    • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
    • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
    • shroud [ʃráud] : 「覆う、包む 」
    • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
    • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
    • inaccessible [ìnəksésəbl] : 「 手の届かない、近づき難い、アクセスできない」
    • those who : 「〜する人々」
    • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
    ❖ "The Atonement is ~ "「贖罪は完全に明白である」。"It is perfectly clear ~ "「それは光の内にあるから、まったく明らかである」。幻想が払拭され真実の光に満たされた中にあるから、贖罪の本当の意味が明白になる。"Only the attempts ~ "「暗闇の中に贖罪を覆い隠してしまう試みは、贖罪を、見ることを選択しない人々にとってアクセス出来ないものとしてしまった」。贖罪の本当の意味を幻想の闇の中に隠してしまったので、真実を見ようとしない人達にとっては、本当の贖罪によって罪から救われることが手の届かないものとなってしまった。
    たとえば、神が独り子イエスを犠牲にすることによって、人間全体の贖罪が果されたのだ、などと信じて、幻想(投影)の闇の中に贖罪の実相的な意味を隠してしまえば、真実を見ようとしない限り、その人の本当の贖罪は果されない。真実から目を逸(そ)らしている限り、罪の意識からの救いは手の届かないものになってしまう。また、たとえば、食うもの(ライオン)と食われるもの(子羊)が共存する世界こそが平和の姿なのだと幻想を抱く者は、力と愛が、あるいは力と無辜とが同一であることを知り得ない。結果、自己の弱さから解放は手の届かないものとなる。闇の中で心はいつまでも濁り、清い心、無辜なる心もまた、手の届かないものとなる。
     
     
     



    Notification

    自分の写真


    ❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
    ❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
    ❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
    ❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
    ❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
    ❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

    oohata_mnb@yahoo.co.jp
    oohata.m@coda.ocn.ne.jp