●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-31.II.8:1 ~ T-31.II.9:7


8. Be very still an instant. Come without all thought of what you ever learned before, and put aside all images you made. 

  • still [stíl] : 「静止した、じっとした、動かない、穏やかな、平穏な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え、見解、思い付き」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、〜であると分かる」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
  • put aside: 「〜をやめる、〜を捨てる、〜をあきらめる」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像、印象、心証」

❖ "Be very still ~ "「ほんのしばらくの間、ただじっとしていなさい」。"Come without all ~ "「あなたが以前学んだことすべてに思いを馳せることなく、あなたが作り出したイメージもすべてうっちゃっておきなさい」。あなたは、これまでずっとエゴの思考システムを学び、頭脳による理性的思考を優先してきたが、そこで描かれるイメージはすべて幻想である。肉体的な知覚が、あたかも幻想がその場に実在しているかのように錯覚させているだけだ。今、心を空っぽにして、以前の思考もイメージも捨て去って、静かに瞑想しなさい。



The old will fall away before the new without your opposition or intent. 

  • fall away : 「外れて落ちる、はがれ落ちる、剥離する」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対」
  • intent [intént] : 「意図、目的、故意」

❖ "The old will fall away ~ "「あなたが反対したり意図しなくても、古い思考やイメージは、新しい思考やイメージの前では、はがれ落ちてしまうものだ」。夢に見ていることに反発したり、夢から目覚めようと意図しなくても、自然に夢から目覚めるように、古いエゴの思考システムははがれ落ちて、新しいホーリー・スピリットの思考システムが立ち上がってくる。そのために、心を静め、心を空っぽにして、しばらくの間、じっとしていなさい。なお、ACIMでは、強く瞑想を勧めているわけではない。瞑想は目的ではなく、単なる手段であると認識しているからだ。つまり、瞑想さえすればすべてが自然に解決するとは考えておらず、まず初めに、ホーリー・スピリットの思考システムに回帰することを優先しているのだ。そのための道具が瞑想というわけである。瞑想は目的ではなく手段に過ぎない。だが、瞑想は強力な、必須の手段である。



There will be no attack upon the things you thought were precious and in need of care. 

  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • thought [θɔ́ːt] : 「thinkの過去・過去分詞形」
  • precious [préʃəs] : 「高価な、貴重な、重要な、大事な」
  • in need of : 「〜を必要としている」
  • care [kέər] : 「心配、苦労、心痛、世話、介護、ケア、手入れ」

❖ "There will be no ~ "「あなたが、価値があると思い、大切にしなくてはならないと思っている物を攻撃する必要はまったくない」。この幻想世界に生きて、大切だと思っていたり価値があると信じ込んでいることを、たとえそれが幻想に過ぎないと知っても、無理やりそれを攻撃して、崩壊に導く必要はない。なぜなら、幻想に過ぎないものは、自然にはがれ落ちてしまうからだ。その自然な成り行きに導いてくれるのがホーリー・スピリットの思考システムであり、そのための瞑想である。



There will be no assault upon your wish to hear a call that never has been made. 

  • assault [əsɔ́ːlt] : 「肉体的暴力、攻撃、暴行」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • call [kɔ́ːl] : 「呼び声、要求、需要」

❖ "There will be no assault ~ "「決してなされたものではない呼び声を聞きたいと思う願いが攻撃されることもない」。ここの"a call that never has been made"「決してなされたものではない呼び声」とは、存在し得ない呼び声ということで、幻想の呼びかけのことである。つまり、幻想に過ぎないエゴという偶像があなたに誘いかけたその呼び声のこと。あなたはエゴの呼びかけを耳にしたいと望んでいるかも知れないが、それを、ホーリー・スピリットの思考システムが攻撃し、破壊しようとしているのではない。攻撃し破壊しなくても、幻想の呼びかけは自然に消滅してしまうからだ。



Nothing will hurt you in this holy place, to which you come to listen silently and learn the truth of what you really want. 

  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • holy [hóuli] : 「神聖な、聖なる」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所」
  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • silently [sáiləntli] : 「静かに、黙って、無言で」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」\
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」

❖ "Nothing will hurt ~ "「この神聖な場所では、何ものもあなたを傷つけたりしない」。幻想から目覚めた、実相という神聖な場所では、あなたを攻撃し傷つけるものはない。虚偽や幻想がはがれ落ちるだけである。"to which you come ~ "「その場所へと、あなたは、心静かに耳を澄ませ、本当にあなたが望んでいるものの真実を学ぶためにやって来るのである」。あなたは、金を求め物質的な豊かさを希求し、名誉や地位を望んで生きてきたが、それは、本当にあなたが欲しているものではない。あなたが心を静めて、耳を澄ませば、ホーリー・スピリットの呼び声が聞こえてくるのであり、その神聖な瞬間に、あなたが本当に求めている真実の安らぎや平和や愛や美を学ぶことが出来るのだ。



No more than this will you be asked to learn. 

  • no more than : 「ただの〜にすぎない、たかが〜、〜しかない、たった、わずか」
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」

❖ "No more than this ~ "「これ以上のことを、あなたは、学ぶようにとは求められていない」。あなたがホーリー・スピリットから求められているものは、真実を学べということだけである。少なくとも、幻想を攻撃し破壊せよ、などとは求められていない。



But as you hear it, you will understand you need but come away without the thoughts you did not want, and that were never true.

  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • come away : 「〜から離れていく」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」

❖ "But as you hear ~ "「しかし、あなたがそれ(心の中のホーリー・スピリットの呼び声)を聞いているうちに、あなたが望んでもいない思考や決して真実ではない思いをうち捨てて、そこから離れ、(ここに)やって来る必要だけがあるのだと理解出来るようになる」。真実でもなく、望みもしなかったエゴの思考システムをうち捨てて、そこから遠く離れて、真実の住む実相世界に回帰することだけが求められているのだと理解出来よう。それを誘(いざな)っているのが、あなたの心の中のホーリー・スピリットである。



9. Forgive your brother all appearances, that are but ancient lessons you have taught yourself about the sinfulness in you. 

  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿、風貌」
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
  • lesson [lésn] : 「授業、レッスン」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teachの過去・過去分詞形」
  • sinfulness [sínfəlnis] : 「罪深さ、罰当たりであること」

❖ "Forgive your brother ~ "「あなたの同胞の、その見掛けのすべてを赦しなさい」。あなたが目にする同胞の見掛けは単なる幻想に過ぎないのだと認識し、受け入れ受け流して赦しなさい。"that are but ancient ~ "「それは、あなたの心の中の罪の意識に関して、あなたがあなた自身に教えた昔のレッスンに過ぎない」。神から分離した遠い昔、あなたは神を裏切ってしまったという罪の意識を抱え込むことになった。その罪の重さをごまかすために、幻想世界を打ち立て、それこそが現実なのだと、あなたはあなた自身に教えたのだ。そんな幻想のレッスンの中には、同胞は敵であり、奪い奪われる対象に過ぎないのだという、同胞の見掛けが含まれている。今、そんな幻想の見掛けなど赦してしまえ、というわけである。なお、"you have taught yourself"「あなたが、あなた自身に教えた」とあるが、「あなたが作りだしたエゴという偶像によって教えられた」という意味である。



Hear but his call for mercy and release from all the fearful images he holds of what he is and of what you must be. 

  • call for : 「〜を求めて呼ぶ、〜を呼び求める、〜を要求する」
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け、寛大な措置」
  • release [rilíːs] : 「釈放、救出、解放」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える」

❖ "Hear but his call for ~ "「慈悲と解放を求める同胞の呼び声に耳を傾けなさい」。何からの開放かというと、"from all the fearful ~ "「自分は何であるか、そして、あなたは何であらねばならないかということに関して、彼が抱いた恐ろしいイメージのすべてから」の解放。同胞もあなたと同様に、自分は他者から分離した肉体をもった実在だと信じ、他者は攻撃したり攻撃されたり奪ったり奪われたりする対象だと思っている。もちろん、心の中には罪の意識を抱きつつ、苦と痛みの世を彷徨(さまよ)っていると思っている。そういった苦と恐怖から救って欲しいと、同胞は助けを求めている。その声に耳を傾けなさい。



He is afraid to walk with you, and thinks perhaps a bit behind, a bit ahead would be a safer place for him to be. 

  • be afraid [əfréid] to : 「〜するのを怖がる、怖がって〜しない」
  • walk with : 「〜とともに歩む」
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • bit [bít] : 「少し、ちょっと、少量、わずか」
  • behind [biháind] : 「後に、後ろへ、後ろ側に、背後に」
  • ahead [əhéd] : 「前方に、前途に、これから先に」
  • safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で」

❖ "He is afraid to ~ "「彼は、あなたと共に歩むことを恐れいている」。彼は、あなたが同胞を攻撃し奪う役割をもっている存在だと信じているから、あなたと一緒に歩むことなど、恐ろしくて出来ないのだ。"and thinks perhaps ~ "「そして、多分、少し後ろか、少し前かに位置する方が、彼にとってより安全だと思っている」。共に歩むことは恐ろしいのだが、同じ穴のムジナとして、幻想世界の同方向に進んでいる。肩を並べることは恐ろして出来ないので、ちょっと前かちょっと後ろを歩くのである。しかし、共に、崩壊と死の方向へ歩んでいるのだ。



Can you make progress if you think the same, advancing only when he would step back, and falling back when he would go ahead? 

  • make progress [prάɡres] : 「進歩する、進行する」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • advance [ædvǽns] : 「前へ進む、前進する、進歩する、進展する」
  • step back : 「後ずさりする、後に下がる、後退する」
  • fall back : 「後退する、後ずさりする、退却する、たじろぐ」
  • go ahead : 「先へ進む、前進する」

❖ "Can you make progress ~ "「同胞が後退したときだけ前進出来、同胞が前進したときは後退するというように、もしあなたが(同胞と)同様に考えているなら、あなたは先に進むことなど出来るだろうか」。簡単に言えば、あなたと同胞は足の引っ張り合をしていて、さっぱり前に進むことが出来ない、ということ。同胞が金持ちになれば、あなたは自分は貧乏だと感じて悲しみ、あなたの地位が上がれば、同胞の地位は下がったと感じて喜ぶ。そんな歩みなど、本当の旅だと言えるだろうか? 所詮、夢の中の出来事ではないか。



For so do you forget the journey's goal, which is but to decide to walk with him, so neither leads nor follows. 

  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • journey [dʒə́ːrni] : 「旅、旅行」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
  • walk with : 「〜とともに歩む、」
  • neither [níːðər] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」

❖ "For so do you ~ "「なぜなら、そんなことをすれば、あなたは旅の目的を忘れていまうことになる」。あなたが同胞と共に歩まねばならないのは、本当の旅路であって、実相世界への回帰の旅であるはずだ。この幻想世界の、足の引っ張り合いという旅を演じている限り、本当の旅路の目的を忘れていると言える。"which is but to decide ~ "「それは、同胞と一緒に歩む決意をすることであり、導いたり追従したりするものではない」。あなたと同胞は自他一如であり、どちらが指導的立場でも、どちらが追従する立場でもない。一体となって、実相世界への旅路を歩んで行く神の子同士なのだ。



Thus it is a way you go together, not alone. And in this choice is learning's outcome changed, for Christ has been reborn to both of you.

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に」
  • alone [əlóun] : 「独力で、単独で、一人で」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • reborn [ribɔ́ːrn] : 「再生した、生き返った、よみがえった、生まれ変わった」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」

❖ "Thus it is a way ~ "「こうして、旅路は、あなた達が一緒になって進む道のりであり、単独で歩く道程ではない」。"And in this choice ~ "「これを選択することで、学びの結果は変化させられる」。エゴの主導する旅ではなく、ホーリー・スピリットの主導する旅を、同胞と共に選択したのだから、その結果も自ずからまったく異なってくる。エゴの旅は崩壊と死へ向かい、ホーリー・スピリットの旅は永遠の命へと生まれ変わる旅である。"for Christ has been ~ "「なぜなら、キリストが、あなたがた二人のとって、蘇るからだ」。あなたと同胞の心の中のホーリー・スピリット、つまりキリストが、あなたがたの意識の中に再生される。心が実相として生まれ変わるのだ。あなたと同胞の選んだ旅路は、心の命の復活への旅である。心の救いの道であり、キリストへの道なのだ。
 
 
 


T-31.II.6:1 ~ T-31.II.7:6


6. Before you answer, pause to think of this:

               The answer that I give my brother 
               is
 what I am asking for, 
               and what I learn
of him is 
               what I learn about myself.

  • answer [ǽnsər] : 「答える、返事する」
  • pause [pɔ́ːz] : 「中止する、休止する、一息つく、一瞬沈黙する」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる」
  • learn of : 「〜を知る」
  • learn about : 「〜について学ぶ」

❖ "Before you answer ~ "「答える前に、ひと息ついて次のことを考えてみなさい」。エゴを選ぶか、ホーリー・スピリットを選ぶか、その答えを出す前に、ゆっくり次の事を考えなさい。"The answer that I ~ "「私が同胞に与える答えは、私が求めているものであり、」"and what I learn ~ "「私が同胞を知ることは、私自身について私が学ぶことである」。あなたと同胞は自他一如であり、あなたが求めている答えが同胞に与えられる。あなたがエゴを求めれば、同胞にエゴを与えることになり、あなたがホーリー・スピリットを選択すれば、同胞にホーリー・スピリットを与えることになる。同様に、同胞が何を求め、何を選択するかを知ることは、あなたがエゴを求めているのかホーリー・スピリットを求めているのか、それを知ることに繋がる。だから、心静かにして、心の奥底の声に耳を傾けなさい、ということ。



Then let us wait an instant and be still, forgetting everything we thought we heard; remembering how much we do not know. 

  • wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • still [stíl] : 「静止した、じっとした、動かない」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • thought [θɔ́ːt] : 「thinkの過去・過去分詞形」
  • heard [hə́ːrd] : 「hearの過去・過去分詞形」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」

❖ "Then let us wait ~ "「そこで、しばし答えを出すことを待って、じっとしていよう」。"forgetting everything ~ "「私たちが耳にしたと思っているあらゆることを忘れるのである」。私たちが耳にした幻想の声、つまり、エゴの囁きをすべて忘れて、心の奥底の正しい思いに耳を傾けなくてはいけない。"remembering how ~ "「そして、どんなにか、私たちは知らずにいたか想い出すのである」。そのとき、私たちは、エゴの喧騒な声にかき消されて、本当の思いの声をまったく聞くことがなかった、本当の思いを何も知らずに生きてきた、と気付くのである。



This brother neither leads nor follows us, but walks beside us on the selfsame road. 

  • neither [níːðər] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • lead [líːd] : 「案内する、指導する、統制する」
  • follow [fάlou] : 「〜の後について行く、〜に続く」
  • beside [bisáid] : 「〜のそばに、〜の傍らに、〜の脇に」
  • selfsame [sélfseim] : 「同一の」
  • road [róud] : 「道、主要道路、道路、道筋、道程」

❖ "This brother neither ~ "「この同胞は、私たちの指導者でも追従者でもなく、」"but walks beside ~ "「単に、私たちの傍らにあって、同じ道を歩んでいるのである」。あなたと同胞は自他一如であって、分離されるものではない。影の様に付き添って歩いている者同士なのだ。その影はあなたを導く者でもないし、あなたに従う者でもない。



He is like us, as near or far away from what we want as we will let him be. 

  • near [níər] : 「近い、近くにある、接近した、近接した」
  • far away from :「〜から遠く離れて」

❖ "He is like us ~ "「同胞は、私たちにそっくりであり、」"as near or far away ~ "意訳する、「私たちが同胞をどう見るかによって、同胞は、私たちが求めるものから遠ざかったり近づいたりするのである」。あなたが、同胞をエゴ的だと見れば、あなたが望むホーリー・スピリット的な者から同胞は離れて行き、同胞をホーリー・スピリット的だとみれば、同胞はどんどんホーリー・スピリットそのものに近づいて行く。それは同時に、あなた自身がエゴ的になるかホーリー・スピリット的になるか、その方向を決めるものなのだ。つまり、あなたが同胞を敵と見なせば、同胞もあなたもエゴ的な思考システムにからめ取られて共にエゴ的となり、あなたが同胞を友と見なせば、同胞もあなたもホーリー・スピリットの思考システムに寄って立つ、ホーリー・スピリット的な存在になるのだ。



We make no gains he does not make with us, and we fall back if he does not advance. 

  • gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
  • fall back : 「後退する、後ずさりする、退却する」
  • advance [ædvǽns] : 「前へ進む、前進する、進歩する、進展する」

❖ "We make no gains ~ "ここは"if"を補って解釈すべきだろう「もし同胞が、私たちと共に得ることがなければ、私たちも何も得られないし、」"and we fall back ~ "「彼が前進しなければ、私たちは後ずさりするだけである」。あなたと同胞は分離してなどいない。だから、与えることは得ることであり、奪うことは奪われることになってしまうのだ。



Take not his hand in anger but in love, for in his progress do you count your own. 

  • in anger : 「怒って」
  • in love : 「恋して、恋愛中で、いい仲で、恋仲で」
  • progress [prάɡres] : 「前進、進展、発達、進歩、向上」
  • count [káunt] : 「〜を数に入れる、勘定に入れる、考慮する」

❖ "Take not his hand ~ "「怒りではなく、愛をもって、同胞の手を取りなさい」。"for in his progress ~ "「なぜなら、同胞の進歩にこそ、あなたの進歩を見出せるのだから」。



And we go separately along the way unless you keep him safely by your side.

  • separately [sépərətli] : 「離れて、独立して、別々に、分かれて、離ればなれになって」
  • along the way : 「途中で、ここに至るまでに、これまでに」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • keep [kíːp] : 「〜の管理をする、〜を預かる、守り続ける」
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • side [sáid] : 「側面、辺、側、面」

❖ "And we go separately ~ "「あなたが同胞を、あなたの傍らに安全でいられるように守っていない限り、私たちはバラバラに道を歩くことになる」。あなたが同胞を自他一如だと認識し、したがって、愛をもって手を結び、安全を確保し合わない限り、あなたと同胞は分離し、繋ぎ合った手を離して拳(こぶし)を突き合わせ、敵同士となって憎み合い、攻撃し合い、互いに別々の方向に進んで行くことになろう。



7. Because he is your equal in God's Love, you will be saved from all appearances and answer to the Christ Who calls to you. 

  • equal [íːkwəl] : 「同等の人、匹敵する人、平等なもの」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿、風貌」
  • answer to : 「〜に対する答える」
  • call to : 「〜に声をかける」

❖ "Because he is your ~ "「神の愛の中で、同胞はあなたと同等なので、」あなたと同胞は、共に神の愛する神の子であるから、"you will be saved ~ "「あなたは、あらゆる見掛けから救われ、」ここの"appearances"「外見、見掛け」とは、"form"「形」のことで、つまり、知覚される幻想のこと。したがって、「あなたは、あらゆる見掛けの幻想から救われ、」となる。"and answer to ~ "「あなたは、あなたに呼びかけているキリストに答えることになる」。幻想から救われたあなたは、あなたを実相世界に誘うキリストの呼び声、つまり、ホーリー・スピリットの呼び声をはっきり聞き取ることが出来るようになり、その呼び声に答えて、実相世界に回帰する旅を選択するのである。もちろん、それは、あなた一人に限ったことではなく、同胞と共に、その道を歩むことを選択することになるのだ。



Be still and listen. Think not ancient thoughts. Forget the dismal lessons that you learned about this Son of God who calls to you. 

  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考えること、思考、思索」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • dismal [dízməl] : 「憂鬱な、陰気な、陰鬱な、暗い」

❖ "Be still and ~ "「心静かに、耳を傾けなさい」。"Think not ancient ~ "「昔の考えに思いを馳せてはいけない」。"Forget the dismal ~ "「あなたに呼びかける神の子について、あなたが学んだ陰鬱なレッスンを忘れなさい」。あなたに救いを求め、実相世界への回帰の旅を誘った同胞について、エゴは、そんな同胞は敵であると教えたのだが、そんな陰気なレッスンは忘れてしまいなさい。



Christ calls to all with equal tenderness, seeing no leaders and no followers, and hearing but one answer to them all. 

  • equal [íːkwəl] : 「同等の、程度が等しい、均等な、平等な」
  • tenderness [téndərnis] : 「柔らかさ、敏感、優しさ」
  • leader [líːdər] : 「指導者、リーダー、統率者、指揮官」
  • follower [fάlouər] : 「信奉者、追随者、部下」

❖ "Christ calls to all ~ "「キリストは、等しく優しく、すべての神の子に呼びかけている」。"seeing no leaders ~ "「誰を導く者とも見ず、誰を追従者とも見ず、」"and hearing but one ~ "「神の子すべてに対するたった一つの答えだけを聞いている」。神の子全員が、つまり、あなたも同胞も共に、たった一つの答え、つまり、エゴの幻想を捨ててホーリー・スピリットの実相に目覚める選択をしたのだという答えを、キリストは耳にしたいと願っている。そして、耳にすることになるのである。



Because He hears one Voice, He cannot hear a different answer from the one He gave when God appointed Him His only Son.

  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」

❖ "Because He hears ~ "「キリストはただ一つの声を聞いているので、」"He cannot hear ~ "「神がキリストを唯一の子として任命したとき、キリストが与えた答えと異なった答えを、キリストは聞くことは不可能である」。非常に難解で、意味深長な箇所である。まず、ここのキリストを2000年前のイエス・キリスト一人のことだと誤解してはならない。ここのキリストとはホーリー・スピリットのことであり、突き詰めれば、神の子それ自体である。つまり、あなたも同胞もキリストであり、ホーリー・スピリットであり、神の子なのだ。したがって、"when God appointed ~ "「神がキリストを唯一の子として任命したとき」とは、神が神の子を単一の神の子として創造したとき、という意味合いである。そのとき、神の子は、神を父として無条件に愛したわけで、その愛が、神の子の答えである。したがって、キリストである神の子は、愛以外の答えを知ることはないし、聞こえもしないのである。神が神の子に呼びかける声は愛そのものであり、それに答える神の子の声もまた、愛そのものであって、それ以外のものではない。






T-31.II.4:1 ~T-31.II.5:14


4. Perhaps you call it love. Perhaps you think that it is murder justified at last. 

  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」

❖ "Perhaps you call ~ "「たぶん、あなたはそれを愛と呼ぶかも知れない」。あるいは、"Perhaps you think ~ "「たぶん、あなたは、ついに正当化された殺人だと考えるかも知れない」。たとえば、異性があなたに対して隷属的に従うことで、あなたはその異性から愛を奪ったと思うかも知れない。相手の自由意思を奪うことは正当化された殺人に等しいと考え、相手を隷属化して、征服者になりたいと思うかも知れない。あなたと他者が分離している限り、愛は奪うか奪われるか、精神的に殺すか殺されるか、の関係となる。なぜなら、分離は相反する力のベクトルを生み出し、ベクトルの力関係だけによって関係性が成り立つものだからだ。



You hate the one you gave the leader's role when you would have it, and you hate as well his not assuming it at times you want to let the follower in you arise, and give away the role of leadership. 

  • hate [héit] : 「 〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • gave [ɡéiv] : 「giveの過去形」
  • leader [líːdər] : 「指導者、リーダー、統率者」
  • role [róul] : 「役、役柄、役割、役目、任務」
  • as well : 「おまけに、その上、同じに」
  • assume [əsjúːm] : 「引き受ける、担う、負う」
  • at times: 「時々、折々、時たま、時には」
  • follower [fάlouər] : 「信奉者、追随者、部下、随行者」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • give away : 「譲る、贈る、許す、与える、引き渡す」
  • leadership [líːdərʃìp] : 「指導者の地位、指示、指導」

❖ "You hate the one ~ "「あなたが指導的役割を持ちたいと思っているときに、あなたがその指導的役割を与えてしまった相手を、あなたは憎むことになる」。"leader's role"「指導者の役割、指導的役割」とは、受動的役割に対する能動的役割のことで、支配的役割とか束縛的役割と考えていい。たとえば、あなたが他者に対して、愛を奪って支配的立場に立ちたいと思っているときに、逆に、その相手から支配的な愛を強制されると、あなたはその他者を憎むようになる。あえて「他者」と書いたのは、異性関係における愛もそうだが、親子関係における愛も、友人同士の愛においても、同様の力学が作用するからだ。"and you hate as well ~ "「同様に、あなたの心の中の追従者(の役割)を生起させ、指導者の役割を放棄したいと思っているときには、相手がそうさせてくれないとき、しばしば、あなたは彼を憎むことになる」。ここも、幻想世界における愛の力学を考えればいいだろう。たとえば、好きな相手に対して、自分が隷属的に愛されたい、相手の支配的な愛にただただ服従したいと思っているときに、その相手から、自由意思による対等な愛を要求されたり、愛をリードする役割を求められたりすると、自分の願いが否定されたと思って相手を憎むようになるのだ。いつまでも無条件に愛されているだけの子供でいたいと思っているときに、自分から他者を愛することを要求されると、子供は、親が自分への愛を放棄したと思い込んで、親を憎む。



And this is what you made your brother for, and learned to think that this his purpose is. 

  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い、理由、意義、意味」

❖ "And this is what you ~ "意訳する、「これが、あなたが同胞を利用するやり方であり、これが、同胞の存在理由だと思うようになった」。実相世界では本来単一の存在である神の子は、幻想世界を作り出すにあたって、自らを分離分裂させ、自分と他者を偽創造した。何のためか? その理由が上に述べたことだ、というのである。つまり、自ら、自分と他者の両者を演じて、都合のいい役割を演じたり演じさせたりしているわけだ。もっとも、分離した他者も同様に、都合のいい役割を演じたり演じさせたりしてるわけで、他者とあなたの力関係が、愛を生んだり憎悪を生んだりしているのである。あるいは、支配的役割や従属的役割を強制したり強制されたりして、願いが叶えば満足し、叶わねば相手を憎むのである。



Unless he serves it, he has not fulfilled the function that was given him by you. 

  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く、〜に役立つ」
  • fulfill [fulfíl] : 「実行する、遂行する、履行する、満たす」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」

❖ "Unless he serves ~ "「彼が、あなたの目的に寄与しない限り、彼は、あなたによって与えられた役割を果たしていないということになる」。そして、あなたは苛立ち、ストレスを感じ、憎み、攻撃し、奪おうとするのである。関係性は崩壊し、死へと向かう。



And thus he merits death, because he has no purpose and no usefulness to you.

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • merit [mérit] : 「〜に値する」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
  • usefulness [júːsfəlnis] : 「役に立つこと、実用性、有用、有効性」

❖ "And thus he ~ "「こうして、彼は、死に値するものと見なされる」。"because he has no ~ "「なぜなら、あなたにとって、彼は目的もなく役にも立たないからだ」。ここの、"he has no purpose"「彼は目的をもっていない」とは、彼の目的があなたの目的と合致しない、という意味合い。あなたの意に沿う目的をもっていない、という意味である。役にも立たない存在は、あなたにとって非存在に等しく、したがって、死んでも当然の存在と思えるようになってしまうのだ。



5. And what of him? What does he want of you? What could he want, but what you want of him? 

  • what of : 「〜はどうなのか」

❖ "And what ~ "「では、彼はどうなのか」。"What does he ~ "「彼はあなたに何を望んでいるのか」。もちろん、あなたとまったく同様のものを望んでいるのだ。なぜなら、あなたは彼で、彼はあなただからだ。幻想世界で分離分裂したとは言え、自他一如という真実は消滅しない。"What could he ~ "「彼が望むことが出来るものは、あなたが彼に望むこと、そのものである」。彼は、鏡の中のあなた自身と同じである。あなたと、鏡の中のあなたが、幻想の中で互いの役割を演じ合って、憎んだり奪ったりしているのである。茶番劇を演じているのだ。あるいは、腹話術師とその人形と考えてもいい。あたかも独立した二者に見えるが、本来は同一人物である。ところが、あなたの心が無意識レベルで分裂しているので、ある時、分裂した一方の人格が人形に乗り移って、人形は腹話術師に刃向かうことになる。人形は常に腹話術師を監視し、腹話術師の不正や横暴を暴いて攻撃する。そして、腹話術師は人形を憎むというわけだ。



Herein is life as easily as death, for what you choose you choose as well for him. 

  • Herein [hìərín] : 「ここに、この中に、この点で、これを考慮すると」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • as well : 「おまけに、その上、同じに」

❖ "Herein is life as ~ "「ここでは、いとも容易に、命は死となる」。あるいは、死が安価であるように、命も安価である。死と命の区別がつかないのだ。生きていると言っても、死んだも同然だ。"for what you choose ~ "「なぜなら、あなたが選択するものは、彼に対して選択することと同じだからだ」。たとえば、あなたは、自分の役にお姫様を選択したとしよう。すると、鏡の中の彼の役を、あなたは当然、王子様と選択することになろう。初めのうちはお姫様と王子様は仲良く暮らす。命に溢れんばかりだ。鏡の中の彼にとっては、逆に、彼の鏡の中にあなたが映っていて、もし彼が王子様の役を選択し、同時にあなたにお姫様の役を振っているのなら、互いの利害はかみ合って、溢れんばかりの命は長続きするだろう。しかし、事はそううまく行かない。もしかしたら、彼はサディストを選択し、あなたにマゾヒストの役を振るかも知れない。すると、お姫様と王子様の溢れんばかりの命は、一瞬にして死に直面する。お姫様と王子様の命が安易であるように、その死もまた安易に訪れるのだ。変化流動する幻想世界の必然である。幻想世界の命も死も幻想であって、露のように生まれ、露のように消えてゆく。



Two calls you make to him, as he to you. Between these two is choice, because from them there is a different outcome. 

  • between [bitwíːn] : 「〜間で」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」

❖ "Two calls you ~ "「あなたは彼に二つの呼びかけをし、彼もまたあなたに二つの呼びかけをする」。二つの呼びかけとは、鏡の前で幻想の役を演じ続けるか、幻想から目覚めて鏡の前を去るか、という二つの問い掛けである。"Between these two ~ "「これらの二つの呼びかけの間で、選択が行われる」。本当に意味のある選択とは、幻想と幻想の間(たとえば、金と名誉の間)の選択ではなく、実相と幻想のどちらかを選択するか、生と死の選択なのだ。"because from them ~ "「なぜなら、その二つの呼びかけから、異なった結果が生じるのだから」。鏡の前で幻想の役を演じ続ける選択すれば、遅かれ早かれ、幻想の命は露のように消えてしまう結果を生み、鏡の前を去って幻想から目覚める選択をすれば、実相的な永遠の命を得られる結果を生む。まさに、生と死の選択なのだ。



If he be the leader or the follower to you it matters not, for you have chosen death. 

  • matter [mǽtər] : 「重要である、大きな違いがある」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」

❖ "If he be the leader or ~ "「彼があなたに対して指導者であろうと追従者であろうと、それは問題ではない」。"for you have ~ "「なぜなら、あなたは死を選択してしまったからだ」。この幻想世界で、他者に指導者の役割を振ろうが追従者の役割を振ろうが、それは問題ではない。どちらにしても幻想の役割であって、遅かれ早かれ、そんな夢は消滅してしまうからだ。つまり、幻想世界は変化流動する世界であって、何を選択しようが、死は間逃れ得ない。幻想を選択するとは死を選択することに外ならないのだ。



But if he calls for death or calls for life, for hate or for forgiveness and for help, is not the same in outcome. 

  • call for : 「〜を要求する、〜をくれと言う、〜を必要とする」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」

❖ "But if he calls for ~ "「しかし、彼が死を求めか、命を求めるか、憎しみを求めるか、赦しを求めるか、救いを求めるか、それによって結果は同じものではない」。同胞が(ということはあなたが)、幻想の死や憎悪を求めるか、実相の命や赦しや救いを求めるかで、結果は全然異なってしまう。かたや幻想の死の選択であり、かたや実相への目覚め、つまり、真実の命の選択であるからだ。



Hear the one, and you are separate from him and are lost. 

  • separate [sépərət] : 「接していない、分かれた、離れた」
  • lost [lɔ́st] : 「失われた、無くなった、見つからない」

❖ "Hear the one ~ "「一方の死に耳を傾ければ、あなたは同胞から分離したままとなり道を失う」。幻想を選択すれば、幻想の闇の中で道に迷い、死を迎えることになる。もちろん、同胞と和合することもない。神の子の再統一は夢のまた夢となる。



But hear the other, and you join with him and in your answer is salvation found. 

  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • found [fáund] : 「findの過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、探し出す、発見する、見いだす」

❖ "But hear the other ~ "「しかし、他方の命に耳を傾けるなら、あなたは同胞と和合することになり、あなたのその答えの中に救いが見い出せる」。あなたが実相への目覚めを選択すれば、神の子としてあなたは同胞と結合し合うことが出来、その結果、赦しという救いが見い出せる。同胞の行いはすべて、あなたの無意識が生み出した幻想であって、どんな行為も夢として赦せるようになるのだ。つまり、幻想を赦すのである。そこに、実相への目覚めという救いがもたらされる。



The voice you hear in him is but your own. What does he ask you for? 

  • voice [vɔ́is] : 「声」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」

❖ "The voice you ~ "「あなたが彼の中に聞く声は、あなた自身の声に過ぎない」。あなたと同胞は分離などしていない。彼の真実を求める声は、あなた自身の真実を求める声であり、あなたの救いを求める声は、彼の救いを求める声である。あなたが幻想を捨てて真実の実相を求めるとき、鏡の中の彼は、文字通り、本当のあなた自身と調和共鳴して、あなたと一体になるのである。ならば、"What does he ~ "「いったい彼は、あなたに何を求めているのだろうか」。それに耳を澄ましなさい。同胞の心の中に住むホーリー・スピリットの声に耳を澄ましなさい。その声こそ、あなたの心の中に住むホーリー・スピリットの声に違いないのだから。



And listen well! For he is asking what will come to you, because you see an image of yourself and hear your voice requesting what you want.

  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像」
  • request [rikwést] : 「〜を依頼する」

❖ "And listen ~ "「ようく、耳を澄ましなさい」。"For he is asking ~ "「なぜなら彼は、あなたの元に何がやって来るのか、訊ねているからだ」。あなたが求め、選択した結果があなた元にやって来る。幻想を選択すれば死が訪れ、実相を求めれば命が与えられる。同胞の心の中のホーリー・スピリットは、あなたの元にやって来る命を求めているのだ。"because you see ~ "「なぜなら、あなたは、あなた自身のイメージを目にし、あなたが欲しいものを要求したその声を聞いているのだから」。あなたが実相的な真実の姿を想像すれば、あなたは本当の自分の姿を目撃することが出来、それを望む自分の声、つまりは同胞の声を聞くことになる。もちろん、共に、心に住むホーリー・スピリットの願いを反映した声なのだ。もちろん、その逆もあり得る。あなたが幻想に執着して闇の世を彷徨(さまよ)うことを想像すれば、その通りの自分を目撃することになり、それを願うエゴの声をあなたと同胞の心の中に聞くことになる。そのどちらかを、あなたは選択しなくてはならない。それが、本当の意味のある選択なのである。
 
 
 



T-31.II.2:1 ~ T-31.II.3:6


2. Let us review again what seems to stand between you and the truth of what you are. 

  • review [rivjúː] : 「〜を再調査する、もう一度見る、見直す」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」

❖ "Let us review again ~ "「あなたと、本当のあなたの真実との間に立ちふさがっているかのように見えるものを、再び見直してみよう」。実相的なあなた自身、つまり、神の子としての真実のあなた自身の目の前に立ちふさがっている重いカーテン、黒雲のような幻想とをもう一度見つめ直してみよう。



For there are steps in its relinquishment. The first is a decision that you make. 

  • relinquishment [rilíŋkwiʃmənt] : 「放棄、断念」
  • decision [disíʒən] : 「決定、決断、決心」

❖ "For there are steps ~ "「なぜなら、それを放棄するには段階が必要だからだ」。幻想を放棄して実相に目覚めるには、それなりのステップを踏まなくてはならない。棚ぼた式に実相への目覚めが訪れるわけではいのだ。"The first is a decision ~ "「第一のステップは、あなたがなす決定である」。あなたが日常行っている決定や決断や判断を見直すことが第一のステップである。



But afterwards, the truth is given you. You would establish truth. 

  • afterwards [ǽftərwərz] : 「あとで、後で、後に、後ほど、その後」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する、成立させる」

❖ "But afterwards ~ "「その後で、真実はあなたに与えられる」。"You would establish ~ "「そして、あなたは真実を確立することになるだろう」。あなたが日常行っている決定の不確かさを反省することで、本当の決断、真実の決定が出来るようになる。



And by your wish you set two choices to be made, each time you think you must decide on anything. Neither is true. Nor are they different. 

  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • each [íːtʃ] time : 「〜するたびに、いちいち、毎回」
  • decide [disáid] on : 「〜を決める、〜を決定する、〜を裁判する」
  • neither [níːðər] : 「どちらも〜ない」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の、実際通りの」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」

❖ "And by your wish ~ "意訳する、「あなたが二つのどちらかを選択したいと望むとき、」"each time you think ~ "「その度に、あなたは、何かを決定しなくてはならないと思ってしまう」。しかし、"Neither is ~ "「どちらも正しくはない」。しかも、"Nor are they ~ "「そのどちらも異なってはいない」。意味の取り難い部分である。簡単に言えば、幻想世界で夢の中に生きているうちは、二つの事物の間で選択をする状況において、あなたは重大な決定をしなくてはならないと思っているだろうが、そもそも二つの事物は共に幻想であって、違いなどないし(Nor are they different)、幻想の事物は真実ではない(Neither is true)。たとえば、あなたは、金をとるか名誉をとるか、その選択に悩み、決断を迫られたとしよう。しかし、金にしろ名誉にしろ、どちらも幻想であって、真実ではなく、どちらをとっても違いはない。そんな選択や決断や決定によって、幻想世界から実相世界に目覚めることなど出来ないのだ。真実とは無関係なのである。



Yet must we see them both, before you can look past them to the one alternative that is a different choice. 

  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • before [bifɔ́ːr] : 「〜の前に、〜に先立って、以前に」
  • past [pǽst] : 「〜を過ぎて、を越えて」
  • look to : 「〜に目をやる、〜に目を配る、〜を目指す」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「取って代わるもの、代替手段、選択肢」

❖ "Yet must we see ~ "「しかし、あなたが、それらの二つを通り越して、異なった選択肢であるもう一つの代案を見ることが出来るようになるまでは、あなたは、両者を見ているに違いない」。幻想に過ぎない二つの事物の選択や決定を超越して、もう一つの選択肢である実相への目覚めということに目を向けるようになるまでは、夢の中のあなたは、幻想の事物についつい目が行ってしまうに違いない。



But not in dreams you made, that this might be obscured to you.

  • obscure [əbskjúər] : 「〜を暗くする、見えなくする、〜を曖昧にする」

❖ 異なった選択肢であるもう一つの代案を見ると言っても、"But not in dreams you ~ "「あなたが見る夢の中に見るのではない」。"that this might ~ "「夢は、あなたにとって、それを曖昧にしてしまうだけだ」。実相世界の真実を求めるという代案を幻想世界の中に求めてはいけない。幻想世界は実相的真実を曖昧にするだけであって、実相的真実を求めるなら、実相に目覚めなくてはならないのだ。



3. What you would choose between is not a choice and gives but the illusion it is free, for it will have one outcome either way. 

  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する

  • between [bitwíːn] : 「間でに、〜相互間で」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • either way : 「どちらにしても」

❖ "What you would choose ~ "「あなたがどちらかを選ぼうとすることは、選択ではなく、」"and gives but the illusion ~ "「選択は自由であるという幻想を与えているだけだ」。"for it will have one ~ "「なぜなら、その選択は、どっちにしても、一つの結果しかもたらさないから」。あなたがこの幻想世界で、幻想に過ぎない二つの物事(たとえば、金を選ぶか名誉を選ぶか)を選択することは、実相的に見れば本当の選択だなどとは言えない。どっちを選択しても、その結果も一つの幻想であることに変わりないのだ。それにも関わらず、自分には選択の自由があるのだとうそぶいて、幻想世界の中の自由という幻想に埋没している。そんな自由は疑似自由に過ぎない。



Thus is it really not a choice at all. The leader and the follower emerge as separate roles, each seeming to possess advantages you would not want to lose. 

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • leader [líːdər] : 「指導者、リーダー、統率者」
  • follower [fάlouər] : 「信奉者、追随者」
  • emerge [imə́ːrdʒ] : 「表面に出てくる、現れる、出現する」
  • separate [sépərət] : 「接していない、分かれた、離れた、別々の」
  • role [róul] : 「役、役柄、役目、任務、役割」
  • possess [pəzés] : 「所有する、持っている」
  • advantage [ædvǽntidʒ] : 「有利な点、有利性、利点、長所、強み」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」 

❖ "Thus is it really ~ "「このように、それは(幻想世界の選択は)、実際、まったく選択などではない」。本当の選択とは、幻想世界にあって、実相的真実を選択すること、実相世界を選択することである。二つの幻想的な事物の選択は疑似選択である。"The leader and the follower ~ "「導く者と従う者は、分離した役割をもって現れる」。ここで、話題が大きく変わる。つまり、ステップ2の話しに移る。幻想的事物の選択という話題から、主従関係、あるいは支配関係の話題に移るのである。"each seeming to possess ~ "「その各々が、あなたが失いたくないと思うような利点を有しているかに見える」。導く者は優位性に立って物事を決定出来るし、従う者は命令に従っているだけでよく、責任はない。選択にしても、主動的立場に立てば選択の自由を行使出来るように感じるだろうし、受動的立場に立てば、選択を他者に一任し、選択の結果に責任をもたなくてすむ。どちらにも、それぞれの利点があるように見えるのだ。



So in their fusion there appears to be the hope of satisfaction and of peace. 

  • fusion [fjúːʒən] : 「溶解、溶融、融合、統合」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、〜らしい」
  • hope [hóup] : 「希望、望み」
  • satisfaction [sæ̀tisfǽkʃən] : 「実現、達成、成就、満足、満足感」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平安、静けさ、静謐」

❖ "So in their fusion ~ "「だから、導く者と従う者が融合すれば、それは、満足と平和への希望のように見えるだろう」。導く者の利点と従う者の利点を合わせもてば、この世はハッピーに見えてくるかも知れない。



You see yourself divided into both these roles, forever split between the two. 

  • divide [diváid] : 「〜を分ける、分割する」
  • both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • split [割れた、分割した、分裂した、分けた] 

❖ しかし、現実は、"You see yourself ~ "「あなたはあなた自身を、導く者と従う者の役割の両方に分裂している者と見なしている」。"forever split ~ "「永遠に、二つに分離した自分自身と見なしているのだ」。例えば、仕事においては、自分は部下として上司に従う役割をもち、異性との関係では、パートナーを支配する愛を求める。ある時は支配者に、ある時は非支配者になりすますのだ。



And every friend or enemy becomes a means to help you save yourself from this.

  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、手法」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」

❖ "And every friend or enemy ~ "「友であれ敵であれ、すべては、あなたをこれ(ジレンマ)からあなた自身を救い出してくれる手助けをする手段になっている」。異性を支配したいがために、隷属的愛を異性に強いて、自己の非支配的なジレンマから解放されようとしたり、仕事の責任から逃れるために、命令に従うだけの部下に成り下がろうとする。逆に、部下を威圧的に支配したがために、部下に理不尽な命令を下し、部下の失敗に激怒することを喜びとする。友であれ敵であれ、どちらかがどちらかを支配し、隷属し、占領し、従わせることによって成立する関係性を維持しようとするのである。神の子が分離分裂した、必然的結果である。自他一如や、実相的完全平等性が確立しない限り、支配関係、主従関係、差別、区別、は消滅しない。分離によって、この世界は二元論世界になったのだが、これが、分離関係の必然なのだ。愛は、愛と憎悪に分離し、平和と戦争、美と醜、プラスとマイナス、陰と陽、善と悪、等々、すべてが分離分極化して、そこに対立する二つの力のベクトルが生まれる。強い力が弱い力を制し、強い者が弱い者を支配する。弱肉強食世界である。そして、皮肉にも、ある時は強者として、ある時は弱者として、上手に振る舞うことがこの幻想世界で生き抜くための最善の処世術となってしまったのである。幻想世界を生きるとは、分離を利用して、分離をうまく生き抜くことを意味するに至ったのだ。
 
 
 


T-31.I.13:1 ~ T-31.II.1:7


13. Be innocent of judgment, unaware of any thoughts of evil or of good that ever crossed your mind of anyone. 

  • innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、純真な、無邪気な」
  • be innocent of : 「無罪の、〜の罪を犯していない」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • unaware [ʌnəwέər] : 「無意識の、気付かない、知らない」
  • be unaware of : 「〜に気付いていない」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考えること、思考、思索」
  • evil [íːvəl] : 「悪、邪悪、不正、不道徳」
  • cross [krɔ́s] : 「〜を横断する、渡る」

❖ "Be innocent of ~ "「判断するという罪を犯してはいけないし」、ACIMは、頭脳による理性的判断を放棄し、正しい判断をホーリー・スピリットに委ねるようにと教えている。"unaware of any thoughts ~ "「他者に対してあなたの心によぎった善悪の思いは、いかなるものでも意識してはいけない」。善悪判断は頭脳的理性のしでかす誤りであって、エゴの価値観に迎合するものである。他者に対して善悪の思いが生じるようなら、その思いを意識しないようにすべきだ。なぜなら、善悪それ自体も幻想なのだから。



Now do you know him not. But you are free to learn of him, and learn of him anew. 

  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、分かる、知る」
  • learn of : 「〜を知る」
  • anew [ənjúː] : 「あらためて、もう一度、新たに、再び」

❖ "Now do you know ~ "「今や、あなたはその他者を知らないことになる」。善悪判断を放棄したのだから、他者に対して、理性的には、何も知らない状態となる。"But you are free ~ "「しかしあなたは、他者について自由に学べる」。"and learn of him ~ "「そうすれば、あなたは、他者を新たに知ることになる」。善悪判断、価値判断を放棄し、学びをホーリー・スピリットに委ねることで、他者を正しく知ることが出来る。幻想としての形を超越して、他者の実相、実体を学べるのだ。



Now is he born again to you, and you are born again to him, without the past that sentenced him to die, and you with him. 

  • be born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • past [pǽst] : 「過去、昔、過去のこと」
  • sentence [séntəns] : 「判決を下す、宣告する」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」

❖ "Now is he born ~ "「今や、あなたにとって、他者は再び生まれ変わることになる」。"and you are born ~ "「同時に、彼にとってもあなたは再び生まれ変わるのである」。"without the past that ~ "「死という宣告を与えた過去を伴うことなく生まれ変わり、あなたも(死の宣告を与えた過去を持たずに)、彼と共に生まれ変わる」。エゴのレッスンを学んだ過去は、苦と痛みをあなたや同胞に与え、変化流動の末に死すべき運命を強制した。幻想世界に生きるとは、幻想の死を受け入れることなのだ。しかし今、あなたも同胞もエゴのレッスンを捨てて、ホーリー・スピリットの新しいレッスンを選んだのだから、死という過去を引きずることはない。永遠不変の命を生きる道を選んだのだ。



Now is he free to live as you are free, because an ancient learning passed away, and left a place for truth to be reborn.

  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた、古来の」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • pass away : 「過ぎ去る、去る、亡くなる、死ぬ、死亡する」
  • left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • reborn [ribɔ́ːrn] : 「再生した、生き返った、よみがえった、生まれ変わった」

❖ "Now is he free to ~ "「今や、他者は、あなたが自由であるように、自由に生きる」。死から解放された自由の命を生きることが出来る。"because an ancient ~ "「なぜなら、昔の学びは過ぎ去り、」エゴのレッスンの学びは過ぎ去って、"and left a place for ~ "「真実が蘇(よみがえ)るための場所が残されたのだから」。"place for truth to be reborn"「真実が蘇るための場所」とは、もちろん、あなたの実相的な心である。エゴに支配されていた心が解放され、その心に真実が再生するのである。
 
 
 
 
 
II. Walking with Christ
キリストと歩む

 
 
1. An ancient lesson is not overcome by the opposing of the new and old. 

  • overcome [òuvərkʌ́m] : 「克服する、乗り越える、打開する、圧倒する、打ち勝つ」
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」

❖ "An ancient lesson ~ "「昔のレッスンは、新しいレッスンと古いレッスンを対立させることで克服されるものではない」。あなたの心の中で、エゴのレッスンとホーリー・スピリットのレッスンを戦わせ、その上でホーリー・スピリットのレッスンを勝利させようとするものではない。エゴは戦いを好むが、ホーリー・スピリットは決して戦うことはない。実相世界に戦いという言葉はない。それはちょうど、目が覚めたあなたが、夜見た悪夢と戦う必要がないのと同様である。



It is not vanquished that the truth be known, nor fought against to lose to truth's appeal. 

  • vanquish [vǽŋkwiʃ] : 「打ち負かす、優位に立つ、抑える、克服する」
  • known [nóun] : 「knowの過去分詞形」
  • fought [fɔ́ːt] : 「fightの過去形」
  • fight against : 「〜と戦う」
  • lose [lúːz] : 「負ける、〜を失う、見失う」
  • lose to : 「〜に負ける」
  • appeal [əpíːl] : 「懇願、要請、アピール、魅力」

❖ "It is not vanquished ~ "意訳する、「真実が知られるようにと古いレッスンを克服する必要はないし、真実の要請に負けて失わないようにと戦う必要もない」。真実は実在であって、ただそこにあるだけだ。真実は、それを覆い隠そうとする幻想と戦ったり、それを克服したりすることはない。実相に目覚めれば、幻想は消えてしまうものなので、戦ったり克服したりする必要はないのだ。



There is no battle that must be prepared; no time to be expended, and no plans that need be laid for bringing in the new. 

  • battle [bǽtl] : 「戦闘、戦い、闘争」
  • prepare [pripέər] : 「〜を準備する、用意する、支度する」
  • expend [ikspénd] : 「〜を費やす、消費する、浪費する、使い果たす」
  • plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、設計図、意向、つもり、考え」
  • laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「練る、準備する、置く、おろす、据える」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」

❖ "There is no battle ~ "「準備すべき戦いなどない」。"no time to be ~ "「費やすべき時間も存在しない」。"and no plans that ~ "「新しいレッスンをもたらすために、準備すべき計画などもない」。実相に目覚めるだけであって、何の準備も覚悟も必要ない。また、その方法もホーリー・スピリットが教えてくれるのだから、何の心配も不安もない。あなたはただ単に、新しいレッスンを選択する意思を固めるだけでいいのだ。



There is an ancient battle being waged against the truth, but truth does not respond. 

  • wage [wéidʒ] : 「行う、遂行する」
  • respond [rispάnd] : 「反応する、答える、返事をする」

❖ "There is an ancient ~ "「真実に対抗してなされる昔の戦いはあった」。"but truth does ~ "「しかし、真実がそれに反応することはなかった」。現在形で語られているが、過去として解釈していい。ここの"ancient battle"「昔の戦い」とは、エゴの仕掛けた真実に対する挑戦のことである。エゴはホーリー・スピリットを敵と見なして戦いを挑んだ。もちろん、ホーリー・スピリットは、そんな戦いは無視した。真実は戦うことはないのだ。



Who could be hurt in such a war, unless he hurts himself? He has no enemy in truth. And can he be assailed by dreams?

  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、害を与える」
  • unless [ənlés] : 「でない限り、〜である場合を除いて」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • assail [əséil] : 「攻撃する、襲う、襲撃する」

❖ "Who could be hurt ~ "「自分で自分を傷つけることがなければ、いったい誰がそんな戦いで傷つくだろうか」。エゴの挑発した戦いは幻想の戦いである。夢の中の戦争なのだ。いったい夢の中で誰が傷つくだろう。傷ついたと思うのは、その本人だけだ。夢を見た本人の思い込みである。"He has no ~ "「真実の中には、敵など存在しない」。"And can he be ~ "「そして、夢に襲撃されるこなど可能であろうか」。傷ついたと思うのは、まだ夢から目覚めていない証拠である。苦と痛みと不幸もまた夢であって、それを感じているなら、あなたは夢から目覚めてはいない。夢の中で苦悶しているだけである。
 
 
 


T-31.I.11:1 ~ T-31.I.12:3


11. What is temptation but a wish to make the wrong decision on what you would learn, and have an outcome that you do not want? 

  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
  • decision [disíʒən] : 「決定、決断、決心」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する,身に付ける、獲得する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」

❖ "What is temptation ~ "「誘惑とは、あなたが学びたいと思うことに対する誤った決定をし、望みもしない結果を招いてしまうという望みでなくて、何だろうか」。エゴのレッスンを誤って選択し、幻想に幻想を重ねて、苦と痛みという結果を招いてしまうことこそ、誘惑の本質である。誘惑とは、幻想への誘いそのものだ。



It is the recognition that it is a state of mind unwanted that becomes the means whereby the choice is reassessed; another outcome seen to be preferred. 

  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • unwanted [ʌnwάntid] : 「望まれていない、無用の、好ましからざる」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、手法」
  • whereby [hweərbái] : 「そのために、それによって、どういう手段で、どのようにして」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • reassess [riəsés] : 「〜を再評価する、〜を見直す」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
  • preferred [prifə́ːrd] : 「推奨の、望ましい」

❖ "It is the recognition ~ "「誘惑とは、that以下を認めることなのだ」。"that it is a state of mind ~ "「それは、選択を再評価し、別の結果を好ましいものと見ることが出来る手段となり得ることを望まない心の状態である」。非常に訳しにくい箇所である。誘惑に駆られた心の状態とは、選んだレッスンは、はたして正しかったのかと評価し直し、苦と痛み以外の結果を得られるレッスンを選択出来たかもしれないと考えることを望まない心の状態のことだ。誘惑状態とは、幻想に対して盲目状態となり、正しい心の選択が出来ない状態。ホーリー・スピリットのレッスンを選択することも可能であったのだということすら忘れている状態である。あるいは、その気付きを拒絶している状態である。



You are deceived if you believe you want disaster and disunity and pain. 

  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • disaster [dizǽstər] : 「災害、天災、災難、惨事」
  • disunity [disjúːnəti] : 「不一致、不調和、分裂、不和」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」

❖ "You are deceived if ~ "「もしあなたが、惨事や不和、痛みを望んでいると信じているなら、あなたは騙されている」。誰に騙されているのかというと、幻想のエゴである。エゴの思考システムに騙されているのだ。なぜなら、惨事も不和も痛みも、すべて幻想だからだ。エゴはあなたに、苦や痛みを信じさせることで、神の子の分離を維持し、神との和解を阻止しようとする。つまり、あなたが実相に目覚めることを妨げようとしているのだ。 



Hear not the call for this within yourself. But listen, rather, to the deeper call beyond it that appeals for peace and joy. 

  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる」
  • call [kɔ́ːl] : 「呼び声、呼びかけ、要求」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側で」
  • listen [lísn] : 「耳を貸す、聞き入れる、耳を傾ける」
  • listen to : 「耳を傾ける、聴く、聞く」
  • rather [rǽðər] : 「どちらかといえば、〜よりはむしろ」
  • deep [díːp] : 「深い、深さがある」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • appeal [əpíːl] for : 「〜を求めて訴える」
  • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」

❖ "Hear not the call ~ "「あなた自身の心の中に、こんな呼び声を聞いてはいけない」。あなたの心の大半を支配しているエゴの呼び声、幻想への誘惑に耳を傾けてはいけない。"But listen, rather, to ~ "「そうではなく、むしろ、その呼び声を超越したところに、平和と喜びを求めるより深い呼び声を聞きなさい」。もちろん、あなたの心の最も純粋で神聖な部分に住んでいるホーリー・スピリットの呼び声に耳を傾けるべきなのだ。なぜなら、その呼び声は、平和と喜びという実相的な真実をもたらしてくれるから。



And all the world will give you joy and peace. For as you hear, you answer. 

  • answer [ǽnsər] : 「答える、返事する」

❖ "And all the world will ~ "「そうすれば、世界のあらゆるものは、あなたに喜びと平和を与えてくれるだろう」。ここの"world"「世界」は実相世界と考えていい。幻想世界に隠されていた真実の世界のあらゆるものが、あなたに真実の平和と喜びを与えてくれる。"For as you hear ~ "「なぜなら、あなたが耳を傾けると同時に、あなたは答えるからだ」。あなたがホーリー・スピリットの呼びかけに耳を傾けて、それに答えるとは、ホーリー・スピリットの導きに従って実相世界に目覚めるということ。実相世界に目覚めれば、あなたの眼前に、実相的な真実である平和や喜びや愛、慈しみ、美、真理、等々が姿を現す。



And behold! Your answer is the proof of what you learned. Its outcome is the world you look upon.

  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、身に付ける、獲得する」
  • look upon : 「〜を見る」

❖ "And behold!"「さあ、見てみなさい」。"Your answer is ~ "「あなたの答えは、あなたが何を学んだかの証拠である」。あなたがホーリー・スピリットのレッスンを学んだ証拠として、あなたの答えが存在する。そして、その結果が実相世界の出現である。"Its outcome is ~ "「その結果が、あなたが目にする世界なのだ」。



12. Let us be still an instant, and forget all things we ever learned, all thoughts we had, and every preconception that we hold of what things mean and what their purpose is. 

  • still [stíl] : 「静止した、じっとした、動かない、穏やかな、平穏な」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え、見解」
  • preconception [prikənsépʃən] : 「予想、先入観、偏見」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」

❖ "Let us be still ~ "「瞬時、心を静かにし」、"and forget all ~ "「私たちがかつて学んだこと、心に抱いた思考、そして、物事が何を意味するか、物事の目的は何なのかということについて私たちが抱いた先入観のすべてを忘れてしまおう」。かつて、エゴの思考システムに従って学んだ幻想のすべてを忘れてしまおう。この世界が変化流動し崩壊と死に向かうという思考を捨てよう。事物が、神の子の分離を促し、攻撃と破壊を生み出すという、その目的や意味を忘れよう。なぜなら、もはやあなたは、この幻想世界の住人ではないのだから。夢から目覚めかけたのだから。ところで、"preconception"「先入観」とあるが、簡単に「幻想」のことだと思っていいだろう。




Let us remember not our own ideas of what the world is for. We do not know. 

  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • idea [aidíːə] : 「考え、着想、アイデア、発想、見解、意見」

❖ 引き続き、"Let us remember not ~ "「この世界が何のためにあるのかという、私たち自身の考えを思い出すことはよそう」。"We do not ~ "「私たちは、知り得ないのだから」。この幻想世界が何のために存在するのか、それを理解することなど放棄しよう。そんなことは知り得ないからだ。なぜなら、この幻想世界は、そもそも、何のためにも存在していない。意味もなければ、目的もない。単なる幻想世界、夢に見ている錯覚の世界なのだ。



Let every image held of everyone be loosened from our minds and swept away.

  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像、印象、心証」
  • held [héld] : 「holdの過去形」
  • loosen [lúːsn] : 「解く、ほどく、緩める、解放する」
  • swept [swépt] : 「sweepの過去・過去分詞形」
  • sweep [swíːp] away : 「一掃する、払拭する」

❖ "Let every image held ~ "「誰もが心に抱いているイメージのすべてを、私たちの心から解放し、一掃しよう」。ここの"image"「イメージ」は、先の"preconception"「先入観」と同様に、幻想のことである。エゴのレッスンを学ぶことで得られた虚像である。だまし絵である。そんなガラクタをすべて片づけて、一掃してしまおう。なぜなら、あなたは幻想世界という過去を捨て、実相世界という新しい家に住むことになるのだから。あなたは実相に復活するのである。
 
 
 



T-31.I.9:1 ~ T-31.I.10:6


9. There is no living thing that does not share the universal Will that it be whole, and that you do not leave its call unheard. 

  • living thing : 「生物、生き物」
  • share [ʃέər] : 「共同使用する、共有する、分かち合う」
  • universal [jùːnəvə́ːrsəl] : 「宇宙の、万物の遍在する」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない、完全な」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置き忘れる、〜を見捨てる」
  • call [kɔ́ːl] : 「呼び出し、要求、需要」
  • unheard  [ʌnhə́ːrd] : 「聞いてもらえない、耳を貸さない」

❖ "There is no living thing ~ "「命あるものは全体であるべきだという宇宙の意思を分かち合わず、その呼びかけに耳を貸さないような命あるものは存在しない」。ここの"universal"「宇宙」は、実相世界、天の王国と考えていい。実相的に生きているものは、その実相宇宙の意思を分かち合う。その意思とは、命あるものは完全で、それ自体が全体であるべきだというものである。その呼びかけに耳を貸すことない、実相的な命あるものはいない。逆に、宇宙の意思が耳に入らない者は、幻想に生きているだけだ。生きているように見えるが、本当は死んでいる。



Without your answer is it left to die, as it is saved from death when you have heard its calling as the ancient call to life, and understood that it is but your own. 

  • Without [wiðáut] : 「〜がいなくて、〜なしで」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
  • leave to do : 「〜させる、〜させておく」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する、機能しなくなる」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
  • heard [hə́ːrd] : 「hearの過去・過去分詞形」
  • calling [kɔ́ːliŋ] : 「呼ぶこと、呼び声、叫び」
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い」
  • life [láif] : 「命、生命」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • own [óun] : 「自分のもの、独自の状態」

❖ "Without your answer ~ "「(その呼びかけに)あなたが答えないなら、宇宙の意思は死んだも同然である」。"as it is saved from ~ "「それはちょうど、あなたが、宇宙の呼びかけを昔からの命への呼びかけだと捉えて耳を傾け、しかも、あなた自身の呼びかけなのだと理解したとき、宇宙の意思が死から救われることなのだ」。あなたが実相宇宙の意思の呼びかけに答えればその意思は生き延び、答えなければ死んだも同然だ。あなたが完全であり全体であるという呼びかけは、神から分離する以前の昔からずっと続く命の呼びかけであり、実は、あなた自身の心の内奥からの呼びかけ、命の叫びなのだ。それを理解し、あなたが呼びかけに答えることで、実相宇宙の意思は死から救われ、生き延びていくのである。逆に、あなたが呼びかけを無視すれば、実相宇宙の意思は死んだも同然である。それは、同時に、あなたの死を意味するのだ。なぜなら、あなたは実相宇宙の意思、そのものだからだ。



The Christ in you remembers God with all the certainty with which He knows His Love. 

  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実性、間違いのないこと」

❖ "The Christ in you ~ "「あなたの心の中のキリストは、神の愛を知っているという確信をもって、神を覚えている」。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリット、あるいはキリストが住んでいて、神の祭壇をチャンネルとして神の愛を確信する。キリストが神を覚えているとは、神から分離し神を見捨てたあなたでさえ、意識するか否かは別として、確実に神を記憶に留め、神を愛しているのだ。



But only if His Son is innocent can He be Love. For God were fear indeed if he whom He created innocent could be a slave to guilt. 

  • innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、純真な、無邪気な」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • create [kriéit] : 「創造する、作り出す」
  • slave [sléiv] : 「奴隷、捕らわれている人」
  • guilt [ɡílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」

❖ "But only if His Son is ~ "「しかし、神の子が無辜(むこ)であるなら、神は愛そのものとなり得る」。神の子が罪という幻想から目覚めて、自分は完全に潔白であり無辜であると確信が持てたとき、そのとき初めて、神は神の子にとって恐れではなく、愛そのものとなる。"For God were fear ~ "「なぜなら、もし、潔白であるものとして神が創造した神の子が、罪の奴隷になり得るなら、神は確かに恐れそのものだからである」。ここは仮定法過去になっているから、現在の事実に反したことを述べている。神は神の子を無辜なる者として創造したのだから、罪という幻想の奴隷になり得ることはない。もし、神の子が自分は罪の奴隷だと感じているのなら、それは悪夢を見ているに過ぎないのだ。



God's perfect Son remembers his creation. But in guilt he has forgotten what he really is.

  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forgetの過去分詞形」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」

❖ "God's perfect Son ~ "「神が完璧に創造した神の子は、その創造を覚えている」。神の子は、自分が完璧に、完全に、無辜なる者として、神に創造された事実を覚えている。"But in guilt he has ~ "「しかし、罪(という幻想)の中にあって、神の子は、本当の姿を忘れてしまったのだ」。忘れはしたが、心の奥底で、ちゃんと覚えている。思い出しさえすればいいのだ。つまり、幻想から実相に目覚めるとき、それは確実に思い出されるものなのだ。



10. The fear of God results as surely from the lesson that His Son is guilty as God's Love must be remembered when he learns his innocence. 

  • result [rizʌ́lt] : 「生じる、起こる」
  • result from : 「〜に起因する、〜に由来する」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」

❖ "The fear of God results ~ "「神の子が自らの潔白性を学ぶとき、神の愛が確実に思い出されると同様に、神の子には罪があると教えるレッスンからは、確実に、神への恐れが結実する」。エゴのレッスンを選べば、神の子の罪性は心にすり込まれ、罪を罰する怒れる神を恐れることになる。ホーリー・スピリットのレッスンを選べば、神の子は罪とい幻想から解放され、無辜性に目覚め、神の至上の愛を知ることになる。ならば、あなたはどちらのレッスンを選ぶか?



For hate must father fear, and look upon its father as itself. 

  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • father [fάːðər] : 「〜の父親になる、 〜を生み出す」
  • look upon : 「〜を見る」

❖ "For hate must father ~ "「なぜなら、憎しみは恐れを生み出し、恐れを生み出した憎しみを、恐れ自体だと見なすからだ」。分離が憎しみを生み出す。エゴの思考システムに従えば、人も神も分離した敵であって、奪い奪われ、攻撃し攻撃され、支配し支配される関係性だけが連鎖的に生じる。そこに憎しみが生じ、憎しみが恐れを引き出す。元を辿れば、分離も憎しみも恐れも、同じ穴のムジナなのだ。しかも、そのムジナは幻想に過ぎない。



How wrong are you who fail to hear the call that echoes past each seeming call to death, that sings behind each murderous attack and pleads that love restore the dying world. 

  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
  • fail [féil] to : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
  • hear [híər] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる」
  • echo [ékou] : 「反響する、こだまする」
  • past [pǽst] : 「〜のそばを過ぎて、〜を過ぎ去って、越えて」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せ掛けの、うわべの」
  • sing [síŋ] : 「歌を歌う」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に」
  • murderous [mə́ːrdərəs] : 「殺人的な、非常に困難な、残忍な」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • plead [plíːd] : 「〜を嘆願する、訴える、主張する」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、〜を修復する、復活させる」
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、死に瀕した」 

❖ "How wrong are you ~ "「〜を聞き損ねたあなたは、どんなに誤っていたことか」。"the call that echoes ~ "「死への呼びかけに見える個々の呼びかけを超越して響いてくる(命への)呼びかけ、」"that sings behind each ~ "「そして、死をもたらす個々の攻撃の背後にある、愛が死の世界を修復して欲しいという願い」を聞き損ねたあなたは、どんなに誤っていたことか。エゴの、死への呼びかけに隠されて、ホーリー・スピリットの愛の呼びかけがあなたの耳に聞こえなかった。その死の呼びかけを信じたあなたは、完全に誤っていたのだ。



You do not understand Who calls to you beyond each form of hate; each call to war. 

  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • war [wɔ́ːr] : 「戦争、戦い、争い」

❖ "You do not understand ~ "「いろいろな形をとった個々の憎しみを超越して、つまり、争いを誘う個々の呼びかけを超越して、誰があなたに呼びかけているか、あなたには理解出来ない」。もちろん、あなたの心の最も純粋で神聖な部分に住むホーリー・スピリットが呼びかけているのだ。もちろん、そのホーリー・スピリットはあなた自身であると考えていい。つまり、あなたの心の正気さが、あなたに愛を呼びかけているのである。



Yet you will recognize Him as you give Him answer in the language that He calls. 

  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜だと分かる、〜を認識する、認める」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • language [lǽŋɡwidʒ] : 「言葉、言語」

❖ "Yet you will recognize ~ "「しかし、あなたがホーリー・スピリットに対して、ホーリー・スピリットが呼びかけに用いた言葉をもって答えるとき、あなたは、ホーリー・スピリット(の姿)を認識するであろう」。ホーリー・スピリットの言葉とは、実相的な真実の言葉、つまり、神の言葉のことである。エゴの狂った言語ではない。幻想を助長する言葉ではなく、実相への目覚めを促す真実の言葉である。あなたが、ホーリー・スピリットの真実の呼びかけに対して、真実の心の言葉で応じるとき、あなたにはホーリー・スピリットの姿が見えてくる。



He will appear when you have answered Him, and you will know in Him that God is Love.

  • appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
  • answer [ǽnsər] : 「答える、答えて言う、応じる」

❖ "He will appear when ~ "「あなたがホーリー・スピリットに答えたとき、ホーリー・スピリットは姿を現すだろう」。"and you will ~ "「そして、あなたは、ホーリー・スピリットの内に、神の愛を知ることになるのだ」。ホーリー・スピリットの愛の呼びかけに、真実の言葉をもって答えるとき、あなたの目の前に、ホーリー・スピリットは姿を現す。そして、あなたは、ホーリー・スピリットの愛の言葉が、実は、神自身の愛の言葉であると知るのである。神は、決してあなたを見捨てなかったし、あなたをずっと、愛をもって見守っていてくれたのだと知るのだ。
 
 
 


Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp