●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-31.II.4:1 ~T-31.II.5:14


4. Perhaps you call it love. Perhaps you think that it is murder justified at last. 

  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」

❖ "Perhaps you call ~ "「たぶん、あなたはそれを愛と呼ぶかも知れない」。あるいは、"Perhaps you think ~ "「たぶん、あなたは、ついに正当化された殺人だと考えるかも知れない」。たとえば、異性があなたに対して隷属的に従うことで、あなたはその異性から愛を奪ったと思うかも知れない。相手の自由意思を奪うことは正当化された殺人に等しいと考え、相手を隷属化して、征服者になりたいと思うかも知れない。あなたと他者が分離している限り、愛は奪うか奪われるか、精神的に殺すか殺されるか、の関係となる。なぜなら、分離は相反する力のベクトルを生み出し、ベクトルの力関係だけによって関係性が成り立つものだからだ。



You hate the one you gave the leader's role when you would have it, and you hate as well his not assuming it at times you want to let the follower in you arise, and give away the role of leadership. 

  • hate [héit] : 「 〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • gave [ɡéiv] : 「giveの過去形」
  • leader [líːdər] : 「指導者、リーダー、統率者」
  • role [róul] : 「役、役柄、役割、役目、任務」
  • as well : 「おまけに、その上、同じに」
  • assume [əsjúːm] : 「引き受ける、担う、負う」
  • at times: 「時々、折々、時たま、時には」
  • follower [fάlouər] : 「信奉者、追随者、部下、随行者」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • give away : 「譲る、贈る、許す、与える、引き渡す」
  • leadership [líːdərʃìp] : 「指導者の地位、指示、指導」

❖ "You hate the one ~ "「あなたが指導的役割を持ちたいと思っているときに、あなたがその指導的役割を与えてしまった相手を、あなたは憎むことになる」。"leader's role"「指導者の役割、指導的役割」とは、受動的役割に対する能動的役割のことで、支配的役割とか束縛的役割と考えていい。たとえば、あなたが他者に対して、愛を奪って支配的立場に立ちたいと思っているときに、逆に、その相手から支配的な愛を強制されると、あなたはその他者を憎むようになる。あえて「他者」と書いたのは、異性関係における愛もそうだが、親子関係における愛も、友人同士の愛においても、同様の力学が作用するからだ。"and you hate as well ~ "「同様に、あなたの心の中の追従者(の役割)を生起させ、指導者の役割を放棄したいと思っているときには、相手がそうさせてくれないとき、しばしば、あなたは彼を憎むことになる」。ここも、幻想世界における愛の力学を考えればいいだろう。たとえば、好きな相手に対して、自分が隷属的に愛されたい、相手の支配的な愛にただただ服従したいと思っているときに、その相手から、自由意思による対等な愛を要求されたり、愛をリードする役割を求められたりすると、自分の願いが否定されたと思って相手を憎むようになるのだ。いつまでも無条件に愛されているだけの子供でいたいと思っているときに、自分から他者を愛することを要求されると、子供は、親が自分への愛を放棄したと思い込んで、親を憎む。



And this is what you made your brother for, and learned to think that this his purpose is. 

  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い、理由、意義、意味」

❖ "And this is what you ~ "意訳する、「これが、あなたが同胞を利用するやり方であり、これが、同胞の存在理由だと思うようになった」。実相世界では本来単一の存在である神の子は、幻想世界を作り出すにあたって、自らを分離分裂させ、自分と他者を偽創造した。何のためか? その理由が上に述べたことだ、というのである。つまり、自ら、自分と他者の両者を演じて、都合のいい役割を演じたり演じさせたりしているわけだ。もっとも、分離した他者も同様に、都合のいい役割を演じたり演じさせたりしてるわけで、他者とあなたの力関係が、愛を生んだり憎悪を生んだりしているのである。あるいは、支配的役割や従属的役割を強制したり強制されたりして、願いが叶えば満足し、叶わねば相手を憎むのである。



Unless he serves it, he has not fulfilled the function that was given him by you. 

  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く、〜に役立つ」
  • fulfill [fulfíl] : 「実行する、遂行する、履行する、満たす」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」

❖ "Unless he serves ~ "「彼が、あなたの目的に寄与しない限り、彼は、あなたによって与えられた役割を果たしていないということになる」。そして、あなたは苛立ち、ストレスを感じ、憎み、攻撃し、奪おうとするのである。関係性は崩壊し、死へと向かう。



And thus he merits death, because he has no purpose and no usefulness to you.

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • merit [mérit] : 「〜に値する」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
  • usefulness [júːsfəlnis] : 「役に立つこと、実用性、有用、有効性」

❖ "And thus he ~ "「こうして、彼は、死に値するものと見なされる」。"because he has no ~ "「なぜなら、あなたにとって、彼は目的もなく役にも立たないからだ」。ここの、"he has no purpose"「彼は目的をもっていない」とは、彼の目的があなたの目的と合致しない、という意味合い。あなたの意に沿う目的をもっていない、という意味である。役にも立たない存在は、あなたにとって非存在に等しく、したがって、死んでも当然の存在と思えるようになってしまうのだ。



5. And what of him? What does he want of you? What could he want, but what you want of him? 

  • what of : 「〜はどうなのか」

❖ "And what ~ "「では、彼はどうなのか」。"What does he ~ "「彼はあなたに何を望んでいるのか」。もちろん、あなたとまったく同様のものを望んでいるのだ。なぜなら、あなたは彼で、彼はあなただからだ。幻想世界で分離分裂したとは言え、自他一如という真実は消滅しない。"What could he ~ "「彼が望むことが出来るものは、あなたが彼に望むこと、そのものである」。彼は、鏡の中のあなた自身と同じである。あなたと、鏡の中のあなたが、幻想の中で互いの役割を演じ合って、憎んだり奪ったりしているのである。茶番劇を演じているのだ。あるいは、腹話術師とその人形と考えてもいい。あたかも独立した二者に見えるが、本来は同一人物である。ところが、あなたの心が無意識レベルで分裂しているので、ある時、分裂した一方の人格が人形に乗り移って、人形は腹話術師に刃向かうことになる。人形は常に腹話術師を監視し、腹話術師の不正や横暴を暴いて攻撃する。そして、腹話術師は人形を憎むというわけだ。



Herein is life as easily as death, for what you choose you choose as well for him. 

  • Herein [hìərín] : 「ここに、この中に、この点で、これを考慮すると」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • as well : 「おまけに、その上、同じに」

❖ "Herein is life as ~ "「ここでは、いとも容易に、命は死となる」。あるいは、死が安価であるように、命も安価である。死と命の区別がつかないのだ。生きていると言っても、死んだも同然だ。"for what you choose ~ "「なぜなら、あなたが選択するものは、彼に対して選択することと同じだからだ」。たとえば、あなたは、自分の役にお姫様を選択したとしよう。すると、鏡の中の彼の役を、あなたは当然、王子様と選択することになろう。初めのうちはお姫様と王子様は仲良く暮らす。命に溢れんばかりだ。鏡の中の彼にとっては、逆に、彼の鏡の中にあなたが映っていて、もし彼が王子様の役を選択し、同時にあなたにお姫様の役を振っているのなら、互いの利害はかみ合って、溢れんばかりの命は長続きするだろう。しかし、事はそううまく行かない。もしかしたら、彼はサディストを選択し、あなたにマゾヒストの役を振るかも知れない。すると、お姫様と王子様の溢れんばかりの命は、一瞬にして死に直面する。お姫様と王子様の命が安易であるように、その死もまた安易に訪れるのだ。変化流動する幻想世界の必然である。幻想世界の命も死も幻想であって、露のように生まれ、露のように消えてゆく。



Two calls you make to him, as he to you. Between these two is choice, because from them there is a different outcome. 

  • between [bitwíːn] : 「〜間で」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」

❖ "Two calls you ~ "「あなたは彼に二つの呼びかけをし、彼もまたあなたに二つの呼びかけをする」。二つの呼びかけとは、鏡の前で幻想の役を演じ続けるか、幻想から目覚めて鏡の前を去るか、という二つの問い掛けである。"Between these two ~ "「これらの二つの呼びかけの間で、選択が行われる」。本当に意味のある選択とは、幻想と幻想の間(たとえば、金と名誉の間)の選択ではなく、実相と幻想のどちらかを選択するか、生と死の選択なのだ。"because from them ~ "「なぜなら、その二つの呼びかけから、異なった結果が生じるのだから」。鏡の前で幻想の役を演じ続ける選択すれば、遅かれ早かれ、幻想の命は露のように消えてしまう結果を生み、鏡の前を去って幻想から目覚める選択をすれば、実相的な永遠の命を得られる結果を生む。まさに、生と死の選択なのだ。



If he be the leader or the follower to you it matters not, for you have chosen death. 

  • matter [mǽtər] : 「重要である、大きな違いがある」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」

❖ "If he be the leader or ~ "「彼があなたに対して指導者であろうと追従者であろうと、それは問題ではない」。"for you have ~ "「なぜなら、あなたは死を選択してしまったからだ」。この幻想世界で、他者に指導者の役割を振ろうが追従者の役割を振ろうが、それは問題ではない。どちらにしても幻想の役割であって、遅かれ早かれ、そんな夢は消滅してしまうからだ。つまり、幻想世界は変化流動する世界であって、何を選択しようが、死は間逃れ得ない。幻想を選択するとは死を選択することに外ならないのだ。



But if he calls for death or calls for life, for hate or for forgiveness and for help, is not the same in outcome. 

  • call for : 「〜を要求する、〜をくれと言う、〜を必要とする」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」

❖ "But if he calls for ~ "「しかし、彼が死を求めか、命を求めるか、憎しみを求めるか、赦しを求めるか、救いを求めるか、それによって結果は同じものではない」。同胞が(ということはあなたが)、幻想の死や憎悪を求めるか、実相の命や赦しや救いを求めるかで、結果は全然異なってしまう。かたや幻想の死の選択であり、かたや実相への目覚め、つまり、真実の命の選択であるからだ。



Hear the one, and you are separate from him and are lost. 

  • separate [sépərət] : 「接していない、分かれた、離れた」
  • lost [lɔ́st] : 「失われた、無くなった、見つからない」

❖ "Hear the one ~ "「一方の死に耳を傾ければ、あなたは同胞から分離したままとなり道を失う」。幻想を選択すれば、幻想の闇の中で道に迷い、死を迎えることになる。もちろん、同胞と和合することもない。神の子の再統一は夢のまた夢となる。



But hear the other, and you join with him and in your answer is salvation found. 

  • join [dʒɔ́in] : 「〜に参加する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • found [fáund] : 「findの過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、探し出す、発見する、見いだす」

❖ "But hear the other ~ "「しかし、他方の命に耳を傾けるなら、あなたは同胞と和合することになり、あなたのその答えの中に救いが見い出せる」。あなたが実相への目覚めを選択すれば、神の子としてあなたは同胞と結合し合うことが出来、その結果、赦しという救いが見い出せる。同胞の行いはすべて、あなたの無意識が生み出した幻想であって、どんな行為も夢として赦せるようになるのだ。つまり、幻想を赦すのである。そこに、実相への目覚めという救いがもたらされる。



The voice you hear in him is but your own. What does he ask you for? 

  • voice [vɔ́is] : 「声」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する、〜を要する」

❖ "The voice you ~ "「あなたが彼の中に聞く声は、あなた自身の声に過ぎない」。あなたと同胞は分離などしていない。彼の真実を求める声は、あなた自身の真実を求める声であり、あなたの救いを求める声は、彼の救いを求める声である。あなたが幻想を捨てて真実の実相を求めるとき、鏡の中の彼は、文字通り、本当のあなた自身と調和共鳴して、あなたと一体になるのである。ならば、"What does he ~ "「いったい彼は、あなたに何を求めているのだろうか」。それに耳を澄ましなさい。同胞の心の中に住むホーリー・スピリットの声に耳を澄ましなさい。その声こそ、あなたの心の中に住むホーリー・スピリットの声に違いないのだから。



And listen well! For he is asking what will come to you, because you see an image of yourself and hear your voice requesting what you want.

  • listen [lísn] : 「耳を傾ける、傾聴する、聴く、聞く」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像」
  • request [rikwést] : 「〜を依頼する」

❖ "And listen ~ "「ようく、耳を澄ましなさい」。"For he is asking ~ "「なぜなら彼は、あなたの元に何がやって来るのか、訊ねているからだ」。あなたが求め、選択した結果があなた元にやって来る。幻想を選択すれば死が訪れ、実相を求めれば命が与えられる。同胞の心の中のホーリー・スピリットは、あなたの元にやって来る命を求めているのだ。"because you see ~ "「なぜなら、あなたは、あなた自身のイメージを目にし、あなたが欲しいものを要求したその声を聞いているのだから」。あなたが実相的な真実の姿を想像すれば、あなたは本当の自分の姿を目撃することが出来、それを望む自分の声、つまりは同胞の声を聞くことになる。もちろん、共に、心に住むホーリー・スピリットの願いを反映した声なのだ。もちろん、その逆もあり得る。あなたが幻想に執着して闇の世を彷徨(さまよ)うことを想像すれば、その通りの自分を目撃することになり、それを願うエゴの声をあなたと同胞の心の中に聞くことになる。そのどちらかを、あなたは選択しなくてはならない。それが、本当の意味のある選択なのである。
 
 
 



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