●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-29.II.2:1 ~ T-29.II.3:7

2. You have accepted healing's cause, and so it must be you are healed.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "You have accepted ~ "「あなたは、ヒーリングの原因を受け入れたのであり、」"and so it must be ~ "「したがって、あなたは必ずヒーリングされるに違いない」。"healing's cause"「ヒーリングの原因」とは、ヒーリングを成立させる要件のことで、前文からの流れで言えば、天の王国への回帰の道を選択したこと。幻想を払拭して、真実を見る選択をしたこと。突き詰めれば、神の愛を受け入れたことである。神の愛という真実を受け入れたのだから、すべてが真実に則(のっと)って進行していくのだ。ヒーリングも、真実の当然の帰結である。



And being healed, the power to heal must also now be yours.
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力」
  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また」
❖ "And being healed ~ "「ヒーリングされたのだから、ヒーリングするパワーは、今や、あなたのものとなったに違いない」。実相的に見れば、ヒーリングされることとヒーリングすることは同一である。あなたはヒーリングされ、真実に目覚めたのだから、当然、今度は他者をヒーリングすることが出来るようになったのだ。そのパワーが身に付いたのである。



The miracle is not a separate thing that happens suddenly, as an effect without a cause.
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • suddenly [sʌ́dnli] : 「突然に、急に、すぐに、いきなり、突如として」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
❖ "The miracle is not ~ "「奇跡は、原因がないのに結果として生じるような、突然降って湧く孤立した出来事ではない」。奇跡は、原因がないのに突然発生するようなものではなく、ちゃんと原因がある。もちろん、実相的な原因であって、真実に裏打ちされた原因である。"separate thing"を「孤立した出来事」と訳してみたが、奇跡は、因果律から無縁の、他の事象とまったく有機的な関係性を持たないような、個々に孤立して存在するものではない、という意味合いである。



Nor is it, in itself, a cause. But where its cause is must it be.
  • in itself : 「それ自体では、本質的に」
❖ "Nor is it, in ~ "「奇跡は、それ自体としては、原因ではない」。奇跡は、それ自体が原因となって、自然発生するようなものではない。"But where its cause ~ "「しかし、奇跡の原因があるところなら、奇跡は必ず起きる」。奇跡の原因となる真実が存在するところには、必ず、奇跡は起こるのだ。ACIMが、奇跡は容易であると言うのは、そういう意味である。



Now is it caused, though not as yet perceived. And its effects are there, though not yet seen.
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • though [ðóu] : 「〜だけれども、〜だけど」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
❖ "Now is it caused, though ~ "「今や、まだ知覚されたわけではないが、奇跡は起きたのだ」。あなたが、天の王国、神の愛を選択したことが原因となって、あなたはヒーリングされ、ヒーリング出来るパワーを身に付けた。それが奇跡なのだ。なぜなら、真実が原因となって、結果したものだからだ。"And its effects are ~ "「奇跡という結果は、まだ見えないにしても、そこに存在する」。さりげない文章なのだが、ここは、結構重要である。ヒーリングに代表される奇跡は、すでにこの場で起きているのだが、それが目に見えるまでには、時間がかかるのである。タイムラグがある。無時間の実相空間で起きた奇跡が、有時間の幻想空間に映し出されるまで、時間がかかるのである。あなたは、奇跡は起きなかったと諦めるかも知れないが、それは誤りである。あなたが真実を行ったなら、それが奇跡として目の前に具現されるまで、静かに待つ必要がある。



Look inward now, and you will not behold a reason for regret, but cause indeed for glad rejoicing and for hope of peace.
  • inward [ínwərd] : 「内側に向けて、中心へ」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • regret [rigrét] : 「後悔、残念、痛恨の念、悲嘆、哀悼」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • glad [glǽd] : 「うれしい、喜ばしい、満足して、うれしく思う」
  • rejoicing [ridʒɔ́isiŋ] : 「喜び、歓喜、歓呼」
  • hope [hóup] : 「希望、望み」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Look inward now ~ "「今、内側を見てみなさい」。"and you will not ~ "「そうすれば、あなたは、後悔の理由を目にすることはないであろう」。ヒーリングされたあなたの心の中には、もはや、神の愛を選択した後悔の念はない。天の王国への回帰の道は真実なのだ。真実を選択して後悔することはない。"but cause indeed for ~ "「しかし、(そこに目にするものは)、本当に喜ばしい歓喜の原因であり、平和への希望の原因である」。奇跡が起きたあなたの心の中には、天の王国への回帰の道がはっきり見える。それは、歓喜の原因であり、平和の原因である。つまり、実相世界へ回帰することが原因となって、その結果、あなたは真実の歓喜、真実の平和を獲得するのである。



3. It has been hopeless to attempt to find the hope of peace upon a battleground.
  • hopeless [hóupləs] : 「絶望的な、絶望して」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • battleground [bǽtlɡràund] : 「戦場、闘争の場」
❖ "It has been hopeless ~ "「戦場に平和への希望を見出す試みは、希望のないことである」。"battleground"「戦場」とは、弱肉強食のこの世界、つまり、幻想世界のこと。この世で、真の平和を見出すことは、不可能だ(希望はない)ということ。実相的平和が、幻想世界に存在するわけはないのである。空の雲の中に宝石を探しても意味はないのだ。



It has been futile to demand escape from sin and pain of what was made to serve the function of retaining sin and pain.
  • futile [fjúːtl] : 「無益な、無駄な、不毛な、無能な、無意味な」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃避、回避」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜に役立つ」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する、維持する」
❖ "It has been futile to ~ "「罪と痛みを保持する機能に役立つように作られたものの罪と痛みから逃れることを求めるのは、不毛である」。非常に回りくどい言い方をしているのだが、要するに、肉体のことである。肉体は、罪や痛みをその中に保持する機能に役立つように作られたものである(what was made to serve the function of retaining sin and pain)。簡単に言えば、肉体は(肉体的頭脳は)罪の意識や痛みを感じるように作られた、ということ。その肉体が感じる罪の意識や痛みから(from sin and pain of what ~ )、肉体を通して逃れようと求めることは(to demand escape from ~ )、いかにも不毛である(been futile)。なぜなら、肉体はそもそも幻想の産物であり、罪の意識も痛みも、頭脳が生み出した幻想なのだから。自分で作った錯覚の罪の意識や痛みから、自分で逃げ出すことは矛盾だからだ。



For pain and sin are one illusion, as are hate and fear, attack and guilt but one.
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "For pain and sin are ~ "「なぜなら、痛み罪も、一つの幻想だからだ」。"as are hate and ~ "「憎悪と恐れ、攻撃と罪も、同じように一つの幻想である」。一つの幻想から他の幻想を使って逃れることは不可能なのだ。幻想から逃れるには、唯一、実相に目覚める外はない。



Where they are causeless their effects are gone, and love must come wherever they are not.
  • causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • wherever [hwεərévər] : 「どこへ〜しても、どこで〜であろうとも」
❖ "Where they are causeless ~ "「原因のないところに、結果はない」。"and love must ~ "「そして、原因も結果もないところに、愛がやって来るのである」。肉体は幻想であり、原因となる肉体はそもそも実相的には存在しないのだ。原因となる肉体が存在しないのだから、結果としての罪や痛みも存在しない。もし、罪や痛みを感じたなら、それは、実相的には存在しない幻想なのだ。そして、罪も痛みも、さらに肉体さえ存在しないところに、つまり、幻想の原因と結果が消滅したところに、実相の愛が出現するのである。新たに愛が生み出されるのではなく、真実の愛が見えてくるのだ。



Why are you not rejoicing? You are free of pain and sickness, misery and loss, and all effects of hatred and attack.
  • be free of : 「〜がない、〜が免除されている」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪」
❖ "Why are you not ~ "「なぜあなたは、喜べないのか」。喜んでしかるべきだ。"You are free of pain ~ "「あなたは、痛みや病から逃れることが出来たのであり、不幸や喪失、そして、憎しみと攻撃というあらゆる結果から自由になったのだ」。幻想の原因と結果が消滅し、あなたは、痛みや病、悲惨さ、喪失、攻撃、憎悪から解放されたのだ。それを喜ばずして、何を喜ぼうか。



No more is pain your friend and guilt your god, and you should welcome the effects of love.
  • no more : 「もはや〜しない」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • welcome [wélkəm] : 「喜んで受け入れる、歓迎する」
❖ "No more is pain ~ "「もはや、痛みはあなたの友ではないし、罪はあなたの神でもない」。"and you should ~ "「あなたは、愛の結果を歓迎すればいいだけのだ」。幻想が消滅した結果、真実の愛が目に見えてきた。その愛を、あなたは受け入れるだけでいい。もちろん、真実の愛とは、神の愛であり、あなたの神への愛でもある。その愛を、歓喜をもって向かい入れればいい。
 
 
 


T-29.I.9:1 ~ T-29.II.1:8

9. Yet all that happens when the gap is gone is peace eternal. Nothing more than that, and nothing less.
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
❖ "Yet all that happens ~ "「しかし、ギャップがなくなってしまった時に起きることのすべては、永遠の平和である」。幻想の肉体によって隔てられた状態から、心と心が融合した状態に移行するとき、訪れるものは実相的な永遠の平和である。"Nothing more ~ "「それ以上でも、それ以下でもない」。つまり、幻想が消滅すれば、起きることは大々的なことではなく、単に、目の前に実相が見えてくるだけなのだ。しかし、それが一番大切なのである。なぜなら、そこに真実が現れるからだ。



Without the fear of God, what could induce you to abandon Him?
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • induce [indjúːs] : 「人に勧めて〜させる、説いて〜させる、〜を促す」
  • abandon [əbǽndən] : 「捨てる、遺棄する、見捨てる、捨て去る」
❖ "Without the fear ~ "「神への恐れがなくなれば、いったい何が、あなたに神を捨てるように説き伏せることが出来るだろうか」。神への恐れがなくなれば、あなたは自然と神の愛を受け入れることが出来るのだ。



What toys or trinkets in the gap could serve to hold you back an instant from His Love?
  • toy [tɔ́i] : 「おもちゃ、玩具」
  • trinket [tríŋkit] : 「つまらない物、ささいな物」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜に役立つ」
  • hold [hóuld] : 「とどめておく、〜の状態にしておく」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
❖ "What toys or trinkets ~ "「いったいどんな、ギャップの中にあったおもちゃやつまらない物が、一瞬たりとも神の愛からあなたを引き離しておくのに役立つだろうか」。ギャップ、つまり、分離状態を象徴する幻想の中に、あなたを魅了するものなど残っているわけがない。あなたは、神の愛という最高のものを手にしたのだから。



Would you allow the body to say "no" to Heaven's calling, were you not afraid to find a loss of self in finding God? Yet can your self be lost by being found?
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • calling [kɔ́ːliŋ] : 「呼び声、呼ぶこと、呼びかけ」
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる、〜について心配だ」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
❖ ここは、後半部分から訳す、"were you not afraid ~ "仮定法過去であり、"if you were not afraid ~ "ということ、「もしあなたが、神を探す中で、自己を喪失することを恐れないなら、」"Would you allow ~ "「あなたは、天の王国の呼び声に対して、肉体が『ノー』と言うのを許すだろうか」。超越的な存在である神を探す旅の中で、現実的な自分という存在を失ってしまうのではないかという恐れを振り切るとき、幻想の肉体が、神の声、つまり天の王国の呼び声を否定して、あなたを幻想世界に留めおこうとすることを許すわけがない。神は、あなたが天の王国へ回帰することを願い、ホーリー・スピリットを介して、あなたにその回帰を呼びかけている。幻想にどっぷりと浸(つ)かりきったあなたにはその声が聞こえなかったが、神への恐れが払拭された今、あなたは、神の呼び声がはっきりと聞こえるようになった。もはや、誰も、あなた自身の肉体も、つまり、あなたの頭脳(エゴ)さえも、あなたを引き止めることは出来ない。
 
 
 
 
 
II. The Coming of the Guest
ゲストの来訪
 
 
1. Why would you not perceive it as release from suffering to learn that you are free?
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
❖ "Why would you not ~ "「あなたは自由なのだと知ることを、苦痛からの解放なのだと、どうして、あなたは知覚したいと思わないだろうか」。あなたは、この幻想世界に縛られた存在ではなく、また、エゴの思考システムに縛られた存在でもなく、実相世界に自由に羽ばたける存在なのだと知ることが、あなたの苦しみからの解放に繋がるのだ。もちろん、あなたは、あなたの肉体にさえ縛られていない。肉体からも自由なのだ。肉体の感じる苦痛からも自由なのである。



Why would you not acclaim the truth instead of looking on it as an enemy?
  • acclaim [əkléim] : 「歓呼して〜を迎える、称賛する」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
  • look on : 「〜を見る」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "Why would you not acclaim ~ "「真実を敵と見る代わりに、真実を歓呼して迎えたいと、なぜあなたは思わないのか」。ここの真実は、つまり、実相世界である。真実の実相世界を、あなたは恐れて敵国と感じているかも知れないが、それは誤りである。実相世界の真実を、両手を広げて迎え入れるべきなのだ。なぜなら、そこにこそ、あなたの解放があり、自由があり、平和があるからだ。



Why does an easy path, so clearly marked it is impossible to lose the way, seem thorny, rough and far too difficult for you to follow?
  • easy [íːzi] : 「たやすい、やさしい、容易な、簡単な」
  • path [pǽθ] : 「道、小道、細道、散歩道、遊歩道」
  • clearly [klíərli] : 「はっきりと、疑いもなく、明らかに、明瞭に」
  • mark [mάːrk] : 「〜に印を付ける、跡を付ける、跡を残す」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • thorny [θɔ́ːrni] : 「イバラの、とげの多い、苦しい、厄介な、困難な」
  • rough [rʌ́f] : 「でこぼこの、起伏のある、粗い、粗雑な、雑な」
  • far [fάːr] : 「遠い、遠くへの」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • follow [fάlou] : 「たどる、〜の方へ進む、〜に従う」
❖ "Why does an easy ~ "「どうして、容易な道が、」"so clearly marked ~ "「それは、道に迷うことは不可能なのだとはっきりと印付けられているのだが、その容易な道が、どうして、」"seem thorny, rough and ~ "「イバラだらけで、でこぼこで、あなたが辿って行くにはあまりにも遠い道などであり得ようか」。実相世界への回帰の道、天の王国への回帰の道は、実は容易で、平坦で、楽しい道のりなのだ。あなたは、たった一人で旅するのではない。同胞が共に歩み、ホーリー・スピリットやキリストが同伴してくれる道のりなのである。



Is it not because you see it as the road to hell instead of looking on it as a simple way, without a sacrifice or any loss, to find yourself in Heaven and in God?
  • road [róud] : 「道、主要道路、道路、車道」
  • hell [hél] : 「地獄、ひどい体験、修羅場、生き地獄」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲にすること、犠牲」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、紛失、損失、喪失」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす、検出する」
❖ "Is it not because you ~ "「そう感じるのは、あなたがその道を〜であると見ているからではないのか」。"as the road to hell ~ "「その道は容易な道であり、犠牲も喪失も伴わず、天の王国、そして神の中にあなた自身を見つけ出す道であるにもかかわらず、その代わりに、地獄への道だと」あなたが見ているからではないのか。地獄への道だと勘違いしているので、天の王国への回帰の道は、イバラだらけで、でこぼこで、ただただ長く、犠牲や喪失を伴うような道に見えるのだ。しかし、この世界にあって、心が孤絶し、言い知れぬ寂寥感と痛みを感じることこそ、地獄ではないのか。



Until you realize you give up nothing, until you understand there is no loss, you will have some regrets about the way that you have chosen.
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • give up : 「あきらめる、断念する、放棄する」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
  • regret [rigrét] : 「後悔、残念、痛恨の念」
  • chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Until you realize ~ "「あなたは何も諦めることはないのだと気がつくまで、」"until you understand ~ "「そして、あなたが、喪失などないと理解出来るまで、」"you will have some ~ "「あなたが選択した道に対して、幾分かの後悔の念を覚えるかも知れない」。神への回帰、天の王国への回帰の道を選択したために、幻想世界において、あなたは何かを失うかも知れないと思っているだろうが、それは間違いである。あなたは得ることがあっても失うことはない。なぜなら、失うもの自体をあなたは何も持っていないからだ。命さえも、あなたは失うことはない。ましてや、幻想世界のおもちゃやつまらない物など(toys or trinkets)、夢を見ているあなたの目に見えているだけであって、本当はそこには何もないのだから。そんなおもちゃやつまらない物が目の前から消えたとしても、それがはたして喪失だろうか。



And you will not see the many gains your choice has offered you. Yet though you do not see them, they are there.
  • gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • though [ðóu] : 「〜だけれども、〜だけど」
❖ "And you will not see ~ "「あなたの選択があなたに与えてくれた多くの利益を、あなたは見ようとしないかも知れない」。天の王国への回帰を選んだおかげで、あなたが得るであろう多くのものが、しばらくの間は、あなたの目に入らないかも知れない。後悔の念が先立っているので、足下に転がっている宝物が目に入らないのである。あるいは、あなたの目の前を、まだ幻想の雲が覆っているので、そこにある実在の真実が見えて来ないのだ。"Yet though you do ~ "「たとえあなたに見えなくても、それはそこにあるのだ」。天の王国への回帰を選んだおかげで得られる利得は、すでにそこにある。あなたに見えないだけだ。見ようとしないからである。あなたは今や、多くの真実に囲まれているのだ。



Their cause has been effected, and they must be present where their cause has entered in.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • effect [ifékt] : 「〜をもたらす、達成する、〜を生じさせる」
  • present [préznt] : 「存在している、そこにある」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
❖ "Their cause has been ~ "「それらの原因は、結果されたのである」。神への回帰、天の王国への回帰を選択したという原因によって、あなたは、多くの真実を得るという結果を得たのだ。"and they must be present ~ "「原因が入り込んだ場所には、必ず、結果が存在することになる」。因果律である。実相的には、幻想世界の因果律と異なって、原因と結果は同一である。無時間の実相世界にあっては、当然なのだが、原因と見えるものと結果と見えるものが、同一瞬間に生じるのだ。天の王国への回帰を選択したという原因と、真実を得るという利得の結果は、実は同一であり、回帰と真実は同一なのだ。回帰が真実だから、真実を得るのである。真実だから、回帰するのである。
 
 
 


T-29.I.7:1 ~ T-29.I.8:7

7. It is not love that asks a sacrifice. But fear demands the sacrifice of love, for in love's presence fear cannot abide.
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲にすること、犠牲」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
❖ "It is not love that ~ "「犠牲を強いるものは、愛ではない」。"But fear demands ~ "「しかし、恐れは、愛を犠牲にすることを要求する」。恐れは、愛を遠ざける。"for in love's presence ~ "「なぜなら、愛が存在すれば、恐れの居場所がなくなるからだ」。愛は恐れを消してくれるものだから、いつまでも恐れを抱いていたいと思う限り、必然的に愛を遠ざけてしまうのだ。愛を犠牲にするのである。



For hate to be maintained, love must be feared; and only sometimes present, sometimes gone.
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • sometimes [sʌ́mtàimz] : 「時々、たまに」
  • present [préznt] : 「存在している、そこにある」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「いなくなった、去った、なくなった」
❖ "For hate to be ~ "「憎悪を維持するためには、愛は恐れられなくてはならない」。愛は憎悪を消し去るから、憎悪にしがみついていたいと思う限り、愛を恐れ、愛を遠ざけておかなくてはならない。"and only sometimes ~ "「ただ単に、愛は、時々顔を見せ、時々姿を消してくれるものであって欲しいと思うわけだ」。愛に常駐されると、恐れも憎悪も消えてしまうから、愛には、時おり登場してもらうに限るのである。



Thus is love seen as treacherous, because it seems to come and go uncertainly, and offer no stability to you.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない」
  • uncertainly [ʌnsə́ːrtnli] : 「不確実に」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • stability [stəbíləti] : 「安定、持続、不変、安定性、安定度、持続性」
❖ "Thus is love seen ~ "「こうして、愛は、不誠実なものと見られてしまう」。"because it seems ~ "「なぜなら、愛は気まぐれにやって来たかと思うと、次には行ってしまうからであり、」"and offer no ~ "「あなたに、安定性をもたらしてくれないからだ」。愛と恐れと憎悪が、入れ替わり立ち替わり現れる状態なので、愛にだけ目を向けると、そんな愛は不誠実な愛に見えるのである。いったい、あなたは愛していいのか、憎んでいいのか、自分でさえも分からなくなり、あなたは、完全に安定性を欠いてしまう。もちろん、他者から見ても、あなたは、愛していい人間なのか憎んだ方がいいのか、まったく安定性を欠いた人間に見えるだろう。



You do not see how limited and weak is your allegiance, and how frequently you have demanded that love go away, and leave you quietly alone in "peace. "
  • limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された、限定の」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「頻繁に、しばしば、たびたび、やたらに」
  • go away : 「消えうせる、立ち去る」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、黙って」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単独に」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "You do not see how ~ "「あなたは、あなたの忠実さが、いかに制限されたものであり弱いものか、知る由(よし)もない」。真実の愛に対して、あなたの忠実さが、いかに、恐れと憎悪によって制限され弱められているか、あなたは知らない。"and how frequently ~ "「そして、いかに頻繁に、あなたは、愛に去るように要求し、一人静かに『平和』の中に取り残されたいと要求しているか、あなたは知らない」。ここの『平和』とは、愛に煩わされない状態のことであって、愛を拒絶した孤絶状態を、『静かな平和だ』と表現して皮肉っているのだ。愛に対する忠実さを放棄し、愛を拒絶すれば、そこに残るのは憎悪と恐れだけである。確かに憎悪と恐れを抱いている限り、愛に煩わされることはないが、その静寂や平和は虚偽であって、単なる世界からの孤絶に違いない。



8. The body, innocent of goals, is your excuse for variable goals you hold, and force the body to maintain.
  • innocent [ínəsənt] of : 「無罪の、〜の罪を犯していない、〜のない」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • excuse [ikskjúːz] for : 「〜の理由、〜の言い訳」
  • variable [vέəriəbl] : 「変わりやすい、変えられる、移り気な、気まぐれな」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • force [fɔ́ːrs] : 「〜を強要する、〜に〜を余儀なくさせる、強いる」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
❖ "The body, innocent of goals ~ "意訳する、「目的というものをもたない肉体は、あなたが心に抱き、肉体にも強制的に保持させようとする目的がころころ変わる言い訳に利用されている」。肉体は本来、それ自体が目的をもつようなことはない。肉体は、他者を愛することも憎むこともしないのだ。幻想のままでいようとも、実相に目覚めようともしない。しかし、気まぐれなあなたは、あなたの目的や関心がころころ変わる口実として、それが肉体の気まぐれであるかのように装うのである。肉欲を口実に、他者を愛するふりをしたり、肉体的欠陥を責めて他者を憎んだり、他者が肉体的にあなたから遠ざかることに恐れを抱いたり、いずれにせよ、心の問題を度外視して、原因のすべてを肉体のせいにするのである。だから、心の問題はすべて肉体に現れ、病になったり癒されたりを、飽くことなく繰り返すのである。



You do not fear its weakness, but its lack of strength or weakness.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
❖ "You do not fear ~ "「あなたは、肉体の弱さを恐れているのではない」。"but its lack of strength ~ "「肉体が、強さ弱さというものを欠いていることを恐れるのだ」。肉体は傷つきやすく、老いれば脆くなるなどという肉体のもつ脆弱さをあなたは恐れているのではない。肉体は、単なる幻想に過ぎず、強さや弱さもまた幻想に過ぎないという事実をあなたは恐れているのだ。肉体が実体をもたないことを、あなたは何より恐れる。なぜなら、あなたは、その肉体自体だと信じているからだ。肉体を失ってしまったら、あなたは無に違いないと思っているのである。だから、死を恐れるのだ。



Would you know that nothing stands between you and your brother?
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "Would you know that ~ "「あなたとあなたの同胞との間には何もないのだと、あなたは知りたいと思わないだろうか」。肉体は幻想に過ぎず、あなたの肉体と同胞の肉体の間に隔たりがあると信じていること自体も幻想である。あなたは、肉体を幻想であると認識して、幻想の肉体を赦し、赦すことで肉体を消滅させたいと思わないだろうか。



Would you know there is no gap behind which you can hide?
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に 」
  • hide [háid] : 「隠れる、潜伏する、身を潜める、潜む、姿を隠す」
❖ "Would you know there ~ "「あなたがその後ろに身を隠すギャップなど存在しないのだと、知りたくはないだろうか」。あなたは、本当の実在である心を、肉体という幻想の後ろに隠しているのだが、肉体が生み出すギャップなど存在しない。その真実を、あなたは知りたいと思わないか。



There is a shock that comes to those who learn their savior is their enemy no more.
  • shock [ʃɔ́k] : 「衝突、衝撃、ショック」
  • those who : 「〜する人々」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、 〜を知る、分かる」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "There is a shock that ~ "「彼らの救い主が、もはや彼らの敵ではないと知った者達は、ショックを覚えるだろう」。肉体は幻想に過ぎず、心と心の存在にはギャップもなければ隔たりもなく、実は、自他一如であると知った者は、心を大きく揺さぶられるだろう。なぜなら、分離しているに違いないと思っていた敵である他者が、実は敵ではなく、自分と同一であって、共に、実相世界へ目覚めるための救い主だと知ったからである。



There is a wariness that is aroused by learning that the body is not real.
  • wariness [wέərinis] : 「用心深さ、慎重さ」
  • arouse [əráuz] : 「目覚めさせる、呼び起こす、喚起する」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "There is a wariness ~ "「肉体は実在しないと知ることで、用心深くなってしまう」。肉体は幻想であって、実相的な実在ではないと知ると、いったい自分は肉体以外の何者なのか分からなくなってしまうのだ。もちろん、実在は心であるのだが、心は抽象、想念の世界の実在であって、肉体のような具象を伴わない。自分は他者から分離して存在する実体ではないのだから、他の心が容易に自分の心に侵入したり、心を奪ったりするのではないかと恐れて、警戒し、用心深くなってしまうのだ。もっとも、これは一時的なことであって、真実がいつまでも恐れを抱かせることはない。真実への恐れもまた、幻想なのだ。



And there are overtones of seeming fear around the happy message, "God is Love. "
  • overtone [óuvərtoun] : 「表面に現れた含意、含み、付帯的な意味」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの」
  • around [əráund] : 「〜の周りに、〜の周囲に」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、伝達内容」
❖ "And there are overtones ~ "「『神は愛である』という幸せなメッセージの周りに、見せかけの恐れがそれとなく現れてくるのである」。心だけの、いわば裸になったあなたは、神の愛に包まれていることは理解出来るものの、その神の愛を全面的に受け止めることが出来ずに、戸惑い、恐れるのだ。神の愛を受ける資格が、はたして自分にあるだろうか。神は、自分の心の不純さを知って、愛を取り下げたりしまいか。自分は、神の愛に応えるだけの愛を持ち合わせているだろうか。不安と恐れは、しばらく続くことになろう。しかし、これもまた、そう長くは続かない。なぜなら、実相世界は無時間の世界なのだから、神の愛を受け入れた瞬間に、時間は消滅してしまうからだ。あとは、無限の幸せが永遠に続くのである。
 
 
 


T-29.I.5:1 ~ T-29.I.6:5

5. The body could not separate your mind from your brother's unless you wanted it to be a cause of separation and of distance seen between you and him.
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • distance [dístəns] : 「距離、間隔、隔たり、すき間」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "The body could not ~ "「肉体は、〜でない限り、あなたの心をあなたの同胞の心から分離させることは出来ない」。"unless you wanted it ~ "「あなたが心を、分離の原因、つまり、あなたと同胞の間に見られる距離、の原因にしたいと望まない限り、」肉体(つまり、肉体的頭脳、あるいは頭脳に支配された肉体)は、あなたの心をあなたの同胞の心から分離させることは出来ない。心は本来、自然な状態では分離するようなものではないのだ。神の子が単一であり、その心も単一であることを考えれば、当然である。しかし、神の子は夢の中で自らを分裂させ、多数の肉体を偽創造(幻想)して、分離して存在することを選んだのだ。本文は、しかし、その分離した肉体が、意識的に心の分離分裂を望まない限り、心は分離分裂することはないと言っている。意識しようがしまいが、あなたと同胞が肉体的に分離していようとも、あなたと同胞の心は繋がっているのだ。ユングの唱えた集合意識は、その真実の一端を語っている。つまり、心の表層は別としても、なぜなら、それは肉体的頭脳に支配されているからだが、心の深層は、あなたと同胞が共有している単一の心なのだ。その万人が共有する心の深層部分から、心の表層部分を意識的に切り取ってしまって、心身ともに世界から分離したならば、あなたは完全な、そして、絶望的な孤絶に陥ってしまうだろう。それを、地獄と呼ばずに何と名付けよう。



Thus do you endow it with a power that lies not within itself. And herein lies its power over you.
  • endow [endáu] : 「授ける、与える」
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力、権力」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • herein [hìərín] : 「ここに、この中に、この点で」
❖ "Thus do you endow ~ "「こうして、あなたは肉体に、それ自体の中にはないパワーを与えてしまうのだ」。肉体、すなわち頭脳に、心を支配する権力を与えてしまう。頭脳が、心を左右するようになるのだ。



For now you think that it determines when your brother and you meet, and limits your ability to make communion with your brother's mind.
  • think [θíŋk] : 「〜を考える」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心する」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること、手腕」
  • communion [kəmjúːniən] : 「交わり、親交、共有、交流」
❖ "For now you think that ~ "「なぜなら、今やあなたは、肉体が、いつあなたと同胞が会ったらいいのか決定しているのだと思い、肉体が、同胞の心との霊的交わりを可能にする能力に制限を与える(ことが出来る)と思っているからだ」。肉体的頭脳が主導権を握って、あなたの心の動きをいちいち指図するのだ。ところで、"communion"を「霊的交わり」と訳してみたが、難しい単語である。心と心の結合を意味するのは確かなのだが、はたして霊という言葉で表現していいものなのか、少々疑問ではある。ACIMでは、霊という言葉は、ホーリー・スピリット(Holy Spirit)の"spirit"に、ほぼ限定されていて、その他の場所に"spirit"「霊、魂、霊魂、精霊」は登場しない。"soul"「魂、霊魂」という言葉もほとんど登場しない。おそらく、霊や魂は、実相的な心(mind)に集約されてしまうからだろう。したがって、ACIMの心(mind)は、単なる頭脳的な意識ではなく、あるいは、肉体的な意識が生み出す精神とう意味ではなく、より霊性や霊魂に近いものなのだ。



And now it tells you where to go and how to go there, what is feasible for you to undertake, and what you cannot do.
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • where to : 「どこで〜するべきか、どこに〜するべきか」
  • how to : 「いかにして〜すべきか、どのように〜したらいいか」
  • feasible [fíːzəbl] : 「実現可能な、実行可能な、適した、ふさわしい」
  • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う、負う」
❖ "And now it tells you ~ "「今や肉体は、あなたがどこへ行けばいいのか、そこへどうやって行けばいいのか、あなたにとって何が理解可能なのか、あなたは何が出来るか、いちいち指図することになる」。もちろん、ここの肉体は、肉体的頭脳のことであり、さらに深読みすれば、エゴに支配された頭脳ということになる。エゴの思考システムに支配された頭脳であり、エゴの肉体なのだ。そのエゴの思考システムが、あなたの心にまで勢力を伸ばし、あなたの心を支配しようとしているのである。



It dictates what its health can tolerate, and what will tire it and make it sick.
  • dictate [díkteit] : 「〜を命令する、指示する、〜に影響する、〜を決定する」
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、健全、繁栄」
  • tolerate [tɑ́lərèit] : 「〜を大目に見る、我慢する、耐える、許容する、許す」
  • tire [táiər] : 「〜を疲れさせる、〜を飽きさせる」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "It dictates what its ~ "「肉体は、肉体的健康さがどこまで耐えられるか、何が肉体的健康さを疲弊させ、それを病にさせるのか、命令することになる」。つまり、肉体的な健康さというものが心の健康さに左右されるという事実を除外して、心抜きの健康、不健康、耐久性、病、等々を規定しようとするのである。



And its "inherent" weaknesses set up the limitations on what you would do, and keep your purpose limited and weak.
  • inherent [inhíərənt] : 「生まれつきの、生得の、生来の、先天的な、固有の」
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性、衰弱」
  • set up : 「築く、設ける、打ち立てる、建てる」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された、限定の」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
❖ "And its "inherent" weaknesses ~ "「肉体が生来もっている『弱さ』は、あなたがやりたと望むことを制限し、あなたの目的さえも制限し、弱々しいものに保とうとするのである」。肉体的に弱いから、あるいは、肉体的に限界があるからと言って、あなたの望みを制限し、目的をもつことさえ限定するのだ。たとえば、あなたが、心を幻想から解放して、実相世界へ目覚めたいと望んでも、あなたの肉体が、それは無理だろうと制限するのだ。他者を心のレベルで本当に愛そうとしても、肉体は、肉欲を振りかざして、あなたの愛にけちをつけ、愛を汚し、本当の愛など不可能なのだとあなたに告げようとする。



6. The body will accommodate to this, if you would have it so.
  • accommodate [əkάmədèit] : 「適合する、適応する、対応する、順応する」
❖ "The body will ~ "「もしあなたが、肉体に対してそれを望むなら、肉体は、こうしたことに順応するであろう」。あなたが、頭脳をエゴに支配させ、エゴの思考システムにどっぷりと浸かりたいと望むなら、肉体はそれに順応して、肉体はエゴの言いなりに振る舞うようになるだろう。肉体は、心の存在を無視し続けることになるだろう。たとえば、現代医学の大半は、その最たるものではないだろうか。頭脳はホルモンと電気信号の集合体であり、頭脳が肉体の動きや精神を生み出していると信じている。生命は化学反応に過ぎず、心は頭脳が生み出す精神活動に過ぎないと規定する。肉体こそが存在のすべてであって、肉体が崩壊すればそれは死であり、その後は無である。これが、現代医学の教える肉体のシナリオの大骨(おおぼね)である。一言で言えば、肉体至上主義。



It will allow but limited indulgences in "love," with intervals of hatred in between.
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • indulgence [indʌ́ldʒəns] : 「耽溺、ふけること、わがまま、放縦、気まま」
  • interval [íntərvəl] : 「隔たり、間隔、合間、距離」
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い」
  • in between : 「間に、中間に」
❖ "It will allow but ~ "「肉体は、『愛』に放縦することに制限を加え、愛する合間に憎しみを挟み込むだろう」。制限なしに愛することになれば、心と心が結合し、肉体的存在の分離性が崩壊しかねないので、時折憎しみを挟み込んで、完全な愛が成就出来ないようにするのである。



And it will take command of when to "love," and when to shrink more safely into fear.
  • take command of : 「〜の指揮を執る、〜を指揮する、〜の采配を振る」
  • when to : 「いつ〜したらいいか、〜するタイミング」
  • shrink [ʃríŋk] : 「縮む、縮まる、小さく」
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "And it will take command ~ "「肉体は、いつ『愛し』たらいいか命令するようになるであろうし、いつ、より安全に、恐れの中に収縮すべきか命令するようになる」。肉体は、エゴの思考システムが命ずるままに、愛のタイミングを指図し、愛が深まることを警戒して、愛から遠ざかって恐れに戻ることまで命令するようになる。



It will be sick because you do not know what loving means.
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "It will be sick because ~ "「あなたは愛することの意味がわからないから、肉体は病になるのである」。短い文ではあるが、非常に大切な箇所である。心と心の、愛を介した結合がないから、肉体は病を発症するのだ。逆に、心と心が愛で結ばれるとき、病は自然に消滅するのである。それが、ヒーリングである。



And so you must misuse each circumstance and everyone you meet, and see in them a purpose not your own.
  • misuse [mìsjúːz] : 「誤用する、悪用、乱用する、虐待する」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「周囲の事情、環境、状況、事情」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "And so you must ~ "「そこであなたは、一つ一つの状況やあなたの出会うあらゆる人達を誤用し、その中に、あなた自身のものではない目的を見ることになるに違いない」。たとえば、あなたが誰かと愛をはぐくむ状況に至ったとしよう。本来なら、幻想から目覚める目的をもって、あなたは愛を通して心を結合させるのだが、それとは異なる、あなた自身の目的ではない目的、つまり、結合と反する分離を目的にして、その愛の状況を誤用、悪用するのである。つまり、愛を憎しみに変え、反発を生み出し、心と心の分離を助長しようとするのだ。愛を恐れ、分離という暗い穴ぐらに安住しようとするのである。これが、エゴの思考システムの導く、あなたの将来像ということになる。
 
 
 


T-29.I.4:1 ~ T-29.I.4:7

4. The gap between you and your brother is not one of space between two separate bodies.
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
❖ "The gap between ~ "「あなたとあなたの同胞との間のギャップは、二人の分離した肉体間の、一つの空間に過ぎないというものではない」。もちろん、肉体間の隔たりが、幻想のギャップなのだが、それは象徴であって、ギャップが象徴しているものは心の分離なのだ。神の子の単一な心が分裂分離し、それを象徴して肉体が作り出され、分離を象徴してギャップが目に見える形で作られたのである。肉体と肉体の空間的な隔たりは、心の分裂を象徴しているのである。



And this but seems to be dividing off your separate minds.
  • divide [diváid] : 「〜を分ける、分割する」
❖ "And this but seems to ~ "「そして、このギャップが、あなた方の分離した心を分割しているように見えるのだ」。つまり、このギャップが、あなたと同胞の心の分離を象徴している、ということ。



It is the symbol of a promise made to meet when you prefer, and separate till you and he elect to meet again.
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象、符号」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる」
  • prefer [prifə́ːr] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む、〜の方を選ぶ」
  • separate [sépərèit] : 「分かれる、分離する、別居する」
  • till [tíl] : 「〜まで、〜するまで」
  • elect [ilékt] : 「選ぶ、選出する」
  • again [əɡéin] : 「再び、また」
❖ "It is the symbol of ~ "「それは、〜という約束の象徴である」。"a promise made ~ "「あなたが会いたいと思うときには会い、あなたと同胞が再び会うことを選択するまでは離れているという約束」の象徴なのだ。つまり、ギャップは、付かず離れずの関係性を維持するための約束を象徴するものである。自由に距離を縮めることも拡張することも出来るように設計されているのだ。



And then your bodies seem to get in touch, and thereby signify a meeting place to join.
  • get in touch : 「〜と連絡を取る、〜に連絡する、〜に接触する」
  • thereby [ðὲərbái] : 「それによって、その結果、従って」
  • signify [sígnəfài] : 「〜の表れである、〜を意味する、表す」
  • meeting place : 「出会いの場、会合場所」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる」
❖ "And then your bodies ~ "「そこで、あなた方の肉体は、接触出来るように見うけられ、」"and thereby signify ~ "「したがって、結合するための出会いの場を表している」。ギャップは分離を象徴しているのだが、完全な孤立を強制するものではない。肉体と肉体が接触するとき、たとえば、性的な交わりによって肉体が結ばれるとき、あたかも心と心が結合し一体になったかのように見うけられるのである。肉体の結合が心の結合を表しているかのように見えるだろうが、それは、つかの間の錯覚である。なぜなら、肉体が結合をほどいてしまえば、ギャップの存在によって、再び分離の状態が復元されるからだ。



But always is it possible for you and him to go your separate ways.
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
❖ "But always is it possible ~ "「しかし常に、あなたと同胞にとっては、分離した道を歩むことが可能なのである」。肉体が離れれば、あなたと同胞は、また、別々の道を歩き出すことになる。ギャップという分離の象徴が消えない限り、心が一体となることはないので、いつでも分離した状態に戻れるのである。



Conditional upon the "right" to separate will you and he agree to meet from time to time, and keep apart in intervals of separation, which do protect you from the "sacrifice" of love.
  • conditional [kəndíʃənl] : 「条件文、条件語句、条件節」
  • right [ráit] : 「権利、利権、正当な要求、当然の権利」
  • agree [əgríː] : 「同意する、合意する、賛成する、賛同する」
  • meet [míːt] : 「会う、接触する、交わる」
  • from time to time : 「時々」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • interval [íntərvəl] : 「隔たり、間隔、距離」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
❖ "Conditional upon the ~ "「分離するという『権利』を条件に、あなたと同胞は、時々会うことに同意し、また、分離している間は離れ離れをキープすることに同意する」。"which do protect ~ "「そうすることで、 あなたは、愛の『犠牲』から守られるのである」。肉体的に隔てられているあなたと同胞は、互いに、分離して存在する『権利』があると主張する。その上で、時々は接近し、都合が悪くなると離れるという条約を結ぶわけだ。付かず離れずの関係を保っている限り、愛の犠牲になることはないからだ。愛を理由に、奪われることはないからだ。



The body saves you, for it gets away from total sacrifice and gives to you the time in which to build again your separate self, which you truly believe diminishes as you and your brother meet.
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • get away from : 「〜から離れる、〜を避ける、〜を免れる」
  • total [tóutl] : 「完全な、全くの、全面的な、全部の、すべての、」
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設す」
  • truly [trúːli] : 「心から、誠実に、正直に、全く、本当に、真に、正確に、忠実に」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • diminish [dimíniʃ] : 「小さくなる、減少する、縮小する、衰える」
❖ "The body saves ~ "「肉体は、あなたを救う」。肉体は、あなたの分離を保ってくれる。その意味で、あなたを愛の犠牲から救っている。"for it gets away from ~ "「なぜなら、肉体は完全な犠牲から逃れ、あなたの分離した自己を再び構築する時間をあなたに与えてくれるからだ」。あなたが同胞に近づきすぎて、愛を感じるようになると、肉体は、愛の犠牲を恐れて逃げ出すのである。あなたを同胞から引き離そうとする。そうすれば、分離を失いかけたあなたは、再び、完全な分離状態の自分を再構築することが出来るのである。"which you truly ~ "「あなたの分離した自己は、あなたと同胞が会うことによって、どんどん減少していくと、あなたは本当に信じているのである」。分離した自己が減少するにしたがい、愛という重荷が加わっていき、その愛があなたに犠牲を強いると、あなたは信じているのだ。そこで、あなたは肉体を上手に利用して、再び同胞との距離を広げて、自分の分離を保とうとするのである。
 
 
 


T-29.I.3-1 ~ T-29.I.3:10

3. The fear of God! The greatest obstacle that peace must flow across has not yet gone.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定、静けさ、沈黙」
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く、満ちる」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
❖ "The fear of ~ "「神への恐れとは!」。"The greatest obstacle ~ "「平和が乗り越えなくて流れて行かねばならない最も大きな障害は、まだ去ってしまったわけではない」。真の心の平安を得るために越えなくてはならない最大の障害は、神に対する恐れである。神に対する恐れがそもそも生まれたのは、神の子が神を裏切って神から分離したことに始まる。そして、神はその裏切りに対して必ず罰するに違いないという恐れが生まれたのだ。神の子は、裏切りに対する罪の意識と神の罰への恐れに耐えきれずに、自己を乖離し、つまり、分離分裂した別人格の自分を作り出して、心の外部に投射して作り出した幻想世界にその自己を投げ出して、幻想世界に生きることにしたのである。幻想世界に、自分もまた幻想として生きることを選択したのだ。しかし、もちろん、神は、永遠に神の子を愛しているのであり、もしその愛に応えて、神の子が神を受け入れたなら、つまり、神の実相に目覚めたら、幻想に過ぎない分離分裂した自己は消滅し、同時に幻想世界も消滅する。神の至上の愛を受け入れたら、神の愛によって今の自分が崩壊し、今の生活のすべてが崩壊し消滅すると信じるあまり、神の愛を最も恐れるのである。



The rest are past, but this one still remains to block your path, and make the way to light seem dark and fearful, perilous and bleak.
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する、依然として〜のままである」
  • block [blάk] : 「遮る、妨害する、阻む、妨げる、阻害する」
  • path [pǽθ] : 「道、小道、細道、通り道、通路、経路、進路」
  • light [láit] : 「光、ライト、明か」
  • dark [dάːrk] : []暗い、闇の、暗黒の
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • perilous [pérələs] : 「危険な、冒険的な、危険の多い」
  • bleak [blíːk] : 「荒涼とした、殺風景な、わびしい、寒々とした」
❖ "The rest are past ~ "「残りの障害は、過ぎ去ってしまったのだが、この神の愛への恐れだけは、あなたの行く手の道をブロックして居座ったままである」。"and make the way ~ "「その結果、光への道は、暗く恐ろしく、危険で荒涼たるものに見えるのである」。"the way to light"「光への道」とは、もちろん、実相世界、天の王国への道のこと。幻想世界から実相世界への目覚めの道だ。神への回帰そのもの、と思ってもいい。その旅の道は、同胞やホーリー・スピリットやキリストを道連れとした、本来は楽しいものであり、心安らぐものであるが、神の愛への恐れがそれをかき消して、道は暗く恐ろしげに見えてしまうのである。真実を知ることへの恐れであり、愛への恐れである。光に曝(さら)されるよりは、暗闇にじっとしていた方が安全だと思っているのである。真実を知るより、虚偽の中で目をつぶっていた方が安全だと考えるのである。



You had decided that your brother is your enemy. Sometimes a friend, perhaps, provided that your separate interests made your friendship possible a little while.
  • decide [disáid] : 「きっと〜だと思いこむ、〜だと確信する」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • provided [prəváidid] : 「〜という条件で、もし〜とすれば、もし〜ならば」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、利益、利害」
  • friendship [fréndʃip] : 「友情、友情関係」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • a little while : 「ちょっとの間、しばらくの間」
❖ "You had decided ~ "「あなたは、あなたの同胞があなたの敵であると決定した」。"Sometimes a friend, perhaps, ~ "「時には、たぶん、〜ならば、友達と決定したであろう」。"provided that your ~ "「あなたがたの別々の利害が、しばらくの間、あなたがたの友情を可能にすることがあったなら、」あなたは同胞を友達と決定したであろう。あなたと同胞が、利害関係で分離しており、対立することがなかったら、あなたは同胞を、敵と思わずに友として扱っただろう。しかし、それとても、つかの間のことである。



But not without a gap perceived between you and him, lest he turn again into an enemy.
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • between A and B : 「AとBの間に」
  • lest [lést] : 「〜しないように、〜するといけないから」
  • turn into : 「〜に変わる、〜に変化する」
  • again [əɡéin] : 「再び、また」
❖ "But not without a gap ~ "「しかし、同胞が再び敵に転じないようにするために、あなたと同胞の間のギャップを知覚しないでおくことは出来ない」。利害関係が対立せず、友達関係が成立したとしても、相手がいつ敵に転じるかわかったものではないので、心を許すことなく、ギャップを保って接するわけである。距離をおいた関係性を保たなくてはいけないのだ。



Let him come close to you, and you jumped back; as you approached, did he but instantly withdraw.
  • come close [klóus] to : 「〜に近づく、〜に接近する」
  • jump back : 「後方にジャンプする、体が後ろに引く、急いで戻る」
  • approach [əpróutʃ] : 「近づく、近くなる、接近する、近寄る」
  • instantly [ínstəntli] : 「すぐに、すぐさま、一瞬にして、即座に」
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「手を引く、身を引く、引き下がる」
❖ "Let him come close ~ "「同胞をあなたに近づければ、あなたは後ろに飛び退(の)くだろう」。ギャップを縮めるようなことがあれば、あなたは恐れをなして身を引くだろう。"as you approached, did ~ "「あなたが近づけば、即座に、同胞は身を引くのである」。同胞も、あなたと同様の反応を示す。ところで、蛇足になるが、文章は過去形で語られているが、ACIMでは、時制はあまり気にしないこと。ここでは、気持ちとしては、過去もそうであったし、今もそうだ、といった意味合い。時間の存在しない実相においては、すべてが一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続く。幻想世界の出来事は、過去現在未来すべて含めて、実相世界ではすでに起きてしまっている。したがって、実相的視点から眺めれば、事象を過去形で表現しようが現在形で表現しようが、そこに重大な差は生じないのだ。ACIMは、時間系列で事を論じているのではない。



A cautious friendship, and limited in scope and carefully restricted in amount, became the treaty that you had made with him.
  • cautious [kɔ́ːʃəs] : 「用心深い、注意深い、慎重な、注意する」
  • limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された、限定の」
  • scope [skóup] : 「余地、余裕、自由、範囲、領域」
  • carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • restricted [ristríktid] : 「制限された、限られた、制限的な、限局的な、狭い」
  • amount [əmáunt] : 「量、額」
  • became [bikéim] : 「become の過去形」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • treaty [tríːti] : 「条約、盟約」
❖ "A cautious friendship ~ "「慎重な友人関係、つまり、可動範囲の制限、量的制限、等々は、あなたが同胞と交わした条約となる」。あなたは同胞と友人関係を結ぶのだが、それは制限されたものであり、分離を犯すものであってはならないものとする。友人関係として、動ける範囲、関係性の密度、つまり、かかわり合いの量、等々が、微妙に制限されて、あなたと同胞の間のギャップが確実に保たれるように調整しているのだ。



Thus you and your brother but shared a qualified entente, in which a clause of separation was a point you both agreed to keep intact.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • qualified [kwɑ́ləfàid] : 「制限された、条件を満たした、適格の」
  • entente [ɑːntɑ́ːnt] : 「協商、協約」
  • clause [klɔ́ːz] : 「節、条項、箇条」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • point [pɔ́int] : 「重点、重要なこと、核心、論点、要点」
  • both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
  • agree [əgríː] : 「同意する、合意する、賛成する、一致する」
  • intact [intǽkt] : 「損なわれていない、手を付けていない」
❖ "Thus you and your brother ~ "「こうして、あなたと同胞は、制限された条約を分かち合っており、」"in which a clause ~ "「その条約の中でも、分離という条項は、両者ともに手をつけてはならないと同意した重要なポイントである」。この分離という条項を犯すとき、あなたと同胞の制限された友人関係は破綻する。逆に、同胞と友人関係を保ちたいなら、決して分離を犯してはならない。



And violating this was thought to be a breach of treaty not to be allowed.
  • violate [váiəlèit] : 「違反する、犯す、破る」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
  • breach [bríːtʃ] : 「違反、破棄、不履行、侵害」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する」
❖ "And violating this ~ "「そして、分離を犯すべからずという条項が破られるとき、それは、許されざるべき条約違反と思われることになるのだ」。そう判断されて、即、友人関係は破綻する。結局、分離を犯すべからずという条約に制限されるような友人関係は、偽ものの友人関係であって、分離という幻想の上に咲いたあだ花に過ぎない。幻想は変化流動し、崩壊に向かわざるを得ないように、分離の友人関係も、遅かれ早かれ崩壊するのである。そして、それに懲りることなく、また新たな虚偽の友人関係を求めて、幻想世界を徘徊することになる。
 
 
 


T-29.I.1:1 ~ T-29.I.2:6

 

A Course in Miracles
 
 
 
 
Text - Chapter 29
 
 
The Awakening
覚醒
 
 

I. The Closing of the Gap
ギャップを閉じる
 
 

1. There is no time, no place, no state where God is absent. There is nothing to be feared.
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、地域、土地」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • absent [ǽbsənt] : 「いない、不在の、留守の、欠席して」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "There is no time, no ~ "「神のいない時間も場所も状態も、決して存在しない」。神は、いかなる時も、いかなる場所にも、常に存在している。"There is nothing ~ "「何一つ恐れる必要はない」。常に神が存在しているので、何も恐れる必要はない。神が見えないと言うなら、それは目を閉じて眠っているからだ。幻想が、実在を覆い隠しているのだ。



There is no way in which a gap could be conceived of in the Wholeness that is His.
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式、現状、状態」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • conceive [kənsíːv] : 「心に描く、思い付く、着想する、想像する」
  • conceive of : 「〜を考え出す、〜を想像する、〜を心に描く、〜を思い描く」
  • wholeness [hóulnis] : 「全体、全体性」
❖ "There is no way ~ "「神のものである全体性の中にギャップを考えつくような、そんな方法はない」。神は完全であり、欠けるものはない。例えて言えば、完全な球形の水晶玉を連想すればいい。そこには、一つの傷も、結晶格子の欠損もない。完全で完璧である。完全、完璧な神が、実相世界すべてを包含しているのだ(all-encompassing)。"the Wholeness that is His"「神のものである全体性」とは、そういうものだと考えればいいだろう。したがって、幻想世界の分離を象徴するギャップなど、神の全体性の中に存在することはない。存在させることも不可能だ。



The compromise the least and littlest gap would represent in His eternal love is quite impossible.
  • compromise [kάmprəmàiz] : 「譲歩、妥協、歩み寄り、和解」
  • least [líːst] : 「最小のもの、最小」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する、示す」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • quite [kwáit] : 「とても、非常に、きわめて」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "The compromise the least ~ "「神の永遠の愛の中に、最も小さなギャップが表す妥協(の存在)など、まったく不可能なのだ」。下手な訳で申し訳ない。神の愛には傷も欠損もない。目には見えない最も小さなギャップが紛れ込んでいるかもしれないなどという、妥協的考えは通用しないのだ。たとえば、神は、神を信じない者を憎んで罰を与えるかも知れない、などという、神と人間の中間的な妥協的発想など、でたらめである。完全、完璧な実相的真実である神の思考に、憎悪や報復などという幻想的想念(ギャップ)が紛れ込む可能性はないのだ。旧約聖書に登場する、憎悪する神、罰する神、報復する神、怒れる神、復讐する神、嫉妬する神、疑う神、試す神、等々は、恐れを抱いた人間の妥協的発想によって生まれた虚偽の神である。実相世界に住む実在の神とは全く無縁の、幻想世界の神に過ぎない。神と呼べない神なのだ。偽神とでも名付けておこうか。



For it would mean His Love could harbor just a hint of hate, His gentleness turn sometimes to attack, and His eternal patience sometimes fail.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • harbor [hάːrbər] : 「心に抱く、〜をかくまう」
  • a hint of : 「少量の、少しだけ、ちょっぴり」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」
  • turn to : 「〜に変わる、〜に変化する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • patience [péiʃəns] : 「忍耐、我慢、辛抱強さ、根気」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "For it would mean ~ "「なぜなら、それは、神の愛がほんの少しの憎しみを隠し持っているかもしれないし、神の優しさは時として攻撃に転ずるかも知れないし、神の永遠の忍耐は時として失敗するかもしれないことを意味しているからだ」。幻想のギャップが神の愛に紛れ込んでいる可能性があるという妥協的発想は、神の愛に憎悪という傷が付いているかもしれないことを意味する。神の優しさは攻撃心を隠し持っているかもしれず、神は忍耐強くないことを意味することになってしまう。もしそうであるなら、神の完全性、完璧性、全体性は、ものの見事に崩壊して、神も実相世界も一瞬にして消滅してしまうだろう。



All this do you believe, when you perceive a gap between your brother and yourself.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "All this do you believe ~ "「あなたが、あなたの同胞とあなた自身との間にギャップを知覚するときは、このすべてをあなたは信じていることになる」。あなたと同胞が肉体と肉体によって分離し、その間に幻想の隔たり、ギャップを知覚するようでは、神の完全性を疑って、神の愛にギャップが紛れ込む可能性があるという妥協的発想を信じていることになる。なぜなら、神の子は神が創造したものであり、神が完全、完璧、全体であるなら、神の子も同様に完全であり完璧であり全体であるはずだからだ。同胞に対して、自分と同じ神の子であると知覚出来ない限り、神の完全性を理解出来ないのである。神の子の自他一如を知らない限り、神を知ることは出来ない。



How could you trust Him, then? For He must be deceptive in His Love.
  • trust [trʌ́st] : 「信用する、信頼する」
  • deceptive [diséptiv] : 「人をだます、当てにならない、見掛け倒しの」
❖ "How could you trust ~ "「そんな有り様で、どうして、あなたは神を信頼出来るだろうか」。"For He must be ~ "「なぜなら、神は、神の愛を偽っているに違いないのだから」。もちろん、神は愛を偽ってなどいないのだから、あなたはあなた自身を偽っていることになるのだ。



Be wary, then; let Him not come too close, and leave a gap between you and His Love, through which you can escape if there be need for you to flee.
  • wary [wέəri] : 「警戒している、慎重な、油断のない、用心深い」
  • close [klóus] : 「近くに、接して、密接して、ぴったりと」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、〜をそのままにしておく」
  • through [θruː] : 「〜を通り抜けて、経て、〜を通じて」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける、免れる」
  • need [níːd] : 「必要、必要性」
  • flee [flíː] : 「〜から逃げる、〜を逃れる」
❖ "Be wary, then; let ~ "「もしそうなら、油断せずに、神をあまり近づけることなく、あなたと神の間にギャップを残して置きなさい」。"through which you ~ "「もしあなたが、(神から)自由になる必要が生じたときは、そのギャップを通って、あなたは(神から)逃げることが出来るのだから」。もちろん、ここでは逆説を語っているのだ。もし神の愛が信じられないなら、神に近づくな、神から距離を置け、いつでも逃げる準備をしておけ、というわけである。



2. Here is the fear of God most plainly seen. For love is treacherous to those who fear, since fear and hate can never be apart.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • plainly [pléinli] : 「はっきりと、明らかに、明白に、一目瞭然に」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "Here is the fear of ~ "「ここに、神への恐れがはっきりと見ることが出来る」。"For love is treacherous ~ "「なぜなら、愛は、恐れを抱く者を裏切るからである」。"since fear and hate ~ "「と言うのも、恐れと嫌悪は、決して別物ではないからだ」。基本的に、愛への不信が恐れを生み出し、神はもちろんのこと、他者を愛することが出来ないのである。本文は「愛は、恐れを抱く者を裏切る」とあるが、本当は愛は誰も裏切ることはなく、したがって、この文は「恐れを抱く者は、愛を裏切る」と、逆さまに解釈した方がいいだろう。恐れが不信を生み出し、不信が愛を損ね、憎悪をかき立てるのだ。恐れと愛への不信と憎悪は表裏一体であり、その時々で表す顔を変えるだけである。



No one who hates but is afraid of love, and therefore must he be afraid of God. Certain it is he knows not what love means.
  • hate [héit] : 「憎む、ひどく嫌う」
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、確信して」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "No one who hates ~ "「憎む者は、間違いなく、愛を恐れている」。"and therefore must ~ "「したがって、憎む者は神を恐れているに違いない」。"Certain it is he knows ~ "「確かに、憎む者は、愛が何を意味するのか知らないのである」。憎み恐れる者は、愛が犠牲を強いるものだと信じている。愛が、彼から多くを奪うと信じているのだ。愛の存在下では、与えることが得ることであるという真実を知らない。なぜなら、愛は実相の真実であり、与えることと得ることが等しいことは、神の法であるからだ。もし、神を愛して奪われることがあったら、間違いなくその神は偽物の神だ。犠牲を強いる、愛の神など、原理的に存在出来ないからだ。



He fears to love and loves to hate, and so he thinks that love is fearful; hate is love.
  • think [θíŋk] : 「〜と考える」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
❖ "He fears to love ~ "「憎む者は、愛することを恐れ、憎むことを愛する」。他者を憎んで孤立した方が、奪われることがないから、安全だと考えているのだ。しかも、あわよくば、憎む相手から奪おうと画策している。下手に人を愛し神を愛せば、ついには身の破滅に繋がりかねないと、愛を恐れるのである。"and so he thinks ~ "「そこで、憎む者は、愛は恐ろしいものであり、憎悪こそが愛であると思っているのだ」。憎悪こそが愛すべきものだと、倒錯的に考えてしまうのである。あるいは、憎悪する自分を愛するのである。



This is the consequence the little gap must bring to those who cherish it, and think that it is their salvation and their hope.
  • consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • those who : 「〜する人々」
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大事にする、大切にする」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • hope [hóup] : 「希望」
❖ "This is the consequence ~ "「これは、小さなギャップが、それを大切に思い、それこそが救いであり希望であると考えている者たちにもたらす結果なのだ」。小さなギャップとは、分離という幻想のことだと思っていい。つまり、幻想のギャップの存在を信じ、自分が他者と分離して存在し、それゆえ愛は不可能なのだと信じているのだ。奪うか奪われるかの世界であり、愛などに騙されたら身の破滅だと考えている。憎み、嫌い、攻撃し、奪い、孤立した存在の自分だけを必死に守ることが、唯一の救いであり希望だと信じている。結局、これは、分離という幻想の存在を信じることの、当然の帰結なのだ。憎む者に、自他一如という発想が可能なわけがない。自他一如とは、愛の源なのだと知ることもない。自分が神の子であるという事実も、知るよしもないのだ。
 
 
 



T-28.VII.6:1 ~ T-28.VII.7:8

6. What is the sense in seeking to be safe in what was made for danger and for fear?
  • sense [séns] : 「良識、分別、道理、思慮、判断力、感覚、感触」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で、別状がない、無難な」
  • danger [déindʒər] : 「危険、危機、危難」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "What is the sense ~ "「危険と恐れのために作られたものの中で安全でいようとする道理とは何か」。危険と恐れを基盤にして作られたこの幻想世界に安全を求めることは、道理にかなったことではない。肉体が肉体と分離した世界であるから、いつ誰から攻撃されるか分かったものではない。危険であり、恐れが湧いてくる。そんな幻想世界にあっては、どんなに堅固な家を建てても、安全だとは言えないのだ。



Why burden it with further locks and chains and heavy anchors, when its weakness lies, not in itself, but in the frailty of the little gap of nothingness whereon it stands?
  • burden [bə́ːrdn] : 「〜を悩ます、苦しめる、〜に荷を負わす、負担させる」
  • further [fə́ːrðər] : 「一層の、さらなる、追加的な」
  • lock [lɔ́k] : 「ロック、錠、鎖錠、錠前」
  • chain [tʃéin] : 「鎖、束縛」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、重みのある」
  • anchor [ǽŋkər] : 「錨」
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性、衰弱」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • in itself : 「それ自体に、本質的に」
  • frailty [fréilti] : 「弱点、弱点、脆さ」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在、無価値」
  • whereon [hweərɑ́n] : 「(その上に)〜するところの」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
❖ "Why burden it with ~ "「〜だというのに、(そんな世界の中の家に)、さらなる鍵を掛けたり、鎖でつないだり、重い錨(いかり)を結んだりして、なぜ負担を強いるのか」。"when its weakness ~ "「その家の弱点は、それ自体にあるのではなく、家が建っているところの、何もない小さなギャップの脆さにあるというのに、」なぜ負担を強いるのか。"the little gap of nothingness"「何もない小さなギャップ」とは、分離した肉体と肉体の間の何もない空間のことで、突き詰めると、この幻想世界のこと。その幻想世界は、単なる黒雲と同様であるから、不確かで脆いのである(frailty)。その脆い幻想空間に建てられた家が、あなたの肉体である。あなたの肉体は、肉体自体が弱いのではなく、それが建っている地盤(幻想世界)がワラのように弱いのだ。そんな、ワラの地盤に立てられた家に、鍵を掛けたり、風で飛ばされないように鎖をつないだり、錨を結んだりすることは、まったく意味はないし、肉体に更なる負担を強いることでしかないのだ。



What can be safe that rests upon a shadow? Would you build your home upon what will collapse beneath a feather's weight?
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • shadow [ʃǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • collapse [kəlǽps] : 「崩れる、崩壊する、倒壊する」
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
  • feather [féðər] : 「羽、羽毛」
  • weight [wéit] : 「重さ、重量、体重、重み」
❖ "What can be safe that ~ "「影の上に置かれた安全とは、何であり得るか」。ワラの上に建てられた家のように、幻想という影の上に置かれた安全など、意味はない。"Would you build ~ "「あなたは、あなたの家を、羽の重さの下でさえ崩壊していまいそうなものの上に建てたいと思うだろうか」。あなたは、ワラにも等しい幻想という世界の地盤の上に、家を建てたいと望むだろうか。幻想世界は、何もない単なる黒雲であって、羽の重さでさえ、耐えられずに崩壊する幻だと言うのに。



7. Your home is built upon your brother's health, upon his happiness, his sinlessness, and everything his Father promised him.
  • built [bílt] : 「build の過去形」
  • health [hélθ] : 「健康、健全、繁栄」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • sinlessness [sʌ́nlisnis] : 「罪のないこと、潔白性、無辜性」
  • promise [prɑ́məs] : 「〜を約束する、〜を断言する」
❖ "Your home is built ~ "「あなたの家は、あなたの同胞の健全さの上に、同胞の幸せの上に、そして、同胞の潔白さの上に、つまり、父なる神が同胞に約束したあらゆるものの上に、建てられているのだ」。"everything his Father promised him"「父なる神が同胞に約束したあらゆるもの」とは、真実のすべて、つまり、実相そのものと考えていい。同胞の心の健全さ、つまり、正しい心、そして、喜びに満ちた実相的幸せ、無辜性、そういった真実の上にこそ、あなたの存在は確立されるのである。ここでは、実相的真実を同胞のものと表現しているが、もちろん、自他一如であるあなたの実相的真実の上に、あなたの真の存在は建てられるのである。



No secret promise you have made instead has shaken the Foundation of his home.
  • secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
  • shaken [ʃéikən] : 「shake の過去分詞」
  • shake [ʃéik] : 「振動させる、揺する、揺るがす、ぐらつかせる」
  • foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤、根幹」
❖ "No secret promise you ~ "「あなたが、代わりに結んだ秘密の約束は、同胞の家の基礎を揺るがすことはない」。あなたは他者との間に、肉体も心も分離しており、その分離を信仰するという秘密の約束を結んだ。つまり、分離という幻想の崇拝である。しかし、神との約束による実相的真実の上に建てられた家(心)は、そんな狂信によって揺らぐことはない。ここでは、"the Foundation of his home"「同胞の家の基礎」と表現されているが、もちろん、あなたの実相的真実という堅固な基礎でもある。あなたの肉体は、幻想世界というワラの地盤の上に建てられた家であるが、あなたの心は、実相的真実の上に建てられた実在の家である。



The winds will blow upon it and the rain will beat against it, but with no effect.
  • wind [wínd] : 「風、大風、煽り風」
  • blow [blóu] : 「風が吹く」
  • rain [réin] : 「雨」
  • beat [bíːt] : 「打つ、たたく、殴る、殴打する」
  • against [əɡéinst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "The winds will blow ~ "「風は家に吹きつけ、雨は家を激しく打つが、何の影響も与えることは出来ない」。実相(真実)という堅固な基礎の上に建てられた家は、幻想(ワラ)の基礎の家と違って、どんな風雨にも耐えられるのだ。



The world will wash away and yet this house will stand forever, for its strength lies not within itself alone.
  • wash away : 「洗い流す、洗い落とす、押し流す」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力、強み」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • within [wiðín] : 「〜の内に、〜の中に」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単に」
❖ "The world will wash ~ "「(幻想の)世界は流されてしまうかもしれないが、この家は永遠に建っているのだ」。"for its strength lies ~ "「なぜなら、この家の強さは、それ自体の中だけにあるのではないからだ」。家自体も強いが、それが建っている基礎部分が、実相的真実という堅固な実体なのだ。



It is an ark of safety, resting on God's promise that His Son is safe forever in Himself.
  • ark [άːrk] : 「箱舟、避難所」
  • safety [séifti] : 「安全性、無事、無難なもの」
❖ "It is an ark of ~ "「その家は、安全な避難所なのだ」。"an ark of safety"は、「安全な箱船」と訳してもいいだろうが、あまり既存の聖書に影響されない方がいいと判断して、「安全な避難所」としてみた。"resting on God's ~ "「そしてその家は、神の子が神自身に抱かれて永遠に安全であるという神の約束の上に置かれているのだ」。神の真実の愛が、あなたの真実の家(心)を守ってくれるのである。具体的には、神は、神の子の安全を願って、ホーリー・スピリットという守り主を、あなたの元に遣わしたのだ。ホーリー・スピリット自身が、神の約束の具体的な姿だと思っていい。



What gap can interpose itself between the safety of this shelter and its Source?
  • interpose [ìntərpóuz] : 「間に入る、割り込む、介入する、干渉する」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • shelter [ʃéltər] : 「避難所、シェルター、避難場所、逃げ場」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
❖ "What gap can interpose ~ "「いったいどんなギャップ自体が、この避難所の安全性とその源の間に、割り込んで来れるだろうか」。あなたの実相的な心という家の安全性と、それを保証してくれる、心の安全の源である神との間に、幻想のギャップが割り込んで来ることは不可能だ。実相世界に幻想が侵入することは不可能なのだ。実相の真実に虚偽が紛れ込むことはない。



From here the body can be seen as what it is, and neither less nor more in worth than the extent to which it can be used to liberate God's Son unto his home.
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • neither [níːðər] : 「どちらの〜も〜でない」
  • neither A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値」
  • extent [ikstént] : 「範囲、程度、限界、限度」
  • liberate [líbərèit] : 「〜を自由にする、解放する、釈放する、自由化する」
❖ "From here the body ~ "「ここ(実相的な家、つまり、正しい心)から見れば、肉体は、あるがままに見ることが出来る」。"and neither less nor more ~ "「肉体の価値は、〜以上でも以下でもない」。"than the extent to ~ "「肉体は、神の子が家(天の王国)に向かって解放されるために利用出来るだけだという限度」以上でも以下でもない。肉体も、この世界同様に幻想に過ぎないが、肉体は心の実相への解放に利用出来るのだ。そこに、肉体の実相的価値がある。具体的には、肉体の幻想性を認識し、それを受け入れて肉体を赦し、赦すことで幻想を消滅させるのである。幻想が消滅すれば、あとは実相に目覚めるだけとなるのである。



And with this holy purpose is it made a home of holiness a little while, because it shares your Father's Will with you.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • a little while : 「しばらくの間、少しの間」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "And with this holy purpose ~ "「この神聖な目的をもっている限り、肉体は、しばらくの間ではあるが、神聖さの宿る家にされるのである」。幻想を消滅させ、心を実相に目覚めさせるという神聖な目的のために、しばらくの間は、肉体も神聖な家と見なして、その幻想性を認識し、そして、赦してやればいい。"because it shares your ~ "「なぜなら、肉体は、父なる神の意思を、あなたと分かち合っているからだ」。父なる神の意思とは、神の子の実相世界への回帰を願うこと。その目的のために肉体が利用されるうちは、あなたと肉体が、神の意思を分かち合っていると言える。もちろん、あなたが幻想から目覚めれば、肉体は消滅し、この幻想世界も消滅する。そして、それで良し、とするのである。幻想の消滅は、無を意味するのではない。実相世界への目覚めを意味するのだ。天の王国への、回帰の旅が始まるのである。あなたには、神の呼び声が聞こえないか。
 
 
 


T-28.VII.4:1 ~ T-28.VII.5:11

4. With this as purpose is the body healed. It is not used to witness to the dream of separation and disease.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • witness [wítnəs] : 「〜を証言する、証明する」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • disease [dizíːz] : 「病気、疾病」
❖ "With this as purpose ~ "「これを目的として持つことで、肉体はヒールされるのである」。神の住む天の王国へ回帰することを目的とし、幻想から目覚めることで、肉体は癒される。"It is not used ~ "「肉体は、分離と病の夢を証言するために、使われるのではない」。夢(幻想)に過ぎない肉体と肉体の間の分離、そして肉体の病が、この世界に確かに実在するのだと証言するために、肉体の存在が利用されるのではない。幻想の実在性を証明しようとして、肉体を利用するようなことがあってはいけない、という意味合い。具体的には、鏡に体がちゃんと映って見えるから、あるいは、体に針を刺すと痛いから、だから体は確かにここに存在していると結論づけてはいけないのだ。目、耳、等々の感覚は、簡単に騙され、そして、騙すものなのである。



Nor is it idly blamed for what it did not do. It serves to help the healing of God's Son, and for this purpose it cannot be sick.
  • idly [áidli] : 「何もしないで、怠けて、無為に」
  • blame [bléim] : 「難する、とがめる、責める、〜の責任にする」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く、〜に役立つ」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "Nor is it idly blamed ~ "「また肉体は、肉体がやっていないことに対して、責められることはない」。たとえば、肉体は分離の象徴として、分離の壁の役割を果たしているのだが、肉体が自らの意思で壁になっているわけではない。したがって、肉体を、分離を理由に責めることは理不尽である。肉体に分離の責任はない。"It serves to help ~ "「肉体は、神の子をヒーリングする手助けに役立つ」。神の子は、この世界が幻想であることを認識するために、自らの肉体が幻想であることを知ることで、それを果たす。肉体の幻想性を赦し、世界の幻想性を赦し、そうして、幻想を消滅させるのである。これが、神の子のヒーリングであり、肉体は、その手助けをしていると言えるわけである。"and for this purpose ~ "「そして、この目的ゆえに、肉体は病になり得ない」。肉体と世界の幻想性を赦し、幻想を消滅させるという目的が達成され、肉体がヒーリングされれば、肉体は病に犯されることはない。病自体も幻想に過ぎないのだから。



It will not join a purpose not your own, and you have chosen that it not be sick.
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • chosen [tʃóuzn] : 「choose の過去分詞形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "It will not join ~ "「肉体が、あなた自身のものではない目的に参加することはない」。"and you have chosen ~ "「また、あなたは、肉体が病に罹(かか)る選択をしたわけではないのだ」。病は、あなたが選択した目的ではない。したがって、病という目的に肉体が関わるはずはないのだ。つまり、病は肉体が原因ではない。病は、心が肉体上に生み出した、心自体の病である。



All miracles are based upon this choice, and given you the instant it is made.
  • base [béis] : 「〜の基礎を形成する、〜の基礎を…に置く」
  • base upon : 「〜に基づく、〜に準拠する」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
❖ "All miracles are ~ "「あらゆる奇跡は、この選択に基盤をおいている」。あらゆる奇跡は、あなたが自由意思をもって選択する目的に依存するのだ。あなたが心から願わないようなことは、奇跡でも起きない。"and given you ~ "「そして奇跡は、あなたが目的を選択した瞬間に、あなたに与えられるのだ」。これには、異論を唱える人も多かろう。正しい目的を自由意思で選択したにも関わらず、奇跡は一向に起きないと訴える人もおられよう。しかし、そう考えてはいけない。あなたが正しい目的を自由意思で選択した瞬間、実相レベルでは、奇跡は確実に起きているのだ。起きてしまって、そこにあるのだ。時間の存在しない実相に、奇跡が起きるまでのタイムラグがあるはずがないからだ。ところが、実相で起きた奇跡が、時間と空間の存在する幻想世界で具象化するまでに、何としても、時間がかかるのである。時間が経過するにしたがって、奇跡を願った者は、その奇跡の出現を疑い、奇跡を諦めてしまう。その疑いと諦めの想念は確実に現実化し、せっかく実相で生まれた奇跡は、幻想世界に具現化する前に、消滅してしまうのである。したがって、あなたが正しい目的を自由意思で選択したならば、奇跡の現れを待つという忍耐を持たなければならない。この幻想世界で時間に負けないとは、そういうことなのだ。正しい目的を自由意思で選択し、しかも、熱烈に奇跡の出現を意念し、そして、静かに待つのである。静かに、心躍らせて待つのである。



No forms of sickness are immune, because the choice cannot be made in terms of form.
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿、現れ」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • immune [imjúːn] : 「免疫の、免疫性の、免疫になっている」
  • in terms of : 「〜に関して、〜の点から見て、〜の観点では」
❖ "No forms of sickness ~ "「どんな形の病も、(奇跡に対して)免疫性をもたない」。病がどんな形をとって表れても、奇跡によって消滅する、ということ。"because the choice ~ "「なぜなら、選択は、形という観点から成されるものではないからだ」。正しい目的の選択は、病の形に基づいて、あれかこれかと成されるものではない。形を超越した内実にそって、正しい選択はなされ、奇跡が起きて、どんな形の病も消滅させてしまうのである。



The choice of sickness seems to be of form, yet it is one, as is its opposite. And you are sick or well, accordingly.
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対側の、正反対の、逆の、あべこべの」
  • well [wél] : 「健康に」
  • accordingly [əkɔ́ːrdiŋli] : 「それに応じて、それ相応に、それに沿って」
❖ "The choice of ~ "「病の選択は、形によるもののように見えるが、〜と同様に、選択は一つである」。どんな病気になるか、肉体は病の選択をしているかに見えるが、選ぶ形がどうであれ、心が幻想を選択した結果として病が現れるのだから、病の選択は一つなのだ。"as is its ~ "「病の選択と逆のことと同様に、」選択は一つである。正しい目的の選択によって奇跡が病を消滅させるときと同様に、ということ。正しい目的の選択も、病の形に左右されない。



5. But never you alone. This world is but the dream that you can be alone, and think without affecting those apart from you.
  • alone [əlóun] : 「独りで、ただ〜だけで、唯一の」
  • think [θíŋk] : 「考える、思う、熟考する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • affect [əfékt] : 「〜に作用する、〜に影響を及ぼす、〜に響く」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "But never you ~ "「しかし、あなたは一人ではない」。あなたは、単独に、あるいは孤独に存在しているわけではない。"This world is but ~ "「この世界は、あなたが単独で存在出来、あなたから離れた人達に影響を与えることがないと考えられるような、夢に過ぎないのだ」。下手な訳で申し訳ない。あなたが単独で孤立して存在し、誰にも影響を与えない、誰からも影響を受けない、などと考えられるようなこの世界は、幻想であり夢に過ぎない。あなたは神の子として単一であり、あなたと同胞は自他一如なのだ。あなたが他の同胞から分離して、単独で存在しているわけではないのである。したがって、目には見えなくても、心は互いに繋がっていて、互いに強い影響を与え合っている。



To be alone must mean you are apart, and if you are, you cannot but be sick.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "To be alone must ~ "「単独で存在しているとは、あなたが(他の同胞から)分離していることを意味し、」"and if you are, you ~ "「もしあなたが、そうであるなら、あなたは、病になるしかない」。あなたが分離という幻想に捕われて、孤立化することが、確実に病に繋がるのだ。



This seems to prove that you must be apart. Yet all it means is that you tried to keep a promise to be true to faithlessness.
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜であると分かる」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • keep [kíːp] : 「〜を守る、〜を持ち続ける、保持する」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
  • be true to : 「〜に忠実である」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
❖ "This seems to prove ~ "「このことは、あなたが分離しているに違いないことを証明しているかに見える」。同胞からの分離が病を引き起こす。逆に、病であるなら、あなたは分離しているのだ。"Yet all it means is ~ "「しかし、それが意味することのすべてはthat以下である」。"that you tried to keep ~ "「あなたが、不誠実さに忠実であるとする約束を守ろうとしていること」。分離という虚偽(幻想)を守ろうといているのだから、不誠実さ(偽り)に忠実なわけだ。



Yet faithlessness is sickness. It is like the house set upon straw. It seems to be quite solid and substantial in itself.
  • house [háus] : 「家、住宅、家屋」
  • straw [strɔ́ː] : 「わら、麦わら、ストロー」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • solid [sάlid] : 「硬い、頑丈な」
  • substantial [səbstǽnʃəl] : 「しっかりした、頑丈な、実質的な、実体のある」
  • in itself : 「それ自体、本質的に」
❖ "Yet faithlessness is ~ "「しかし、不誠実さとは、病なのだ」。虚偽に忠実であるとは、分離という幻想を信じ込んでいることなので、その分離が病を引き起こしているのだ。"It is like the house ~ "「それはあたかも、ワラの上に建てられた家のようなものである」。"It seems to be quite ~ "「その家は、それ自体は、極めて堅固で、しっかりしているように見える」。



Yet its stability cannot be judged apart from its foundation.
  • stability [stəbíləti] : 「安定、持続、安定性、安定度、持続性」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁定する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤」
❖ "Yet its stability cannot ~ "「しかし、家の堅固さは、基礎部分を抜きにして、判断され得るものではない」。家を建てるとき、最も大切なのは、その基礎部分であることは言うまでもない。



If it rests on straw, there is no need to bar the door and lock the windows and make fast the bolts.
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • bar [bάːr] : 「かんぬきをする」
  • lock [lɑ́k] : 「〜に錠を掛ける」
  • fast [fάːst] : 「固定した、しっかりとした、揺がない」
  • bolt [bóult] : 「かんぬき、スライド錠」
❖ "If it rests on ~ "「もし、家がワラの上に建っているなら、ドアにかんぬきを掛けることも、窓をロックすることも、鍵をしっかり掛けることも必要ない」。なぜなら、そんなことをしても意味がないからだ。次の文が、その理由。



The wind will topple it, and rain will come and carry it into oblivion.
  • wind [wínd] : 「風、大風」
  • topple [tɑ́pl] : 「倒す、打倒する、転覆させる」
  • rain [réin] : 「雨」
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
  • oblivion [əblíviən] : 「忘れられている状態、忘却、無意識の状態」
❖ "The wind will ~ "「風は家を倒壊させ、雨が降れば、家を忘却の彼方に運び去ってしまうのだ」。だから、家に鍵を掛けることなど意味がない。そんな家自体が、存在の意味がないのである。ならば、単なるワラに過ぎない幻想の上に、壮大な夢を描くことも同様に意味がないのである。分離とは、幻想世界の壮大な夢に過ぎない。
 
 
 


T-28.VII.2:1 ~ T-28.VII.3:6

2. The beautiful relationship you have with all your brothers is a part of you because it is a part of God Himself.
  • relationship [riléiʃ∫nʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、部品」
❖ "The beautiful relationship ~ "「あなたが同胞すべてと交わす美しい関係性は、それが神自身の一部であるから、あなたの一部である」。あなたが、同胞と心と心を交わしあうとき、それは心の統一を促す美しい関係性であり、真実であるから、神自身の一部である実相なのだ。したがって、幻想から目覚めた実相的関係性を維持するあなたの、真実の一部だと言えるのである。



Are you not sick, if you deny yourself your wholeness and your health, the Source of help, the Call to healing and the Call to heal?
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • deny A B : 「AにBを与えない」
  • wholeness [hóulnis] : 「全体、全体性」
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、健全、繁栄」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起点、原因」
  • call [kɔ́ːl] : 「呼びかけ、要求、需要、必要性」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
❖ "Are you not sick, ~ "「もしあなたが、あなた自身に、あなたの全体性、あなたの健全さ、助けてくれる源、ヒーリングを求める呼びかけ、そして、ヒーリングを与える呼びかけ、等々を与えないならば、あなたは病であると言えないだろうか」。"your wholeness"「あなたの全体性」とは、あなたが神の子として欠けるところがなく、完全で完璧だということ。"your health"「あなたの健全さ」とは、肉体的な健康は言うに及ばず、心の正しさのこと。"the Source of help"「助けてくれる源」とは、あなたを救ってくれる実相的存在のことで、具体的にはホーリー・スピリットのこと。あるいは、神自身と考えてもいい。"the Call to healing"「ヒーリングを求める呼びかけ」と"the Call to heal"「ヒーリングを与える呼びかけ」は、心の中のホーリー・スピリットが、あなたと同胞に幻想からの目覚めを求め、心がヒーリングされることを、あるいは他者の心をヒーリングすることを呼びかけている、ということ。そういう、救いの根本を心から求めることなく、拒絶するなら、それこそが病ではないだろうか。



Your savior waits for healing, and the world waits with him. Nor are you apart from it.
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • wait for : 「〜を待つ」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
❖ "Your savior waits ~ "「あなたの救い主は、ヒーリングすることを待ちわびているし、」"and the world waits ~ "「この世界も、ホーリー・スピリットと共に、ヒーリングされることを待ちわびている」。"Nor are you ~ "「あなたは、それから離れてはいないのだ」。あなたは、ホーリー・スピリットから離れてもいないし、この世界とも離れてはいない。だから、救いとヒーリングに対して、あなたは無縁ではないのだ。あなたは、救いとヒーリングから、離れて立っているわけではない。



For healing will be one or not at all, its oneness being where the healing is.
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性、統一性」
❖ "For healing will be ~ "意訳する、「なぜなら、ヒーリングは、ただ一つであるだろうし、あるいはまったくないかのいずれかであり、世界の単一性は、ヒーリングが存在する場所にあるからだ」。非常に難解な部分である。ヒーリングは、現れとしては多彩であるが、中身は単一的である(healing will be one)。すなわち、幻想から実相(真実)へと目覚めさせ、あらゆる存在が分離せずに統一され単一であることを認識することなのだ。あなたと同胞も単一であり、あなたと自然も単一である。分離を象徴して偽創造されたこの世界も、分離と混乱を癒して、あなたと融合統一されるべきものであり、それはヒーリングによって達成されるのだ。そして、この世界の単一性は、ヒーリングの存在する場所で可能となる(its oneness being where the healing is)。もし、この単一的なヒーリングが成就されなかったら、当然ながら、ヒーリングは失敗であり、存在価値さえない(or not at all)。



What could correct for separation but its opposite? There is no middle ground in any aspect of salvation.
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のこと、逆の物、反対の物」
  • middle [mídl] : 「真ん中の、中央の、中程度の、中間の 」
  • ground [ɡráund] : 「地面、地盤、土地、立場、領域」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "What could correct ~ "「分離を正すことは、分離と正反対なものでなくて、何であろうか」。分離を解消するとは、分離を真っ向から正すことであって、融合統一、あるいは結合することである。融合し、結合し、統一することが、ヒーリングなのだ。その他のヒーリングはない(ヒーリングの単一性)。"There is no middle ~ "「救いのあらゆる側面において、中間部分はない」。分離でもなく結合でもなく、その中間部分を歩むようなヒーリングも救いもない。どんな救いであれ、完全に分離を解消し、融合結合して統一され、単一なる存在ないなること、それに尽きるのである。



You accept it wholly or accept it not. What is unseparated must be joined. And what is joined cannot be separate.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • unseparated [ʌnsépərèitid] : 「分離されていない」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する、連結する」
❖ "You accept it ~ "「あなたは、それを全的に受け入れるか、まったく受け入れないか、そのいずれかである」。分離を解消して結合を受け入れるか、まったく受け入れないかのいずれかであって、中間領域に留まることは出来ない。分離を選ぶか、結合(単一性)を選ぶか、二者択一である。"What is unseparated ~ "「分離していない状態とは、結合してることである」。"And what is joined ~ "「そして、結合してる状態とは、分離出来ないことなのだ」。だから、中間領域はない。分離か、結合か、そのどちらかなのだ。あなたが神の子として、分離して存在するか、結合して単一の神の子に回帰するか、選択は二者択一である。



3. Either there is a gap between you and your brother, or you are as one.
  • either [íːðər] : 「〜か〜、または」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "Either there is a gap ~ "「あなたと同胞の間にギャップが存在するか、あるいはあなたと同胞は単一であるか、そのどちらかである」。あなたと同胞の分離(gap)を選択するか、結合(as one)を選択するか、あなたの二者択一にかかっている。



There is no in between, no other choice, and no allegiance to be split between the two.
  • in between : 「間に、中間に」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
  • split [splít] : 「引き裂く、バラバラに壊す、割る」
❖ "There is no in ~ "「中間はなく、その他の選択もない」。"and no allegiance ~ "「二つの間に引き裂かれる忠実性など存在しないのだ」。あなたが、分裂性と結合性の二つに引き裂かれたのでは、分裂性に対しても、結合性に対しても、どちらに対しても忠実であるとは言えない。



A split allegiance is but faithlessness to both, and merely sets you spinning round, to grasp uncertainly at any straw that seems to hold some promise of relief.
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した、分けた」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に、たかが〜にすぎない」
  • spin round : 「グルグル回る、勢いよく振り返る」
  • grasp [grǽsp] at : 「〜を捕まえようとする、〜をつかもうとする」
  • uncertainly [ʌnsə́ːrtnli] : 「不確実に、不確かに」
  • straw [strɔ́ː] : 「わら、麦わら、ストロー」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
  • relief [rilíːf] : 「救済、救援、不安を取り除くこと、」
❖ "A split allegiance is ~ "「引き裂かれた忠実性とは、両方に対して不誠実だということである」。"and merely sets ~ "「それは、あなたをただ単に空回りさせ、」時には分裂性に向かい、時には結合性に向かい、くるくると立場を変えて回り続けるだけだ。"to grasp uncertainly ~ "「解放の何らかの約束を保持しているかに見えるワラに、不安を抱きながらも、すがりつこうとしているようなものである」。溺れるものはワラをも掴む、ということ。"some promise of relief"「解放の何らかの約束」とは、空回りしていることから解放してくれそうなもの、という意味。



Yet who can build his home upon a straw, and count on it as shelter from the wind?
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • count on : 「〜を頼りにする、〜を当てにする」
  • shelter [ʃéltər] : 「避難所、シェルター、避難場所、逃げ場」
  • wind [wínd] : 「風、大風、煽り風 」
❖ "Yet who can build ~ "「しかし、いったい誰が、ワラの上に家など建てて、風から守られるシェルターとしてそんな家に頼ることが出来るだろうか」。



The body can be made a home like this, because it lacks foundation in the truth.
  • lack [lǽk] : 「〜を欠く、〜が欠けている、十分にない」
  • foundation [faundéiʃən] : 「土台、礎、基盤、根拠、基礎」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "The body can be ~ "「肉体は、このような家にされるしかない」。つまり、肉体はワラの上に建てられた家のようなものである、ということ。"because it lacks ~ "「なぜなら、肉体は、真実の中にその基盤を欠いているからだ」。肉体は幻想に過ぎず、実在する真実という地盤の上に建てられた家ではない。



And yet, because it does, it can be seen as not your home, but merely as an aid to help you reach the home where God abides.
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • aid [éid] : 「援助、救済、補助、助成、補佐、助力者、助手」
  • reach [ríːtʃ] : 「〜に達する、〜に至る」
  • abide [əbáid] : 「居住する、とどまる」
❖ "And yet, because ~ "「肉体は、真実に中に基盤を欠いているから、あなたの家として見なすことは出来ない」。"but merely as ~ "「しかし、ただ、あなたが神の住む家に辿り着くための手助けをしてくれる援助者ではあるのだ」。ホーリー・スピリットは、あなたの幻想の肉体を利用して、あなたを実相に目覚めさせ、神の元への回帰を手助けしてくれる。具体的には、あなたが肉体を実在だと信じている事実を覆して、肉体が幻想に過ぎないことを気付かせ、肉体を赦してやる手助けをしてくれるのだ。肉体は幻想として赦され、赦されることで消滅してしまう。黒雲が消えれば、真実が目に見え、神の住む天の王国も視野に入ってくるのだ。残された仕事は、神の家に辿り着くことだけである。
 
 
 


T-28.VI.6:1 ~T-28.VII.1:8

6. Let this be your agreement with each one; that you be one with him and not apart.
  • agreement [əgríːmənt] : 「同意、合意、承諾」
  • agreement with : 「〜との協定」
  • each one : 「各自」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "Let this be your agreement ~ "「これを、あなた方の互いの取り決めとしなさい」。分離を解消し、心を一つとするという神との約束を、あなた方の取り決めとしなさい。"that you be one ~ "ここの"that"は"so that"、"be"は"should be"のこと、「あなたは、同胞と同一であり、分離などしていないのだ」。そうあるべきだということを、二人の取り決めにしなさい、ということ。



And he will keep the promise that you make with him, because it is the one that he has made to God, as God has made to him.
  • keep [kíːp] : 「〜を守る」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
❖ "And he will keep ~ "「そうすれば、同胞は、あなたが彼と結んだ約束を守ってくれるだろう」。"because it is the one ~ "「なぜなら、その約束は、同胞が神と結んだ約束であり、神が彼と結んだ約束だからである」。あなたと同胞との、実相的な真の約束は、あなたの心の中のホーリー・スピリットと彼の心の中のホーリー・スピリットの間で結ばれた約束である。ホーリー・スピリットは神の使者であるから、結局、神との間の約束だと言えるのだ。純粋で神聖な約束なのである。



God keeps His promises; His Son keeps his. In his creation did his Father say, "You are beloved of Me and I of you forever. Be you perfect as Myself, for you can never be apart from Me. "
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • beloved [bilʌ́vid] : 「最愛の、いとしい、愛される」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
❖ "God keeps His ~ "「神は、神の約束を守り、神の子は、神の子の約束を守る」。純粋で神聖な約束を破ることはない。"In his creation did ~ "「父なる神は、(神の子の)創造に際して、次のように言った」。""You are beloved of ~ ""「『あなたは、神である私の最愛の神の子であり、私はあなたの最愛の父である」。"Be you perfect ~ "「私のように、あなたも完璧でありなさい。なぜなら、あなたは決して私から離れてはいないのだから』」。



His Son remembers not that he replied "I will," though in that promise he was born.
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • reply [riplái] : 「返答する、答える、返事をする、返信を出す」
  • though [ðóu] : 「〜にもかかわらず、たとえ〜でも」
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
❖ "His Son remembers ~ "「神の子は、生まれるときにそう約束したにも関わらず、『はい、そうします』と答えたことを覚えていない」。神の子は、神との約束を忘れてしまったのだ。忘れてしまって、神と分離し、約束を破って、同胞とも分離したのである。



Yet God reminds him of it every time he does not share a promise to be sick, but lets his mind be healed and unified.
  • remind [rimáind] A of B : 「AにBのことを思い出させる」
  • every time : 「毎回〜するたびに」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • unify [júːnəfài] : 「統一する、一体化する、単一化する」
❖ "Yet God reminds him ~ "「しかし、神は、神の子が病になるという約束を分かち合わないときはいつでも、そのことを思い出させてくれるし、神の子の心をヒーリングし、一体化させてくれるのだ」。あなたが、心の分離とそれに続く病への信仰を同胞と分かち合わないとき、つまり、分離と病を幻想と見抜いたとき、神はあなたに、神との約束を思い出させ、あなたと同胞の心の統一を手助けしてくれるのだ。心が再統一したとき、病は消滅し、あなたの心はヒールされるのである。



His secret vows are powerless before the Will of God, Whose promises he shares.
  • secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の」
  • vow [váu] : 「誓い、誓約」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない、無力な」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "His secret vows ~ "「神の子の秘密の誓いは、神の意思の前では、無力である」。分離と病の信仰を誓った神の子の信念は、神の意思の前ではまったく無力である。"Whose promises ~ "「その神の意思を、神の子も分かち合うからである」。神の意思を、つまり、神の子の心の統一を願うその意思を、神の子も分かち合うので、分離と病の誓いなど、まったく無力となる。



And what he substitutes is not his will, who has made promise of himself to God.
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「〜を代わりにする、代用する、置き換える」
❖ "And what he substitutes ~ "「神の子が代わりに選んだものは、神の子の意思ではない」。神との約束の代わりに、分離と病の信仰を誓った神の子の信念は、決して、神の子の本当の意思などではない。"who has made promise ~ "「神の子は、自分と神との間で約束をしたのだから」。その約束の代わりになるものなど、神の子の意思ではない。
 
 
 
 
 
VII. The Ark of Safety
安全な箱船
 
 
 
1. God asks for nothing, and His Son, like Him, need ask for nothing.
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • need [níːd] : 「〜する必要がある」
❖ "God asks for nothing ~ "「神は何も要求しないし、神の子も、神同様、何も求める必要がない」。完全、完璧に満たされているから、何も求める必要がないのだ。



For there is no lack in him. An empty space, a little gap, would be a lack.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • empty [émpti] : 「中身のない、空の、空いている、空っぽの」
  • space [spéis] : 「空間、スペース、場所」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
❖ "For there is no lack ~ "「なぜなら、神の子に不足するものはないからだ」。"An empty space ~ "「空(から)の空間、小さなギャップ、それらは不足と言えるだろう」。が、そんなものは存在しない。心が幻想に占領されることがない状態、それが、不足のない状態なのだ。実相世界には、不足という概念はない。だから、心の幻想が消滅すると、そこに実相が立ち現れ、その不足のない世界にあなたは回帰出来るのである。



And it is only there that he could want for something he has not.
  • want for : 「〜を必要とする、〜に欠ける」
❖ "And it is only there that ~ "「神の子がもっていない何かを、神の子が求めることが出来るのは、ただ、この空の空間と小さなギャップにおいてだけである」。幻想世界においてのみ、神の子は不足を感じて、それを追い求めることになる。追い求めたものが得られても、得られなくても、また新たに不足を感じて、それを追い求めることになるのだ。仏教で言うところの、餓鬼(がき)の世界である。



A space where God is not, a gap between the Father and the Son is not the Will of Either, Who have promised to be One.
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • either [íːðər] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • promise [prάmis] : 「〜を約束する」
❖ "A space where God ~ "「神のいない空間、すなわち、父なる神と神の子の間のギャップは、神と神の子のどちらの意思ではない」。"Who have promised ~ "「神と神の子は、一体であると約束したのだから」。神と神の子は一体であり、その間に、隔たりや隙間やギャップは存在し得ない。実相的な存在の神と神の子の間に、幻想が侵入することは不可能なのだ。



God's promise is a promise to Himself, and there is no one who could be untrue to what He wills as part of what He is.
  • untrue [ʌntrúː] : 「虚偽の、忠実でない、真実でない、不誠実な」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる、決意する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分、体の一部」
❖ "God's promise is ~ "「神の約束は、神自身への約束である」。神と神の子は一体であり、同体だから、神と神の子の約束は、神と神自身の約束であると言える。"and there is no one ~ "「そして、神そのものの一部として、神が意思したことに不誠実でいられる者などいなのだ」。神が、神の一部である神の子として意思したことに、不誠実でいられる神の子など存在しない。神の意思に不誠実であることは、神の一部である自分自身に不誠実であることだ。そんな、不誠実な神の子は、実相世界には存在しない。



The promise that there is no gap between Himself and what He is cannot be false.
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、うその、虚偽の、偽りの、偽の」
❖ "The promise that there ~ "「神自身と、神そのものの間にギャップがないという約束は、誤りであるはずがない」。神自身と、神そのものである神の子の間に、幻想というギャップが入り込む可能性はないのだ。ここでの"promise"「約束」という意味合いであるが、「可能性、見込み、展望」などと考えていいだろう。



What will can come between what must be One, and in Whose Wholeness there can be no gap?
  • wholeness [hóulnis] : 「全体、全体性、全体であること」
❖ "What will can come ~ "「一つであるに違いないものの間に、いったい何が入り込めるだろうか」。"and in Whose Wholeness ~ "「全体であるものの中に、いったいギャップが存在出来るだろうか」。神と神の子が融合し一体となったとき、そこに完全に球形な結晶が生まれると想像すれば理解しやすいだろう。完全に球形な水晶玉を連想すればよい。水晶玉に入り込めるのは、光だけだ。すなわち、光といい真実だけが透過出来るが、その他のものは入り込むことは出来ない。もちろん、完全な結晶なのだから、結晶格子に欠損は一つもない。ギャップなど、ただの一つも紛れ込むことはないのだ。
 
 
 


T-28.VI.4:1 ~ T-28.VI.5:5

4. The body represents the gap between the little bit of mind you call your own and all the rest of what is really yours.
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • bit [bít] : 「部分、小片」
  • call [kɔ́ːl] : 「〜に…という名前を付ける、〜を…と名付ける」
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
❖ "The body represents ~ "「肉体は、あなたがあなた自分自身だと呼んでいる小さな心のかけらと、本当のあなたであるところの残りすべての心の間にあるギャップを象徴している」。あなたの心は二つに分断されている。一方はエゴの支配に置かれた頭脳を統轄する小さな心の部分であり、他方は、正気さを維持してくれるホーリー・スピリットが住む純粋で神聖な心の部分である(all the rest of what is really yours)。そして、普段は、純粋で神聖な心に、あなたは気付くことはない。エゴと頭脳に支配された小さな心を、自分自身だと思い込んでいるのである(the little bit of mind you call your own)。ところで、ホーリー・スピリットの住む心の部分が実相的存在であり、エゴの住む心の部分が幻想的存在である。実相と幻想を隔てているのがギャップであり、ギャップを象徴しているのが肉体、あるいは肉体の壁である。エゴは、心が肉体の中に閉じこめられていると考えており、ホーリー・スピリットは、心は肉体を超越して、実相世界にそのルーツをもつと知っている。



You hate it, yet you think it is your self, and that, without it, would your self be lost.
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "You hate it ~ "「あなたは肉体を嫌っているが、肉体こそが自分自身だと思っている」。肉体は痛みをもたらし、脆(もろ)く弱く、死へと向かって崩壊の道を歩んでいるので、あなたはそんな肉体を嫌う。しかし、その肉体こそが自分という存在なのだと考えざるを得ないのだ。肉体の幻想性と、対して、心の実在性を知らないからだ。"and that, without it ~ "「そして、肉体なしでは、あなたの自己性は失われてしまうと考えている」。肉体が消滅したら、自分という存在も同時に消滅すると考えている。



This is the secret vow that you have made with every brother who would walk apart.
  • secret [síːkrət] : 「秘密の、内緒の、ひそかな、機密の、隠れた」
  • vow [váu] : 「誓い、誓約」
  • make a vow : 「誓いを立てる」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • apart [əpάːrt] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "This is the secret ~ "「これが、あなたから離れて歩いている同胞すべてと取り交わした秘密の誓いなのだ」。"brother who would walk apart"「あなたから離れて歩いている同胞」とは、あなたと肉体によって分離して生きている同胞、という意味。あなたも同胞も、自分と他者は肉体によって分離独立して存在していると信じ、肉体の中にこそ、頭脳のみならず心も存在していると、共に信じているわけだ。そういう信念を秘密裏に信仰し、それを信じ犯さないと誓いを立て合っている。いわば、幻想信仰教団の狂信者なのだ。



This is the secret oath you take again, whenever you perceive yourself attacked.
  • oath [óuθ] : 「誓約、誓い、宣誓」
  • take oath : 「誓いをたてる、宣誓する、誓って約束する」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて」
  • whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
❖ "This is the secret oath ~ "「これが、〜した時はいつでも、あなたが再び立てる秘密の誓いである」。"whenever you perceive ~ "「あなたが、あなた自身攻撃されたと知覚するときはいつでも、」あなたが再び立てる秘密の誓いである。あなたが他者から攻撃されると、あなたは、他者が確かに自分と分離した存在だから攻撃したのだと信じ、自分も他者から分離して存在しているから、その攻撃に対して、出来れば報復しようと考える。分離をますます加速させ、深めていくのである。つまり、攻撃される度に、怒りと復讐心を燃やして、肉体による分離への信仰の誓いを立て直すのである。



No one can suffer if he does not see himself attacked, and losing by attack.
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • lose [lúːz] : 「負ける、損をする、〜を失う、見失う、喪失する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "No one can suffer ~ "「もし、自分が攻撃されたと知らずに、攻撃によって何も失わなかったら、誰も苦痛を味わうことはない」。したがって、もし心が、攻撃は存在せず、人は失うことは不可能なのだと知っていれば、つまり、攻撃は幻想であり、喪失も幻想であると知っているなら、誰も、苦痛など味わうことはないのだ。



Unstated and unheard in consciousness is every pledge to sickness.
  • unstated [ʌnstéitid] : 「述べられていない、公表されていない、暗黙の」
  • unheard [ʌnhə́ːrd] : 「聞いてもらえない、耳を貸さない」
  • consciousness [kάnʃəsnis] : 「意識、正気、自覚、気付いていること」
  • pledge [plédʒ] : 「誓約、約束、堅い約束、公約」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "Unstated and unheard ~ "「あらゆる病への誓いは、意識の中で述べられたり、聞かれたりするものではない」。病への誓いとは、肉体は病に罹(かかる)るものであり、病は実在すると信じ、自分もいつかは病になるだろうと信じていること。病への信仰の誓いである。意識はしていないが、肉体が実在すると信じている限り、言わずとも聞かずとも、病の存在を信じていることになるのだ。



Yet it is a promise to another to be hurt by him, and to attack him in return.
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • in return : 「お返しに、返報として」
❖ "Yet it is a promise ~ "「しかし、病への誓いとは、誰かによって傷つけられ、報復としてその誰かを攻撃するということを、その誰かに約束するようなものなのだ」。攻撃され報復するということは、自分と他者が分離して存在していることを信じているからなのだ。肉体は分離の象徴であり、肉体が攻撃し、報復する。それによって、分離は加速し、ますます深まっていく。そして、肉体の分離が心の分離を生み出し、心の分離が病を生み出す。結局、病は、攻撃と報復という分離の加速によって生み出されるものなのだ。本文は、病の存在を信じるという信仰への誓いは、他者との間で攻撃と報復を交わし合うことを約束したようなものなのだ、ということ。



5. Sickness is anger taken out upon the body, so that it will suffer pain.
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • taken [téikn] : 「take の過去分詞形」
  • take out : 「〜にぶちまける、発散する、八つ当たりする」
  • so that : 「〜できるように、その結果」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、被る」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "Sickness is anger taken ~ "「病は、肉体に加えられた怒りである」。"so that it will ~ "「その結果、肉体は痛みを被ることになるのだ」。他者から攻撃された怒り、その攻撃に対して復讐に駆られる自分への怒り、心が分断され、孤立化していく状況への怒り、それが肉体的な表れとして、病となる。肉体は痛みを感じるのだ。注意しなくてはならないのは、この痛みは攻撃によって生み出された痛みではないということ。そうではなく、怒りに対して心が生み出す痛みなのだ。心が痛むという意味ではない。心が、肉体に対して、怒りを痛みで表現しているものなのだ。心が、怒りを肉体の病として表現しているのである。



It is the obvious effect of what was made in secret, in agreement with another's secret wish to be apart from you, as you would be apart from him.
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • in secret : 「秘密に、内緒で、ひそかに、内々で、こっそり」
  • agreement [əgríːmənt] : 「同意、合意、承諾、協定、協約」
  • in agreement with : 「〜に一致して、〜と意見が合って、〜に従って」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "It is the obvious effect ~ "「病は、秘密裏に約束されたものの明白な結果である」。つまり、"in agreement with another's ~ "「あなたが他者から離れていたいと望むように、他者もあなたから離れていたいと密かに願う、そういう合意の明白な結果なのだ」。あなたが他者と分離して存在していたいと望む心が、病を生み出すのだ。心は本来単一のものであるにもかかわらず、肉体を介して強引に分離させられたのである。心が分離して存在していること、あるいは、分離した心を望む心は、不自然さや歪みを望むことであり、その意味では、分離はそれ自体、病的なのだ。分離した心は病的なのである。本文は、あなたも分離を望み、他者も分離を望んで、密かに分離の取り決めを交わしたようなものであり、その明白な結果として、心の分離という不自然さと歪みによって病が生み出される、という意味。



Unless you both agree that is your wish, it can have no effects.
  • unless [ənlés] : 「 〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • agree [əgríː] : 「同意する、合意する、賛成する、賛同する」
❖ "Unless you both agree ~ "「あなたと同胞の両者が、その取り決めは自分の望みであると合意しなかったら、」"it can have ~ "「その合意は、結果をもたないのだ」。分離は望みではないし、分離の合意は自分の意思ではないと自覚出来たなら、分離は病という結果を生み出すことは不可能なのだ。なぜなら、心が分離を望まず、融合統一を目指すなら、それは正常な、あるいは自然な心の状態であって、その正しい心は病を発症させる必要がなくなるからだ。



Whoever says, "There is no gap between my mind and yours" has kept God's promise, not his tiny oath to be forever faithful unto death. And by his healing is his brother healed.
  • whoever [huːévər] : 「〜するのは誰でも」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する、守り続ける」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • oath [óuθ] : 「誓約、誓い、宣誓」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • faithful [féiθfəl] : 「信頼できる、誠実な、真心を尽くす、信心深い」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "Whoever says, ~ "「『私の心とあなたの心の間にはギャップなど存在しない』と言える者は誰でも、神との約束を守っている」。心が分離などしておらず、ギャップは存在しないと知っている者は、神が単一の心を創造したのだということを知っており、その心を分裂分離させたりしないという、神との約束を守っていることになる。"not his tiny oath ~ "「それは、死に対して永遠に誠実であり続けるというちっぽけな誓いなどではない」。神との約束は、心が肉体によって分離し、その肉体は死に向かって崩壊の道を歩んでいくと頑(かたく)なに信じているちっぽけな誓いなどではない。"And by his healing ~ "「そして、誰かがヒーリングされれば、その同胞もヒールされるのである」。心が分離しておらず一体であると知ったなら、心は正常な状態に戻り、病は癒されるのだ。しかも、心は共通しているで、一人が癒されれば、他者も癒されるのである。
 
 
 


T-28.VI.2:1 ~ T-28.VI.3:10

2. It is indeed a senseless point of view to hold responsible for sight a thing that cannot see, and blame it for the sounds you do not like, although it cannot hear.
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
  • point of view [vjúː] : 「考え方、観点、視点、主張」
  • hold responsible [rispάnsəbl] for : 「〜の責任を負わせる」
  • sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
  • blame [bléim] : 「非難する、とがめる、責める、〜の責任にする」
  • sound [sáund] : 「音、音声」
  • although [ɔːlðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが、〜とはいえ」
  • hear [híər] : 「聞く、聞こえる」
❖ "It is indeed a senseless ~ "「見ることの出来ない者に対して、光景の責任を負わせたり、あるいは、それは聞くことが出来ないというのに、あなたの嫌いな音だといって責めることは、(どちらも)まったく無意味な見方である」。肉体の目は、幻想世界こそ見れるが実相世界は見ることが出来ない。そんな目に対して、目が知覚した光景が気に入らないと言って、目の責任を問うことは意味のないことだ。同様に、幻想世界の音しか聞くことの出来ない肉体的な耳に対して、それが気に入らないと耳を責めることも、意味のないことだ。



It suffers not the punishment you give because it has no feeling. It behaves in ways you want, but never makes the choice.
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、経験する、被る」
  • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰すること、罰、刑罰、処罰、懲罰」
  • feeling [fíːliŋ] : 「感触、感覚、感情、意識、感じ」
  • behave [bihéiv] : 「態度を取る、振る舞う、行動をする」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "It suffers not the punishment ~ "「肉体は、感情というものを一切もたないので、あなたが与える罰を被ることはない」。あなたは見たくなもない光景を見せる目に対して、あるいは聞きたくもない音を聞かせる耳に対して、怒りを顕(あらわ)にして罰しようとするかもしれないが、目も耳も、それ自体感情を持たないので、罰しても無駄なのだ。そもそも、見たり聞いたりすることに、目も耳も責任はない。"It behaves in ways ~ "「肉体は、あなたが望むように振る舞うだけであり、決して(自ら)選択することはない」。あなたが見たいと思う光景を目は拾い出し、聞きたいと思う音を耳は拾い出す。あなたの恣意のままに肉体は振る舞う。だから、肉体には責任はなく、罰することなど筋違いなのだ。肉体は、自ら見たいものや聞きたいものを選択するわけではないし、そもそも出来ないのだ。



It is not born and does not die. It can but follow aimlessly the path on which it has been set.
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • follow [fάlou] : 「〜について行く、〜に続く、〜の後について行く」
  • aimlessly [éimlisli] : 「目的もなく、あてどなく」
  • path [pǽθ] : 「道、小道、細道、通り道、通路、経路」
  • set [sét] : 「整える、定める、配置する、設定する」
❖ "It is not born and ~ "「肉体は生まれることもなく、死ぬこともない」。"It can but follow ~ "「肉体は、定められた道を、目的なくただ辿るだけなのだ」。肉体は、幻想世界では、つまり、夢の中では、生まれては死んでゆくのだが、それは夢であって、そもそも幻想に過ぎない肉体が、実体をもって生まれ、実体をもって死ぬことはない。我々が目にする生も死も幻想であって、夢の出来事だ。したがって、輪廻転生も夢の出来事であって、それは実相的に存在する現象ではない。輪廻転生の輪から抜け出すことこそが、夢からの目覚めであって、幻想の生死から解放されることなのだ。



And if that path is changed, it walks as easily another way. It takes no sides and judges not the road it travels.
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • take sides : 「どちらか一方の側につく、どちらか一方の肩を持つ」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を裁定する」
  • road [róud] : 「道、進路、道筋、道路、車道」
  • travel [trǽvl] : 「進む、歩く、走る、動く、旅する、旅行する」
❖ "And if that path ~ "「肉体が辿る道が変えられれば、肉体はいとも簡単に別の道を歩くことになる」。"It takes no sides ~ "「肉体は、何かの肩を持つようなことはなく、肉体の辿るべき道を判断することもない」。肉体自体は自意識を持たないのだ。いわば、肉体は頭脳の奴隷であり、単なる道具に過ぎない。頭脳を乗せた乗り物に過ぎないのだ。



It perceives no gap, because it does not hate. It can be used for hate, but it cannot be hateful made thereby.
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • hate [héit] : 「憎む、ひどく嫌う」
  • be used for : 「〜に利用される」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • hateful [héitfl] : 「憎らしい、不愉快な、憎しみに満ちた、憎い」
  • thereby [ðὲərbái] : 「それによって、その結果、従って」
❖ "It perceives ~ "「肉体は、ギャップを知覚することはない」。"because it does ~ "「なぜなら、肉体は嫌うことがないからだ」。肉体は、それ自体、他者の肉体との間のギャップ、隔たりを知覚することはない。肉体同士が嫌い合うことはないから、隔たりやギャップは必要ないのだ。隔たりやギャップを必要するのは、分離を信じている頭脳である。



3. The thing you hate and fear and loathe and want, the body does not know.
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • loathe [lóuð] : 「〜をひどく嫌う」
❖ "The thing you hate ~ "「あなたが嫌い、恐れ、嫌悪し、望むものを、肉体は感知しない」。肉体は感情を持たないし、思考しない。それは頭脳の仕事である。エゴに支配された頭脳の役割である。



You send it forth to seek for separation and be separate. And then you hate it, not for what it is, but for the uses you have made of it.
  • send forth [fɔ́ːrθ] : 「送り出す、発行する、派遣する」
  • seek for : 「〜を探し求める」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
  • use [júːs] : 「使うこと、利用、用途、使途」
❖ "You send it forth ~ "「あなたは、分離を求めて肉体を送り出し、(その結果)、肉体は分離するのだ」。肉体を分離の象徴に仕立てているのはあなたである。"And then you ~ "「そうしておいて、あなたは肉体を嫌うのである」。"not for what it ~ "「肉体の本来の姿を嫌うのではない」。"but for the uses ~ "意訳する、「そうではなく、あなたが肉体を利用する、その利用の仕方が気に入らないせいである」。あなたは肉体を、分離の象徴として、いわば壁のように利用しようとするのだが、その肉体は非常に脆(もろ)く弱く、頼り甲斐(たよりがい)がない。それを、あなたは嫌っているのだ。肉体を分離に利用しようとするのだが、肉体はその役割を全(まっと)うするには、とてもひ弱な存在なのである。



You shrink from what it sees and what it hears, and hate its frailty and littleness. And you despise its acts, but not your own.
  • shrink [ʃríŋk] : 「縮む、縮まる、小さくなる」
  • shrink from : 「〜の前で縮み上がる、〜を嫌がる、〜に尻込みする」
  • frailty [fréilti] : 「弱さ、弱点」
  • littleness [lítlnis] : 「小さいこと、卑小さ」
  • despise [dispáiz] : 「軽蔑する、侮蔑する、さげすむ、侮る」
  • act [ǽkt] : 「行為、活動、言動」
❖ "You shrink from ~ "「あなたは、肉体が見たり聞いたりしたことに尻込みし、肉体の弱さ卑小さを嫌うのだ」。肉体が見たり聞いたりする悲惨さ、苦痛、憎悪、嫉妬、怒り、等々に、あなたは尻込みする。他者から攻撃を受ければすぐに傷つき、血を流し、時には死に至る、弱い肉体を毛嫌いするのである。"And you despise ~ "「そして、あなたは、肉体の行為を軽蔑するが、自分自身を軽蔑したりしない」。あなたの頭脳は、弱い肉体を軽蔑するが、苦痛や怒りに音を上げる頭脳自身を軽蔑することはない。弱さの原因をすべて、肉体に帰しているのだ。



It sees and acts for you. It hears your voice. And it is frail and little by your wish.
  • act [ǽkt] : 「行動する、振る舞う、役割を果たす、役目を務める」
  • voice [vɔ́is] : 「声」
  • frail [fréil] : 「虚弱な、もろい、壊れやすい」
  • wish [wíʃ] : 「願い、願望、希望」
❖ "It sees and acts ~ "「肉体は、あなたのために見たり、行動したりしている」。"It hears your ~ "「肉体は、あなたの声を聞いている」。肉体は、あなたの頭脳の奴隷となって、あなたの言うなりになり、あなたの命令通りに行動している。"And it is frail and ~ "「そして、肉体は、あなたの望み通りに脆(もろ)いのである」。肉体を脆く卑小なものにしているのは、あなたの頭脳である。軽蔑の対象にしたいからだ。奴隷のままに留め置きたいからである。



It seems to punish you, and thus deserve your hatred for the limitations that it brings to you.
  • punish [pʌ́niʃ] : 「〜を罰する、〜を懲らしめる」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
❖ "It seems to punish ~ "「肉体は、あなたに罰を与えているように見えるかもしれない」。肉体が、痛みを感じたり苦しさを覚えることで、あなたを罰しているように見えるかもしれない。"and thus deserve ~ "「こうして、肉体があなたにもたらす制限のために、肉体はあなたの嫌悪に値するものに見えるのだ」。肉体は痛みに耐えることは出来ないし、老いて死に至る存在だ。物質という制限を超えるものではない。そんな肉体のせいで、あなたも痛みを感じ、老いて死に至る、物質という制限を超えることが出来ないと思っている。それゆえに、あなたは当然、肉体を忌み嫌ってもいいと考えているのだ。



Yet you have made of it a symbol for the limitations that you want your mind to have and see and keep.
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象、符号」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
❖ "Yet you have made of ~ "「しかしあなたは、肉体を、〜のシンボルに仕立て上げているのだ」。"for the limitations that ~ "「あなたが、あなたの心に持っていてもらいたい、見ていてもらいたい、保持してもらいたいと望んでいる制限の」シンボルに仕立て上げているのだ。あなたは、心が、他者の心と分離していると見てもらいたいし、分離を保持して欲しいと思っている。ところが、心は実相的に単一の存在であるから、正しい心は融合統一の方向に向かおうとする。そこで、あなたの頭脳は、心に分離を保持してもらうわけにはいかず、その仕事を肉体に委ねるわけである。肉体を分離の象徴(シンボル)に据え、肉体と肉体の間にギャップを幻想して、そのギャップに、幻想世界を展開させるのである。心は、その外に放置され、ギャップを挟んで、肉体だけが踊らされるのである。
 
 
 


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❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
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