●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-29.I.7:1 ~ T-29.I.8:7

7. It is not love that asks a sacrifice. But fear demands the sacrifice of love, for in love's presence fear cannot abide.
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲にすること、犠牲」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
❖ "It is not love that ~ "「犠牲を強いるものは、愛ではない」。"But fear demands ~ "「しかし、恐れは、愛を犠牲にすることを要求する」。恐れは、愛を遠ざける。"for in love's presence ~ "「なぜなら、愛が存在すれば、恐れの居場所がなくなるからだ」。愛は恐れを消してくれるものだから、いつまでも恐れを抱いていたいと思う限り、必然的に愛を遠ざけてしまうのだ。愛を犠牲にするのである。



For hate to be maintained, love must be feared; and only sometimes present, sometimes gone.
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • sometimes [sʌ́mtàimz] : 「時々、たまに」
  • present [préznt] : 「存在している、そこにある」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「いなくなった、去った、なくなった」
❖ "For hate to be ~ "「憎悪を維持するためには、愛は恐れられなくてはならない」。愛は憎悪を消し去るから、憎悪にしがみついていたいと思う限り、愛を恐れ、愛を遠ざけておかなくてはならない。"and only sometimes ~ "「ただ単に、愛は、時々顔を見せ、時々姿を消してくれるものであって欲しいと思うわけだ」。愛に常駐されると、恐れも憎悪も消えてしまうから、愛には、時おり登場してもらうに限るのである。



Thus is love seen as treacherous, because it seems to come and go uncertainly, and offer no stability to you.
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない」
  • uncertainly [ʌnsə́ːrtnli] : 「不確実に」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • stability [stəbíləti] : 「安定、持続、不変、安定性、安定度、持続性」
❖ "Thus is love seen ~ "「こうして、愛は、不誠実なものと見られてしまう」。"because it seems ~ "「なぜなら、愛は気まぐれにやって来たかと思うと、次には行ってしまうからであり、」"and offer no ~ "「あなたに、安定性をもたらしてくれないからだ」。愛と恐れと憎悪が、入れ替わり立ち替わり現れる状態なので、愛にだけ目を向けると、そんな愛は不誠実な愛に見えるのである。いったい、あなたは愛していいのか、憎んでいいのか、自分でさえも分からなくなり、あなたは、完全に安定性を欠いてしまう。もちろん、他者から見ても、あなたは、愛していい人間なのか憎んだ方がいいのか、まったく安定性を欠いた人間に見えるだろう。



You do not see how limited and weak is your allegiance, and how frequently you have demanded that love go away, and leave you quietly alone in "peace. "
  • limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された、限定の」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • allegiance [əlíːdʒəns] : 「忠誠、忠実」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「頻繁に、しばしば、たびたび、やたらに」
  • go away : 「消えうせる、立ち去る」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜をそのままにしておく、ほっておく」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、音もなく、黙って」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単独に」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "You do not see how ~ "「あなたは、あなたの忠実さが、いかに制限されたものであり弱いものか、知る由(よし)もない」。真実の愛に対して、あなたの忠実さが、いかに、恐れと憎悪によって制限され弱められているか、あなたは知らない。"and how frequently ~ "「そして、いかに頻繁に、あなたは、愛に去るように要求し、一人静かに『平和』の中に取り残されたいと要求しているか、あなたは知らない」。ここの『平和』とは、愛に煩わされない状態のことであって、愛を拒絶した孤絶状態を、『静かな平和だ』と表現して皮肉っているのだ。愛に対する忠実さを放棄し、愛を拒絶すれば、そこに残るのは憎悪と恐れだけである。確かに憎悪と恐れを抱いている限り、愛に煩わされることはないが、その静寂や平和は虚偽であって、単なる世界からの孤絶に違いない。



8. The body, innocent of goals, is your excuse for variable goals you hold, and force the body to maintain.
  • innocent [ínəsənt] of : 「無罪の、〜の罪を犯していない、〜のない」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • excuse [ikskjúːz] for : 「〜の理由、〜の言い訳」
  • variable [vέəriəbl] : 「変わりやすい、変えられる、移り気な、気まぐれな」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • force [fɔ́ːrs] : 「〜を強要する、〜に〜を余儀なくさせる、強いる」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
❖ "The body, innocent of goals ~ "意訳する、「目的というものをもたない肉体は、あなたが心に抱き、肉体にも強制的に保持させようとする目的がころころ変わる言い訳に利用されている」。肉体は本来、それ自体が目的をもつようなことはない。肉体は、他者を愛することも憎むこともしないのだ。幻想のままでいようとも、実相に目覚めようともしない。しかし、気まぐれなあなたは、あなたの目的や関心がころころ変わる口実として、それが肉体の気まぐれであるかのように装うのである。肉欲を口実に、他者を愛するふりをしたり、肉体的欠陥を責めて他者を憎んだり、他者が肉体的にあなたから遠ざかることに恐れを抱いたり、いずれにせよ、心の問題を度外視して、原因のすべてを肉体のせいにするのである。だから、心の問題はすべて肉体に現れ、病になったり癒されたりを、飽くことなく繰り返すのである。



You do not fear its weakness, but its lack of strength or weakness.
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
❖ "You do not fear ~ "「あなたは、肉体の弱さを恐れているのではない」。"but its lack of strength ~ "「肉体が、強さ弱さというものを欠いていることを恐れるのだ」。肉体は傷つきやすく、老いれば脆くなるなどという肉体のもつ脆弱さをあなたは恐れているのではない。肉体は、単なる幻想に過ぎず、強さや弱さもまた幻想に過ぎないという事実をあなたは恐れているのだ。肉体が実体をもたないことを、あなたは何より恐れる。なぜなら、あなたは、その肉体自体だと信じているからだ。肉体を失ってしまったら、あなたは無に違いないと思っているのである。だから、死を恐れるのだ。



Would you know that nothing stands between you and your brother?
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "Would you know that ~ "「あなたとあなたの同胞との間には何もないのだと、あなたは知りたいと思わないだろうか」。肉体は幻想に過ぎず、あなたの肉体と同胞の肉体の間に隔たりがあると信じていること自体も幻想である。あなたは、肉体を幻想であると認識して、幻想の肉体を赦し、赦すことで肉体を消滅させたいと思わないだろうか。



Would you know there is no gap behind which you can hide?
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に 」
  • hide [háid] : 「隠れる、潜伏する、身を潜める、潜む、姿を隠す」
❖ "Would you know there ~ "「あなたがその後ろに身を隠すギャップなど存在しないのだと、知りたくはないだろうか」。あなたは、本当の実在である心を、肉体という幻想の後ろに隠しているのだが、肉体が生み出すギャップなど存在しない。その真実を、あなたは知りたいと思わないか。



There is a shock that comes to those who learn their savior is their enemy no more.
  • shock [ʃɔ́k] : 「衝突、衝撃、ショック」
  • those who : 「〜する人々」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、 〜を知る、分かる」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "There is a shock that ~ "「彼らの救い主が、もはや彼らの敵ではないと知った者達は、ショックを覚えるだろう」。肉体は幻想に過ぎず、心と心の存在にはギャップもなければ隔たりもなく、実は、自他一如であると知った者は、心を大きく揺さぶられるだろう。なぜなら、分離しているに違いないと思っていた敵である他者が、実は敵ではなく、自分と同一であって、共に、実相世界へ目覚めるための救い主だと知ったからである。



There is a wariness that is aroused by learning that the body is not real.
  • wariness [wέərinis] : 「用心深さ、慎重さ」
  • arouse [əráuz] : 「目覚めさせる、呼び起こす、喚起する」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "There is a wariness ~ "「肉体は実在しないと知ることで、用心深くなってしまう」。肉体は幻想であって、実相的な実在ではないと知ると、いったい自分は肉体以外の何者なのか分からなくなってしまうのだ。もちろん、実在は心であるのだが、心は抽象、想念の世界の実在であって、肉体のような具象を伴わない。自分は他者から分離して存在する実体ではないのだから、他の心が容易に自分の心に侵入したり、心を奪ったりするのではないかと恐れて、警戒し、用心深くなってしまうのだ。もっとも、これは一時的なことであって、真実がいつまでも恐れを抱かせることはない。真実への恐れもまた、幻想なのだ。



And there are overtones of seeming fear around the happy message, "God is Love. "
  • overtone [óuvərtoun] : 「表面に現れた含意、含み、付帯的な意味」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの」
  • around [əráund] : 「〜の周りに、〜の周囲に」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、伝達内容」
❖ "And there are overtones ~ "「『神は愛である』という幸せなメッセージの周りに、見せかけの恐れがそれとなく現れてくるのである」。心だけの、いわば裸になったあなたは、神の愛に包まれていることは理解出来るものの、その神の愛を全面的に受け止めることが出来ずに、戸惑い、恐れるのだ。神の愛を受ける資格が、はたして自分にあるだろうか。神は、自分の心の不純さを知って、愛を取り下げたりしまいか。自分は、神の愛に応えるだけの愛を持ち合わせているだろうか。不安と恐れは、しばらく続くことになろう。しかし、これもまた、そう長くは続かない。なぜなら、実相世界は無時間の世界なのだから、神の愛を受け入れた瞬間に、時間は消滅してしまうからだ。あとは、無限の幸せが永遠に続くのである。
 
 
 


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