●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-29.I.5:1 ~ T-29.I.6:5

5. The body could not separate your mind from your brother's unless you wanted it to be a cause of separation and of distance seen between you and him.
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する、隔てる、引き離す、切り離す」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • distance [dístəns] : 「距離、間隔、隔たり、すき間」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "The body could not ~ "「肉体は、〜でない限り、あなたの心をあなたの同胞の心から分離させることは出来ない」。"unless you wanted it ~ "「あなたが心を、分離の原因、つまり、あなたと同胞の間に見られる距離、の原因にしたいと望まない限り、」肉体(つまり、肉体的頭脳、あるいは頭脳に支配された肉体)は、あなたの心をあなたの同胞の心から分離させることは出来ない。心は本来、自然な状態では分離するようなものではないのだ。神の子が単一であり、その心も単一であることを考えれば、当然である。しかし、神の子は夢の中で自らを分裂させ、多数の肉体を偽創造(幻想)して、分離して存在することを選んだのだ。本文は、しかし、その分離した肉体が、意識的に心の分離分裂を望まない限り、心は分離分裂することはないと言っている。意識しようがしまいが、あなたと同胞が肉体的に分離していようとも、あなたと同胞の心は繋がっているのだ。ユングの唱えた集合意識は、その真実の一端を語っている。つまり、心の表層は別としても、なぜなら、それは肉体的頭脳に支配されているからだが、心の深層は、あなたと同胞が共有している単一の心なのだ。その万人が共有する心の深層部分から、心の表層部分を意識的に切り取ってしまって、心身ともに世界から分離したならば、あなたは完全な、そして、絶望的な孤絶に陥ってしまうだろう。それを、地獄と呼ばずに何と名付けよう。



Thus do you endow it with a power that lies not within itself. And herein lies its power over you.
  • endow [endáu] : 「授ける、与える」
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力、権力」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • herein [hìərín] : 「ここに、この中に、この点で」
❖ "Thus do you endow ~ "「こうして、あなたは肉体に、それ自体の中にはないパワーを与えてしまうのだ」。肉体、すなわち頭脳に、心を支配する権力を与えてしまう。頭脳が、心を左右するようになるのだ。



For now you think that it determines when your brother and you meet, and limits your ability to make communion with your brother's mind.
  • think [θíŋk] : 「〜を考える」
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心する」
  • meet [míːt] : 「会う、触れる、接触する、交わる」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること、手腕」
  • communion [kəmjúːniən] : 「交わり、親交、共有、交流」
❖ "For now you think that ~ "「なぜなら、今やあなたは、肉体が、いつあなたと同胞が会ったらいいのか決定しているのだと思い、肉体が、同胞の心との霊的交わりを可能にする能力に制限を与える(ことが出来る)と思っているからだ」。肉体的頭脳が主導権を握って、あなたの心の動きをいちいち指図するのだ。ところで、"communion"を「霊的交わり」と訳してみたが、難しい単語である。心と心の結合を意味するのは確かなのだが、はたして霊という言葉で表現していいものなのか、少々疑問ではある。ACIMでは、霊という言葉は、ホーリー・スピリット(Holy Spirit)の"spirit"に、ほぼ限定されていて、その他の場所に"spirit"「霊、魂、霊魂、精霊」は登場しない。"soul"「魂、霊魂」という言葉もほとんど登場しない。おそらく、霊や魂は、実相的な心(mind)に集約されてしまうからだろう。したがって、ACIMの心(mind)は、単なる頭脳的な意識ではなく、あるいは、肉体的な意識が生み出す精神とう意味ではなく、より霊性や霊魂に近いものなのだ。



And now it tells you where to go and how to go there, what is feasible for you to undertake, and what you cannot do.
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • where to : 「どこで〜するべきか、どこに〜するべきか」
  • how to : 「いかにして〜すべきか、どのように〜したらいいか」
  • feasible [fíːzəbl] : 「実現可能な、実行可能な、適した、ふさわしい」
  • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う、負う」
❖ "And now it tells you ~ "「今や肉体は、あなたがどこへ行けばいいのか、そこへどうやって行けばいいのか、あなたにとって何が理解可能なのか、あなたは何が出来るか、いちいち指図することになる」。もちろん、ここの肉体は、肉体的頭脳のことであり、さらに深読みすれば、エゴに支配された頭脳ということになる。エゴの思考システムに支配された頭脳であり、エゴの肉体なのだ。そのエゴの思考システムが、あなたの心にまで勢力を伸ばし、あなたの心を支配しようとしているのである。



It dictates what its health can tolerate, and what will tire it and make it sick.
  • dictate [díkteit] : 「〜を命令する、指示する、〜に影響する、〜を決定する」
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、健全、繁栄」
  • tolerate [tɑ́lərèit] : 「〜を大目に見る、我慢する、耐える、許容する、許す」
  • tire [táiər] : 「〜を疲れさせる、〜を飽きさせる」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
❖ "It dictates what its ~ "「肉体は、肉体的健康さがどこまで耐えられるか、何が肉体的健康さを疲弊させ、それを病にさせるのか、命令することになる」。つまり、肉体的な健康さというものが心の健康さに左右されるという事実を除外して、心抜きの健康、不健康、耐久性、病、等々を規定しようとするのである。



And its "inherent" weaknesses set up the limitations on what you would do, and keep your purpose limited and weak.
  • inherent [inhíərənt] : 「生まれつきの、生得の、生来の、先天的な、固有の」
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性、衰弱」
  • set up : 「築く、設ける、打ち立てる、建てる」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、極限、限定」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • limited [límitid] : 「限られた、有限な、制限された、限定の」
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
❖ "And its "inherent" weaknesses ~ "「肉体が生来もっている『弱さ』は、あなたがやりたと望むことを制限し、あなたの目的さえも制限し、弱々しいものに保とうとするのである」。肉体的に弱いから、あるいは、肉体的に限界があるからと言って、あなたの望みを制限し、目的をもつことさえ限定するのだ。たとえば、あなたが、心を幻想から解放して、実相世界へ目覚めたいと望んでも、あなたの肉体が、それは無理だろうと制限するのだ。他者を心のレベルで本当に愛そうとしても、肉体は、肉欲を振りかざして、あなたの愛にけちをつけ、愛を汚し、本当の愛など不可能なのだとあなたに告げようとする。



6. The body will accommodate to this, if you would have it so.
  • accommodate [əkάmədèit] : 「適合する、適応する、対応する、順応する」
❖ "The body will ~ "「もしあなたが、肉体に対してそれを望むなら、肉体は、こうしたことに順応するであろう」。あなたが、頭脳をエゴに支配させ、エゴの思考システムにどっぷりと浸かりたいと望むなら、肉体はそれに順応して、肉体はエゴの言いなりに振る舞うようになるだろう。肉体は、心の存在を無視し続けることになるだろう。たとえば、現代医学の大半は、その最たるものではないだろうか。頭脳はホルモンと電気信号の集合体であり、頭脳が肉体の動きや精神を生み出していると信じている。生命は化学反応に過ぎず、心は頭脳が生み出す精神活動に過ぎないと規定する。肉体こそが存在のすべてであって、肉体が崩壊すればそれは死であり、その後は無である。これが、現代医学の教える肉体のシナリオの大骨(おおぼね)である。一言で言えば、肉体至上主義。



It will allow but limited indulgences in "love," with intervals of hatred in between.
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • indulgence [indʌ́ldʒəns] : 「耽溺、ふけること、わがまま、放縦、気まま」
  • interval [íntərvəl] : 「隔たり、間隔、合間、距離」
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い」
  • in between : 「間に、中間に」
❖ "It will allow but ~ "「肉体は、『愛』に放縦することに制限を加え、愛する合間に憎しみを挟み込むだろう」。制限なしに愛することになれば、心と心が結合し、肉体的存在の分離性が崩壊しかねないので、時折憎しみを挟み込んで、完全な愛が成就出来ないようにするのである。



And it will take command of when to "love," and when to shrink more safely into fear.
  • take command of : 「〜の指揮を執る、〜を指揮する、〜の采配を振る」
  • when to : 「いつ〜したらいいか、〜するタイミング」
  • shrink [ʃríŋk] : 「縮む、縮まる、小さく」
  • safely [séifli] : 「安全に、支障なく、無事に」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "And it will take command ~ "「肉体は、いつ『愛し』たらいいか命令するようになるであろうし、いつ、より安全に、恐れの中に収縮すべきか命令するようになる」。肉体は、エゴの思考システムが命ずるままに、愛のタイミングを指図し、愛が深まることを警戒して、愛から遠ざかって恐れに戻ることまで命令するようになる。



It will be sick because you do not know what loving means.
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "It will be sick because ~ "「あなたは愛することの意味がわからないから、肉体は病になるのである」。短い文ではあるが、非常に大切な箇所である。心と心の、愛を介した結合がないから、肉体は病を発症するのだ。逆に、心と心が愛で結ばれるとき、病は自然に消滅するのである。それが、ヒーリングである。



And so you must misuse each circumstance and everyone you meet, and see in them a purpose not your own.
  • misuse [mìsjúːz] : 「誤用する、悪用、乱用する、虐待する」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「周囲の事情、環境、状況、事情」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "And so you must ~ "「そこであなたは、一つ一つの状況やあなたの出会うあらゆる人達を誤用し、その中に、あなた自身のものではない目的を見ることになるに違いない」。たとえば、あなたが誰かと愛をはぐくむ状況に至ったとしよう。本来なら、幻想から目覚める目的をもって、あなたは愛を通して心を結合させるのだが、それとは異なる、あなた自身の目的ではない目的、つまり、結合と反する分離を目的にして、その愛の状況を誤用、悪用するのである。つまり、愛を憎しみに変え、反発を生み出し、心と心の分離を助長しようとするのだ。愛を恐れ、分離という暗い穴ぐらに安住しようとするのである。これが、エゴの思考システムの導く、あなたの将来像ということになる。
 
 
 


Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp