●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-27.II.14:1 ~ T-27.II.15:9

14. In this interpretation of correction, your own mistakes you will not even see.
  • interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、訂正個所、矯正、修正、是正、補正」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、ミス、過ち、手違い、誤解」
❖ "In this interpretation ~ "「正すことをこのように解釈すれば、」"your own mistakes ~ "「あなたは、あなた自身の過ちに目を向けることすらなくなるだろう」。同胞の罪を正そうとして、エゴの思考システムに従って、他者の罪を責め、罰を与えようとすれば、あなたは自分の罪を見ることすらなくなる。自分の罪が見えないようにするために、自分の罪を他者に投射したのだから、当たり前といえば当たり前なのだ。



The focus of correction has been placed outside yourself, on one who cannot be a part of you while this perception lasts.
  • focus [fóukəs] : 「焦点、中心、的」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する」
❖ "The focus of correction ~ "「正す対象は、あなた自身の外側に置かれる」。自分の過ちや罪を正そうとするのではなく、焦点を他者である同胞に向けて、同胞の過ちや罪を暴こうとする。"on one who cannot ~ "「こんな知覚が続く限り、あなたの一部になり得ない者に対して、正す対象は置かれるのだ」。エゴの思考システムに則って、罪を罰しようとする限り、つまり、罪や過ちをそのように知覚する限り(while this perception lasts)、あなたから分離したものとして見られる同胞に対して(on one who cannot be a part of you)、修正といういう名を借りた攻撃の目(The focus of correction)が向けられるのだ。



What is condemned can never be returned to its accuser, who had hated it, and hates it still as symbol of his fear.
  • condemn [kəndém] : 「〜に有罪の判決を下す、〜を非難する、責める」
  • return [ritə́ːrn] : 「〜を返す、戻す、返却する」
  • accuser [əkjúːz] : 「刑事訴訟の原告、告訴人、告発人」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "What is condemned ~ "「非難された内容は、非難した者に返されることは決してない」。罪があると非難した内容が、非難したあなたに向けられて返されることはない。つまり、自分には罪はないと、あくまでも信じきるのである。"who had hated ~ "「非難した者は、非難した内容をひどく嫌っており、恐れの象徴として嫌悪している」。自分に罪があると知ることを非常に恐れており、その分、他者の罪を嫌悪するのだ。嫌悪は恐れの象徴である。これに限らず、あなたが何かを嫌悪するとき、その心の奥には、それに対する恐れが潜んでいるのだ。



This is your brother, focus of your hate, unworthy to be part of you and thus outside yourself; the other half, which is denied.
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • unworthy [ʌnwə́ːrði] : 「〜に値しない、値打ちのない」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • half [hǽf] : 「半分、2分の1、半端、半」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "This is your brother ~ "「嫌悪の対象となっているのが、あなたの同胞であり、あなたの一部である価値などなく、したがって、あなたの心の外部に置かれている」。"the other half ~ "「つまり、拒絶されている他の半面なのだ」。あなたは、あなたが恐れ嫌悪している自分自身の半面を、外部の同胞の上に投射しているのだ。つまり、あなたが嫌悪している同胞は、実はあなた自身の半面なのだ。



And only what is left without his presence is perceived as all of you.
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • presence [prézns : 「存在すること、存在」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "And only what is left ~ "「そして、同胞の存在を除いた残りの部分だけが、あなたのすべてだと知覚されている」。罪があるかも知れないという恐れに耐えかねて、罪を同胞の上に投射し、同胞を嫌悪の対象として見ることで、あなた自身の罪を忘れてしまおうというわけである。嫌悪すべき罪の意識が隠されたままの自分だけが、自分のすべてだと納得させるのである。



To this remaining half the Holy Spirit must represent the other half until you recognize it is the other half.
  • remaining [riméiniŋ] : 「残りの、残っている」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、意味する、象徴する」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "To this remaining half ~ "「この取り残されたあなたの半面に対して、ホーリー・スピリットは、あなたが〜出来るまで、あなたのもう一方の半面を表すことになる」。"until you recognize ~ "「あなたが、それがあなたの他の半面なのだと認識出来るまで、」ホーリー・スピリットは、あなたのもう一方の半面を表すことになる。罪に対する恐れや嫌悪を覚えるあなたの半面を他者に投射し、残りの半面を、あなたは自分として生きているのだが、ホーリー・スピリットはその反面を代表して、あなたに正しい認識をさせようとする。つまり、今あなたが生きている自分は半面に過ぎず、他の投射した半面もあなた自身の一部なのだと認識させようとするのだ。二つに分離、分裂したあなた自身を統合させるのである。その上で、あなたが恐れ嫌悪しているあなた自身の半面は、実は、幻想に過ぎないものだとあなたに気付かせ、幻想を赦し、あなたを罪の意識から救おうとするのである。ところで、残されたあなたの半面をホーリー・スピリットが代表することになるのだが、同胞の上に投射された、もう一つのあなたの半面を代表するのが、言うまでもなく、エゴである。



And this He does by giving you and him a function that is one, not different.
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "And this He does ~ "「ホーリー・スピリットは、異なる役割ではなく、単一の役割をあなたと同胞に与えることで、成し遂げようとしている」。罪を着せられた同胞に対して、ホーリー・スピリットは、罪を投射したあなたに反抗して、同様の罪を着せ返せとは決して教えない。ホーリー・スピリットは、そんな同胞に対して、あなたを赦す役割を与えるのだ。それと同時に、同胞に罪を着せたあなたに対して、ホーリー・スピリットは、そんな罪を幻想として赦す役割を与える。つまり、幻想に過ぎない罪というボールを投げ合って反目しているあなたと同胞に対して、そんな罪のボールは存在しないのだと、あなたと同胞が同時に認識し赦すという役割を与えているのである。この赦しこそが、認識を修正することであり、救いそのものとなる。



15. Correction is the function given both, but neither one alone.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • neither [níːðər] : 「どちらの〜も〜でない」
  • alone [əlóun] : 「一人で、単独で」
❖ "Correction is the function ~ "「修正とは、あなたと同胞の両者に与えられた役割であり、一方だけに与えられたものではない」。何を修正するのかというと、罪が存在し、恐れと嫌悪がそれを補強していると知覚する、その認識自体である。罪が幻想に過ぎないと認識し、受け入れ受け流して赦すという修正である。それは、あなただけに与えられた修正作業ではなく、同時に、同胞に対しても与えられた修正作業なのだ。なぜなら、あなたと同胞は自他一如であり、あなたが修正し赦すことは、同胞が修正し赦すことと同一であるからだ。あくまでも両方向であり、一方向ということはあり得ない。両者が赦しを与え、両者が赦しを受け取るのである。



And when it is fulfilled as shared, it must correct mistakes in you and him.
  • fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする、達成する、成就する」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、ミス、過ち、手違い」
❖ "And when it is fulfilled ~ "「あなたと同胞の役割は、分かち合われることによって達成される」。"it must correct mistakes ~ "「その役割を達成することで、あなたと同胞の両者の中で、誤りは修正されるに違いなのである」。あなたと同胞のどちらか一方の誤りが正されるのではない。両者が赦しを与え、赦しを受け取ることで、つまり、赦しを分かち合うことで、両者の誤りは正されるのだ。



It cannot leave mistakes in one unhealed and set the other free.
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
  • unhealed : 「治癒していない、未治癒の」
❖ "It cannot leave ~ "「修正という役割は、癒されない一方の誤りを置き去りにして、他方を自由にすることなど出来ないのである」。あなたと同胞のどちらか一方だけを救い、他方を置き去りにしてしまうことは不可能だ。あなたと同胞は自他一如なのだから、両者が救われ、癒されなくてはならない。



That is divided purpose, which can not be shared, and so it cannot be the goal in which the Holy Spirit sees His Own.
  • divided [diváidid] : 「分けられた、分離した、分裂した」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
❖ "That is divided ~ "「一方だけを自由にするなどということは、分裂した目的である」。自他一如に反した目的である。分離を加速する目的である。"which can not ~ "「そんな目的は分かち合われることは不可能で、」"and so it cannot be ~ "「したがって、ホーリー・スピリットが自分自身の目的だと見るような目的になり得ない」。あなたと同胞の一方だけが救われ、癒され、自由になるなどという目的は、ホーリー・スピリットが掲げる実相的な目的になり得ない。



And you can rest assured that He will not fulfill a function that He does not see and recognize as His.
  • assured [əʃúərd] : 「確実な、確信を持った、確信して、確かな」
  • rest assured that : 「確実であると思う、安心できる」
❖ "And you can rest assured ~ "「あなたは、that以下が確実だと言うことが出来る」。"that He will not ~ "「ホーリー・スピリットは、その役割が自分のものではないと認識するような役割を果たそうとすることはない」、ということは確実なのだと言うことが出来る。ホーリー・スピリットは、神の意思でもある実相的な目的や役割以外のものを、その目的や役割にもすることはない。不可能なのだ。実相的存在のホーリー・スピリットが、幻想の目的や役割を持つことは、原理的に不可能なのである。



For only thus can He keep yours preserved intact, despite Your separate views of what your function is.
  • keep : 「〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
  • intact [intǽkt] : 「なわれていない、そのまま、手を付けていない」
  • despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず、〜をよそに」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
  • view [vjúː] : 「意見、見識、考え、物の見方、視界、視野」
❖ "For only thus can ~ "「なぜなら、〜にもかかわらず、ホーリー・スピリットは、こうすることでのみ、あなたの役割を手付かずのまま保存しておけるからである」。"despite Your separate ~ "「あなたの役割が何であるかということに関して、あなたがたが別々の見方をしているにもかかわらず、」ホーリー・スピリットは、あなたの役割を手付かずのまま保存しておけるからである。あなたと同胞が、別々の役割を担っていると誤解しているうちは、ホーリー・スピリットは、そんな役割を果たす手助けをしようとはしない。その役割は、ホーリー・スピリットが目指す目的ではないからだ。しかし、見捨てたわけではなく、あなたが本当の役割に気付くことが出来る時まで、本当の役割を保存しておいてくれる。



If He upheld divided function, you were lost indeed.
  • upheld [ʌ̀phéld] : 「uphold の過去・過去分詞形」
  • uphold [ʌ̀phóuld] : 「支持する、支える、上げる」
  • lost [lɔ́st] : 「道に迷った、失った、途方に暮れて、戸惑って」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
❖ "If He upheld ~ "「もし、ホーリー・スピリットが、分裂した役割を支持したのなら、」"you were lost ~ "「あなたは、道に迷っていただろう」。あなたと同胞が分裂した役割を果たそうとし、それをホーリー・スピリットが支持したなら、あなたと同胞の分離はますます加速され、神の子の分裂は決定的となって、神の子は崩壊したかもしれない。



His inability to see His goal divided and distinct for you and him, preserves yourself from the awareness of a function not your own. And thus is healing given you and him.
  • inability [ìnəbíləti] : 「無能、不能、できないこと、無力」
  • distinct [distíŋkt] : 「はっきりと異なる、違った」
  • awareness [əwέərnis] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
❖ "His inability to see ~ "「ホーリー・スピリットが、目的を分裂したものと見ることなく、また、あなたと同胞の目的に違いを見ることもなかったことが、」"preserves yourself from ~ "「あなた自身が、あなた自身の役割ではない役割を意識することから守っているのだ」。あなたや同胞が、実相的ではない分裂した目的や役割に走ってしまわないように、つまり、あなたや同胞が進むべき道を失わないように、ホーリー・スピリットがしっかりと、真の目的や役割を堅持して、あなたと同胞を守っていてくれるのだ。"And thus is healing ~ "「こうして、あなたと同胞にヒーリングがもたらせるのである」。こうして、あなたと同胞の癒しが可能となり、救いが実現するのだ。
 
 
 



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