●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-27.V.8:1 ~ T-27.V.9:6

8. Problems are not specific but they take specific forms, and these specific shapes make up the world.
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • specific [spisífik] : 「明確な、具体的な、詳しい、曖昧でない、特有の」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • shape [ʃéip] : 「形、状態、形状、形態」
  • make up : 「作り上げる、構成する」
❖ "Problems are not specific ~ "「問題とは、曖昧ではあるが、特有の形をとる」。"and these specific ~ "「こういう特有の形が、この世界を作っているのだ」。たとえば、愛の問題について言えば、愛全般に対する抽象的な問いかけは漠然として曖昧であるが、『彼を、あるいは彼女を愛すべきか』という問いかけは、具体的で、個人的な特有の形をもっている。この世界の問題は、抽象的で曖昧な問いかけで構成されているのではなく、固有的で特有の具体的な問いかけで出来上がっている。また、たとえば、具象的な肉体が生きているか死んでいるかは問題にされるが、抽象的な心が命をもっているかもっていないかは問題にされることはない。



And no one understands the nature of his problem. If he did, it would be there no more for him to see.
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
  • nature [néitʃər] : 「性質、本性、本質、種類」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "And no one understands ~ "「さらに、誰も、問題のもつ本質を理解してはいない」。"If he did, it would ~ "「もし理解しているならば、見るべき問題などないことになってしまう」。問題の抽象的な側面も、具体的な側面も、問題のもつ本質さえも理解していたなら、そもそも、何の問題も持つはずがない。問題が非常に具体的であり、身に迫るもので、しかも、問題のもつ曖昧な抽象的側面が理解できないから、問題を抱えて悩むのである。



Its very nature is that it is not. And thus, while he perceives it he can not perceive it as it is.
  • very [véri] : 「まさに、まさしく」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "Its very nature ~ "「問題の、まさに本質は、問題などではない」。あなたが問題だと思っている問題の、本質的な部分は、何の問題でもない。問題の本質を探れば、そこに問題などない。"And thus, while ~ "「こうして、彼が問題を問題として知覚しているうちは、問題をあるがままに知覚することは出来ないのだ」。問題だ問題だと言って、問題を抱え込んだまま、ただうろうろしているうちは、問題の本質を見ることは出来ない。たとえば、愛を、あるがままに見ることが出来れば、愛は何の問題もなく、ただそこにあるだけだということがわかる。したがって、あなたが抱えている問題は、愛の問題を解決する能力の問題ではなく、愛をあるがままに見て感じることが出来るかどうかという知覚の問題なのだ。



But healing is apparent in specific instances, and generalizes to include them all.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • instance [ínstəns] : 「場合、事実、例、事例」
  • generalize [dʒénərəlàiz] : 「〜を一般化する、総合する、一般的に言う、法則化する」
  • include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を含有する、包含する」
❖ "But healing is apparent ~ "「しかし、ヒーリングは、特有な事例の中で明白にされ、」"and generalizes to ~ "「あらゆる事例を含んで一般化される」。ヒーリングは、何か具体的な事例を通して実現される。たとえば、具体的な病を癒すとか、心の苦しみを除去するなどという形をとる。しかし、そのヒーリングが示している奇跡の内容は、小さな事例に留まることなく、奇跡一般の真実を表しているのだ。ヒーリングや奇跡は、実相のあらゆる真実を包含した、全的な現象である。



This is because they really are the same, despite their different forms.
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • despite [dispáit] : 「〜にもかかわらず、〜をよそに」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "This is because ~ "「これは、ヒーリングはどれも、違った形をとっているだけで、本当は同じだからである」。いろいろな形の病を治すヒーリングは、それぞれ異なって見えるかもしれないが、病む者を真実に目覚めさせるという原点において、ヒーリングはどれも同じなのだ。



All learning aims at transfer, which becomes complete within two situations that are seen as one, for only common elements are there.
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • aim at : 「〜を目指す、〜に狙いを定める、〜を得ようとする」
  • transfer [trænsfə́ːr] : 「移動、移転、移送、乗り換え」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全くの、完結した、完成した」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • common [kάmən] : 「共通の、共有の、日常的な、普通の、ありふれた」
  • element [éləmənt] : 「成分、要素」
❖ "All learning aims ~ "「あらゆる学習は、 (ここからあそこへの)転移を目指す」。この世界での学習は、今いる単純な場所からより複雑で高度な場所へと転移することを目的とする。"which becomes complete ~ "「それは、一つだと見なされる、二つの状況の中で完成される」。"for only common ~ "「なぜなら、そこには、共通な要素しかないからだ」。学習によって知識をため込むことで、幼稚で単純な状況から、より高度で複雑な状況へと、二つの状況の間の転移を目指しているのだが、一見異なった二つに見える状況は、どちらも同じ要素、つまり幻想で出来上がっているのだ。



Yet this can only be attained by One Who does not see the differences you see.
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
❖ "Yet this can only ~ "「しかし、これは、あなたが目にしている違いを(違いとして)認識しない唯一者、ホーリー・スピリットによってだけ、達成されるのだ」。この世界における、幼稚で単純な状況も、より高度で複雑な状況も、そこに違いはない。どちらも同じ幻想で構成されていると認識しているホーリー・スピリットによってのみ、本当の学びは達成される。ただし、ホーリー・スピリットが学ぶという意味ではなく、あなたがホーリー・スピリットの力を借りて学ぶとき、本当の学びが達成され、幻想から実相へと、その目を開くことが出来るのだ、という意味である。



The total transfer of your learning is not made by you.
  • total [tóutl] : 「完全な、全くの、全部の、すべての、全体の」
❖ "The total transfer of ~ "「あなたの学びの完全な転移は、あなたによって成されるのではない」。あなたが本当の学びを達成し、幻想から実相へと転移する作業は、あなた一人で行うものではない。ホーリー・スピリットの助けが必要なのだ。



But that it has been made in spite of all the differences you see, convinces you that they could not be real.
  • in spite [spáit] of : 「〜にもかかわらず」
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "But that it has been ~ "「あなたが目にするあらゆる違いにもかかわらず、本当の学びによって転移が達成されたことは、その違いは実在していなかったのだと、あなたを確信させるのだ」。あなたが目にしていた世界の中に散らばる違い、相違は、幻想であり錯覚であると気付くのだ。それは、ホーリー・スピリットの助けによって本当の学びを実行し、幻想から実相へと転移したあなたに理解されることである。知覚が修正され、幻想と実相の違い、虚偽と真実の違いがわかってくるのである。



9. Your healing will extend, and will be brought to problems that you thought were not your own.
  • extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
❖ "Your healing will ~ "「あなたの(本当の)学びは拡張する」。実相的な真実の学びは、分かち合われて、拡張増大していく。"and will be brought ~ "「そして、あなた自身の問題ではないと思っていた問題にも、その学びはもたらせるのだ」。あなたの学びが同胞の中に拡張して行くにしたがい、あなたが問題を解決するために培(つちか)った学びは、あなたの知らない問題にも応用出来ることを知るのである。幻想を見極めて実相の真実を知ることが本当の学びなのだから、その学びは、あらゆる問題に当てはめることが出来るのである。



And it will also be apparent that your many different problems will be solved as any one of them has been escaped.
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
  • solve [sɑ́lv] : 「解く、解決する」
  • escape [iskéip] : 「消える、〜を免れる」
❖ "And it will also be ~ "「そして、that以下もまた、明白になるだろう」。"that your many different ~ "「あなたが持っている多くの異なった問題は、その内の一つが解決することで、解かれて行くのだということも」明白になるだろう。問題もまた、形こそ異なっていても、本質的な部分はみな同じである。だから、多くの問題が、その一つでも解決すると、他の問題も次々に解決して行くのである。結局、問題の本質部分は、あなたが幻想に浸りきっていて真実を知らなかったという事実に尽きるのだ。



It cannot be their differences which made this possible, for learning does not jump from situations to their opposites and bring the same results.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • jump [dʒʌ́mp] : 「跳ぶ、飛び跳ねる、躍動する、飛び越える」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のこと、逆の物」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果、成績」
❖ "It cannot be their ~ "「問題の解決を可能にしたものは、問題の違いであるはずがない」。その逆で、問題の本質が同じことが、問題の解決を可能にしたのだ。"for learning does ~ "「なぜなら、学びとは、ある状況から反対の状況へジャンプして同じ結果をもたらすことではないからだ」。幻想の問題(状況)を解決するために学習し、また別の問題(状況)を解決するために、そちらの問題にジャンプして学習し、同様の解決を得る。これが、この幻想世界における問題(状況)への取り組み方と学習の形態である。数々の幻想の問題は、同様な学習と解決法によって解決されるかもしれないが、しかし、どんなに問題から問題へ、学習から学習へジャンプしても、幻想からの脱出は少しも図られることはないのだ。たとえば、今日、どんなに科学が研究され発達したと言っても、心の本質的な問題は解決していないのだ。科学を学習し、哲学を学習し、宗教を学習し、文学を学習し、数多くの問題を解決したと言っても、肝心の、幻想から実相への目覚めという、心の本当の開放は達成されないのだ。



All healing must proceed in lawful manner, in accord with laws that have been properly perceived but never violated.
  • proceed [prəsíːd] : 「続行する、はかどる、進む、前進する」
  • lawful [lɔ́ːfl] : 「正当な、合法な」
  • manner [mǽnər] : 「行儀、態度、やり方、仕方、方法、様式」
  • in accord with : 「〜と一致して、〜に合って、〜を踏まえて」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • properly [prάpərli] : 「正確に、正しく、厳密に、適切に、適当に」
  • violate [váiəlèit] : 「違反する、犯す、破る」
❖ "All healing must ~ "「すべてのヒーリングは、法に則って進行するものでなければならない」。"in accord with ~ "「つまり、正しく知覚され、決して犯されることのない法に調和するものなのだ」。ヒーリングは、実相的行為である。したがって、実相世界の法、つまり、神の法に完全に従う。神の法を犯してヒーリングが達成されることはないのだ。必ず、完璧に、実相の法、神の法に従い、神の法を正しく認識しているものなのだ。



Fear you not the way that you perceive them. You are wrong, but there is One within you Who is right.
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている」
  • right [ráit] : 「正しい、正当な」
❖ "Fear you not the way ~ "「あなたが、その法を知覚するやり方を恐れてはいけない」。ヒーリングが従う、実相の法、神の法を、あなたなりの知覚のし方で解釈していい。間違いを恐れる必要はない。確かに、"You are wrong ~ "「あなたは、間違っているのだが、」"but there is One ~ "「正しいホーリー・スピリットが、あなたの心の中に住んでいるのだ」。幻想に惑わされているあなたが、神の法を正しく理解出来なくても、そんなことを恐れることはない。ホーリー・スピリットがいつもあなたの側にいて、正しい教えをあなたに与えてくれるからだ。だから、ホーリー・スピリットに、それを求めればいい。結局、この幻想世界にいて、幻想の問題を幻想の解決法や幻想の学習で解決しても、意味がないのだ。黙って、すべてをホーリー・スピリットに委ねて、正しい方向へ導いてもらう方が、確実に真実に近づけるのである。あなたは、夢の中で問題に遭遇し、それを夢の中で解決しようとして、夢の中で学習し、苦しみ、もがいているに過ぎない。夢の中の問題を、夢の中で解決することに意味があるだろうか。そんなことより、夢から目覚める方がいいに決まっている。夢から目覚めてしまえば、あれほど悩み苦しんだ問題も、何のことはない、ただの夢に過ぎなかったのだと気付くことが出来るのだ。ならば、夢から目覚めること、幻想から実相へと目覚めることが、あなたの最大にして唯一の解決法である。その目覚めの方法を教えてくれるのが、ホーリー・スピリットだということである。
 
 
 



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