●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-27.II.16:1 ~ T-27.III.1:9

16. Correction must be left to One Who knows correction and forgiveness are the same. With half a mind this is not understood.
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜を任せる、頼む、委ねる」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • half [hάːf] : 「半分、2分の1、半端、半」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
❖ "Correction must be ~ "「修正作業は、正すことと赦すことは同じなのだと分かっているホーリー・スピリットに任せてしまわなければいけない」。"With half a mind ~ "「心の半面だけをもってしては、このことは理解出来ない」。罪や過ちを正す作業は、ホーリー・スピリットの役割であって、ホーリー・スピリットとエゴの両者に心が分裂し、エゴの半面だけを実在だと思っている者には、ホーリー・スピリットの役割が何であるか、また、自分の役割が何であるか、理解出来ないだろう。



Leave, then, correction to the Mind that is united, functioning as one because it is not split in purpose, and conceives a single function as its only one.
  • united [junáitid] : 「結ばれた、協力した、結合した」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「働く、機能する」
  • split [splít] : 「割れた、分割した、分裂した、分けた」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • conceive [kənsíːv] : 「抱く、心に描く、思い付く、〜と考える」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用」
❖ "Leave, then, correction to ~ "「それならば、統一した心の持ち主であるホーリー・スピリットに、修正作業を任せてしまいなさい」。もちろん、ホーリー・スピリットの心は分裂していないので、修正と赦しが同一であることを知っているし、それが自分の役割であることも十分承知している。"functioning as one because ~ "「ホーリー・スピリットの統一した心は、単一なるものとして機能しているからだ」。"because it is not split ~ "「と言うのも、ホーリー・スピリットの心は、目的に関しても分裂していないし、単一役割を、唯一の役割だと考えているからだ」。神の子を、幻想の罪の意識から救い出し、天の王国へ回帰させるのが、ホーリー・スピリットの唯一の目的である。その目的にぐらつきはないし、ホーリー・スピリットの心に迷いもなく、分裂など起こしていない。神によって与えられた役割をちゃんとわきまえているのだ。



Here is the function given it conceived to be its Own, and not apart from that its Giver keeps because it has been shared.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • apart from : 「〜から離れて」
  • giver [ɡívər] : 「与える人、贈与者、寄贈者」
  • share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "Here is the function given ~ "「ここでは、ホーリー・スピリットの心に与えられた役割は、ホーリー・スピリット自身のものとして考えられており、」"and not apart from that ~ "意訳する、「その役割をホーリー・スピリットに与えた神が保持している神の役割とかけ離れてはいない」。"because it has been ~ "「なぜなら、その役割は分かち合われているからだ」。神の意思を神の子に伝えてくれるメッセンジャーがホーリー・スピリットであり、神がもっている目的や役割を、この幻想世界で果たす神の使者である。したがって、ホーリー・スピリットと神は、目的や役割を分かち合ってるのであり、両者の意思に寸分の違いもない。



In His acceptance of this function lies the means whereby your mind is unified.
  • acceptance [ækséptəns] : 「受け入れること、承諾、承認、受諾」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • whereby : 「それによって〜するところの」
  • unify [júːnəfài] : 「統一する、一体化する、単一化する」
❖ "In His acceptance ~ "「ホーリー・スピリットがこの役割を受け入れる中に、」"lies the means whereby ~ "「あなたの心を統一するための手段が存在する」。ホーリー・スピリットが神から授かった役割を実行する中で、あなたがその役割に参加出来れば、つまり、あなたの役割である赦しを実行出来るなら、あなたの分裂した心は、ホーリー・スピリットの思考システムを中心にして再統一され得るだろう。心が一つの目的に統一出来るということは、あなたと同胞の分離した心も、再び単一なる心として統一出来ることを意味する。



His single purpose unifies the halves of you that you perceive as separate.
  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • halves [hǽvz] : 「half の複数形」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の」
❖ "His single purpose ~ "「ホーリー・スピリットのもっている単一の目的性は、あなたが分離したものとして知覚しているあなたの半分と半分の心を統一してくれるのだ」。ホーリー・スピリットが掲げる、幻想からの目覚めという目的が達成されれば、あなたの心の半面を支配していたエゴの影響は消え去る。なぜなら、エゴは幻想であり、ホーリー・スピリットが幻想を赦し、消し去れば、エゴも消滅してしまうからだ。こうして、あなたの心はホーリー・スピリットを中心とした、統一した心に生まれ変わるのである。幻想からの目覚めとは、心の再統一のことでもあるのだ。



And each forgives the other, that he may accept his other half as part of him.
  • each [íːtʃ] : 「各々、それぞれ、めいめい」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • other [ʌ́ðər] : 「ほかの、そのほかの、残りの」
  • accept [əksépt] : 「認する、認める、容認する、受け入れる」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
❖ "And each forgives ~ "「そして、心の半面同士が、他の半面を赦し、」ホーリー・スピリットに役割を委ねた心の半面も、幻想から目覚めてエゴの支配から脱した心の半面も、互いに赦し合うのだ。つまり、それまで見てきたことを夢として認め合うのである。夢を夢として認め、受け入れ受け流し、赦すのである。"that he may accept ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「その結果、一方の心の半面は他の心の半面を、その一部として受け入れるのである」。エゴに支配されていた心の半面が夢から目覚め、その半面もまた、ホーリー・スピリットに委ねた心の半面と同一であると、つまり、一部であると、受け入れることが出来るのである。
 
 
 
 

III. Beyond All Symbols
あらゆる象徴を越えて


1. Power cannot oppose. For opposition would weaken it, and weakened power is a contradiction in ideas.
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対」
  • weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立、反対、否定」
  • idea [aidíːə] : 「考え、見解、意見、知識、意図、狙い、目的」
❖ "Power cannot ~ "「パワーは、反対方向に向けることは出来ない」。パワーは、パワーを否定し打ち消す方向に向けることは出来ない。"For opposition ~ "「なぜなら、反対方向とは、パワーを弱めてしまうからであり、」"and weakened power ~ "「弱められたパワーとは、思考の矛盾である」。弱いパワーと表現することは、黒い白さと言うことに等しく、思考として矛盾している。一元論世界の真実のパワーは、一方向性しか持ち合わせていない。愛のパワーは実在するが、憎悪のパワーは存在しない。そんなパワーは幻想である。



Weak strength is meaningless, and power used to weaken is employed to limit.
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力、強み、長所」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な、無価値の」
  • employ [emplɔ́i] : 「用いる、採用する、使用する」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
❖ "Weak strength ~ "「弱い強さとは、意味がない」。"and power used to ~ "「何かを弱めるために使われるパワーは、制限するために使われるのだ」。



And therefore it must be limited and weak, because that is its purpose. Power is unopposed, to be itself.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • unopposed [ʌnəpóuz] : 「反対のない、無競争の、独壇場の」
❖ "And therefore it must ~ "「したがって、それは、制限され弱くなるに違いない」。パワーが制限するために使われると、対象は制限され弱くなってしまう。"because that is ~ "「なぜなら、そうすることが目的であるからだ」。"Power is unopposed ~ "「パワーは、それ自体として存在するのであり、反対されるものではない」。非常に意味がとりにくい部分である。本当の力のあるパワーとは、実相世界の存在であり、一元論世界の存在であるから、パワー自体も、一つの方向性しか持ち得ない。反対方向のパワーはないのだ。たとえば、愛のパワーは存在するが、憎悪のパワーは存在しない。憎悪のパワーが存在するように見えるなら、それは、幻想世界の幻想のパワーだ。したがって、愛のパワーに反対し否定するパワーなど、実相的に存在しない。さらに、愛のパワーは、その力で、憎悪を制限し弱めることが出来る。逆はない。つまり、憎悪のパワーが愛を制限し弱めることはないのだ。なぜなら、憎悪のパワーはそもそも幻想であって、愛が憎悪によって制限され弱められるように見えるなら、それもまた幻想に過ぎないからだ。誤解してはいけないのは、それでもなお、幻想の中で、つまり、夢の中で、幻想が実相を制限し弱めることは見かけるということである。



No weakness can intrude on it without changing it into something it is not.
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性、衰弱」
  • intrude [intrúːd] : 「侵入する、入り込む、立ち入る」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "No weakness can intrude ~ "「弱いものが、その形を何か異なるものに変えない限り、パワーに侵入することは出来ない」。たとえば、愛という強いパワーに対して、幻想の憎悪は弱々しいものである。その弱い憎悪が、強い愛に侵入するには、弱い憎悪が、まったく別のものに、つまり、実相的に存在するものに姿を変えなくてはならないのだ。しかし、幻想が実相に姿を変えることは原理的に不可能であるから、結果的に、幻想的な弱さが、実相的なパワーに侵入することは不可能なのである。不可能であるが、夢の中で、その不可能が起きる。起きているように知覚される。



To weaken is to limit, and impose an opposite that contradicts the concept that it attacks.
  • impose [impóuz] : 「課す、負わす、かける、与える」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対、正反対のもの、逆の物」
  • contradict [kɑ̀ntrədíkt] : 「〜と矛盾する、相反する」
  • concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、コンセプト、考え方、構想」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
❖ "To weaken is ~ "「弱めるということは、制限することである」。"and impose an opposite ~ "「つまり、弱いものが攻撃するという考えに矛盾する正反対のものを押し付けることなのだ」。実相的に実在する強い愛のパワーに対抗するような、実相的な憎悪のパワーは存在しない。それは幻想のパワーだ。しかし、幻想の憎悪が、実相の愛に制限を掛けることは可能であって、結果的に、愛が弱まってしまうように見えることがある。簡単に言えば、愛を憎悪という黒雲で覆い隠してしまうのだ。愛の存在(パワー)が消えたわけではないが、その姿が見えなくなって、愛が弱まってしまったように錯覚するのである。あるいは、愛が真っ黒に染まってしまったように見えるだろう。ところで、強いものは攻撃などしない。攻撃する必要がないからだ。弱いものが攻撃するのである。弱い犬ほどよく吠えるのだ。しかし、憎悪が愛を黒く染めると、こういう正しい考えに矛盾するような考えを愛に押し付けることになる(and impose an opposite that contradicts the concept that it attacks)。つまり、憎悪に猛々しく狂った者こそが、もっとも強い攻撃性をもつという考えを押し付けるのである。その結果、あたかも、憎悪が強力なパワーをもったかに見えるのである。つまり、幻想に過ぎない黒雲が、稲妻を放ち猛り狂った強風をまき散らす強烈な竜巻になってしまうのである。



And by this does it join to the idea a something it is not, and make it unintelligible.
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する、合わせる」
  • unintelligible [ʌnintélədʒəbl] : 「理解できない、不鮮明な、分かりにくい」
❖ "And by this does it join ~ "「制限し弱めることで、弱いものは、それとは異なる何かを弱さという考えに付け加え、意味不明のものに変えてしまうのである」。本来存在さえしていない幻想の憎悪が、愛に制限を加え弱めることで、憎悪こそが最も強い攻撃的なパワーをもつのだというような、本末転倒の、理解不可能な考えをもつようになる。幻想の憎悪が、幻想のパワーをもってしまうのだ。憎悪を例に出して説明したが、罪もまた然りである。罪もまた幻想に過ぎないのだが、罪を信じる気持ちは、無辜(むこ)性のもつパワーを曇らせ、無辜性を制限し弱めて、あたかも、罪と恐れこそが悪の絶大なパワーをもっているかのように錯覚するに至るのである。



Who can understand a double concept, such as "weakened power" or "hateful love"?
  • double [dʌ́bl] : 「倍の、二つの、二重の」
  • hateful [héitfl] : 「憎しみに満ちた、憎い、憎むべき、忌まわしい」
❖ "Who can understand ~ "「いったい誰が、二重概念を理解出来ようか」。"such as "weakened ~ "「『弱められたパワー』とか、『憎しみに満ちた愛』など、誰が理解出来よう」。総括しよう。現実に本当のパワーをもち得るのは実相世界の真実だけであって、幻想はパワーを持ち得ない。実相世界は一元論の世界であり、対立概念をもたない。したがって、愛のパワーは存在するが憎悪のパワーは存在しない。無辜のパワーは存在するが罪のパワーは存在しない。それらは、単なる幻想であって、真実のパワーに対抗し得るものではない。しかし、幻想が黒雲となって真実を覆い、真実を制限し弱めることがある。さらに、黒雲となった幻想は、真実の概念に幻想の概念を付け加えて、幻想の黒雲こそが強烈なパワーをもち得ると主張するに至る。憎悪が愛を殺し、罪が無辜を殺せると信じる。愛や無辜は弱々しいものであって、パワーなどなく、憎悪と罪こそが巨大な力を有していると主張するのである。存在さえしていない憎悪や罪が、いったいどうして、実相を殺すパワーをもち得るだろうか。しかし、この幻想世界の住人達は、実相を殺す幻想のパワーを信じているのである。


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