●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-27.VI.5:1 ~ T-27.VI.6:11

5. The miracle makes no distinctions in the names by which sin's witnesses are called.
  • distinction [distíŋkʃən] : 「区別、識別、差別、差異、違い」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • call [kɔ́ːl] : 「〜を叫ぶ、〜を…と名付ける」
❖ "The miracle makes ~ "「奇跡は、罪の(存在を)証言するためにそう呼ばれる名前に、区別をつけない」。"sin's witnesses"「罪の証言」とは、幻想の存在を是とする証言のことで、たとえば、肉体は罪深いから死を逃れられないとか、肉体感覚は対象の実在性を示しているとか、罪の意識や様々な感覚をもっている肉体自体こそが実在だ、などといったもののこと。それを呼ぶための名前とは、たとえば、目に対する色、耳に対する音、触覚、悲しみ、痛み、苦、絶望、死、等々の名前のこと。ヒーリングに代表される奇跡は、それらの名前が異なっていても、内容はすべて同一だと見抜いている。



It merely proves that what they represent has no effects. And this it proves because its own effects have come to take their place.
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる、〜であると分かる」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • take one's place : 「〜と交代する、〜の後がまに座る、地位を占める」
❖ "It merely proves that ~ "「奇跡は、単に、異なった名前が表しているこは、何の影響もあたえていないとわかっている」。罪や肉体を代表する数々の幻想は、名前こそ異なっていても、結果的にどれも幻想という枠組みからはみ出すことは出来ないのだと、奇跡は知っている。幻想の名前が、その結果に差異を生み出すことはない。夜見る夢の中で、種々雑多、様々な出来事に出会うだろうが、『すべて夢だった』という一言でくくれることと同じである。見た夢の結果が、現実の生活に結果を残すこともない。結果を残すことがないということで、結果に差異は生まれないのである。



It matters not the name by which you called your suffering. It is no longer there.
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "It matters not the name ~ "「あなたが、あなたの苦しみに対して用いる名前は、重要ではない」。あなたが幻想に対して、それを苦しみと呼ぼうが、快楽と呼ぼうが、痛みと言おうが、絶望と言おうが、そんな呼び名が重要なのではない。名前には、意味などないのだ。幻想は幻想として、すべて同じなのだから。



The One Who brings the miracle perceives them all as one, and called by name of fear.
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "The One Who brings ~ "「奇跡をもたらしてくれる唯一者(ホーリー・スピリット)は、それらをすべて一つのものとして知覚し、恐れという名で呼んでいる」。いろんな名前で呼ばれる幻想であるが、あらゆる幻想の根源には罪の意識があり、神の罰への恐れが隠されている。だから、ホーリー・スピリットは、罪と肉体に代表されるさまざまな幻想を、単一のものと知覚しているのだ。その幻想の根源に恐れが隠されていることも、ちゃんと知っている。蛇足になるが、恐れが爆発すると怒りに変わる。だから、怒りで荒れ狂っている者は、実は、非常に恐れているのだ。小心者ほど、よく吠えるのである。



As fear is witness unto death, so is the miracle the witness unto life.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • life [láif] : 「命、人命、生命、寿命」
❖ "As fear is witness ~ "「恐れが死を証言しているように、」"so is the miracle ~ "「奇跡は命を証言している」。神を裏切ってしまったという罪悪感と、神が罰するに違いないという恐怖が、幻想の肉体を偽創造した。したがって、エゴの思考システムに従う限り、罪深い肉体は攻撃の対象となり、攻撃され得る肉体は死をもって終わることになる。だから、恐れは死の証言者なのだ。恐れを抱いた肉体は、死から逃れられないのである。反して、奇跡は、罪も罰も幻想であり、思い込みに過ぎず、罪と罰の恐れが偽創造した肉体も幻想に過ぎないと教えてくれる。幻想を幻想として認識し、受け流して赦すとき、幻想はすべて消滅して、死さえも消滅してしまうのだ。その消滅後には、永遠不変の命が復活するのである。したがって、奇跡は命の証言者なのだ。



It is a witness no one can deny, for it is the effects of life it brings.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "It is a witness ~ "「奇跡が命を証明するその証言は、誰も否定できない証言である」。"for it is the effects ~ "「なぜなら、奇跡の証言は、奇跡がもたらす命という結果なのだから」。ここは、逆に考えた方が、解釈しやすいだろう。つまり、「なぜなら、命は、奇跡がもたらす証言の結果なのだから」。ここは、あまり、重箱の隅をつつかない方がいいだろう。奇跡が、幻想の罪や恐れや、肉体や死を消滅させて、その結果、真実の命が生み出されるのだ、ということを理解すれば十分だ。



The dying live, the dead arise, and pain has vanished. Yet a miracle speaks not but for itself, but what it represents.
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の、消苦痛、骨折り、苦労えかけている、絶滅しかけている」
  • dead [déd] : 「死んでいる、生命のない、終わってる」
  • arise [əráiz] : 「起きる、起床する」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛、骨折り、苦労」
  • vanish [vǽniʃ] : 「突然見えなくなる、消える、消えてなくなる」
  • speak for : 「の代弁をする、〜を要求する、〜をかばう」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
❖ "The dying live, the dead ~ "「死にゆく者は生き、死んだ者は起き上がり、痛みは消滅する」。奇跡が命を復活させたのだ。"Yet a miracle speaks ~ "「しかし、奇跡は、奇跡自体を語るのではなく、奇跡が表すことを代わって語るのだ」。解釈が難しい。奇跡は、奇跡が起こったこと自体が重要なのではなく、奇跡によって何が起きたのか、その結果が重要なのだ。奇跡は、奇跡のためにあるのではない。奇跡は、命を復活させるためにあるのだ。だから、たとえば、もし誰かが想念を物質化して、手のひらにリンゴを出現させたとしよう。周りの者たちは、奇跡が起きたと驚き、その奇跡を大いに称賛するだろう。しかし、それは愚かなことだ、と言っているのである。リンゴを出現させることは魔術でも奇術でも出来ることであって、奇跡は、その表す結果が大切なのだ、ということを忘れているのだ。奇跡によってリンゴが出現したして、さて、どこに命が復活しただろうか? その奇跡が、命の復活を表さない限り、それは奇跡ではない。イエスの復活は、それを教えているのである。イエスの亡骸(なきがら)が、リンゴに変わったのでは意味がないのだ。



6. Love, too, has symbols in a world of sin. The miracle forgives because it stands for what is past forgiveness and is true.
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • stand for : 「〜を表す、〜を支持する」
  • past [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の、これまでの」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "Love, too, has symbols ~ "「愛もまた、罪のこの世界に象徴をもっている」。愛を表すヒーリングであり、奇跡であり、赦しである。"The miracle forgives ~ "「奇跡は、赦すのである」。赦しが奇跡を生み出すのだ。"because it stands for ~ "「なぜなら、奇跡は、赦しを通り越したところにあるもの、真実であるものを象徴しているからだ」。"what is past forgiveness and is true"「赦しを通り越したところにある真実なるもの」とは、もちろん、愛である。奇跡は、愛の象徴なのだ。愛なくして奇跡はない。奇跡は、愛の化身である。そして、赦しなくして奇跡はない。奇跡は、赦しの化身なのだ。ところで、ヒーリングも含めて、奇跡、愛、赦し、と様々登場したが、本当は、どれがどれの象徴で、どれがどれの上位にあるか、下位にあるか、などと問うことは意味がない。実相世界は一元論世界であり、すべてが一なるものに収斂する。ヒーリングも、奇跡も、愛も、赦しも、実相世界では、みな同一である。真実という名のもとに、すべて同じなのだ。その単一の真実が、分離を象徴する二元論世界のこの世界に現れたとき、それは時にヒーリングとなり、時に奇跡と呼ばれ、時に愛の化身となり、時に赦された、と表現しているだけなのである。



How foolish and insane it is to think a miracle is bound by laws that it came solely to undo!
  • foolish [fúːliʃ] : 「ばかばかしい、思慮のない、愚かな、ばかげた」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • bound [báund] : 「縛られた、束縛された」
  • be bound by : 「〜に制約される、〜に縛られる」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ、単に」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "How foolish and insane ~ "「奇跡は、奇跡がただただ取り消すためにやって来たという法に縛られていると考えることは、なんとも愚かで、なんとも正気の沙汰ではない」。奇跡は、誤りを正して取り消してくれる。罪に対しても、それが幻想であると正しく認識して受け入れ、赦すとき、その奇跡の赦しは、罪という幻想を取り消しにして、消滅させてしまうのだ。確かに、奇跡は幻想を取り消しにするという法に従っている。しかし、奇跡は単に、その取り消しの法だけに縛られているのではないのだ。取り消しが消滅の法ならば、奇跡は、生み出す法もまたもっている。真実を生み出す法である。奇跡は、幻想を消滅させると同時に、真実を生み出すのだ。愛、喜び、美、安らぎ、真理、等々の、実相世界の真実を生み出すのである。



The laws of sin have different witnesses with different strengths. And they attest to different sufferings.
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
❖ "The laws of sin have ~ "「罪の法は、(奇跡の法とは)異なった力をもつ、異なった証言をもっている」。"And they attest ~ "「そして、罪の法は、異なった苦しみを証言する」。罪の法とは、たとえば、罪は実在で、罪を背負った肉体は本来汚れており、恥ずべきものであって、それは攻撃の対象であり、最終的に死を迎える、というもの。奇跡がプラスの力、陽の力を持っているとすれば、罪の法はマイナスの力、陰の力を持っている。本当は、実相的には、罪の法は力を持ち得ないが、幻想世界にあっては、幻想の力を持つのである。そして、奇跡が、愛や喜びや安らぎを証言者に持つように、それとはまったく異なった、恐れ、悲しみ、苦しみ、攻撃性、怒り、嫉妬、痛み、死、等々の証言者を持つ。その証言者達が証言することは、罪は苦しみを呼び、この世界で生きることは苦であり、死を持って完了する、というものである。



Yet to the One Who sends forth miracles to bless the world, a tiny stab of pain, a little worldly pleasure, and the throes of death itself are but a single sound; a call for healing, and a plaintive cry for help within a world of misery.
  • send forth [fɔ́ːrθ] : 「送り出す、発行する、派遣する」
  • bless [blés] : 「祝福する、〜を神聖にする、清める」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • stab [stǽb] : 「突き刺すこと、刺し傷、突き傷、刺すような痛み」
  • worldly [wə́ːrldli] : 「この世の、現世の」
  • pleasure [pléʒər] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと、好み」
  • throe [θróu] : 「激痛」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの、たった一人の」
  • sound [sáund] : 「音、音声」
  • call [kɔ́ːl] : 「叫び、叫び声」 healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
  • plaintive [pléintiv] : 「悲しげな、物悲しい、哀調を帯びた」
  • cry [krái] : 「叫び声、わめき声、泣き声」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側に」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ」
❖ "Yet to the One Who ~ "「しかし、この世界を祝福するために、奇跡をもたらしてくれる唯一者(ホーリー・スピリット)にとっては、小さな刺し傷の痛み、ちょっとした世俗的な楽しみ、死の激しい痛み、等々は、ただ一つの叫びとして聞こえるのである」。つまり、"a call for healing, and ~ "「それは、ヒーリングを求める呼び声、悲惨な世界の中にあって助けを求める悲痛な叫びなのである」。罪の証言者達は、百人百様の訴えをするだろうが、その根底には癒しを求め、助けを求める声が隠されている。愛の奇跡を求める声である。そのかすかな声を、唯一者であるホーリー・スピリットは聞き漏らすことはない。蛇足にあるが、"the One"「唯一者、単一者」を、ここではホーリー・スピリットと解したが、もちろん、神そのものでもよい。あるいは、キリスト考えてもいい。実相世界は一元論の世界であり、すべてが単一なるものに収斂するので、現実には、神とホーリー・スピリットとキリストは癒合して単一である。三者を混同してもかまわないのだ。二元論に分離したこの幻想世界にあっては、便宜的に三者を別々の名前で呼んでいるだけだと思えばいい。あるいは、神が変幻自在に姿を変え、あるときはホーリー・スピリットに、あるときはキリストに変身していると考えても誤りではない。



It is their sameness that the miracle attests. It is their sameness that it proves.
  • sameness [séimnis] : 「同一性、類似、酷似、単調」
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜となる」
❖ "It is their sameness ~ "「奇跡が証言していることは、罪の証言者達の訴えがみな同一である、ということだ」。"It is their sameness ~ "意訳する、「苦からの救いを求める叫び声、それが、奇跡が証明する(罪の証言の)同一性である」。だから、罪の存在を信じて苦しむ者は、みな一様に、奇跡のヒーリングで救われるのである。幻想から目覚めさせ、愛を生み出してやること、それがヒーリングであり、これによって、罪の意識で苦しむ人たちは一様に救われるのだ。



The laws that call them different are dissolved, and shown as powerless.
  • dissolve [dizɑ́lv] : 「溶解させる、分解する、解消する」
  • shown [ʃóun] : 「show の過去分詞」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
❖ "The laws that call ~ "意訳する、「罪の諸形態を異なった名前で呼ぶ罪の法は、溶解し、力なきものになってしまう」。それは痛みだ、これは怒りだと、異なった名前で呼ぶが、すべては罪の意識が生み出した幻想である。これが、罪の法。その法が、奇跡のヒーリングよって融けていき、力を失って行くのである。



The purpose of a miracle is to accomplish this. And God Himself has guaranteed the strength of miracles for what they witness to.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、成就する、達成する」
  • guarantee [ɡæ̀rəntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
❖ "The purpose of ~ "「これを成し遂げることが、奇跡の目的である」。罪の法を消滅させること、それが奇跡の目的。"And God Himself ~ "意訳する、「そして、神自身は、奇跡が、それを証言する力をもっているのだと、ずっと保証してくれているのだ」。奇跡のヒーリングが、罪を消滅させるパワーをもっていることを、神は保証している。奇跡のもつパワー、ヒーリングのもつパワーは、とりもなおさず、神のパワーにほかならない、という意味合いである。
 
 
 


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