13. How instantly the memory of God arises in the mind that has no fear to keep the memory away!
- instantly [ínstəntli] : 「すぐに、すぐさま、一瞬にして、瞬時に、即座に」
- memory [méməri] : 「記憶、思い出」
- arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- keep away : 「〜を離れた状態にしておく、近づけない、避ける」
❖ "How instantly the memory ~ "「何とすぐに、神の記憶が、(他の)記憶が遠のくのを怖がらない心の中に、立ち現れてくることか」。あなたが、この幻想世界でため込んだ記憶が色あせて遠のいてしまっても構わないと思う心に、遠い昔に忘れてしまっていた神の記憶が、聖なる瞬間に、すぐに立ち現れる。簡単に言えば、幻想の記憶の代わりに本当の記憶を望む心に、神の記憶が瞬時に現れる、ということ。
Its own remembering has gone. There is no past to keep its fearful image in the way of glad awakening to present peace.
- remembering [rimémbəriŋ] : 「想起、覚えていること」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- past [pǽst] : 「過去、昔」
- fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
- image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像、印象」
- in the way of : 「〜の邪魔になって、〜の行く手をふさいで」
- glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
- awakening [əwéikəniŋ] : 「覚醒、目覚め、気付くこと」
- present [préznt] : 「現在の、今の、目下の、当面の」
- peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Its own remembering ~ "「神の子自身の記憶は過ぎ去ったのだ」。幻想世界で夢見ていた記憶は、目が覚めると同時に消滅する。虚偽の記憶は消えるのだ。"There is no past ~ "「現在の幸せに嬉々として目覚めることを妨げる恐ろしいイメージを保持した過去はどこにもない」。恐れを抱いていた過去は夢だったと気付くのである。過去など存在せず、時間さえも存在せず、ただ今という幸せな目覚めがあるだけだ。神の子は嬉々として目覚めるのである。
The trumpets of eternity resound throughout the stillness, yet disturb it not.
- trumpet [trʌ́mpət] : 「トランペット、ラッパ」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
- resound [rizáund] : 「鳴り響く、とどろく」
- throughout [θruːáut] : 「〜の至るところに、〜の間中」
- stillness [stílnis] : 「静けさ、静止、沈黙、平静s」
- disturb [distə́ːrb] : 「〜を妨げる、邪魔をする、阻害する、乱す」
❖ "The trumpets of ~ "「永遠のトランペットが、静寂の中に響き渡る」。" yet disturb it ~ "「とは言っても、静寂を破るわけではない」。神の子が永遠不変の実相世界に目覚めたことを祝福して、トランペットが響き渡るのである。神の子の、天の王国への晴れ晴れとした帰還である。
And what is now remembered is not fear, but rather is the Cause that fear was made to render unremembered and undone.
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- rather [rǽðər] : 「むしろ、どちらかといえば」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
- render [réndər] : 「〜の状態にする」
- unremembered [ʌnrimémbərd] : 「記憶されていない、想起不能の」
- undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "And what is now ~ "「そして、今思い出されることは、恐れではない」。"but rather is ~ "「むしろ、今思い出されるのは、恐れが作られて、それによって忘れられ取り消された第一原因(である神)である」。神の子は神を裏切って神から分離し、裏切りという罪の意識を持つと同時に、神の復讐を極度に恐れるに至った。その恐れに耐えかねて自己を乖離し、エゴという別人格の自己を作り出し、さらに幻想世界を心の外に投射して偽創造し、その世界に自分を住まわせたのである。そうすることで、神の報復の恐れを忘れ、同時に、神と暮らした幸福な日々も忘却することとなった。しかし、その神と、神との幸福な日々の記憶が今蘇(よみがえ)るのである。決して、神への恐れを思い出すのではない。
The stillness speaks in gentle sounds of love the Son of God remembers from before his own remembering came in between the present and the past, to shut them out.
- stillness [stílnis] : 「静けさ、静止、沈黙、平静」
- gentle [dʒéntl] : 「優しい、穏やかな」
- between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
- shut [ʃʌ́t] out : 「締め出す、遮る」
❖ "The stillness speaks ~ "「静寂が、神の子の思い出した愛の優しい響きで語りかける」。天の王国の静寂が、神の愛を優しく語り掛けるのだ。実相世界の静寂に耳を傾ければ、神の愛が昔のように神の子に語り掛けるのが聞こえる、ということ。"from before ~ "意訳する、「その愛の響きは、ずっと以前、神の子が、現在と過去の間に自分自身の幻想の思い出を割り込ませ、神の愛の響きを遮断してしまった、その響きなのだ」。神の子が神から分離し、この幻想世界を疑似創造したことで、それまで存在しなかった時間を幻想することとなった。過去と現在が作られたのだ。その時間軸にそって、神の子は、過去を記憶し、現在にそれを思い出すというトリックを覚えたのである。同時に、それ以前の神との記憶をすべて追い出し、遮断し、拒絶てしまったのだ。神の声が聞こえなくなってしまったのだ。しかし、今、聖なる瞬間に、その神の声が、神の子の心の中に復活するのである。
14. Now is the Son of God at last aware of present Cause and Its benign Effects.
- at last : 「最後に、ついに、とうとう、やっと、ようやく」
- be aware [əwέər] of : 「〜に気付いている、〜を知っている」
- benign [bənáin] : 「恵み深い、優しい、温和な」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "Now is the Son of God ~ "「今や神の子は、ついに、現在の第一原因とその優しい結果に目覚めたのだ」。"Cause"「第一原因」とは、もちろん神のこと。"Effects"「結果」とは、神が創造したあらゆる真実。もちろん、神の子自身も、その結果に含まれる。"present"「現在の」とあるが、幻想の時間が消滅し、過去は払拭されたので、原因も結果も、今という一瞬にしか存在しない、という意味合いが込められている。
Now does he understand what he has made is causeless, having no effects at all.
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
❖ "Now does he ~ "「今や神の子は、神の子が作ったものは原因もなく、したがって、結果もまったくないのだと理解するのだ」。神の子が作ったこの世界も、疑似的な自己であるエゴも、また罪の数々も、苦も悲しみも、それはすべて幻想であり、すべて夢であり、確たる原因が存在したものではなく、したがって、原因が夢に過ぎないのだから、その結果も夢に過ぎず、存在などしていないのだと、知るのだ。
He has done nothing. And in seeing this, he understands he never had a need for doing anything, and never did.
- have a need for : 「〜を必要とする」
❖ "He has done ~ "「神の子は何もしなかった」。神の子は、ただ眠っていただけで、夢の中で幻想世界を生きていただけなのだ。実相的に見れば、神の子は、何もやってはいない。"And in seeing ~ "「このように見ることで、神の子は、決して何もする必要はないし、何もしていなかったのだと理解するのである」。神の子は何もする必要はない。ただ、目を覚まして、夢から目覚めればいいだけなのだ。
His Cause is Its Effects. There never was a cause beside It that could generate a different past or future.
- beside [bisáid] : 「〜の傍らに、〜の脇に、はずれて」
- generate [dʒénərèit] : 「〜を発生させる、〜を作り出す」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "His Cause is ~ "「神子の子の原因とは、神の結果である」。神が第一原因となって、あらゆる真実が創造され、もちろん、神の子もその結果として創造されたのだ。"There never was ~ "「異なる過去や未来を作り出すことの出来る原因は、これをおいて他になかった」。あなたが幻想の中で作る過去や未来とまったく異なった、本当に存在する実相的な過去や未来を生み出す原因は、第一原因である神をおいて他にない。
Its Effects are changelessly eternal, beyond fear, and past the world of sin entirely.
- changelessly [tʃéindʒlisli] : 「変わることなく、変化せずに」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
- beyond [bijάnd] : 「〜を越えて、〜を過ぎて、〜のかなたに」
- past [pǽst] : 「過ぎて、越えて、越して」
- entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
❖ "Its Effects are ~ "「その結果は、変わることなく、永遠であり、」"beyond fear, and ~ "「恐れを超越し、罪の世界を通り越している」。神が作り出す実相世界の結果は、永遠不変である。それは、幻想世界の恐れや罪の意識を超越し、喜びで満たされ、平和で満たされている。