5. Delay is of the ego, because time is its concept. Both time and delay are meaningless in eternity.
- delay [diléi] : 「遅延、遅滞、遅れ」
- concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
- meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限 」
❖ "Delay is of ~ "「遅延というものはエゴに属するものである」。" because time is ~ "「なぜなら、時間はエゴの概念だからだ」。"Both time and ~ "「時間も遅延も、永遠の中では意味がない」。実相世界は、無時間、無空間の世界である。
I have said before that the Holy Spirit is God's Answer to the ego.
- answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
❖ "I have said ~ "「私は以前、that以下と言った」。"that the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットはエゴに対する神の答えである」と言った。神の子が神から分離した後、神の子は自らを乖離してエゴいう偶像を作り出した。神は神の子をその幻想から救い出すために、ホーリー・スピリットを神の子に遣わした。つまり、ホーリー・スピリットはエゴに対する神の答えである。
Everything of which the Holy Spirit reminds you is in direct opposition to the ego's notions, because true and false perceptions are themselves opposed.
- remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
- remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
- direct [dərékt] : 「直接の、真っすぐな」
- opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対 」
- in direct opposition to : 「〜と正反対に、〜に真っ向から対立して」
- notion [nóuʃən] : 「概念、考え、意見、観念」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
- oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
❖ "Everything of ~ reminds you"ここまでが主語、「ホーリー・スピリットがあなたに思い出させているすべてのことは、」"is in direct ~ "「エゴの概念と真っ向から対立している」。"because true ~ "「なぜなら、本当の知覚と嘘の知覚はそれ自体対立しているからだ」。概念の出発点となるのは知覚である。その出発点が、そもそもエゴとホーリー・スピリットでは対立している。ホーリー・スピリットは叡智に支えられた正しい知覚をもち、エゴは幻想を実在だとする誤った知覚をもつ。
The Holy Spirit has the task of undoing what the ego has made. He undoes it at the same level on which the ego operates, or the mind would be unable to understand the change.
- task [tǽsk] : 「任務、職務、仕事」
- undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、取り消す」
- operate [ɑ́pərèit] : 「動作する、作動する、機能する」
- be unable to : 「〜することができない」
❖ "The Holy Spirit has ~ "「ホーリー・スピリットは、エゴが作ったものを取り消しにする役割をもつ」。幻想を消滅させる役割をもっている。"He undoes it ~ "「ホーリー・スピリットは、エゴが活動する同じレベルでそれを取り消している」。ホーリー・スピリットは、幻想世界と実相世界を行き来できる存在である。ホーリー・スピリットは、幻想レベルにあって実相の光を投げかけ、エゴの幻想を消滅させる。"or the mind ~ "「さもなければ、心は変化を理解できないであろう」。エゴが活動する幻想のレベルで、ホーリー・スピリットはエゴの作った誤りを取り消してくれる。さもなければ、幻想に馴染んでしまった心は、取り消され変化していく状況を理解できない。
6. I have repeatedly emphasized that one level of the mind is not understandable to another.
- repeatedly : 「繰り返して、再三にわたり」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、力説する」
- understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる、分かる」
❖ "I have repeatedly ~ "「私は繰り返し、that以下を強調してきた」。"that one level ~ "「心の一つのレベルは他のレベルを理解できないのだと」強調してきた。二つのレベルとは、エゴが支配する心のレベルとホーリー・スピリットが関わる心のレベル。一方は虚偽の幻想レベルであり、他方は真実の実在レベルである。一方は知覚、判断のレベルであり、他方は叡智による直覚のレベル。
So it is with the ego and the Holy Spirit; with time and eternity. Eternity is an idea of God, so the Holy Spirit understands it perfectly.
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
❖ "So it is with ~ "一方のレベルが他方のレベルを理解できないという「同じ状況は、エゴとホーリー・スピリットの間にもあてはまるし、時間と永遠の間にもあてはまる」。"Eternity is an idea ~ "「永遠は神の概念であり、したがって、ホーリー・スピリットは完全に永遠が理解できる」。しかし、エゴには永遠は理解できない。時間という幻想を作り出し、その時間に束縛される。お分かりと思うが、実相的な『永遠』とは、時間が無限に続くという意味ではない。無時間性のことだ。
Time is a belief of the ego, so the lower mind, which is the ego's domain, accepts it without question. The only aspect of time that is eternal is now.
- domain [douméin] : 「範囲、領土、領分」
- aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、」
- eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、不滅の、無限の」
❖ "Time is a belief ~ "「時間はエゴが信じていることである」。" so the lower ~ "「そこで、レベルの低い心は、それはエゴの領域なのだが、疑問を持たずに時間を受け入れている」。"The only aspect ~ "「時間がもっている唯一の永遠である側面は、今という時である」。永遠性を時間の枠組みで表現するなら、今この瞬間こそが永遠を象徴している。しかし、知覚を頼りに永遠性を実感することは私達には不可能だ。なぜなら、実相的永遠性は解釈というレベルを超えているからである。いつの日か、私達が永遠というものを叡智をもって体感、あるいは実感できるまで、この言葉は心の中にしまっておいていい。無理やり言葉で解釈することは避けよう。
7. The Holy Spirit is the Mediator between the interpretations of the ego and the knowledge of the spirit.
- mediator [míːdièitər] : 「仲介者、媒介者」
- interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、エゴの解釈とスピリットの叡智の間をとりもつ仲介者である」。ホーリー・スピリットは、実相的真実を幻想的解釈へと噛み砕いてくれる。
His ability to deal with symbols enables him to work with the ego's beliefs in its own language.
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること、手腕 」
- deal with : 「〜を扱う、〜を取り扱う、」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜が〜できるようにする」
- language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉」
❖ "His ability to ~ "「シンボルを扱うことが出来るホーリー・スピリットの能力は、エゴが信じていることに、エゴ自身の言葉を使って取り組むことができる」。神には対立概念がないから、たとえばシンボルとしての罪というものを神は知らない。神は全き無辜(むこ)だからだ。しかし、仲介者であるホーリー・スピリットは神の無辜もエゴの罪も十分に承知している。その両方に対処できるから、エゴの罪をエゴの言葉をもって取り消すことが出来るのであり、神の無辜に近づけること、それがヒーリングにつながっていく。
His ability to look beyond symbols into eternity enables him to understand the laws of God, for which he speaks.
- beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
- speak for : 「〜の代弁をする、〜を代表する」
❖ "His ability to ~ "「シンボルを越えて向こうの永遠を見ることの出来るホーリー・スピリットの能力は、神の法を理解できる」。"for which he ~ "「ホーリー・スピリットは神の代弁者なのである」。あなたが住まうこの幻想の世界は対立するシンボルのせめぎ合いの世界である。無辜と罪、善と悪、愛と憎悪、命と死、光と闇、等々。しかし、両者を知るホーリー・スピリットは、エゴの世界の対立的シンボルを弁証法的に昇華させる。たとえば、善と悪というシンボルのせめぎ合いをヒーリングすることで、永遠の存在へと心を導く。永遠の存在はもはや時間との対立概念ではなくなる。二項対立は解消され、分離分裂のない完璧な無辜、完璧な愛、完璧な光の世界となる。
He can therefore perform the function of reinterpreting what the ego makes, not by destruction but by understanding.
- perform [pərfɔ́ːrm] : 「〜を行う、実行する、遂行する」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、役割」
- reinterpret [riintə́ːrprit] : 「〜を再解釈する」
- destruction [distrʌ́kʃən] : 「破壊、破滅、破棄」
❖ "He can therefore ~ "「したがって、ホーリー・スピリットはエゴの作ったものを再解釈する機能を発揮する」。それは、"not by destruction ~ "「破壊によるのではなく、理解によって」再解釈する。対立概念であるシンボルを破壊するのではなく、理解し、再解釈することが、ホーリー・スピリットの弁証法というわけだ。
Understanding is light, but you yourself do not know this. It is therefore the task of the Holy Spirit to reinterpret you on behalf of God.
- on behalf of :「〜のために、〜の代わりに」
❖ "Understanding is light ~ "「理解とは光である」。"but you yourself ~ "「しかし、あなた自身はこのことがわからない」。理解が光だとは、真実を理解することが光の世界へ入るための入り口だということだろう。したがって、対立概念の世界で苦しむあなたは、まだ光の世界を知らない。"It is therefore ~ "ここは"It ~ to do "の構文、「神に代わってあなたを再解釈することは、したがって、ホーリー・スピリットの仕事なのである」。ホーリー・スピリットは神に代わってあなたを再解釈する。あなたを肉体ではなくスピリットとして再解釈するのである。むしろ、あなたにその解釈を与えるのだ。再解釈はホーリー・スピリットの弁証法であり、弁証法的止揚によってあなたは光の世界に向かうことが出来るようになる。ある意味で、ホーリー・スピリットの再解釈は愛であると考えていい。愛によって解釈し直すことで、あなたは止揚され、地上(幻想)から天上(実相)へ向かう。