VI. From Vigilance to Peace
警戒から平和へ
1. Although you can love the Sonship only as one, you can perceive it as fragmented.
- although [ɔːlðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
- fragment [frǽgmənt] : 「砕ける、寸断する」
- fragmented : 「崩壊した、分裂した」
❖ "Although you can ~ "「あなたは、神の子をただ一つとして愛することが出来るとは言え、あなたは神の子を分裂したものとして知覚する可能性がある」。神の子のMindは一つ。しかし、私達はそれを、多くのmindとして知覚する。だが、心の分裂は錯覚である。知覚が修正されるにしたがい、心の単一性は見えて来る。これがヒーリングである。
It is impossible, however, to see something in part of it that you will not attribute to all of it.
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、あり得ない」
- attribute [ətríbjuːt] : 「〜の結果であると考える」
- attribute to : 「〜に帰する、〜のせいにする」
❖ "It is impossible ~ " ここは"It ~ to ~ "の構文、「しかし、一部分の中だけに何かを見ようとするのは不可能だ」。ここの"something"は「大切な何か」という意味合いで、真実のこと。関係代名詞"that"を使って一部分を説明し、「あなたが、その一部分を全体に帰着させないような」一部分。つまり、簡単に言えば、全体を反映しない一部を見て、全体を見たかのように思ってしまうことはよくあることだ、ということ。私達の心は散り散りに分裂して見えるのだが、その一部を見て、一つの心(Mind)の全体を評価することは往々にして起こることだ。真実を見極めるには、そうであってはいけない。簡単に言えば、象の一部を見て、象の全体を知ったフリをしてはいけない。
That is why attack is never discrete, and why it must be relinquished entirely. If it is not relinquished entirely it is not relinquished at all.
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- discrete [diskríːt] : 「分離した、離れた、別個の」
- relinquish [rilíŋkwiʃ] : 「放棄する、手放す」
- entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に」
❖ "That is why ~ "「それが、攻撃は決して分離して起こるものではないという理由であり、」"and why it must be ~ "「攻撃は全面的に放棄されなくてはならない理由だ」。個々の心が互いに攻撃し合っているように見えるが、そうではない。一つの心が分裂したかのように錯覚され、その分裂した心どうしが攻撃し合っているのだ。だから、攻撃は心全体で、つまり全面的に放棄しなくてはならない。"If it is not relinquished ~ "「もし、攻撃が全面的に放棄されないのなら、」"it is not relinquished ~ "「それは、少しも放棄さいないことになる」。
Fear and love make or create, depending on whether the ego or the Holy Spirit begets or inspires them, but they will return to the mind of the thinker and they will affect his total perception.
- depend [dipénd] : 「〜次第である、〜による」
- depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
- whether [hwéðər] : 「〜かどうか」
- beget [bigét] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
- inspire [inspáiər] : 「呼び起こす、吹き込む」
- return to : 「〜に帰る、〜に帰還する」
- thinker [θíŋkər] : 「思想家、考え方が〜な人」
- affect [əfékt] : 「〜に作用する、〜に影響を及ぼす」
- total [tóutl] : 「全部の、すべての、全体の」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見」
❖ "Fear and love ~ "「恐れと愛は、(偽りを)作るか、あるいは(真実を)創造する」。"depending on whether ~ "「それは、エゴとホーリー・スピリットのどちらが生み出し、どちらがそれらに息吹を吹き込むかに依存するのであるが」。"but they will ~ "「しかし、作られ、あるいは創造されたものは思考者の心に戻ってくるであろうし、彼の知覚全体に影響を与えるであろう」。エゴが生み出した幻想の存在物であろうが、ホーリー・スピリットが創造した実在の真実であろうが、どちらもそれを生み出した思考者の心に戻ってきて、思考者の考え、行動に影響を与えることになる。エゴが憎しみを生めば、攻撃と恐怖が返ってくるであろうし、ホーリー・スピリットが愛を創造すれば喜びが返ってくるだろう。
That includes his concept of God, of his creations and of his own. He will not appreciate any of Them if he regards Them fearfully. He will appreciate all of Them if he regards Them with love.
- include [inklúːd] : 「〜を含める、〜を包含する」
- concept [kɑ́nsept] : 「概念、観念、考え方」
- appreciate [əpríːʃièit] : 「〜を正しく評価する」
- regard [rigɑ́ːrd] : 「ある感情を持って〜を見る」
- fearfully [fíərfəli] : 「恐れて、恐ろしいほどに」
❖ "That includes ~ "「その知覚全体に与える影響には、思考者の、神に対する考え方が含まれるし、神の創造したものに対する考え方、また思考者自身が創造したものに対する考え方も含まれる」。"He will not ap ~ "「もし〜ならば、思考者はそれらのどれも正当に評価できないであろう」。"if he regards ~ "「もし、彼が恐れを抱いてそれらを見るならば、」正当に評価できないであろう。ここの"Them"「それら」とは、神が創造したものや思考者自身が創造したもの。"He will appreciate ~ "「もし、思考者が愛をもってそれらを見るならば、彼はそれらのすべてを正しく評価できるであろう」。
2. The mind that accepts attack cannot love. That is because it believes it can destroy love, and therefore does not understand what love is.
- accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる」
❖ "The mind that ~ "「攻撃を容認する心は愛することが出来ない」。"That is because ~ "「それは、攻撃を容認する心は愛を破壊できると信じているからであり、」"and therefore ~ "「したがって、愛とは何なのか理解していないからだ」。したがって、攻撃を是とするエゴ的な人間は、実相的な愛を理解できないし、本当に愛することも、本当に愛されることもない。
If it does not understand what love is, it cannot perceive itself as loving.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
- loving [lʌ́viŋ] : 「愛情を抱いた、愛情のある」
❖ "If it does not ~ "「もし、攻撃を容認する心が、愛とは何か理解できないならば、」"it cannot perceive ~ "「その心は、それ自体を愛情あるものと知覚できないのだ」。
This loses the awareness of being, induces feelings of unreality and results in utter confusion.
- lose [lúːz] : 「失う、減らす」
- awareness [əwéərnəs] : 「自覚、意識性」
- being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生命」
- induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
- feeling [fíːliŋ] : 「感触、感覚」
- unreality : 「非現実性、虚構」
- result [rizʌ́lt] : 「帰着する、〜の結果となる」
- result in : 「結果的に〜をもたらす、〜に終わる」
- utter [ʌ́tər] : 「全くの、徹底的な、完全な」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、混乱状態」
"❖ This loses ~ "「愛を理解できない心は、存在感をも失う」。愛の実在性を知らない心は、命の実在性を知らない。したがって、実相的な存在感を得ることはない。"induces feelings ~ "「それは、非現実感を誘発し、完全な混乱状態に結実する」。実相的な存在感とは実存感であり、実存感を失えば残るのは己の幻想性だけだ。幻想はカオスを生み出し、変化流動して崩壊と死へ向かう。
Your thinking has done this because of its power, but your thinking can also save you from this because its power is not of your making.
- thinking [θíŋkiŋ] : 「考え、思考」
- because of : 「〜のために、〜のせいで 」
- save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "Your thinking has ~ "「思考のもつ力のせいで、あなたの思考はこういった非現実感や混乱を生み出す」。"but your thinking ~ "「同時に、あなたの思考は、あなたをこの状態から救い出せる」。"because its power ~ "「なぜならば、その力はあなたが作るものではないからだ」。心(思考)のもつパワーは、神から継承した想像力であり、創造力であり、愛する力、拡張する力である。その心が攻撃を容認した途端に、心は愛を失い、現実感を失い、混乱を生み出す。心が攻撃を容認する、つまり、エゴの声に耳を貸してしまったからだ。エゴに唆(そそのか)された途端、心のパワーは逆ベクトルとなり、創造力が破壊力になり、愛する力が憎悪する力になり、想像力が疑惑の力になってしまう。しかし、絶望ではない。ホーリー・スピリットの声に耳を向けることを選択し、同じ心のパワーを使って自らを混乱状態から救い出せるのだ。つまり、心のパワーの向く先を再び元の方向に向け直せばいい。
Your ability to direct your thinking as you choose is part of its power.
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること」
- direct [dərékt] : 「〜を方向づける、指揮する」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Your ability to ~ "「あなたの選択通りに、あなたの思考を方向づける能力は、心のもつ力の一部である」。選択力や指揮力も心のもつ実相的なパワー。したがって、エゴに向いた心を、ホーリー・スピリットの方向に向きを変えてやるのも心のパワーである。
If you do not believe you can do this you have denied the power of your thought, and thus rendered it powerless in your belief.
- deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む」
- render [réndər] : 「〜の状態にする」
- powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な」
❖ "If you do not ~ "「もし、あなたが、あなたはこんなことが出来ると信じられないのなら、」"you have denied ~ "「あなたは、あなたの思考のもつ力を否定してしまったことになる」。" and thus rendered ~ "「そして、否定したことで、あなたの信じる気持ちの中において、思考の力を無力化してしまったことになる」。思いは現実化する。あなたが心のパワーを否定すれば、その否定は現実化して、あなたは心のパワーを失う。