7. The third step is thus one of protection for your mind, allowing you to identify only with the center, where God placed the altar to Himself.
- protection [prətékʃən] : 「保護、防御、守ること」
- allow [əláu] : 「〜を許す、許可する」
- identify [aidéntəfài] : 「〜を同一に扱う、同一視する」
- altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
❖ "The third step is ~ "「第三のステップは、このように、あなたの心にとっての防御の一つとなっている」。"allowing you to ~ "分詞構文、単純接続、「そして、あなたが心の中心とのみ同一であることを許している」。"where God placed ~ "「そこには、神が、神のための祭壇を置いた」。第三のステップは、エゴの進出に警戒し、ホーリー・スピリットに組するように注意を怠らないことであった。もしエゴに組すれば、エゴの戦略は攻撃であるから、心は他者を攻撃しようとし、結果的に自分の心を危険にさらすことになる。対して、ホーリー・スピリットは攻撃を否定する。よって、ホーリー・スピリットに組することは心を守ることにつながる。また、ホーリー・スピリットはあなたの心と神との仲介者であるから、心の中の最も純粋で神聖な部分にあなたを導き、その部分と同一視できるようにしてくれる。その心の中心部分に神が祭壇があり、そこが神との直接的なチャンネルになっている。神との接点、神と接触できる神聖な場所、神の世界へのゲートである。ただし、心の世界は具象の世界ではなく想念の世界であるから、祭壇の形や色や表面的な様子などを想像する必要はない。
Altars are beliefs, but God and His creations are beyond belief because they are beyond question.
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰」
- creation [kriéiʃən] : 「創作物、創造、創作」
- beyond [bijɑ́nd] : 「〜の向こう側に、〜を越えて」
- question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い」
❖ "Altars are beliefs ~ "意訳する、「祭壇は信じる心に依存する」。祭壇があるかどうか、あなたの信じる気持ち次第である。"but God and ~ "「しかし、神や神が創造したものは信じることを超越している」。"because they are ~ "「なぜなら、疑問を超越しているからだ」。信じるということは、疑問や証明を越えて受け入れるという意味合いがあるが、それはこの世における受け取り方である。実相世界には『信じる』という概念はない。超克すべき疑問がないからだ。そこで、あなたは『信じる心』を通過して、やがて『知る心』に到達する必要がある。これが"Knowledge"、叡智である。簡単に言えば、『まず信じ、そして知る』となる。神を信じているという段階から、神を知っているという段階へ進むのである。
The Voice for God speaks only for belief beyond question, which is the preparation for being without question.
- preparation [prèpəréiʃən] : 「用意、準備、支度」
❖ "The Voice for God ~ "「神に代わる声は、疑問を超越して信じる気持ちのためにのみ話しかける」。"which is the ~ "「それは、疑問のない存在になることへの準備である」。神に代わる声とは、もちろん、ホーリー・スピリットの声のこと。あなたに信じる気持ちが芽生えたなら、ホーリー・スピリットはあなたに語りかけて、疑問を超越した『知る心』へと導いてくれる。叡智への準備である。
As long as belief in God and His Kingdom is assailed by any doubts in your mind, His perfect accomplishment is not apparent to you. This is why you must be vigilant on God's behalf.
- as long as : 「〜する限りは」
- assail [əséil] : 「〜を攻撃する、襲う」
- doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
- accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「達成、完成、成就」
- apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
- vigilant [vídʒələnt] : 「油断がない、用心深い」
- on one's behalf : 「〜のために、〜の利益になるように」
❖ "As long as belief ~ "「神や神の王国を信じる気持ちが、あなたの心の中の疑いによって攻撃される限り、」"His perfect accomplishment ~ "「神の完璧な成就が、あなたには明確でない(ことを示している)」。"This is why you must ~ "「そうであるから、あなたは神のために注意深くあるべきなのだ」。硬い表現であるが、神や王国を信じている心に疑いの気持ちが浸入してくることがあれば、それはまだ神の完璧な業(わざ)を疑っていることの表れであり、だからこそ、神への疑いが心に浸入して来ないように警戒していなければならない、ということ。神への疑いを煽っているのは、もちろんエゴである。
The ego speaks against His creation, and therefore engenders doubt. You cannot go beyond belief until you believe fully.
- speak against : 「〜に反対する、〜を非難する」
- engender [endʒéndər] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
- go beyond : 「〜の範囲を越える、〜に勝る、〜をしのぐ」
- fully [fúli] : 「十分に、完全に、全く、すっかり」
❖ "The ego speaks ~ "「エゴは神の創造したものに対して非難、攻撃する」。"and therefore ~ "「そしてその結果、疑いを生む」。"You cannot go ~ "「あなたが十全に信じるまでは、あなたは信じることを超越できない」。生半可に信じている限り、エゴがそこにつけ込んで、信じる心に疑いの種をまく。しかし、信じ切り、さらに信頼し、確信し切る極限には、信じることを超越した境地が待っており、そうなれば、疑いが浸入してくることなどない。その境地が叡智であり、悟りである。そこにはもはや、信じるという言葉はない。
8. To teach the whole Sonship without exception demonstrates that you perceive its wholeness, and have learned that it is one.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な」
- exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
- demonstrate [démənstrèit] : 「実演する、実証する」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を把握する」
- wholeness [hóulnis] : 「全部そろっていること、完全であること」
❖ "To teach the ~ "「例外なく、完璧な神の子を教えることは、あなたが神の子の完璧さを知覚していることを示しており、」"and have learned ~ "「神の子が一つであることを学んだことを示している」。ACIMでは、教えることと学ぶこと、さらに知ることがオーバーラップする。"whole"や"wholeness"はACIMでは頻繁に登場する単語であるが、欠けた所がなく、無傷で、完璧なことを意味し、神の属性を神の子が引き継いでいることを暗に示している。したがって、神の子が例外なくみんな完璧であることが知覚できれば、それは神と神の子の完全性を知ったこととなり、その時点で、神の子が神とつながった一つの存在なのだと理解される。まさに、自他一如を知るのである。
Now you must be vigilant to hold its oneness in your mind because, if you let doubt enter, you will lose awareness of its wholeness and will be unable to teach it.
- enter [éntər] : 「〜に入る、〜に参加する」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する」
- awareness [əwéərnəs] : 「認識、気付いていること」
- be unable to : 「〜することができない」
❖ "Now you must ~ "「今や、あなたはあなたの心の中で(神の子が一つであるという)単一性を保持するために注意深くあらねばならない」。"if you let ~ "「もし、あなたが、疑いが心に入ってくることを許したなら、」"you will lose ~ "「あなたは神の子の完全性の認識を失うことになり、」"and will be ~ "「その完全性を教えることも叶わなくなるであろう」。
The wholeness of the Kingdom does not depend on your perception, but your awareness of its wholeness does.
- depend [dipénd ] on : 「〜に頼る、〜次第である」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、見識、感じ方」
❖ "The wholeness of ~ "「王国の完璧性はあなたの知覚に依存するものではないが、」"but your awareness ~ "「王国の完璧性を認識することはあなたの知覚に依存する」。あなたの知覚が誤っていても、天の王国の完璧さは損なわれることはないが、あなたが天の王国の完璧さを知るには、あなたの知覚が正しくなくてはならない。知覚を修正し、ヴィジョンをもって天の王国を見ることが出来るようにならないくてはいけない。
It is only your awareness that needs protection, since being cannot be assailed.
- protection [prətékʃən] : 「保護、防御」
- assail [əséil] : 「〜を攻撃する、襲う」
❖ "It is only your ~ "「防御が必要なのはあなたの認識だけである」。"since being cannot ~ "「なぜなら、存在は攻撃されることはないからだ」。認識は知覚に依存するのだから、知覚次第ではどの様にも変化する。その意味では認識はもろいものであり、防御が必要である。防御といっても、ここでは正しい知覚を維持することを意味する。ところで、実相的な存在はどうであろうか? 実相的な存在は確定した真実であるから、その意味では変化しない。神の子としての実存は、いかなる攻撃に対しても堅固である。存在は攻撃され得ないが、攻撃されうるのは存在に対するその知覚、認識である。
Yet a real sense of being cannot be yours while you are doubtful of what you are. This is why vigilance is essential.
- sense [séns] : 「感覚、感触、知覚」
- yours : 「あなたのもの 」
- while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に」
- be doubtful [dáutfl] of : 「〜を疑う」
- vigilance [vídʒələns] : 「警戒、用心」
- essential [isénʃəl] : 「必要なもの、不可欠なもの」
❖ "Yet a real sense ~ "「しかし、あなたが本来のあなた自身に疑いをもっている間は、真の存在感はあなたのものにならない」。自分が完璧な神の子であることに疑いを抱いているうちは、実相的な存在感は感じられない。"This is why ~ "「こうした理由で、警戒は必須なのである」。自分自身に対する疑いが起きないように警戒する必要がある。
Doubts about being must not enter your mind, or you cannot know what you are with certainty.
- certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然」
❖ "Doubts about being ~ "「存在に対する疑いはあなたの心に浸入するべきものではない」。"or you cannot ~ "「さもなければ、あなたは確信をもって本当の自分が何なのか知ることは出来ない」。
Certainty is of God for you. Vigilance is not necessary for truth, but it is necessary against illusions.
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理」
- illusion [ilúːʒən] : 「錯覚、錯視、空想」
❖ "Certainty is of God ~ "「確信とはあなたのために神がもっているものである」。神は確信をもってあなたが神の子であることを知っている。なぜなら、神があなたを創造したのだから。"Vigilance is not ~ "「警戒は真実には必要ないが、」"but it is necessary ~ "「錯覚を避けるためには必要である」。"belief"はあなたの心に属するが、"Certainty"は神由来のものである。つまり、信じることと確信することの二つは、存在のレベルが異なるのだ。真実は確実に存在するものだから警戒の必要はないが、錯覚や幻想は心に浸入してくる可能性があるので、警戒が必要なのだ。