3. The ego does not want to teach everyone all it has learned, because that would defeat its purpose.
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、覚える、習う」
- defeat [difíːt] : 「駄目にする、無にする」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図」
❖ "The ego does ~ "「エゴは、学んだすべてをみんなに教えたいとは思わない」。"because that would ~ "「なぜなら、そうすることはエゴの目的をぶち壊しにするからだ」。エゴの目的は分離の維持促進であって、独占することはあっても分かち合うことはない。
Therefore it does not really learn at all. The Holy Spirit teaches you to use what the ego has made, to teach the opposite of what the ego has "learned".
- really [ríːli] : 「実際には、確かに」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない」
- opposite [ɑ́pəzit] : 「正反対の、逆の」
❖ "Therefore it does ~ "「したがって、エゴは本当は何も学んでいない」。教えることは学ぶことと同一である。教えることを拒否するなら、学びも拒否したこととなり、結果的に何も学ばないことになる。"The Holy Spirit teaches ~ "「ホーリー・スピリットは、エゴが作ったのもを利用することをあなたに教える」。ホーリー・スピリットは、幻想の世界の錯覚を学びの補助装置として利用する。"to teach the opposit ~ "「エゴが学んだことの反対のことを教えるために、」エゴが作ったものを利用することをあなたに教える。要するに、エゴを反面教師に見立てるわけだ。
The kind of learning is as irrelevant as is the particular ability that was applied to the learning.
- irrelevant [iréləvənt] : 「見当違いの、重要でない」
- particular [pərtíkjulər] : 「独特の、特有の、特別な」
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、手腕」
- apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
❖ "The kind of learning ~ "「学ぶ内容の種類は、学ぶことに適用する特別の能力同様、重要ではない」。何をどうやって学ぶかは重要でない。ACIMのカリキュラムはすでに決まっており、それを変更しないようにとACIMの冒頭で述べられている。また、真実も奇跡も容易なものであって、特別な能力を必要としないとも既に述べられている。
All you need do is make the effort to learn, for the Holy Spirit has a unified goal for the effort.
- need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
- effort [éfərt] : 「努力、尽力、骨折り」
- make an effort : 「努力する」
- unify [júːnəfài] : 「統一する、一体化する、単一化する」
- unified : 「一つにまとめられた、統合された」
- goal [góul] : 「目標、目的」
❖ "All you need ~ "「あなたに必要なもののすべては、学ぶ努力をすることである」。" for the Holy Spirit ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットには、努力した結果の統合された目的があるからだ」。つまり、何のために学ぶ努力が必要なのかと考えなくていい。あなたが学ぶ努力さえ怠らなければ、ホーリー・スピリットは数々の努力を統合した先に達成される目的をちゃんと知っていて、あなたをそこへ導いてくれる。
If different abilities are applied long enough to one goal, the abilities themselves become unified.
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- enough [inʌ́f] : 「十分に」
❖ "If different abilities ~ "「もし、異なった(何種類かの)能力が、一つの目的に向けて、十分長く適用されれば、」"the abilities themselves ~ "「それらの能力自体が統合されていく」。一見ばらばらな能力が、辛抱強く一つの目的に向けて発揮されていけば、ばらばらだった能力が一つに統一されていく。たとえば、神に回帰する目的をもって、日々ACIMを学んでいくことや、人の誤りを赦すことや、怒りを制御することを、それぞれの能力を使って努力し実行していけば、一見ばらばらな能力とその努力は、神への回帰という目的にそって統一されていく。
This is because they are channelized in one direction, or in one way.
- channelize [tʃǽnəlàiz] : 「= channel」
- channel [tʃǽnl] : 「道を開く、〜を導く」
- direction [dirékʃən] : 「方角、方向、道順、方位」
❖ "This is because ~ "「これは、それらの能力が一つの方向、一つの道に沿って導かれているからである」。もちろん、大局的には、神への回帰の方向であり、神への回帰の道である。その道中に幻想からの覚醒があり、そのための赦しがあり、贖罪がある。
Ultimately, then, they all contribute to one result, and by so doing, their similarity rather than their differences is emphasized.
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「最後に、最終的に」
- contribute [kəntríbjuːt] : 「貢献する、寄与する」
- result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
- similarity [sìməlǽrəti] : 「 類似、類似点、相似」
- difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重視する」
❖ "Ultimately, then ~ "「そこで、最終的には、(色々な)能力はすべて、一つの結果に貢献する」。"and by so doing ~ "「そして、そうすることで、それらの能力の類似性が、相違性よりも強調される」。すべての能力が神への回帰という目的のために貢献する。目的が一つなので、能力は類似性が強調される。たとえば、人を赦す能力と怒りを抑える能力は、その我慢強さが類似性として強調される。懐の深さ、おおらかさなども類似性として強調されるであろう。
余談になるが、知性や理性は、ACIMでは能力として評価されない。まして、知識の豊富さは求められない。むしろ、知識をひけらかすことは学びを阻害することはあっても、学びの達成に寄与することはない。
4. All abilities should therefore be given over to the Holy Spirit, Who understands how to use them properly.
- give over : 「明け渡す、引き渡す、譲る」
- properly [prɑ́pərli] : 「適切に、適当に、相応に」
❖ "All abilities should ~ "「したがって、すべての能力(の使い方)はホーリー・スピリットに任せてしまうべきである」。"Who understands ~ "「ホーリー・スピリットはそれらの能力の適切な使い方を理解しているのだから」。たとえば、我慢強さという能力を見ても、それを熱さや寒さを我慢することに使っても意味はない。我慢強さという能力の使い方はホーリー・スピリットに任せてしまっていいのだ。ホーリー・スピリットは、適切な使い方も、その利用目的もちゃんと知っているのだから。
He uses them only for healing, because he knows you only as whole.
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "He uses them ~ "「ホーリー・スピリットは(任された)能力をヒーリングのためだけに使う」。幻想から目覚めるために能力を利用する。"because he knows ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットはあなたが完全であることだけを知っているからだ」。あなたが完全であることを知っているので、ホーリー・スピリットは任された能力を使って新たに何かをあなたに付け加えたり、あるいは削り取ったりすることはない。その能力を使ってあなたの知覚の歪みを矯正したり、正しく機能することを思い出させたりするだけだ。それがホーリー・スピリットのヒーリング。
By healing you learn of wholeness, and by learning of wholeness you learn to remember God.
- wholeness [hóulnis] : 「全体」
- remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
❖ "By healing you ~ "「ヒーリングによって、あなたは全体性(完全性)を学ぶ」。"and by learning ~ "「全体性(完全性)を学ぶことで、あなたは神を思い出すことを学ぶ」。あなたが神の創造した完全な神の子であることを、ヒーリングによって思い出すのである。たとえば、あなたが完全な神の子であるなら、罪など存在しないと理解できる。罪は幻想なのだと知る。かくして、あなたの罪の意識はヒーリングされる。ACIMの言う贖罪である。
You have forgotten him, but the Holy Spirit understands that your forgetting must be translated into a way of remembering.
- forgotten [fərgɑ́tn] : 「forget の過去分詞形」
- forget [fərgét] : 「〜を忘れる、見落とす」
- translate [trænsléit] : 「〜を翻訳する、訳す」
❖ "You have forgotten ~ "「あなたは神を忘れていた」。"but the Holy Spirit ~ "「しかし、ホーリー・スピリットはthat以下を理解している」。"that your forgetting ~ "「あなたが神を忘れていたことは、思い出す方法へと翻訳されねばならない」と理解している。忘れていた神を思い出させること、それがホーリー・スピリットのヒーリングである。神を忘れていたからこそ、今思い出すのである。また、エゴの教えだけを覚えているから、今、エゴを忘れるのである。