3. Outside the Kingdom, the law that prevails inside is adapted to "What you project you believe."
- prevail [privéil] : 「広く行き渡る、普及する」
- adapt [ədǽpt] : 「〜を適合させる、適応させる」
- project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する」
❖ "Outside the Kingdom ~ "「王国の外では、王国の内側で行き渡っている(心の)法則が、『あなたが(外部へ)投影したものを、あなたは信じる』ということに適応される」。心のもつ実相的なパワーは、その思いを現実化させることが出来る。これが、『天の王国の内側で行き渡っている法則』である。天の王国の外の幻想世界にあっても、心のパワーは幻想世界に適応し、心の思いを心の外に投影して、あたかも実在する現実を作り出しているように見せかける。あなたの知覚は簡単に騙されて、実在しないものがそこに実在しているかのように信じてしまうのだ。
This is its teaching form, because outside the Kingdom learning is essential.
- teaching [tíːtʃiŋ] : 「教えること、指導」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、型、タイプ」
- learning [lə́ːrniŋ] : 「学ぶこと、学習」
- essential [isénʃəl] : 「絶対必要な、必須の」
❖ "This is its ~ "「これは、教えるための形式である」。この世界では、心のもつパワーによる投影によって、教えたり学んだりしている、ということ。"because outside ~ "「なぜならば、王国の外にあっては、学ぶことは必須だからだ」。天の王国に住まう心は叡知と一体の心であるからすべてを知っている。王国では学ぶ必要はない。しかし、幻想の世界は錯誤の世界であり、そこから脱出するためには真実を知るための教えを学ばなくてはならない。
This form implies that you will learn what you are from what you have projected onto others, and therefore believe they are.
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する」
❖ "This form implies ~ "「この(学びの、あるいは教えの)形式はthat以下のことを暗に示している」。"that you will ~ "「あなたは、あなたが他者の上に投影したものから自分自身を学び、それゆえ、彼らはそういうものであると信じるであろう」ことを暗に意味している。あなたは自分の心に抱いていることを外部へと投射する。そこに幻想の世界が知覚され、知覚したものをそのまま実在だと信じてしまう。したがって、自分の周りの世界は、ちょうど鏡のように自分の心を映しているのだ。たとえば、もし、あなたの周りの人間が憎むべき悪人に見えたなら、あなたはその他者を悪人だと信じてしまうだろうが、一歩下がって鏡の中の現象だと知れば、あなたの心が自分の憎しみを他者の上に投影しているだけだ、と気付くことになる。かくして、自分自身の心を学ぶことになる。
In the Kingdom there is no teaching or learning, because there is no belief. There is only certainty.
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念」
- certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと」
❖ "In the Kingdom ~ "「王国には教えることも学ぶこともない」。"because there is ~ "「なぜなら、王国には信じるということがないからだ」。"There is only ~ "「あるのは、ただ確信だけである」。確信がないから信じる行為が生まれる。王国には確信のみがあるから、信じることは不必要だ。つまり、真実であることを『知って』いれば、信じる必要はないのだ。知るは"know"であり、すべてを知っている実体が叡智"knowledge"である。
God and his sons, in the surety of being, know that what you extend you are.
- surety [ʃúərəti] : 「保証、保証人」
- extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
❖ "God and his sons ~ "「神と神の子は、存在の確信の中に、that以下を知っている」。"in the surety of being"であるが、「自分が確かに存在しているという確信をもって」という意味合い。"that what you ~ "「あなたが拡張しているものこそ、自分自身である」と知っている。王国の中で、心は愛、慈悲、確信、喜び、等々の真実を分かち合い、したがってそれらを拡張増大させている。その拡張する姿こそが自分自身なのだと、自分の存在に確信を持っている。つまり、それが自分なのだと『知って』いるのだ。
That form of the law is not adapted at all, being the law of creation. God himself created the law by creating by it.
- adapt [ədǽpt] : 「〜を適合させる、適応させる」
- creation [kriéiʃən] : 「創造、創作」
❖ "That form of ~ "「法のそのような形式はまったく適応されない」。心が思いを投影することによって幻想を生み出すという法は、天の王国の世界には適応しない。幻想が実相に順応することは不可能である。なぜなら、"being the law of ~ "「(王国の法は)創造の法だからだ」。幻想を生み出す行為は創造ではない。真実の拡張という創造だけが存在する世界に、幻想を生み出す法が適応できるわけがない。"God himself created ~ "「神自身は、法によって創造することで、法を創造した」。創造の法こそが王国の法である。愛や喜びを分かち合い拡張増大させるということが創造の法である。この法を法たらしめたのは神である。つまり、創造こそが最も自然な存在形態だと、神は認めたのだ。『愛や喜びを分かち合い拡張増大させることを創造となし、その創造をなすことで』、神は"created the law"『法というものを創造した、法というものに形を与えた』のだ。つまり、神の業(わざ)そのものが法となったのである。
And his sons, who create like him, follow it gladly, knowing that the increase of the Kingdom depends on it, just as their own creation did.
- follow [fɑ́lou] : 「ついて行く、〜に従う」
- gladly [ɡlǽdli] : 「喜んで、うきうきしながら」
- increase [inkríːs] : 「増加、増大、増進」
- depend [dipénd] : 「〜次第である、〜による」
- depend on : 「〜によって決まる、〜次第である 」
❖ "And his sons, who ~ "「そして、神の子は、神と同じように創造するのだが、喜んでそれに従う」。"it"「それ」は神の創造した創造の法と考えていいだろう。"knowing that the ~ "分詞構文、ここは理由、「神の子はthat以下を知っているので」喜んでそれに従う。"that the increase~ "「神の子自体の創造もその法に依存したように、王国の増大もその創造の法に依存すると」知っているから、喜んでそれに従う。依存と書いたが、準ずるという意味合い。
4. Laws must be communicated if they are to be helpful. In effect, they must be translated for those who speak different languages.
- communicate [kəmjúːnikèit] : 「知らせる、伝える、伝達する」
- helpful [hélpfl] : 「役立つ、助けになる、有益な」
- In effect [ifékt] : 「事実上、実質的に、実際には」
- translate [trænsléit] : 「〜を翻訳する、訳す」
- those who : 「〜する人々」
- different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
- language [lǽŋgwidʒ] : 「言語、言葉」
❖ "Laws must be ~ "「法というものは、もし、それが役に立つようにするには、伝達されなければならない」。"In effect, they ~ "「実際、法は、異なる言語を話す者たちのために翻訳されなくてはならない」。ホーリー・スピリットは、実相世界の神の法を幻想世界の神の子が理解できる言語に翻訳してくれる。
Nevertheless, a good translator, although he must alter the form of what he translates, never changes the meaning.
- nevertheless [nèvərðəlés] : 「それにもかかわらず」
- translator [trænsléitər] : 「翻訳者、通訳者」
- although [ɔːlðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが」
- alter [ɔ́ːltər] : 「変える、変更する、改める」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
❖ "Nevertheless, a good translator ~ "「それにもかかわらず、良き翻訳家は、彼が翻訳することの形式は変えなくてはならないにしても、決して意味を変えることはない」。言語は変えるが、その内容を改竄することは決してない。ACIMの冒頭に、カリキュラムを変えてはいけないという指示があるが、ACIMの内容に手を加えてはいけないということだ。
In fact, his whole purpose is to change the form so that the original meaning is retained.
- in fact : 「事実は、実は、実際には」
- whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、意向」
- so that : 「〜できるように 」
- original [ərídʒənl] : 「元の、初めの、最初の」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義 」
- retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する」
❖ "In fact, his ~ "「事実、良き翻訳家の目的のすべては、オリジナルの意味を保持できるように、(表現)形式を変えることである」。オリジナルな意味を変えずに、表現形式だけを変えるのが良き翻訳家の仕事。
The Holy Spirit is the Translator of the laws of God to those who do not understand them.
- translator [trænsléitər] : 「翻訳者、通訳者、翻訳家」
❖ "The Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットは、神の法を理解できない者に向けた、神の法の翻訳家である」。
You could not do this yourself because a conflicted mind cannot be faithful to one meaning, and will therefore change the meaning to preserve the form.
- conflict [kənflíkt] : 「衝突する、対立する、矛盾する 」
- conflicted : 「矛盾した」
- faithful [féiθfl] : 「信頼できる、誠実な」
- preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する」
❖ "You could not ~ "「あなたは自分で神の法の翻訳をすることは出来ない」。"because a conflicted ~ "「なぜなら、矛盾した心は一つの意味に対して誠実ではなく、したがって、(表現)形式を保持するために意味を変えてしまいかねないからだ」。"conflicted mind"とは、エゴとホーリー・スピリットの両者が対立しながら存在する心のこと。したがって、たとえば『愛』という言葉一つをとってみても、エゴの言う『愛』はホーリー・スピリットの言う『愛』とは正反対の意味になってしまい、矛盾する心はそのどちらか一つの意味に誠実にはなれない。その結果、翻訳の表面上の形式は保てたとしても、言葉の意味内容は変化してしまう。