7. What can the perfect consistency of the Kingdom mean to the confused?
- perfect [pə́ːrfikt ] : 「完璧な、完全な」
- consistency [kənsístənsi] : 「一貫性、整合性」
- confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、困惑させる」
- confused : 「困惑した、混乱した」
❖ "What can the ~ "「王国の完璧な一貫性は、混乱した者にとって何を意味し得るか」。"the confused"は、エゴとホーリー・スピリットの両者の声を聞くことで混乱を起こしている者。心の混乱した者にとって、天の王国の一貫性は何の意味ももたない。
It is apparent that confusion interferes with meaning, and therefore prevents the learner from appreciating it.
- apparent [əpǽrənt] : 「明らかな、明白な」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混同、混乱状態、困惑」
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、干渉する」
- interfere with : 「〜を妨げる、〜に干渉する」
- prevent [privént] : 「阻止する、妨げて〜させない」
- prevent A from doing : 「Aが〜するのを妨げる」
- appreciate [əpríːʃièit] : 「〜を正しく評価する」
❖ "It is apparent ~ "「that以下は明白である」。"that confusion ~ "「混乱は(正しい)意味が伝わらないように妨害する」とうのは明白だ。"and therefore ~ "「したがって、混乱が、学ぶ者がそれを正しく評価することを妨げる」というのも明白だ。
There is no confusion in the Kingdom, because there is only one meaning.
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、真意」
❖ "There is no ~ "「王国には(意味解釈の)混乱はない」。"because there is ~ "「なぜならば、王国にはただ一つの意味しかないからだ」。エゴは王国に存在できなから、意味は神の意図するだた一つであり、もちろん心に混乱は起きない。
This meaning comes from God and is God. Because it is also you, you share it and extend it as your Creator did.
- come from : 「〜から来る、〜に由来する」
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- extend [iksténd] : 「広げる、拡張する、拡大する」
❖ "This meaning comes ~ "「この意味は神からやって来るのであり、神そのものだ」。"Because it is ~ "「それはまた、あなたでもあるから、」"you share it ~ "「あなたはそれを分かち合い、拡張する」。"as your Creator ~ "「あなたの神がそうしたように」。ここまで来ると、"meaning"「意味」という言葉が、ほとんど「真実」と同義語のように扱われているのがわかる。なぜなら、王国における意味あるものとは真実だからだ。そこで、ここの文章の「意味」を「真実」に置き換えてみると、「真実は神からやって来るのであり、真実は神そのものである。あなたも真実であるから、あなたは同胞と真実を分かち合い、真実を拡張する。あなたの神もそうしたように」となって、意味がすんなり通る。「意味」と「真実」を同義語ととらえるのはあまりにも飛躍しすぎだと感じるなら、"meaning"を「真実なる意味」ととらえたらいいだろう。
This needs no translation because it is perfectly understood, but it does need extension because it means extension.
- translation [trænsléiʃən] : 「翻訳、訳、解釈」
- perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完璧に」
- understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、納得する」
- extension [iksténʃən] : 「拡張、延長、伸展」
❖ "This needs no ~ "「これは翻訳の必要はない」。"because it is ~ "「なぜなら、それは完全に理解されているからだ」。"but it does need ~ "「しかし、それは拡張する必要はある」。"because it means ~ "「なぜなら、それは拡張を意味するからだ」。ここも、「これ」や「それ」を「真実」に置き換えてみよう。「真実は翻訳の必要がない。なぜなら、真実は完璧に理解されているからだ。しかし、真実は拡張する必要はある。なぜなら、真実は拡張を意味するからだ」。王国における真実(あるいは、真実なる意味)は、叡知によって完璧に理解されている。したがって、理解のために翻訳する必要などない。しかし、真実は心によって分かち合われるものであり、分かち合うことで増大、拡張する。真実も含め、王国に存在する限り、その属性に拡張性というものが現れるは、当然といえば当然かもしれない。なぜなら、分かち合いによる真実の拡張こそが創造であり、創造は天の王国そのものだからだ。
Communication is perfectly direct and perfectly united. It is totally free, because nothing discordant ever enters.
- communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「通信、連絡、伝達」
- direct [dáirekt] : 「直接の、率直な」
- united [junáitid] : 「結ばれた、結合した」
- totally [tóutəli] : 「全体的に、全く、完全に」
- discordant [diskɔ́ːrdənt] : 「調和しない、争っている」
- enter [éntər] : 「〜に入る、〜に立ち入る 」
❖ "Communication is ~ "「コミュニケーションは完璧に直接的であり、完璧に結ばれている」。"It is totally free ~ "「不協和音の元となるものは何も入ってこないので、コミュニケーションは完全に自由である」。王国におけるコミュニケーションは完全に直接的、結合的、自由そのものである。王国におけるこのコミュニケーションを言葉による通信と考えてはいけない。むしろ、心と心が直接共鳴し合っているようなイメージを描いた方がいい。ところで、不協和音のもととなるものとは、簡単に言えばエゴの声、エゴそのものと考えていいだろう。エゴは王国には入れない。なぜなら、王国は実在であり、エゴは幻想、錯覚だからだ。
That is why it is the Kingdom of God. It belongs to him and is therefore like him. That is its reality, and nothing can assail it.
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
- belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、実態、実相」
- assail [əséil] : 「 〜を攻撃する、襲う」
❖ "That is why ~ "「それこそは、神の王国たる所以(ゆえん)である」。"It belongs to ~ "「王国は神に属し、したがって、神に似ている」。"That is its reality ~ "「それこそ、王国の実相であり、」"and nothing can ~ "「何ものも王国を攻撃することは出来ない」。ここは詩的表現の高揚した部分であり、理屈で解釈する必要はないだろう。朗読することをお勧めする。
III. The Reality of the Kingdom
王国の実相
1. The Holy Spirit teaches one lesson, and applies it to all individuals in all situations.
- apply [əplái] : 「適用する、応用する、当てはめる」
- individual [ìndəvídʒuəl] : 「個人、特定の人」
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、状態、事情」
- in all situations : 「すべての状況で」
❖ "The Holy Spirit teaches ~ "「ホーリー・スピリットはたった一つのレッスンを教える」。"and applies it ~ "「そして、それを、すべての状況下で、すべての個人に適用する」。
Being conflict-free, he maximizes all efforts and all results. By teaching the power of the Kingdom of God himself, he teaches you that all power is yours.
- conflict [kɑ́nflikt] : 「葛藤、軋轢、争い」
- -free : 「〜のない、〜が含まれていない」
- maximize [mǽksəmàiz] : 「最大にする、極大化する」
- effort [éfərt] : 「努力、尽力、試み」
- result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、効果、成果」
❖ "Being conflict-free ~ "分詞構文、理由、「コンフリクト・フリーなので、ホーリー・スピリットは最大限の努力をし、最大限の効果を生み出す」。"By teaching the ~ "「神自身の王国のパワーを教えることで、」"he teaches you ~ "「ホーリー・スピリットはあなたにthat以下を教える」。"that all power ~ "「すべてのパワーはあなたのものである」と教える。本来、神の子は神の属性のすべてを継承している。神のパワーもその一つである。そのパワーを無自覚のままに誤って使うと、幻想世界をでっち上げてしまうのだ。
Its application does not matter. It is always maximal. Your vigilance does not establish it as yours, but it does enable you to use it always and in all ways.
- application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、利用」
- matter [mǽtər] : 「重要である、重要になる」
- maximal [mǽksəml] : 「最大の、極大の、最高の」
- vigilance [vídʒələns] : 「警戒、用心」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する、成立させる」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜が…できるようにする」
❖ "Its application does ~ "「そのパワーをどう利用するかは問題ではない」。誤った使い方をしてもいい、という意味ではなく、誤って使ったとしてもパワーは問題なく全開に発揮されるという意味合い。"It is always ~ "「パワーはいつも最大限である」。"Your vigilance does ~ "「注意深くあることが、そのパワーをあなたのものとして確立するのではないが、」"but it does ~ "「しかし、そのパワーは、あなたがいつでも、どんな形でも使えるようにしてくれる」。神のパワーの使い方は、あなた次第である。
When I said "I am with you always," I meant it literally. I am not absent to anyone in any situation.
- meant [mént] : 「mean の過去・過去分詞形」
- literally [lítərəli] : 「文字どおりに、逐語的に」
- absent [ǽbsənt] : 「いない、不在の、留守の」
- in any situation : 「いかなる状況においても」
❖ "When I said ~ "「私が『私はいつもあなた方と共にいる』と言ったとき、」"I meant it ~ "「文字通りの意味で言ったのだ」。イエスはホーリー・スピリットとしていつもあなたの心の中にいる。あるいは、イエスはあなたの心の中のホーリー・スピリットと常に連絡し合っている。"I am not absent ~ "「私は、どんな状況下においても、誰からも離れたりしない」。"I am with you always"はマタイによる福音書28:20に登場する。参考までに載せておく。
[Matthew28:18~28:20 from King James Bible]
And Jesus came and spake unto them, saying, All power is given unto me in heaven and in earth. Go ye therefore, and teach all nations, baptizing them in the name of the Father, and of the Son, and of the Holy Ghost: Teaching them to observe all things whatsoever I have commanded you: and, lo, I am with you alway, even unto the end of the world. Amen.
イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(新共同訳)
Because I am always with you, you are the way, the truth and the life. You did not make this power, any more than I did.
- not A any more than B : 「BがそうでないようにAでない」
❖ "Because I am ~ "「私は常にあなたと共にいるのだから、」"you are the way ~ "「あなたは道であり、真理であり、命である」。"You did not ~ "「私がこのパワーを作ったのではないように、あなたがこのパワーを作ったのでもない」。もちろん、このパワーは神から継承したものである。なお、"the way, the truth and the life"はヨハネによる福音書14:6に登場する。ここに載せておく。
[John 14:5~14:7 from King James Bible]
Thomas saith unto him, Lord, we know not whither thou goest; and how can we know the way? Jesus saith unto him, I am the way, the truth, and the life: no man cometh unto the Father, but by me. If ye had known me, ye should have known my Father also: and from henceforth ye know him, and have seen him.
トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」(新共同訳)
It was created to be shared, and therefore cannot be meaningfully perceived as belonging to anyone at the expense of another.
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- meaningfully [míːniŋfəli]: 「意味があるように」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を見抜く」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
- belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
- at the expense of : 「〜を犠牲にして」
❖ "It was created ~ "「そのパワーは分かち合うために創造された」。"and therefore cannot ~ "直訳すると、「したがって、そのパワーは、他の者を犠牲にしてまで誰かに属していると意味あり気に知覚される可能性はない」。つまり、絶大なパワーが、誰かには与えられることなく、しかし特定の一人にだけ与えられるなどということは意味のあることではない。簡単に言うと、そのパワーは独占してはいけない、ということ。イエスのもっていたパワーは、当然あなたももっている。
Such a perception makes it meaningless by eliminating or overlooking its real and only meaning.
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、感じ方」
- meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
- eliminate [ilímənèit] : 「〜を取り除く、排除する、除去する」
- overlook [òuvərlúk] : 「見落とす、見過ごす、大目に見る」
❖ "Such a perception ~ "「そのような知覚は、パワーの持っている真の、唯一の意味を見過ごすか、あるいは除去することによって、そのパワーを意味のないものにしてしまう」。パワーが特定の者に独占されているように知覚すること、あるいは特定の者に独占されるべきだと知覚することは、そのパワーをもって他者を抑圧、征服したいという思いがあるからだ。それがエゴでも神でも、あるいは偶像でも同じことである。パワーは分かち合うことで増大、拡張するのであって、それがパワーのもっいる属性であり、意義である。それを無視して、パワーを独り占めにすべきだという知覚は、パワーの持っている意味をまったく台無しにしている。