●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-19.IV.C.5:1 ~ T-19.IV.C.6:5

5. You have another dedication that would keep the body incorruptible and perfect as long as it is useful for your holy purpose.

  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく、(状態を)保つ、〜にしておく」
  • incorruptible [ìnkərʌ́ptəbl] : 「腐食しない、溶解しない、高潔な、清廉潔白な」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完璧な、完全な、全くの、完全無欠の」
  • as long as : 「〜さえすれば、〜する限り、〜である限りは」
  • useful [júːsfl] : 「役立つ、実用的な、有用な」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "You have another ~ "「あなたは、肉体が神聖な目的に有用である限り、その肉体を腐ることなく完璧にしておくような、また別の、専心出来るものをもっている」。肉体は、ホーリー・スピリットの神聖な目的に有用である限り、不朽であり、完璧である。そして、そのホーリー・スピリットの目的に向かって、あなた自身も専心出来るのだ。



The body no more dies than it can feel. It does nothing. Of itself it is neither corruptible nor incorruptible. It is nothing.
  • no more : 「もはや〜しない」
  • no more A than B : 「Aでないのは Bでないのと同じ」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • of itself : 「独りで」
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • corruptible [kərʌ́ptəbl] : 「堕落しやすい、腐敗しやすい」
  • incorruptible [ìnkərʌ́ptəbl] : 「腐食しない、溶解しない」
❖ "The body no more ~ "「肉体は、感じることが出来ないと同様、死ぬことさえない」。感じるの心であって、肉体は感じない。肉体は心を乗せた乗り物であって、心が命じない限り、自ら死ぬことは出来ない。"Of itself it is neither corruptible ~ "「肉体それ自体は、崩壊することも崩壊しないこともない」。"It is nothing"「肉体は、無なのである」。肉体は、あなたの心が作り出した幻想に過ぎない。幻想だから、腐敗することも、死ぬこともない。心が、肉体がそうなってしまったと思うだけなのだ。幻想だから、心次第で、如何様にも変化流動するのである。結局、肉体は実体のない無に過ぎないことに尽きる。



It is the result of a tiny, mad idea of corruption that can be corrected.
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • mad [mǽd] : 「気が狂って、怒って、頭にきて、発狂して」
  • corruption [kərʌ́p∫n] : 「堕落、邪悪、腐敗」
  • correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
❖ "It is the result ~ "「肉体は、腐敗という、小さく狂った考えの結果なのであるが、」"that can be ~ "「それは、修正出来るのだ」。肉体は崩壊するものだという思い込み、つまり、小さな狂った考えによって、幻想の肉体は崩壊もし、腐敗もする。もちろん、肉体的堕落も、その結果だ。だが、実相に目覚めるために、その肉体を利用出来るのだ。その時、肉体という狂った想念は修正されるのである。



For God has answered this insane idea with his own; an Answer which left him not, and therefore brings the Creator to the awareness of every mind which heard his Answer and accepted It.
  • answer [ǽnsə(r)] : 「〜に答える、〜に応じる」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • own [óun] : 「自分自身の、独自の、自らの、自己の」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
  • left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、〜から離れる」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る、〜を連れて来る」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
  • heard [hə́ː(r)d] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
❖ "For God has answered ~ "「なぜなら、神自身の想念をもって、この狂った想念に答えたからである」。非常に抽象的な表現をしているが、肉体という幻想の想念に対して、神が、愛という実相の想念をもって対応した、という意味合いであろう。幻想的肉体から解放されるようにと、神はホーリー・スピリットを遣わせてのであるからだ。"an Answer which left ~ "「神の答えは、神から離れたりするものではない」。神は、答えを与えっぱなしにすることなく、その答えにいつも寄り添っている。"and therefore brings ~ "「したがって、神の答えは、創造主である神を、〜したすべての心の意識にもたらすのである」。つまり、神の答えを耳にした者は、意識の中に、創造主である神を如実に感じることが出来るのだ。"which heard his Answer ~ "「神の答えを耳にし、それを受け入れた」すべての心の意識性の中に、創造主である神が持ち込まれるのである。神に目覚めるのだ。愛に目覚めると言ってもいい。それが、神の想念をもって、狂った想念に答える、ということである。



6. You who are dedicated to the incorruptible have been given through your acceptance, the power to release from corruption.
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、献身する、専念する、打ち込む」
  • incorruptible [ìnkərʌ́ptəbl] : 「腐食しない、溶解しない」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して、〜を経由して」
  • acceptance [əksépt(ə)ns] : 「受け入れること、承認、受諾、受理」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • corruption [kərʌ́p∫n] : 「堕落、邪悪、腐敗」
❖ "You who are dedicated ~ "「不朽なるものに専心したあなたは、神の答えを受け入れることを通して、崩壊から解放されるパワーを与えられたのである」。実相世界に専心することで、幻想から解放されるパワーを得て、変化流動し崩壊に向かうこの世界の法則から自由になれるのだ。あなたの肉体を不朽のものにすることさえ可能なのである。



What better way to teach the first and fundamental principle in a course on miracles than by showing you the one that seems to be the hardest can be accomplished first?
  • better [bétə(r)] : 「より良い、より優れている」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段」
  • teach [tíːt∫] : 「〜を教える、指導する」
  • first [fə́ː(r)st] : 「第一の、一番目の、一番早い、最初の」
  • fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基本となる、基本の、基礎の、基本的な」
  • principle [prínsəpl] : 「原則、原理、公理、原論、法則」
  • hard [hɑ́ː(r)d] : 「難しい、困難な、つらい、硬い、堅い」
  • accomplish [əkɑ́mpli∫] : 「成し遂げる、成就する、達成する」
  • first [fə́ː(r)st] : 「初めて、最初に、一番目に、一等で」
❖ "What better way to teach ~ "「奇跡のコースの、第一の基本原理を教える方法として、あなたに、一番難しいと思われているものが、最初に成し遂げられるということを示すよりもいい方法があろうか」。奇跡には、難しさの序列がない、ということを思い出そう。奇跡を困難にしているのは、難しいに違いないという、あなたの思い込みである。



The body can but serve your purpose. As you look on it, so will it seem to be.
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に役立つ、〜に仕える」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "The body can but ~ "「肉体は、あなたの目的に役立つのである」。あなたの神聖な目的に、と言った方がいいだろう。"As you look on ~ "「あなたが肉体をよく見ていれば、肉体は役立つように見えて来るだろう」。あなたの心次第で、肉体は悪しき乗り物にも、良き乗り物にもなるのである。



Death, were it true, would be the final and complete disruption of communication, which is the ego's goal.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • complete [kəmplíːt] : 「完結した、完成した、完全な、全くの」
  • disruption [disrʌ́pʃən] : 「途絶、分裂、崩壊、混乱」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、情報伝達、通信」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
❖ "Death, were it true, would ~ "「死は、もしそれが真実なら、コミュニケーションの最後にして完璧な崩壊と言えるだろう」。死が真実なら、死をもって、神とのコミュニケーションは完全に途絶するだろう。"which is the ego's ~ "「それこそ、エゴの目的なのである」。しかし、死は真実ではないから、死をもって、神とのコミュニケーションが途絶することはない。むしろ、心が肉体から解放されてこそ、神とのコミュニケーションは復活することになる。心を肉体から解放するということで、肉体は有用だと言えるのだ。同時に、肉体も、心の悪しき想念から解放されて、不朽のものとなる。イエスの三日後の復活は、それを身をもって示したものではないのか。
 
 
 

T-19.IV.C.3:1 ~ T-19.IV.C.4:8

i. The Incorruptible Body
不朽の肉体

3. From the ego came sin and guilt and death, in opposition to life and innocence, and to the Will of God himself.
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • opposition [ɑ̀pəzí∫n] : 「反対、敵対、対立」
  • in opposition to : 「〜に反対で」
  • innocence [ínəs(ə)ns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
  • will [wíl] : 「意志、精神力、意欲」
❖ "From the ego ~ "「罪、過ち、死は、エゴから発生したのだ」。"in opposition to life ~ "「それは、命と潔白さに対立し、神自身の意思に反するものである」。つまりは、実相世界に対立するために、エゴは幻想世界を偽創造し、幻想の罪、過ち、死を作り出したのである。



Where can such opposition lie but in the sick minds of the insane, dedicated to madness and set against the peace of Heaven?
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • sick [sík] : 「病気で、病気の、不健全な、調子が悪い」
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • dedicated [dédikèitid] : 「献身的な、打ち込んでいる、熱心な、ひたむきな」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • set against : 「〜と対立する」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
❖ "Where can such opposition ~ "「そんな対立的なものは、狂気に病んだ心の中以外に、いったいどこに存在し得ようか」。幻想世界の罪、過ち、死を偽創造したエゴは、あなたの狂気に病んだ心以外に存在出来る場所はない。"dedicated to madness ~ "分詞構文、先頭に"being"を補うといい、単純接続、「そして、病んだ心は狂気に専心し、天の王国の平和に対立する」。



One thing is sure; God, Who created neither sin nor death, wills not that you be bound by them. He knows of neither sin nor its results.
  • sure [∫úə(r)] : 「自信がある、確かな」
  • create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を創り出す」
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • bound [báund] : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を縛る、結び付ける、〜を束縛する、拘束する」
  • know of : 「〜について知っている」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
❖ "One thing is ~ "「一つだけ確かなことがある」。それは、"God, Who created ~ "「罪も死も創造したのではない神は、あなたが罪や死に束縛されることを意思してはいないということだ」。"He knows of neither ~ "「神は、罪も罪の結果も、どちらも知るはずがないのだ」。神の住む実相世界は一元論世界であり、対立概念を持たない。無辜(むこ)や愛は存在するが、その対立概念の罪や憎悪は存在しないのだ。神が罪を知らないとは、そういう意味である。決して、神は罪や死を知らない、能天気な存在である、という意味ではない。



The shrouded figures in the funeral procession march not in honor of their Creator, Whose Will it is they live.
  • shroud [∫ráud] : 「覆う、包む、〜に経帷子を着せる」
  • figure [fígjə(r)] : 「姿、人影 、人物」
  • funeral [fjúːn(ə)r(ə)l] : 「葬儀、告別式、葬列」
  • procession [prəsé∫n] : 「行進、前進、行列」
  • march [mɑ́ː(r)t∫] : 「行進する、進行する、前進する」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「光栄、名誉、恩恵、高潔、誠実、正直さ」
  • in honor of : 「〜に敬意を表して、〜を祝って」
❖ "The shrouded figures ~ "「葬送の行列の中で、布に包まれた遺体は、創造主に敬意を表して、行進して行くのではない」。"Whose Will it is ~ "「神の意思は、彼らが生きてあれ、ということであるからだ」。神は死を知らない。したがって、死を悼む葬送は神と無関係であり、葬送の行列は、神を賛美して行われるものではないのだ。



They are not following his will; they are opposing it.
  • follow [fɑ́lou] : 「〜に従う、追随する、ついて行く」
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、反抗する、対抗する、敵対する」
❖ "They are not ~ "死の行列に参加する者達は、「彼らは、神の意思に従ってはいない」。"they are ~ "「神の意思に反しているのだ」。罪や死に専心し、罪や死を賛美する者達は、神の意思に従っているのではない。エゴの命令に従っているだけだ。



4. And what is the black-draped body they would bury?
  • drape [dréip] : 「羽織る、まとう」
  • bury [béri] : 「覆い隠す、秘密にする、伏せる、埋める、埋葬する」
❖ "And what is ~ "「彼らが埋葬したいと思っている、黒衣の遺体とは何なのか」。



A body which they dedicated to death, a symbol of corruption, a sacrifice to sin, offered to sin to feed upon and keep itself alive; a thing condemned, damned by its maker and lamented by every mourner who looks upon it as himself.
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、献身する、専念する、打ち込む」
  • symbol [símbəl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • corruption [kərʌ́p∫n] : 「腐敗、腐ること、堕落、邪悪」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • feed [fíːd] upon : 「〜を餌にする、〜を常食とする」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく、保つ、〜にしておく」
  • alive [əláiv] : 「生存して、生きていて、生き生きとして、活動的で」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、〜に有罪の判決を下す、〜の刑を宣告する」
  • damn [dǽm] : 「のろう、ののしる、けなす、非難する、破滅させる」
  • maker [méikə(r)] : 「作る人、製造業者、メーカー、創造主」
  • lament [ləmént] : 「悲しむ、嘆く、後悔する」
  • mourner [mɔ́ːrnər] : 「嘆く人、哀悼者、会葬者」
❖ "A body which ~ "「彼らが死に捧げた肉体」。"a symbol of ~ "「その肉体は腐敗のシンボルであり、」"a sacrifice to ~ "「罪に対する犠牲である」。"offered to sin ~ "「肉体は、罪の餌食にするために差し出され、罪を生かしておくのである」。"a thing ~ "「肉体は有罪を宣告され、」"damned by its ~ "「肉体を作った者からののしられ、」"and lamented by ~ "「肉体こそ自分自身だと見ている会葬者すべてから嘆き悲しまれている」。ここは、理屈を考えず、さらりと読んでしまうだけでいい。



You who believe you have condemned the Son of God to this are arrogant.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
  • condemn A to B : 「AにBを強いる、AにB を運命づける」
  • arrogant [ǽrəg(ə)nt] : 「尊大な、傲慢な、無礼な、横柄な」
❖ "You who believe ~ "「肉体にこんなことを強いていると信じているあなたは、傲慢である」。肉体は罪ある実在だと信じ、肉体は死んで腐敗するものだと受け入れることは、あなたの傲慢さである。真実ではないことを頑固に信じることは、傲慢さ以外の何ものでもないからだ。



But you who would release him are but honoring the Will of his Creator.
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、支持する、祭る、崇拝する」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "But you who would ~ "「しかし、それを信じている者を解放してあげたいと願っているあなたは、神の意思を尊重しているのだ」。肉体は罪ある実在であり、死と腐敗は必然であると信じ込んでいる同胞を、肉体とその死から解放してやることは、神の意思でもある。



The arrogance of sin, the pride of guilt, the sepulchre of separation, all are part of your unrecognized dedication to death.
  • arrogance [ǽrəg(ə)ns] : 「尊大、横柄、傲慢」
  • pride [práid] : 「誇り、自慢、プライド、自尊心、うぬぼれ、尊大、高慢、横柄」
  • sepulchre = sepulcher [sép(ə)lkə(r)] : 「墓室、地下墓所」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分、役、役目、役割」
  • unrecognized : 「見分けられない、承認されていない、正当に認められていない、認識されていない」
❖ "The arrogance of ~ "「罪の傲慢さ、罪のプライド、分離を閉じこめておく墓場、」"all are part of ~ "「それらはすべて、あなたが知らないうちに死に専心していることの一部なのだ」。死に対して自己を捧げることは、罪を崇め立て、罪を傲慢に太らせ、神との分離、同胞との分裂を促進していることになる。しかも、それを担っているあなたは、その事実に気付いていないのだ。



The glitter of guilt you laid upon the body would kill it.
  • glitter [glítə(r)] : 「輝き、きらめき、華麗な美しさ、華やかさ」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "The glitter of guilt ~ "「あなたが肉体の上に置いた罪の華やかさが、肉体を殺すだろう」。華々しく罪を暴き立てることで、肉体は死を迎える。死は、あなたが作り出すものなのである。



For what the ego loves, it kills for its obedience. But what obeys it not, it cannot kill.
  • obedience [oubíːdiəns] : 「服従、忠実、従順」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
❖ "For what the ego ~ "「エゴが愛するものを、エゴは、服従させるために、殺害する」。"But what obeys it ~ "「しかし、エゴに従わないものを、エゴは殺害出来ないのだ」。典型的な独裁者の姿である。本来エゴが愛しているはずの身内を、エゴは粛正していくのである。しかし、そんなエゴに対して、従順に従う必要はない。エゴを拒絶すればいいのだ。エゴを拒絶すれば、エゴはその者を殺すことなど出来ないのだから。つまり、実相に目覚めた神の子を、幻想のエゴは殺すことはなど出来ないのである。
 
 
 

T-19.IV.C.1:1 ~ T-19.IV.C.2:15

C. The Third Obstacle: The Attraction of Death
第三の障害:死に引きつけられること


1. To you and your brother, in whose special relationship the Holy Spirit entered, it is given to release and be released from the dedication to death.
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心、献納、奉納」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "To you and your ~ "「あなたとあなたの同胞に対して、」"in whose special ~ "「あなた方の特別な関係性の中にホーリー・スピリットが入り込むのだが、そのあなた方に対して、」"it is given to release ~ "「(他者を)解放することと、死へ専心することから解放されることが与えられる」。何とも堅い言い回しをしているが、要するに、罪や死に引きつけられて結ばれたあなたと同胞の間の特別な関係性の中にホーリー・スピリットが介入して、あなた方を、死にとらわれた心から解放し、また、あなた方が他の同胞達を解放してあげられるように、ホーリー・スピリットが導いてくれる、ということ。



For it was offered you, and you accepted. Yet you must learn still more about this strange devotion, for it contains the third obstacle that peace must flow across.
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
  • strange [stréin(d)ʒ] : 「奇妙な、変わった、変な、見知らぬ」
  • devotion [divóu∫n] : 「情熱、没頭、専念、宗教的情熱、信仰心」
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する」
  • third [θə́ː(r)d] : 「第3の」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く」
  • across [əkrɑ́s] : 「横切って、横断して、向こう側へ、〜を越えて」
❖ "For it was offered ~ "「なぜなら、解放はあなたに差し出され、あなたは受け入れたのだから」。"Yet you must learn ~ "「しかし、あなたは、この奇妙な(罪や死への)専心ぶりについて、まだ、もっと学ばなくてはならない」。"for it contains the third ~ "「なぜなら、その専心ぶりが、平和が乗り越えて流れ出さなくてはならない、第三の障害を含んでいるからだ」。あなたが罪や死へ引きつけられ、それに入れ込むことを子細に検討する必要がある。その中に、第三の障害があるからだ。



No one can die unless he chooses death. What seems to be the fear of death is really its attraction.
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、魅力、誘引」
❖ "No one can die ~ "「誰も、死を選択しない限り、死ぬことは出来ないのだ」。"What seems to be ~ "「死の恐れと思われるものは、実は、死へ引きつけられていることなのである」。非常に鋭い観察である。死を恐れる気持ちは、裏返せば、死へ引かれる思いなのだ。それは、死を選択したことになり、死は、それを選択した人に訪れることになる。死を勝手に幻想し、幻想を信じることで、幻想の死が現実化するのである。



Guilt, too, is feared and fearful. Yet it could have no hold at all except on those who are attracted to it and seek it out.
  • fear [fíə(r)] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • fearful [fíə(r)fl] : 「恐ろしい、怖い」
  • hold [hóuld] : 「支配力、威力」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • attract [ətrǽkt] : 「魅惑する、魅了する、引き込む、引き付ける」
  • seek out : 「〜を捜し出す、〜を追求する」
❖ "Guilt, too, is feared ~ "「罪もまた、恐れられもし、そして、恐ろしいものだ」。"Yet it could have ~ "「しかし、罪に引きつけられ、罪を探す者達ならいざ知らず、罪も、まったく支配力を持たないものなのだ」。死と同様、罪を選択した者だけにとって、罪は恐ろしいものであり、支配力を持つことになる。罪という幻想を信じることで、罪は現実化し、支配力をもつ。



And so it is with death. Made by the ego, its dark shadow falls across all living things, because the ego is the "enemy" of life.
  • dark [dɑ́ː(r)k] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • shadow [∫ǽdou] : 「影、暗がり、人影、陰」
  • fall [fɔ́ːl] : 「落ちる、落下する、降る」
  • across [əkrɑ́s] : 「横切って、横断して、〜にわたって、〜の全域で」
  • living thing : 「生物」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "And so it is ~ "「死についても同様だ」。死に引きつけられ、死を探し求める者にとって、死は恐ろしいものとなる。"Made by the ego ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補うといい、「エゴによって作られた暗い影が、命あるものすべてを覆い尽くす」。"because the ego is ~ "「なぜなら、エゴは命の『敵』なのだから」。エゴが命あるものを殺すのではない。命あるものは死を回避出来ないとするエゴの思考システムを信じることが、死を現実化するのである。思いは必ず現実化するからだ。



2. And yet a shadow cannot kill. What is a shadow to the living? They but walk past and it is gone.
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
  • walk past : 「〜と擦れ違う、〜の横を歩く、〜の脇を擦り抜ける、〜を追い越す」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「いなくなった、過ぎ去った、なくなった、消失した」
❖ "And yet a shadow ~ "「しかし、影が、命あるものを殺せるわけではない」。"What is a shadow ~ "「命あるものに、影など、何だというのか」。実在する実相の命にとって、幻想の影など、とるに足らないものである。



But what of those whose dedication is not to live; the black-draped "sinners," the ego's mournful chorus, plodding so heavily away from life, dragging their chains and marching in the slow procession that honors their grim master, lord of death?
  • what of :「〜はどうした?、〜はどうなのか」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心、献納、奉納」
  • live [lív] : 「生きる、生存する、生きている」
  • drape [dréip] : 「羽織る、まとう」
  • sinner [sínər] : 「罪人、罪を犯した人」
  • mournful [mɔ́ː(r)nfl] : 「悲しげな、死者を悼む」
  • chorus [kɔ́ːrəs] : 「合唱曲、コーラス、反復、再現」
  • plod [plɑ́d] : 「とぼとぼと歩く、重い足取りで歩く」
  • heavily [hévili] : 「重く、重そうに、重苦しく、ひどく、激しく」
  • away from : 「〜から離れて」
  • drag [drǽg] : 「〜を引く、引っ張る、引き込む、引きずる」
  • chain [t∫éin] : 「鎖、束縛」
  • march [mɑ́ː(r)t∫] : 「行進する、進行する、前進する」
  • procession [prəsé∫n] : 「行進、前進、行列」
  • honor [ɑ́nə(r)] : 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、支持」
  • grim [grím] : 「気味の悪い、恐ろしい、不快な、残酷な、残忍な」
  • master [mǽstə(r)] : 「主人、家長、指導者、導師」
  • lord [lɔ́ː(r)d] : 「封建君主、藩主、領主、主人、支配者」
❖ "But what of those whose ~ "「しかし、生きることに専心していない者達はどうであろうか」。つまり、罪や死に心引かれる者達はどうであろうか、ということ。"the black-draped ~ "「黒衣を身にまとった罪人達は、」"the ego's mournful ~ "「エゴのために死を悼む歌を歌い、」"plodding so heavily ~ "「命から遠く離れて、重い足取りでとぼとぼ歩き、」"dragging their chains ~ "「鎖を引きずりながら、彼らの残忍な指導者、死の支配者を讃えるため、のろのろした足取りで行進していく」。ここは、罪や死に心引かれる者達の姿を戯画化している箇所である。



Touch any one of them with the gentle hands of forgiveness, and watch the chains fall away, along with yours.
  • touch [tʌ́t∫] : 「〜に触れる、〜に接する」
  • gentle [dʒéntl] : 「優しい、寛大な、穏やかな」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • watch [wɑ́t∫] : 「じっと見る、観察する、〜に注意する」
  • fall away : 「外れて落ちる、はがれ落ちる、剥離する」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて、〜のほかに」
❖ "Touch any one of ~ "「誰でもいいから、その一人に、赦しの優しい手で触れてみなさい」。"and watch the chains ~ "「そして、鎖が、あなたの鎖と共に、解かれて落ちるのを見なさい」。罪や死に心引かれる者達に対して、それは夢なのだと諭して、その夢を赦してしまうのである。同胞は幻想から解放され、自他一如によって、あなたも同時に解放される。エゴの重い鎖は解かれて地に落ちるのだ。



See him throw aside the black robe he was wearing to his funeral, and hear him laugh at death.
  • throw [θróu] : 「〜を投げる、投じる、投入する」
  • aside [əsáid] : 「わきへ、離れて、それて、はずれて」
  • throw aside : 「放棄する」
  • robe [róub] : 「バスローブ、化粧着、衣服、礼服、式服、職服」
  • wear [wéə(r)] : 「身に着ける、着る、履く、かぶる」
  • funeral [fjúːn(ə)r(ə)l] : 「葬儀、告別式、葬列」
  • hear [híə(r)] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • laugh [lǽf] at : 「〜を笑う」
❖ "See him throw aside ~ "「彼が、己の葬式のために着ていた黒衣を脱ぎ捨てるのを見なさい」。"and hear him ~ "「そして、彼が、死に対して高らかに笑うのを聞きなさい」。彼も、あなたも、死に打ち勝ったのだ。もちろん、エゴに打ち勝ったのである。



The sentence sin would lay upon him he can escape through your forgiveness.
  • sentence [sént(ə)ns] : 「判決、刑罰、処罰、宣告」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
  • lay upon : 「〜に告げる、知らせる、伝える、〜に課す」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "The sentence sin would ~ "「罪が、彼の上に加えようとする宣告から、彼は、あなたの赦しを通して、逃れることが出来るのである」。幻想の有罪判決から逃れて、真実の姿、無辜(むこ)なる神の子へ回帰出来るのだ。



This is no arrogance. It is the Will of God. What is impossible to you who chose his will as yours?
  • arrogance [ǽrəg(ə)ns] : 「尊大、横柄、傲慢」
  • will [wíl] : 「意志、精神力、願望、意欲」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない、無理な」
  • chose [t∫óuzn] : 「choose の過去形」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "This is no ~ "「これは傲慢なことではない」。"It is the Will ~ "「それは、神の意思である」。"What is impossible ~ "「神の意思をあなたの意思として選択したあなたにとって、何が不可能だろうか」。神に不可能がないように、神の意思を自分のものとしたあなたに不可能はない。



What is death to you? Your dedication is not to death, nor to its master.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • master [mǽstə(r)] : 「主人、家長、指導者、導師」
❖ "What is death ~ "「そんなあなたにとって、死は何だというのか」。"Your dedication ~ "「あなたが専心しているのは死ではなく、またその指導者でもない」。あなたが専心しているのは命であり、命の指導者であるホーリー・スピリットを支持しているではないか。そして、それは神の意思であるのだ。そんなあなたに不可能はないし、当然、死すら存在しない。



When you accepted the Holy Spirit's purpose in place of the ego's you renounced death, exchanging it for life.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • in place of : 「〜の代わりに、〜の代理で」
  • renounce [rináuns] : 「放棄する、捨てる、破棄する、断念する、縁を切る」
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「〜を交換する」
❖ "When you accepted ~ "「あなたが、エゴの目的の代わりに、ホーリー・スピリットの目的を受け入れた時、」"you renounced death ~ "「あなたは、死を放棄し、それを命と交換するのである」。ホーリー・スピリットの目的とは、神の子が、幻想世界を放棄して、実相世界に目覚めること。対して、エゴの目的とは、神の子が、いつまでも幻想世界に拘泥して、神と神の子の分離と、そして、神の子同士の分裂を維持すること。ACIMでは、幻想世界にとどまることが死であり、実相世界に目覚めることが命である。



We know that an idea leaves not its source. And death is the result of the thought we call the ego, as surely as life is the result of the Thought of God.
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を残す、〜を見捨てる」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思想、思考、思索、熟考」
  • surely [∫úə(r)li] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に、必ず」
❖ "We know that an idea ~ "「私たちは、思考が、その源から離れることはないと知っている」。思考には、その氏素性(うじすじょう)が刻まれているのだ。"And death is the result ~ "「死は、私たちがエゴと呼んでいる思考の結果であり、」"as surely as life is ~ "「同様に確実なのは、命は、神の思考の結果なのである」。なぜなら、エゴは死を思考し、神は命を思考しているからだ。エゴは幻想と共にあり、神は実相と共にある。幻想は死であり、実相こそが命なのだ。そして、死は虚偽であり、命が真実なのである。
 
 
 

T-19.IV.B:16:1 ~ T-19.IV.B.17:6

16. Hear not its madness, and believe not the impossible is true.

  • hear [híə(r)] : 「〜を聞く、聴く、〜が聞こえる、耳にする」
  • madness [mǽdnəs] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "Hear not ~ "「エゴの狂気に耳を貸してはいけない」。"and believe not ~ "「不可能なことが真実だと、信じてはいけない」。エゴは、痛みこそ快楽だと言うが、そんな不可能なことを信じてはいけないし、そんなことを口走るエゴに耳を貸してはいけない。



Forget not that the ego has dedicated the body to the goal of sin, and places in it all its faith that this can be accomplished.
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、献身する、専念する、打ち込む」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
  • accomplish [əkɑ́mpli∫] : 「成し遂げる、成就する、達成する」
❖ "Forget not that ~ "「that以下を忘れてはいけない」。"the ego has dedicated ~ "「エゴは、肉体を、罪の目的に捧げ、」"and places in it all ~ "「肉体の中に、〜という信頼のすべてを置くのである」。"that this can be ~ "「これが成し遂げられ得る」という信頼のすべてを置くのだ。肉体は分離の象徴であり、神の子が神を裏切ったという証拠である。したがって、肉体こそ罪の象徴であり、罪ある肉体は懲罰を受ける資格がある。そのように、エゴは信じているのだ。そして、肉体をもつ神の子に罪があるとう事実が明白となり、恐ろしい神の罰が下されるのは確実だと、エゴは全面的に信じているのである。



Its sad disciples chant the body's praise continually, in solemn celebration of the ego's rule.
  • sad [sǽd] : 「悲しい、悲しげな、嘆かわしい、惨めな、あきれ果てた」
  • disciple [disáipl] : 「弟子、信奉者、門弟」
  • chant [t∫ǽnt] : 「詠唱する、繰返し歌う、唱える」
  • praise [préiz] : 「称賛、褒めること、賛美」
  • continually [kəntínju(ə)li] : 「絶えず、持続的に、継続的に、頻繁に」
  • solemn [sɑ́ləm] : 「厳粛な、儀式ばった、いかめしい、まじめくさった、重苦しい」
  • celebration [sèləbréi∫n] : 「祝典、称賛、式典、祝賀」
  • rule [rúːl] : 「支配、統治、法則、規範」
❖ "Its sad disciples chant ~ "「エゴの、悲しき信奉者達は、絶えず、肉体を賛美する言葉を唱え続ける」。"in solemn celebration ~ "「エゴの支配を、厳粛に祝いながら」。エゴの言うことは本当だと、エゴの支配を喜び、祝いながら、罪ある肉体を称賛するのだ。つまり、肉体は、神に対して正面から楯突いた勇気ある存在であるからだ。罪ある肉体は神に罰せられるだろうが、それは、肉体が神と同等の地位に昇ったという証拠でもある。神と対等な肉体は、たとえ罰せられ、滅ぼされたとしても、それは肉体にとって本望なのだ。肉体が神と同等だと神が認めるなら、同時に、エゴも神と対等なのである。エゴも大喜びだというわけだ。



Not one but must believe that yielding to the attraction of guilt is the escape from pain.
  • yield [jíːld] : 「譲る、譲歩する、屈する、譲渡する、放棄する」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃げ道、回避」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "Not one but must ~ "「罪の魅力に屈することは、痛みからの脱出なのだと、きっと、誰もが信じているに違いない」。神の子は誰でも、詐欺師エゴの巧妙な論理を信じているかも知れない。



Not one but must regard the body as himself, without which he would die, and yet within which is his death equally inevitable.
  • regard [rigɑ́ː(r)d] : 「〜を〜と見なす、ある感情を持って〜を見る」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
  • equally [íːkw(ə)li] : 「平等に、同等に、等しく、同様に、一様に」
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
❖ "Not one but must ~ "「肉体こそ自分自身であり、肉体なしでは死んでしまうと思い、かといって、肉体の中に留まっても、死は等しく不可避だと、誰もがそう思っているに違いない」。街中の100人中99人はそう思っているに違いない。もちろん、ACIMを学んだあなたは、それに疑問を呈し、その誤りを指摘出来るだろう。



17. It is not given to the ego's disciples to realize that they have dedicated themselves to death.
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • disciple [disáipl] : 「弟子、信奉者、門弟」
  • realize [ríːəlàiz] : 「 〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、献身する、〜を奉る」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "It is not given ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「that以下に気が付くことは、エゴの信奉者達には与えられていない」。エゴの信奉者は、that以下に気が付かない、ということ。"that they have dedicated ~ "「彼らが、彼ら自身を死に捧げている」ということに、エゴの信奉者達は気付いていない。肉体を信じるとは、肉体の実在を信じることで、したがって、肉体が死によって崩壊すれば、自らの存在そのものが消滅してしまうと信じているのだ。肉体は幻想世界のものであって、したがって、時空間の制限を受け、変化流動する。つまり、肉体は必然的に崩壊、死へと向かう。肉体を信じるとは、つまり、肉体に自らを捧げるとは、死に向かって自らを捧げることと同等なのだ。その道理を、エゴの信奉者達は理解していない。肉体も幻想なら、死も幻想なのだ。



Freedom is offered them but they have not accepted it, and what is offered must also be received, to be truly given.
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
❖ "Freedom is offered ~ "「(肉体や死からの)解放は、エゴの信奉者達に差し出されているのだが、彼らはそれを受け入れてはいない」。"and what is offered must ~ "「差し出されたものは、また同時に、受け取られなければならないのだ」。"to be truly ~ "「本当に、与えられたのだと言えるには、」受け取られなければならないのだ。しかし、せっかく与えられた解放は、エゴの信奉者達に受け取りを拒否されている。したがって、解放はまだ成立していないのだ。



For the Holy Spirit, too, is a communication medium, receiving from the Father and offering his messages unto the Son.
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、伝達、通信、連絡、交信」
  • medium [míːdiəm] : 「媒体、媒介物、媒質、手段」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、連絡事項、通信、通達」
❖ "For the Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットもまた、コミュニケーションのメディア(媒体)である」。分詞構文、理由、"receiving from the Father ~ "「父なる神からのメッセージを受け取り、そのメッセージを神の子に差し出しているからだ」。神の子は神から分離するに際して、神との通信を自ら遮断した。神が自ら、神の子とのチャンネルを遮断したというのは誤りである。神は神の子とのチャンネルを、ちゃんと保存したのだ。そこに、ホーリー・スピリットが登場するのである。神は、ホーリー・スピリットを通じて、自らのメッセージを神の子に送るのだ。



Like the ego, the Holy Spirit is both the sender and the receiver.
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも、AのみならずBもまた」
  • sender [séndər] : 「送り主、発送人、発信者、差出人」
  • receiver [risíːvə(r)] : 「受取人、受領者、受信者」
❖ "Like the ego ~ "「エゴの場合と同様、ホーリー・スピリットは、送信者であり受信者である」。ここでは、送信する内容と受信する内容が同じであることを言っている。したがって、送信と受信が同じだと言うのである。



For what is sent through him returns to him, seeking itself along the way, and finding what it seeks.
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「戻る、帰る、返還する」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • along the way : 「途中で、道中で、ここに至るまでに」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす、検出する、捜し出す」
❖ "For what is sent ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットを通じて送り出されたものは、ホーリー・スピリットの元に返ってくるからであり、」"seeking itself along ~ "「送受信の途中で、それ自身と同じものを探し、」"and finding what ~ "「探しているものを見つけるからである」。意味が取りにくいかもしれない。たとえば、ホーリー・スピリットが神の愛をメッセージとして神の子に送ったとしよう。そのメッセージは、神の子全体に行きわたるのだが、その間に、神の愛のメッセージにふさわしい、神の子の愛のメッセージを探すのである。そして、神の子の愛の存在に出会うと、それをメッセージとしてホーリー・スピリットは受け取り、神への返信として、神の子の愛のメッセージを神に送り返すわけだ。 愛のメッセージは一方通行ではなく、分かち合われることで拡張増大し、神へ返すメッセージは愛で満たされるのだ。同じことが、このACIMを学ぶことについても言える。あなたは個人的に、他者に秘密でこのACIMを学んでいると思っているかもしれない。しかし、このACIMが、イエスのメッセージであり、ホーリー・スピリットのメッセージであり、キリストのメッセージであると認めるなら、このメッセージは一方通行ではないのだ。あなたがACIMを学んでいることはホーリー・スピリットに受信され、神に送られていると思っていい。ホーリー・スピリットはあなたを受け止め、あなたの思いをちゃんと神に伝えているのである。あなたは決して孤独ではなく、ACIMの学びは、あなたと多くの同方達によって、確かに分かち合われているのである。



So does the ego find the death it seeks, returning it to you.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
❖ "So does the ego ~ "「同様に、エゴは、見つけ出そうとする死を発見し、その死をあなたに返すのである」。エゴは、ホーリー・スピリットの愛に変えて、死を探し出し、見つけた死をあなたに返す。ホーリー・スピリットの思考システムとエゴの思考システムが、真逆になっているわけだ。さて、あなたは、どちらに組するか? 選択は、あなたの自由である。
 
 
 

T-19.IV.B.14:1 ~ T-19.IV.B.15:4

14. Why should the body be anything to you? Certainly what it is made of is not precious. And just as certainly it has no feeling.

  • anything [éniθìŋ] : 「たいしたもの、重要なもの」
  • certainly [sə́ː(r)tnli] : 「確実に、確かに、必ず」
  • be made of : 「〜で作られている、〜でできている」
  • precious [pré∫əs] : 「高価な、貴重な、重要な、大事な」
  • just as : 「〜と同時に」
  • feeling [fíːliŋ] : 「感触、感覚、感情、気持ち、意識、感じ、印象」
❖ "Why should the body ~ "「なぜ肉体は、あなたにとって、特別なものでなくてはならないのだろうか」。"Certainly what it is ~ "「確かに、肉体を作っているものは高価なものではない」。"And just as certainly ~ "「同時に、確かに、肉体は感情をもってはいないのだ」。それもかかわらず、あなたは肉体を非常にありがたがっている。なぜか? 



It transmits to you the feelings that you want. Like any communication medium the body receives and sends the messages that it is given.
  • transmit [trænsmít] : 「送る、送信する、伝送する、発信する」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、伝達、通信、連絡、交信」
  • medium [míːdiəm] : 「媒体、媒介物、媒質、手段、溶剤」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • send [sénd] : 「送る、送信する」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "It transmits to you ~ "「肉体は、あなたが望む感情をあなたに伝える」。あなたが怖いときは鳥肌が立って身が縮むのだ。嬉しいときは体は軽やかに踊るようだ。"Like any communication ~ "「いかなるコミュニケーションのメディア同様、肉体は、与えられたメッセージを受け取り、それを送り出す」。肉体は、心と感情の中継局になっているわけだ。



It has no feeling for them. All of the feeling with which they are invested is given by the sender and the receiver.
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する」
  • sender [séndər] : 「送り主、発送人、送り手、発信者」
  • receiver [risíːvə(r)] : 「受取人、受領者、受信者」
❖ "It has no feeling ~ "「肉体は、メッセージに対して何の感情ももたない」。"All of the feeling with ~ "「メッセージが託す感情のすべては、送り手と受け手によって与えられるのだ」。肉体は、単なる中継局、電波塔のようなものだ。その電波に、肉体自らのメッセージを託すことはない。



The ego and the Holy Spirit both recognize this, and both also recognize that here the sender and receiver are the same.
  • both [bóuθ] : 「両方共に、双方共に」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また」
❖ "The ego and the Holy Spirit ~ "「エゴもホーリー・スピリットも、このことを認識している」。"and both also ~ "「と同時に、両者とも、that以下もまた認識している」。"that here the sender ~ "「肉体にとっては、送り手も受け手もまったく同じなのだ」ということを認識している。ここの"here"を「肉体において」と訳してみたが、感情を込めたメッセージのやり取りに肉体が媒介者として関与する、その場においては、というニュアンスであろう。肉体にとって送信も受信も、機械的に同等だという意味。単に出るか入るかの違いしかない。



The Holy Spirit tells you this with joy. The ego hides it, for it would keep you unaware of it.
  • tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • with joy : 「喜びのあまり、喜んで」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • unaware of : 「〜に気付いていない」
❖ "The Holy Spirit tells ~ "「ホーリー・スピリットは、このことを、喜びをもってあなたに伝える」。しかし、"The ego hides ~ "「エゴはそれを隠す」。"for it would ~ "「なぜなら、エゴは、あなたに気付いてもらいたくないからだ」。肉体は感情を持たない受動的な機械に過ぎないのだが、メッセージを受け取ることと送り出すことは肉体にとっては同等のことであって、たとえば、悪意を送り出せば、悪意を受け取ることになるのである。善意を送り出せば、善意を受け取ることになる。エゴはその事実を隠そうとする。肉体が、自ら、悪意のメッセージを送っているかのように、あなたに思わせたいからだ。つまり、肉体があなたの心を支配しているかのように思わせたいのである。



Who would send messages of hatred and attack if he but understood he sends them to himself?
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い、嫌忌」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "Who would send messages ~ "「もし〜であるなら、いったい誰が、憎しみと攻撃のメッセージを送りたいと思うだろうか」。"if he but understood he ~ "「もし、彼が、メッセージを彼自身に送っているのだと理解していたなら」。肉体が発する、感情の込められたメッセージは、その肉体に返ってくるのだ。肉体は、送信と受信の中継局のようなもので、そのどちらの役割も担うからである。肉体は、自分で発した電波を、自分が受信するのだ。ただし、その電波に、肉体が感情を乗せることは出来ない。電波に感情を吹き込むのは心である。心が悪意を電波に込めて、肉体という送信機からその電波を発すると、同じ電波を肉体という受信機が受信してしまうのである。



Who would accuse, make guilty and condemn himself?
  • accuse [əkjúːz] : 「〜を責める、〜に責任を問う、告発する」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
❖ "Who would accuse ~ "「いったい誰が、自分を告発し、有罪を宣言し、自分に非難を浴びせるだろうか」。しかし、肉体は、エゴの唆(そそのか)されて、そんなことをやっているのだ。



15. The ego's messages are always sent away from you, in the belief that for your message of attack and guilt will someone other than yourself suffer.
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • away from : 「〜から離れて」
  • in the belief that : 「that以下だと信じて」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • other than :「〜以外の」
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
❖ "The ego's messages ~ "「エゴのメッセージは常に、あなたから離れるように送られる」。単純に、エゴのメッセージはあなたから他者に向けて発せられる、と考えていいだろう。"in the belief that ~ "「あなたが送る攻撃と罪のメッセージのために、あなた以外の誰かが苦痛を味わうだろうと信じながら」。あなたの心の中のエゴが、アイツは悪いヤツで、罪がある、だから攻撃して当然なのだ、というメッセージを発するのだ。そのメッセージは、あなたを離れて、その他者に送られ、送られた他者はメッセージによって傷つき苦痛を感じるのだ。その一部始終を、エゴは知っているし、そうなることを信じている。しかし、そのメッセージは、電波に乗って、発信した肉体に返ってくる。



And even if you suffer, yet someone else will suffer more.
  • even if : 「たとえ〜でも」
  • someone else : 「誰か他の人」
❖ "And even if you ~ "「たとえあなたが苦痛を感じたとしても、誰か他の人はもっと苦痛を感じるだろう」。悪意のメッセージを送ったことで、あなたは苦痛を感じるかもしれないが、受け取った側は、もっと苦痛を感じるはずだ。




The great deceiver recognizes that this is not so, but as the "enemy" of peace, it urges you to send out all your messages of hate and free yourself.
  • deceiver [disíːvər] : 「欺く人、詐欺師」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • urge [ə́ː(r)dʒ] : 「促す、要請する、勧める、強いる、せき立てる」
  • ]send out : 「送信する」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • free [fríː] : 「〜を自由にする、解放する」
❖ "The great deceiver ~ "「大詐欺師のエゴは、そうではないと認識している」。"but as the "enemy" of peace ~ "「平和の『敵』として、エゴはあなたを強く促して、憎悪のメッセージを送らせ、あなた自身を解放させようとする」。解放といっても、心に隠しておいた憎悪の念を、他者に送り付けることで解放する、という意味。



And to convince you this is possible, it bids the body search for pain in attack upon another, calling it pleasure and offering it to you as freedom from attack.
  • convince [kənvíns] : 「確信させる、納得させる、説得する」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する」
  • search for : 「〜を捜す、〜を捜し求める
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • freedom from : 「〜からの自由、〜が存在しないこと」
❖ "And to convince ~ "「そして、あなたに、これが可能であると確信させるために、」憎悪を他者に投射して、憎悪から解放されることは可能なのだと、あなたに納得させるため、"it bids the body ~ "「エゴは、肉体に、他者への攻撃に際して、痛みを探し出すように命ずるのだ」。"calling it pleasure and ~ "分詞構文、単純接続、「そして、その痛みを快楽だと呼び、攻撃からの解放だと称して、その痛みをあなたに差し出すのである」。非常に奥の深い洞察である。ニューヨーク大学医学部教授ジョン・E・サーノ博士の腰痛理論を思い出させる箇所である。サーノ博士によれば、無意識領域の怒りという感情が、意識の表層に現れ出ようとすると、意識はその怒りという感情を嫌って、意識の目を怒りから背けようとする。そこで、肉体のある部位、たとえば腰、その腰の周辺部分の血流を阻害して、腰に痛みを作り出すのである。腰の痛みにかまけて、しばし、怒りを忘れるのである。これが腰痛の原因である。つまり、腰痛は怒りである、となるわけだ。本文に戻ると、あなたが自分の心の中の憎悪という感情を処理するために、それを他者に投射して、憎悪というメッセージを送り出す。憎悪というメッセージは他者を傷つけるが、同時に、あなたも幾ばくかの罪悪感を感じる。憎悪というメッセージは自分に返って来るからだ。エゴは、その罪悪感を消し去るために、肉体に命じて痛みを作り出すのである。その痛みこそ、あなたの罪悪感から解放をもたらす快楽の痛みだと説明するわけだ。痛みはお前に罪があるからであり、その痛みに耐えて、痛みを快楽と思えるようになれば、お前は罪から解放されるだろう、と唆(そそのか)すのである。非常に巧妙な策略である。さて、肉体的な痛みが、この論によってすべて説明出来るのかどうか、それはわからない。しかし、サーノ博士が代表する現代医学の研究が、このエゴの論理に気付き始めたことは大きい。昔から気付いていた病と心の関係が、ますます明白に、科学的に解明される時代になったのかも知れない。面白いではないか。
 
 
 

T-19.IV.B.12:1 ~ T-19.IV.B.13:8

12. It is impossible to seek for pleasure through the body and not find pain.

  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • seek [síːk] for : 「〜を探し求める」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "It is impossible to ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「肉体的な快楽を求め、痛みを見つけずに終わることなど、不可能である」。幻想の快楽を手に入れても、実相の心を満たすことは出来ない。肉体的な快楽の追求は心の痛みに終わる。



It is essential that this relationship be understood, for it is one the ego sees as proof of sin. It is not really punitive at all.
  • essential [isén∫l] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • understood [ʌ̀ndə(r)stúd] : 「understand の過去・過去分詞形」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し、裏付け」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • punitive [pjúːnətiv] : 「懲罰的な、過酷な、刑罰の」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "It is essential that ~ "ここは"It ~ that ~ "の構文、「(肉体的快楽の追求と痛みの)この関係が理解されることは、絶対に必要である」。"for it is one ~ "「なぜなら、それは、エゴが、(肉体の)罪の証拠と見なす一つだからだ」。肉体が快楽を求めても、決して快楽だけにとどまらず、痛みとして終わるのは、肉体に罪がある証拠だ、とエゴは言うわけだ。痛みは、いわば、肉体の罪に対する罰、ということになる。"It is not really ~ "「しかし、本当は、肉体は罰に値するものではまったくないのだ」。エゴの主張は誤りである。肉体は罪にも罰にも無関係である。



It is but the inevitable result of equating yourself with the body, which is the invitation to pain.
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果」
  • equate [ikwéit] : 「〜を同等と見なす、〜と同一視する」
  • equate A with B : 「AをBと同等と見なす、同等として扱う」
  • invitation [ìnvitéi∫n] : 「招き、招待」
❖ "It is but the inevitable ~ "「肉体的快楽の追求が痛みに終わることは、あなた自身を肉体であると見なすことの、必然的な結果である」。幻想の肉体を実在と見なすことの結果である。"which is the invitation ~ "「それは、痛みを自ら招き入れているようなものである」。幻想世界は変化流動する世界であり、すべては時間と共に崩壊に向かう。肉体も例外ではない。その肉体の快楽も、当然ながら変化流動し、崩壊に向かう。肉体的快楽の追求が痛みとして終わるのは、原理的に必然なのだ。したがって、肉体的快楽を追求し出した段階で、それは痛みを招き入れる行為だとわかるのである。ところで、肉体的快楽とは、性的、肉欲的快楽にとどまるものではない。必要を越した食欲も、肉体的美醜を過度に追求することも、果ては、異常なまでの健康志向や長寿志向もその類に属するだろう。ただし、誤解してはならないのは、ACIMは快楽を否定し、禁欲主義を推奨しているのではない。幻想の肉体と自己を同一化し、幻想の快楽追求に終始することを戒めているだけだ。



For it invites fear to enter and become your purpose.
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "For it invites fear ~ "「なぜなら、肉体的快楽追求は、恐れが心に入って、あなたの目的になるようにと、招き入れているからだ」。変化流動し、必然的に崩壊に向かうものに対して、恐れは自動的に生じる。肉体的快楽追求は痛みとして終わるので、恐れを生じるし、肉体的快楽追求は、あたかも痛みに対する恐れを目的にしているようなものだ。



The attraction of guilt must enter with it, and whatever fear directs the body to do is therefore painful.
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
  • direct [dərékt] : 「命令する、指図する」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って」
  • painful [péinfl] : 「痛い、苦しい、痛みを伴う、有痛性の、苦痛の」
❖ "The attraction of guilt ~ "「罪へ引きつけられる気持ちも、恐れと共に入ってくるはずだ」。肉体的快楽追求は痛みを生じる。その痛みに対する恐れも生じる。同時に、エゴは、その原因は、肉体には元来罪があるからだと主張する。あなたは、エゴの言うことを信じて、罪を引き入れてしまうのだ。罪への魅力と書いてはいるが、罪が好きでたまらないという意味合いではなく、あたかも重力に捉えられた物体のように、否応無し(いやおうなし)に引きつけられてしまうというニュアンスである。"and whatever fear ~ "「したがって、恐れが肉体に命ずることは何でも、痛みに満ちたものとなるのである」。たとえば、罪から逃れようとして、その罪を他者に投射し、他者を攻撃せよと恐れは命ずる。だが、他者を攻撃し、そして反撃されることは、心の平和とは裏腹の、心の痛みではないのか。攻撃に至らなくても、罪を投射することで他者を排他し、自分は孤立していくだろう。孤立は心の痛みをもたらさないだろうか。



It will share the pain of all illusions, and the illusion of pleasure will be the same as pain.
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "It will share the pain ~ "「肉体的快楽追求は、すべての幻想の痛みを分かち持つことになろう」。幻想的快楽追求は肉体的快楽追求にとどまらない。物欲も然りである。物欲の最たるものが金銭欲であろう。金が欲しくてたまらないという、金銭的快楽追求もまた、崩壊へ向かい、痛みを結果することになる。結局、幻想的快楽追求はすべての幻想の痛みを合わせ持つことになるのだ。"and the illusion of pleasure ~ "「そして、幻想的快楽は、痛みと同等なものになってしまうのだ」。



13. Is not this inevitable? Under fear's orders the body will pursue guilt, serving its master whose attraction to guilt maintains the whole illusion of its existence.
  • inevitable [inévətəbl] : 「避けられない、当然の、必然的な、必然の」
  • order [ɔ́ː(r)də(r)] : 「指令、命令」
  • pursue [pə(r)s(j)úː] : 「〜を追跡する、〜を追いかける」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • serve [sə́ː(r)v] : 「〜に仕える、〜のために働く」
  • master [mǽstə(r)] : 「主人、家長、教師、親方、指導者、導師」
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • existence [igzístns] : 「存在、生存、現存、実存、実在」
❖ "Is not this ~ "「これは、避けられないことではないのか」。幻想的快楽が痛みと同等なものになってしまうのは、避けれないことだ。"Under fear's orders ~ "「恐れの命令下で、肉体は罪を追求する」。恐れが痛みを生じ、痛みの原因は罪があるからだと主張するエゴを信じて、罪を追求するのだ。自分の罪はもちろん、他者にそれを投射して、他者を罪ある者に見立ててしまうのである。"serving its master whose ~ "分詞構文、付帯状況、「肉体の支配者であるエゴに仕えながら」。"whose attraction to guilt ~ "「そのエゴの、罪に感じる魅力は、肉体の存在全体を支えているのだ」。エゴは、肉体は罪があると主張し、罪が実在する以上、肉体も実在すると主張するわけだ。あたかも、罪によって肉体の実在を証明しているかのようなものだ。



This, then, is the attraction of pain. Ruled by this perception the body becomes the servant of pain, seeking it dutifully and obeying the idea that pain is pleasure.
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る、指導する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • servant [sə́ː(r)v(ə)nt] : 「使用人、家来、召使い、奉仕者」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • dutifully [djúːtifəli] : 「うやうやしく、律義に、忠実に、従順に」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、服従する」
❖ "This, then, is ~ "「したがって、この罪への魅力は、痛みへの魅力である」。"Ruled by this perception ~ "分詞構文、先頭に"Being"を補えばいい、理由、「こんな知覚に支配されているので、」"the body becomes ~ "「肉体は、痛みのしもべとなってしまうのである」。"seeking it dutifully ~ "分詞構文、単純接続、「そして、従順に痛みを探し、痛みこそが快楽であるとする考えに従うのである」。肉体は痛みのしもべとなり、心はエゴの奴隷となってしまうわけだ。



It is this idea that underlies all of the ego's heavy investment in the body.
  • underlie [ʌ̀ndə(r)lái] : 「〜の基礎にある、下に横たわる、根底にある」
  • heavy [hévi] : 「重い、激しい、大きい、太い」
  • investment [invés(t)mənt] : 「投資、投下資本、出資、投資金」
❖ "It is this idea that ~ "「これが、エゴが肉体に入れ込んで投資することのすべての根底にある考えである」。結局、エゴは肉体を愛して肉体に入れ込んでいるのではない。肉体を憎んでいるのだ。エゴにとって肉体は罪ある忌まわしい存在であるが、それが痛みを感じてくれる以上、利用価値はある。神の子が、痛みを覚える肉体をもっている限り、神の子は肉体が幻想に過ぎないことに気付きはしないし、肉体の存在によって、神の子の分離は維持出来るからだ。



And it is this insane relationship that it keeps hidden, and yet feeds upon.
  • insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連 」
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • feed [fíːd] : 「〜に食物を与える、飼う、養う、煽る、大きくさせる、増大させる」
❖ "And it is this insane ~ "「そして、これが、エゴが隠そうとし、また、太らせようとしている、狂った関係性なのだ」。罪と恐れと痛みと肉体の、狂った関係性である。もちろん、それを陰で操っているのがエゴである。



To you it teaches that the body's pleasure is happiness. Yet to itself it whispers, "It is death. "
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • whisper [(h)wíspə(r)] : 「ささやく」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、死者」
❖ "To you it teaches that ~ "「あなたに向かってエゴは、肉体的快楽こそ幸福なのだと教える」。"Yet to itself ~ "「しかしエゴは、エゴ自身に向かっては、『肉体的快楽は死である』とつぶやくのだ」。エゴの観察は、珍しく、正しい。エゴは、心の中では、狂った関係性の真実の姿を知っているのだ。
 
 
 

T-19.IV.B.10:1 ~ T-19.IV.B.11:9

10. Faith in the eternal is always justified, for the eternal is forever kind, infinite in its patience and wholly loving.

  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信念、確信、信仰、信条」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、日夜、以前からずっと、常にいつでも」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと証明する、正当化する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • kind [káind] : 「優しい、親切な、いたわる」
  • infinite [ínf(ə)nət] : 「無限の、計り知れない、果てしない、莫大な」
  • patience [péi∫ns] : 「忍耐、我慢、辛抱強さ、根気」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
  • loving [lʌ́viŋ] : 「誠実な、愛情のある、愛情に満ちた、愛情のこもった」
❖ "Faith in the eternal ~ "「永遠なるものを信じることは、いつでも正当だと証明される」。永遠なるものを信じて、絶対間違いない。なぜなら、永遠なるものは実相世界の実在であり、実相世界の実在は真実であるからだ。"for the eternal is ~ "「なぜなら、真実なるものは永遠に心優しく、どこまでも辛抱強く、完全に愛情深いからだ」。だから、真実は幻想ではなく実相世界の実在なのである。したがって、信じるに十分足る。



It will accept you wholly, and give you peace. Yet it can unite only with what already is at peace in you, immortal as itself.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
  • unite with : 「〜と一緒になる、〜と結合する、〜と合体する」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
  • at peace : 「平和に、安らかに、安らかな気持ちで、心穏やかで」
  • immortal [imɔ́ː(r)tl] : 「死なない、不死身の、不死の、不朽の、不滅の、永久の」
❖ "It will accept ~ "「永遠なるものは、あなたを完全に受け入れ、あなたに平和を与えてくれるだろう」。"Yet it can unite only ~ "「しかし、永遠なるものは、あなたの心の中ですでに平和であって、それ自体、永遠であるものとだけ、結合出来るのである」。永遠なるものは実相世界の実在である。それは幻想世界の錯覚と結合することは出来ない。レベルが完全に異なるからだ。永遠なるものは、あなたの心の中の実在と結合するのである。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分、最も平和で、永遠なる部分とのみ、結合出来るのである。逆に、幻想世界の錯覚と結びつくようなものは実在ではなく、したがって、永遠ではない。したがって、『祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす』となるのである。滅びるものは実在ではないのだ。まさに、夢なのである。



The body can bring you neither peace nor turmoil; neither joy nor pain.
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • turmoil [tə́ː(r)mɔil] : 「騒動、混乱、不安、騒ぎ、動揺」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、満足、成功」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "The body can ~ "「肉体はあなたに、平和も混乱ももたらすことは出来ない」。肉体がもたらす平和も混乱も、実は幻想であって、夢の平安であり、夢の動乱である。同様に、"neither joy ~ "「喜びも痛みももたらすことは出来ない」。肉体がもたらす喜びも痛みも、それすら、幻想である。心がもたらす平和だけが実在である。



It is a means, and not an end. It has no purpose of itself, but only what is given to it.
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • end [énd] : 「目的、目標、最後、終局、終焉」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "It is a means ~ "「肉体は手段であって、目的ではない」。"It has no ~ "「肉体は、それ自体として、目的を持ってはいない」。"but only what ~ "「肉体に与えられたものだけを持ち得るのだ」。解釈の難しい部分である。肉体はそれ自体目的ではない。つまり、幻想の肉体を実在化し、永遠なる存在にすることは出来ないのだ。肉体は単なる手段、道具である。つまり、エゴにとっては、肉体は心を閉じこめておく牢獄であり、攻撃を加え得るターゲットである。ホーリー・スピリットにとっては、肉体は、それが幻想であると見抜いて肉体から解放され、実相世界に目覚めるための道具である。



The body will seem to be whatever is the means for reaching the goal that you assign to it.
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • reach [ríːt∫] : 「に達する、〜に至る」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • assign [əsáin] : 「〜を当てがう、与える、〜を割り当てる、指定する」
❖ "The body will seem ~ "「肉体は、あなたが割り当てた目的に到達するための手段なら、何にでもなれるように見えるだろう」。あなたの内部のエゴが指定した目的に到達するための悪しき手段にもなれるし、あなたの心の中のホーリー・スピリットが神聖な目的を達成するための正しき手段にもなれる。いわば肉体は、手段として、両刃(もろは)の刃(やいば)なのだ。



Only the mind can set a purpose, and only the mind can see the means for its accomplishment, and justify its use.
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、達成、完成 」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと証明する、正当化する」
❖ "Only the mind can ~ "「心だけが、目的を定めることが出来るし、」"and only the mind ~ "「心だけが、目的の達成のための手段を選び出し、その手段の使用を正当なものとすることが出来る」。あくまでも、実相の心が、幻想の肉体の上位に位置するのである。したがって、肉体の手段としての善し悪しは、その心の善し悪しが決定していることになる。



Peace and guilt are both conditions of the mind, to be attained.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの」
  • condition [kəndí∫n] : 「状態、状況、様子、様相」
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する、達成する、実現する」
❖ "Peace and guilt are ~ "意訳する「平和も罪も、共に、心の状態になり得るし、それは獲得出来るものなのだ」。あなたの心が、平和か罪かを選択でき、しかも、それを手に入れることが出来る。さて、あなたはどちらを選ぶか? 



And these conditions are the home of the emotion that calls them forth, and therefore is compatible with them.
  • emotion [imóu∫n] : 「感情、情緒、感動」
  • call forth : 「〜を生じさせる、〜を引き出す、〜を発揮させる、呼び起こす」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って」
  • compatible [kəmpǽtəbl] : 「矛盾のない、両立できる、両立する、互換性のある」
  • be compatible with : 「〜と互換性がある、〜と両立し得る、〜と共生できる」
❖ "And these conditions ~ "「そして、これらの心の状態は、その状態を生じさせる感情の住家であるのだ」。"and therefore is ~ "「したがって、これらの心の状態は両立出来るのである」。心が平和なら、その平和に似合った感情、つまり、愛に満ち、喜びといたわり、静けさに満たされた感情を生み出す。心に罪の意識があれば、心には痛み、後悔、嫌悪、憎悪、卑下、嫉妬、攻撃性の感情が住み着くことになる。しかも、人間は、そのどちらにも、感情は傾き得るのだ。なぜなら、心の状態と感情は、心が主導で選び出せるものだからだ。



11. But think you which it is that is compatible with you. Here is your choice, and it is free.
  • be compatible with : 「〜と互換性がある、〜と両立し得る、〜と共生できる」
  • choice [t∫ɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "But think you which ~ "「しかし、どちらがあなたと両立出来るか、考えて見なさい。」あなたは、平和と罪の、いったいどちらと共存出来るか、よく考えてみなさい。"Here is your choice ~ "「ここに、あなたの選択があり、選択は自由なのだ」。あなたは平和も罪も、どちらも自由に選択出来る。では、どちらを選ぶか? 



But all that lies in it will come with it, and what you think you are can never be apart from it. The body is the great seeming betrayer of faith.
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • come with : 「〜と共にやって来る、〜に同伴する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • betrayer [bitréiər] : 「裏切り者、内通者、密告者、誘惑者」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
❖ "But all that lies ~ "「しかし、あなたが選択したものの中にあるすべてが、共に、生じてくるのだ」。平和を選択すれば、平和の属性のすべてがあなたの心に生じ、罪を選択すれば罪の属性のすべてがあなたの心に生じてくる。"and what you think ~ "意訳する、「そして、これが自分だと思っているものは、決してその選択と無関係ではないのだ」。あなたがあなた自身をどう思っているかによって、平和か罪かの選択が決まる。"The body is ~ "意訳する、「肉体は、あなたの信じているものを表面的に裏切って見せることに長けている」。あなたがたとえ罪を選択したとしても、あなたの肉体は、あなたが罪を信仰していることを隠すが如く、平和な顔で平和な肉体を演じることが出来るのだ。逆に、あなたが平和を選択したとしても、心がエゴとの間でコンフリクトを起こしているうちは、肉体は痛みを覚え、病を起こし、決して平和な肉体として表れることはないだろう。



In it lies disillusionment and the seeds of faithlessness, but only if you ask of it what it cannot give.
  • disillusionment [dìsilúːʒənmənt] : 「覚醒、幻滅」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • only if : 「〜の場合に限り」
  • ask of : 「〜に要求する」
❖ "In it lies disillusionment ~ "「肉体の中に、幻滅や、不信心の種が存在する」。"but only if you ask of ~ "「しかし、あなたが、肉体が与えることの出来ないものを、肉体に要求したときに限って、そうなのだ」。たとえば、肉体を通じて、真の幸せを得ようとしても、それは叶わない。叶わないこと知ると、あなたは肉体に幻滅するのである。肉体を通じて、永遠の命を得ようとしても、それは叶わない。叶わないことを知ると、あなたは肉体に不信を覚えるのである。



Can your mistake be reasonable grounds for depression and disillusionment, and for retaliative attack on what you think has failed you?
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち、手違い、誤解」
  • reasonable [ríːznəbl] : 「道理にかなった、筋の通った、正当な、妥当な、適当な」
  • ground [gráund] : 「根拠、原因、理由、立場、立脚点、見地、見方」
  • reasonable grounds : 「正当な理由、合理的根拠」
  • depression [dipré∫n] : 「落ち込み、意気消沈、絶望」
  • disillusionment [dìsilúːʒənmənt] : 「覚醒、幻滅」
  • retaliative [ritǽlièitiv] : 「報復として行われる、報復的な、仕返しの」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • fail [féil] : 「裏切る、〜を失望させる」
❖ "Can your mistake be ~ "「あなたの判断の誤りが、意気消沈や幻滅の、あるいは、あなたを裏切ったと思い込んだものに対する報復的な攻撃の、正当な理由となり得るだろうか」。肉体に対して、叶わぬ望みを要求し、肉体がそれを実現出来なかったことに対して、あなたは幻滅し、意気消沈し、自分を裏切ったと逆恨みして報復攻撃に出ようとするかも知れないが、そもそも、その原因は、あなたの判断ミスにある。あなたの判断ミスが、幻滅や意気消沈を正当化出来るだろうか? さらに、あなたの判断ミスも、正当化され得るだろうか? 



Use not your error as the justification for your faithlessness.
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • justification [dʒʌ̀stəfikéi∫n] : 「正当化、正当とする理由」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
❖ "Use not your error ~ "「あなたの過ちを、あなたの不信心の正当化に利用してはならない」。あなたの判断ミスが原因で、幻滅もし、意思消沈もした。しかし、それよって、あなたの信じる気持ちを減少させてはならない。信じる気持ちがないことを正当化するために、あなたの判断ミスを利用してはいけない。



You have not sinned, but you have been mistaken in what is faithful.
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
  • mistake [mistéik] : 「誤る、間違える」
  • faithful [féiθfl] : 「信頼できる、誠実な、信心深い」
❖ "You have not ~ "「あなたは罪を犯したのではない」。"but you have been ~ "「そうではなく、何が信じるに足るか、その判断を誤っただけなのだ」。肉体が信頼に足るという、誤った判断を下したのだ。肉体が信じるに足るものではないという正しい判断を下していたなら、あなたは幻滅もしなかっただろうし、意気消沈もしなかった。信頼に足る心を信じていたなら、あなたの信じる心は減ずることもなかったのである。



And the correction of your mistake will give you grounds for faith.
  • correction [kərék∫n] : 「訂正、矯正、修正、是正、補正」
  • ground [gráund] : 「根拠、原因、理由、立場、立脚点、見地、見方」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
❖ ならば、修正すればいいのだ。"And the correction of ~ "意訳する、「あなたの誤りを正すことは、信じる気持ちを取り戻す正当な理由を与える」。誤りを正すことで、つまり、肉体ではなく心こそ信じるに足ると思い直すことで、あなたの信じる気持ちは取り戻せるのだ。そして、それは、正しい行いである。
 
 
 

T-19.IV.B.8:1 ~ T-19.IV.B.9:9

8. Forgive me your illusions, and release me from punishment for what I have not done.

  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • forgive A B : 「Aに対してBを赦す」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
  • punishment [pʌ́ni∫mənt] : 「罰すること、罰、刑罰、処罰、懲罰」
  • done [dʌ́n] : 「do の過去分詞」
❖ "Forgive me your ~ "直訳すると、「私(イエス)に対して、あなたの幻想を赦しなさい」。このままだと意味が混乱する。イエスもあなたも神の子だから、二つは同等と考えて、「私」も「あなた」も、すべて「神の子」に置き換えてしまえば意味がはっきりするだろう。「神の子が幻想をもってしまったことを許しなさい」。"and release me from ~ "「そして、私がしてもいないことで罰せられることから、私を解放しなさい」。ここも、「そして、神の子がやってもいないことで罰せられることから、神の子を解放しなさい」。つまり、神の子であるあなたは、もちろん、イエスも含めて、神に対して罪を犯してしまったと思っているが、それは幻想であり、神から罰せられる違いないという幻想からも解放されなさい、ということ。神を裏切って神から分離したという事実はない。それは幻想であり、夢の中の出来事だった。ACIMの赦しとは、それが幻想であると認識して受け流してしまうこと。



So will you learn the freedom that I taught by teaching freedom to your brother, and so releasing me.
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teach の過去・過去分詞形」
❖ "So will you learn ~ "「そうすればあなたも、〜である自由が学べるだろう」。"that I taught by ~ "「私が、あなたの同胞に自由を教え、そして私を解放することで、(あなたに)教えることとなる」自由が学べるだろう。ちょっと物語的に解釈してみようか。2000年前、私(イエス)は、神を裏切ったという罪が幻想であると知り、罪の意識と罰の恐れから解放され、本当の自由を知った。私はそれを、私を慕ってくれた同胞に密かに教え、彼らも私を解放し、同時に彼ら自身も解放した。今、時は2000年が経過したのだが、私はあなたに、昔と同じような開放を促し、あなたに自由を学んで欲しいのだ。なぜなら、2000年前の私も、その時の同胞も、2000年が経過した今のあなたも、神の子として単一の存在であるからだ。私たちは永遠に同胞であり、一なる存在なのだ。



I am within your holy relationship, yet you would imprison me behind the obstacles you raise to freedom, and bar my way to you.
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • imprison [imprízn] : 「〜を刑務所に入れる、監禁する、拘置する、投獄する」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • raise [réiz] : 「起こす、立てる」
  • bar [bɑ́ː(r)] : 「ふさぐ、妨げる、出入りを禁じる、閉じ込める」
❖ "I am within your ~ "「私が、あなたの神聖な関係性の中にいるにも関わらず、」"yet you would imprison ~ "「あなたは、自由を妨害する障害物を立てて、その背後に私を閉じこめ、あなたに至る私の道を塞ぎたいと思っているのだ」。あなたは、ホーリー・スピリットとの神聖な関係性を構築しており、当然、キリストとしてのイエスの存在も、その神聖な関係性の中に含まれているのだ。しかし、あなたは、イエスは特別な存在であったと考え、あなたとイエスの間に垣根を作っている。しかし、本当は、あなたとイエスは神の子として単一であり、同体なのだ。ならば、イエスを自分として受け入れるべきだろう。ACIMの中には、具体的にどうしろ、とは書いていないが、あなたが何かの問題に直面したなら、イエスならどうするだろうかと考え、イエスならこうするだろうと思ったなら、勇気をもってそうすべきなのだ。それが、イエスを受け入れるということではないだろうか。イエスのように生きよとは、そこから始めるべきだろう。イエスのまねをせよということではない。そうではなく、イエスがあなたの中に住んでいると知って、イエスと同体で生きよ、ということである。



Yet it is not possible to keep away One Who is there already.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • keep away : 「〜を離れた状態にしておく、近づけない、避ける」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "Yet it is not possible ~ "ここは"It ~ to ~ "の構文、「しかし、すでに神聖な関係性の中にいる一なる者を遠ざけておくことなど不可能なのだ」。"One"「一なる者」と訳したが、イエスのことだと思っていいだろう。もちろん、キリストだと思ってもいいし、神自身だと考えてもいい。所詮、すべては同一で、すべては神に収斂してしまうのだから。蛇足になるが、"one"を、他の者とは異なる特別な存在者と解釈しても、解釈出来ないことはない。しかし、実相世界が完全な平等世界であることを考えると、あるいは、神は決して特別扱いすることがないことを考えれば、"one"を他の者とは異なる特別な存在者と解釈することは、正道を外すように思える。思い過ごしだろうか? 



And in him it is possible that our communion, where we are joined already, will be the focus of the new perception that will bring light to all the world, contained in you.
  • communion [kəmjúːniən] : 「交わり、親交、正餐」
  • join [dʒɔ́in] : 「〜に加わる、〜に加入する、結び付ける、結合する」
  • focus [fóukəs] : 「焦点、中心、的」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • contain [kəntéin] : 「〜を含む、包含する、〜が入っている」
❖ "And in him it is ~ "「その一なる者の中にあってこそ、that以下は可能なのだ」。"that our communion, where ~ "「私たちの聖なる集いは、その集いで、私たちはすでに結合しているのだが、その聖なる集いは、」"will be the focus of ~ "「新しい知覚の中心になるであろう」。つまり、コミュニオン(聖なる集い)を通して、世界を見ることになるだろう。"that will bring light ~ "「その新しい知覚は、あなたの心の中に包み込まれた全世界に、光をもたらすことになるのだ」。新しい知覚は、あなたの心が幻想しているこの世界に、新しい光をもたらし、その光が照らし出した本当の姿があなたに見えてくるだろう。



i. The Attraction of Pain
痛みの魅力


9. Your little part is but to give the Holy Spirit the whole idea of sacrifice.
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「分担、役、役目、役割」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
❖ "Your little part is but ~ "「あなたのほんの小さな役割とは、ホーリー・スピリットに、犠牲という考えのすべてを渡してしまうことである」。実相世界に犠牲という概念はないので、ホーリー・スピリットはあなたから受け取った犠牲という概念を、平和という概念に質転換して、あなたに返してくれる。



And to accept the peace he gives instead, without the limits that would hold its extension back, and so would limit your awareness of it.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、その代わりに」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • limit [límit] : 「限度、制限、限界」
  • hold [hóuld] : 「〜の状態にしておく」
  • extension [ikstén∫n] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
  • awareness [əwéə(r)nəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性」
❖ "And to accept the peace ~ "ここは前文からの引き続きで、あなたのほんの小さな役割とは、「その外に、ホーリー・スピリットが代わりに与えてくれる平和を受け入れることである」。"without the limits ~ "「平和の拡張を押しとどめるような制限を持たずに、」平和を受け入れることである。"and so would ~ "「制限を持ったとすれば、あなたの平和に対する意識を制限することになるのだ」。平和を独占しようなどと考えずに、平和を同胞達と分かち合って、拡張増大させなさい、ということ。



For what he gives must be extended if you would have its limitless power, and use it for the Son of God's release.
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • limitless [límitlis] : 「無限の」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除」
❖ "For what he gives ~ "「なぜなら、もしあなたが、ホーリー・スピリットの無限のパワーを得て、そのパワーを、神の子の解放のために使いたいのであれば、ホーリー・スピリットが与えてくれるものは、拡張されねばならないからだ」。実相世界では、拡張と分かち合いは表裏一体である。したがって、あなたが、同胞の解放のためにホーリー・スピリットのパワーを使いたいのであれば、そのパワーを増大させるために、パワーを同胞達と分かち合い、拡張していく必要があるのだ。



It is not this you would be rid of, and having it you cannot limit it. If peace is homeless, so are you and so am I.
  • rid [ríd] : 「取り除く、取り出す、自由にする、解放する」
  • be rid of : 「〜を免れる、脱する」
  • homeless [hóumlis] : 「家のない、住む家もない」
❖ "It is not this you ~ "「あなたが逃れたいと思っているのは、これではない」。ホーリー・スピリットの無限のパワーから逃れたいと思っているはずはない。"and having it you ~ "「そのパワーを持ってしまえば、あなたはそれを制限することなど出来ないのだ」。無限に拡張増大するホーリー・スピリットのパワーに制限を掛けることなど不可能だ。いずれ、ホーリー・スピリットのパワーによって、平和は拡張増大していくのである。"If peace is ~ "「もし、平和に宿る家がなかったなら、あなたにも、私にも宿る家がないことになる」。つまり、平和はあなたの、そして神の子の、心の最も神聖な部分に宿るのだ。そのあなたと同胞達は、生まれた故郷の天の王国に回帰しなくてはならない。そこに家があるからだ。



And he who is our home is homeless with us. Is this your wish? Would you forever be a wanderer in search of peace?
  • wish [wí∫] : 「願い、願望、希望」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • wanderer [wάndərər] : 「放浪者、歩き回る人、さまよい歩く人」
  • in search [sə́ː(r)t∫] of : 「〜を探し求めて」
❖ "And he who is ~ "「そして、私たちの家であるホーリー・スピリットもまた、我々と同じく家を無くしてしまうだろう」。平和が宿る場所があなたの心の最も神聖な部分であると同時に、その神聖な部分にホーリー・スピリットは宿る。そこが実相世界との接点になっており、我々が宿るべき場所でもあるのだ。したがって、心の神聖な部分を失ってしまったら、ホーリー・スピリットの宿る場所はなくなるし、我々の回帰すべき場所も失われてしまう。"Is this your ~ "「宿る場所を失うことが、あなたの望みであるのか」。"Would you forever be ~ "「あなたは、平和を求めて歩く、永遠の彷徨(さまよ)える人になりたいのか」。ホーリー・スピリットを失い、エゴと組して、永遠に、幻想世界を、平和を求めて彷徨い歩きたいのか。



Would you invest your hope of peace and happiness in what must fail?
  • invest [invést] : 「〜を注ぎ込む、〜を投資する、出資する、運用する」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる、破産する、倒産する」
❖ "Would you invest ~ "「あなたは、成功の見込みが全くないものに、平和と幸福の望みを投資したいと思っているのか」。まさに、あなたは、エゴと幻想世界に、あなたの命を預けてしまいたいのか。そんなことをしたら、あなたは、確実に平和も幸福も失ってしまうのだ。
 
 
 

T-19.IV.B.6:1 ~ T-19.IV.B.7:8

6. Let me be to you the symbol of the end of guilt, and look upon your brother as you would look upon me.

  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • look upon : 「〜を見る」
❖ "Let me be to you ~ "「あなたにとって、私が、罪の終焉のシンボルとしなさい」。あなたがイエスの存在を意識することで、それが切っ掛けとなって、罪の意識から解放される方向へと向かいなさい。"and look upon your ~ "「そして、あなたが私を見るように、あなたの同胞を見なさい」。あなたがイエスを罪の終焉のシンボルと見るように、同胞を罪の終焉のシンボルと見なさい。同胞と共に、罪の意識から解放されるようにしないさい。なぜなら、あなたの心の中のホーリー・スピリットと、同胞の心の中のホーリー・スピリットは、同じ聖なる目的をもっているのだから。



Forgive me all the sins you think the Son of God committed.
  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • forgive A B : 「AのBを赦す」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • commit [kəmít] : 「犯す」
❖ "Forgive me all ~ "意訳する、「神の子が犯したとあなたが思い込んでいる罪を、私の名にかけて、赦しなさい」。神の子が犯したと思い込んでいる罪は、夢の中の出来事であって、実相世界では何も起きなかったのだと認識し、その幻想を受け流しなさい、ということ。原文を見ると、あたかもイエスを赦せ、と言っているように感じるだろうが、前文において、イエスを罪の終焉の象徴と見なせ、とあるから、イエスの名において罪を赦せ、と解釈した方が正しいだろう。言うまでもなく、ACIMの赦しとは、それが存在していなかったとして受け流してしまうこと。



And in the light of your forgiveness he will remember who he is, and forget what never was.
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
❖ "And in the light of ~ "「そして、あなたの赦しの光の中で、神の子は、自分が誰であるか、思い出すだろう」。"and forget what ~ "「そして、決して起きなかったことを、忘れてしまうだろう」。あなたが罪を赦すことで、同胞達は自分が無辜(むこ)なる神の子であったことを思い出すのだ。そして、自分が犯した罪は、実は決して起きてはいなかったと知って、受け流し、忘れていくのである。



I ask for your forgiveness, for if you are guilty, so must I be.
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • guilty [gílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した」
❖ "I ask for your ~ "「私は、あなたの赦しを求めている」。"for if you are guilty ~ "「もし、あなたが罪深いのなら、私もまた罪深いはずだから」。あなたが、自分の罪は幻想であると知って、自分を赦したように、イエスの罪も幻想であると知って、イエスを赦して欲しい。なぜなら、あなたとイエスは、天の王国において、一体の関係になるべきはずだからだ。あなたとイエスが違うように見えるのは、この幻想世界にあるからで、実相世界では、神の子すべては単一であり、キリストやホーリー・スピリットと融合してくのだ。



But if I surmounted guilt and overcame the world, you were with me.
  • surmount [sə(r)máunt] : 「乗り越える、克服する」
  • overcome [òuvə(r)kʌ́m] : 「克服する、乗り越える、乗りきる」
❖ "But if I surmounted guilt ~ "「しかし、もし私が罪を乗り越え、世界に勝利したのなら、」"you were with ~ "「あなたは、私と共にあったのだ」。2000年前、イエスが、人間の罪は幻想であり、この世界も幻想であると叡智し、罪と世界に勝利したことを、あなたが受け入れるなら、その勝利は、またあなたの勝利でもあるのだ。なぜなら、単一の神の子として、あなたはイエスと一体であったからだ。その事実を、あなたはこの夢の中で忘れているのである。



Would you see in me the symbol of guilt or the end of guilt, remembering that what I signify to you you see within yourself?
  • signify [sígnəfài] : 「〜の表れである、〜を意味する、表す」
  • within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
❖ "Would you see in me ~ "「あなたは私の中に罪のシンボルを見たいのか、それとも、罪の終焉を見たいのか」。"remembering that ~ "意訳する、「あなたにとって私がどう見えるか、あなたはあなたの心の中でそれを見ているのだと、覚えておきなさい」。イエスが罪のシンボルに見えるか、罪の終焉に見えるか、あなたは自分の心をイエスに投射しているのだ。



7. From your holy relationship truth proclaims the truth, and love looks on itself.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • proclaim [proukléim] : 「宣言する、〜を明白に示す、〜であることを明らかにする」
❖ "From your holy relationship ~ "「あなたの聖なる関係性を通して、真実は真実なるものを明白に示し、愛は愛自体を見るのである」。あなたが、キリストやホーリー・スピリットと神聖な関係性を築くとき、あなたには実相世界の真実が真実として、愛が愛として見えてくるのだ。実相世界は一元論の世界であり、あらゆる実在が対極概念をもたない純粋な形で存在する。それが、あなたの目に見えてくるのだ。真実は純粋に真実として輝き、愛は純粋に愛として輝く。あたかも、真実は真実を宣言し、愛は愛の輝きを見つめているかのようだ。



Salvation flows from deep within the home you offered to my Father and to me.
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • flow [flóu] : 「流れ出る」
  • deep [díːp] : 「深み、深淵、海淵」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側で」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "Salvation flows from ~ "「あなたが、私の父なる神と私に差し出してくれた住家の内側深くから、救いが湧き出してくるのである」。あなたは、神やキリストやホーリー・スピリットの住む場所として、あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分を提供してくれた。その、あなたの心の深部から、救いのパワーが溢れ出てくる。



And we are there together, in the quiet communion in which the Father and the Son are joined.
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、平穏な、穏やかな、平和な」
  • communion [kəmjúːniən] : 「正餐、交わり、親交」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する、合わせる」
❖ "And we are there ~ "「そこに、私たちは共にいる」。あなたの心の深部、最も純粋で神聖な場所に、キリストやホーリー・スピリットと共にイエスも、もちろん、本当のあなた自身もいるのである。"in the quiet communion ~ "「そして、父なる神と神の子が結合する、静かなコミュニオンの中にいるのである」。"communion"「コミュニオン」は、"holy relationship"「神聖な関係性」と考えていい。あるいは"holy communication"「神聖なコミュニケーション」と考えていいだろう。神聖な者達が集うのである。



O come ye faithful to the holy union of the Father and the Son in you!
  • ye [jéi] : 「なんじら、あなたがた」
  • faithful [féiθfl] : 「信頼できる、誠実な、真心を尽くす」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "O come ye faithful ~ "「おお、信心深いあなたよ、あなたの心の中の、父なる神と神の子の神聖な結合に、あなたも来て加わりなさい」。



And keep you not apart from what is offered you in gratitude for giving peace its home in Heaven.
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • gratitude [grǽtət(j)ùːd] : 「感謝、感謝の気持ち、報恩の念」
  • in gratitude for : 「〜に感謝して、〜への感謝の念から」
❖ "And keep you not ~ "「天の王国における、平和の住家を与えられたことに感謝して、あなたに差し出されたものから遠ざかってはいけない」。天の王国とは、あなたの心の中にある。あなたの心の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇があって、そこが天の王国との接点になっている。そこに、平和が与えられ、平和の住家が提供されたのである。あなたは、差し出された平和から、身を退かせるようなことがあってはならない。あなたのための平和なのだから。感謝して、平和を受け取りなさい。



Send forth to all the world the joyous message of the end of guilt, and all the world will answer.
  • send forth : 「送り出す、発行する、派遣する」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた、楽しい、楽しげな」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、伝達内容」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • answer [ǽnsə(r)] : 「答える、返事する」
❖ "Send forth to all ~ "「罪の終焉を告げる喜びのメッセージを、世界中に広げなさい」。"and all the world ~ "「そうすれば、世界がそれに答えてくれるだろう」。あなたの心が核となって、平和が世界の同胞達の心へ広がっていくように献身しなさい。そうすれば、世界の同胞が、平和の心をもって、あなたに答えてくれる。



Think of your happiness as everyone offers you witness of the end of sin, and shows you that its power is gone forever.
  • think of : 「〜のことを考える、〜を熟考する」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、証拠、証言」
  • gone [gɔ́(ː)n] : 「go の過去分詞形」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Think of your happiness ~ "「みんなが、あなたに、罪の終焉を示す証言を差し出し、罪のパワーが永遠に去ったと、あなたに示すとき、あなたの幸せがどんなであるか、考えてみなさい」。



Where can guilt be, when the belief in sin is gone? And where is death, when its great advocate is heard no more?
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • advocate [ǽdvəkət] : 「擁護者、支持者、提唱者、賛同者、唱道者」
  • heard [hə́ː(r)d] : 「hear の過去・過去分詞形」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "Where can guilt ~ "「罪への信仰が去った今、罪はどこに存在出来ようか」。"And where is death, when ~ "「死の唱道者の声がもはや聞こえなくなった今、死はどこにあるだろうか」。罪も死も、両方の幻想が、霧や雲のように消滅してしまった。その後に、陽が差すように、平和の光が輝いてくるのである。
 
 
 

T-19.IV.B.4:1 ~ T-19.IV.B.5:8

4. Peace is extended from you only to the eternal, and it reaches out from the eternal in you.

  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • reach [ríːt∫] : 「伸びる、向かう、及ぶ、伝わる」
  • reach out : 「手を伸ばす、差し出す、接触する、連絡しようとする」
❖ "Peace is extended ~ "「平和は、あなたから永遠なるものだけへ向けて拡張するのだ」。"and it reaches out ~ "「平和は、あなたの心の中の永遠なるものから伸びていくのである」。実相世界は永遠不変であり、時間も空間も存在しない。したがって、あなたの心は実相であるから、無限である。平和も実相であるから、分かち合われることで無限に拡張し、無限なるもの、すなわち実相の実在全体へと広がっていくのである。無限なる心から出発して、平和は無限なる心へと、無限の実相世界へ広がっていくのだ。誤解してはならないは、実相世界の無限とは、空間的な広がりが無限という意味ではない。実相世界には空間というものが存在しないから、空間的広がりも存在しない。しかし、我々の3次元的な感覚から見れば無限という言葉が当てはまるというだけなのだ。したがって、より正確に言えば、時間的空間的制限がまったくない世界、それを無限の世界と呼んでいると了解すればいいだろう。



It flows across all else. The second obstacle is no more solid than the first. For you want neither to get rid of peace nor limit it.
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く」
  • across [əkrɑ́s] : 「横切って、横断して、向こう側へ」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
  • solid [sɑ́ləd] : 「固体の、固形の、硬い、頑丈な、実在感のある、手応えのある」
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AもBも〜ない」
  • get rid of : 「取り除く、除去する、削除する、排除する」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
❖ "It flows across ~ "「平和は、その他のものすべてを越えて流れていく」。幻想世界のすべてのものに遮られることなく、永遠なる心へと流れていく。"The second obstacle is ~ "「第二の障害も、第一の障害同様、頑固なものではない」。"For you want neither ~ "「なぜなら、あなたは平和を排除したいとも、平和に制限を掛けたいとも思っていないからだ」。平和でありたいと望む気持ちがあるなら、第二の障害も、あなたなら乗り越えられる。制限という概念を越えたいと望むところに、無限は出現するのだ。その無限が平和を受容するのである。



What are these obstacles that you would interpose between peace and its going forth but barriers you place between your will and its accomplishment?
  • interpose [ìntə(r)póuz] : 「〜を間に入れる、〜を割り込ませる」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
  • go forth : 「出て行く、出発する、広まる」
  • barrier [bǽriə(r)] : 「障害物、障壁、バリア」
  • will [wíl] : 「意志、願望、意欲」
  • accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、偉業、成果、達成、完成」
❖ "What are these ~ "「あなたが、平和とその進展の間に入れたいと思う障害は、あなたの意思とその達成の間にあなたが置いた障害物でなくて、一体何であろうか」。平和を阻害したいという思いは、あなたの意思の否定である。制限を設けたいと望む気持ちは、制限を超越したあなたの意思に制限を掛けたいと望むことである。つまり、不可能なことを望むのだ。あたかも、成長する子供に、いつまでも子供であってもらいたいと望むようなものだ。そこにストレスが生じる。コンフリクトが生じると言ってもいい。



You want communion, not the feast of fear. You want salvation, not the pain of guilt.
  • communion [kəmjúːniən] : 「正餐、交わり、親交、共有、交流」
  • feast [fíːst] : 「祝宴、宴会、饗宴」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
❖ "You want communion ~ "「あなたは コミュニオンを欲しているのであって、恐れの饗宴を欲しているのではない」。"communion"とは、神聖な関係性のこと。神聖な関係性にある者同士が集って、食べたり語らったりする祝宴と考えていいだろう。キリスト教の正餐式を表しているものではない。"You want salvation ~ "「あなたは救いを欲しているのであって、罪の痛みを欲しているのではない」。当たり前だと言われるかも知れない。しかし、その当たり前を、あなたはないがしろにして来なかったと、あなたは言い切れるだろうか? 自分には、救いは必要ないと、心のどこかで思ってはいまか? 



And you want your Father, not a little mound of clay, to be your home. In your holy relationship is your Father's Son.
  • mound [máund] : 「塚、小山、盛り土、堤、土手、土塁」
  • a mound of : 「大量の」
  • clay [kléi] : 「 粘土、土、泥」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "And you want ~ "「あなたは、父なる神を欲しているのであって、あなたの生まれたその家として、わずかばかりの土くれを欲しているのではない」。人は土くれから生まれたのではなく、神が創造したものであるとあなたは思いたいはずだ。あなたの出自は土くれではない。ましてや、どこの馬の骨とも知れぬ男の、その肋骨でもない。"In your holy relationship ~ "「あなたの神聖な関係性の中に、あなたの父なる神の、その神の子は存在するのだ」。難しい言い回しをしているが、あなたがホーリー・スピリットやキリストやアセンディド・マスター達と神聖な関係性を保っている中で、あなたが神の子である事実が、あなたにも分かってくる、といった意味合いであろう。あるいは、神聖な関係性の中で、あなたの神の子としての存在が明確に確定する、といった意味合いか。



He has not lost communion with him, nor with himself. When you agreed to join one another, you acknowledged this is so.
  • lost [lɔ́(ː)st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
  • agree [əgríː] : 「同意する、合意する、賛成する」
  • join [dʒɔ́in] : 「結合する、連結する、合わせる、交わる、一緒になる」
  • one another : 「お互い」
  • acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する、同意する、認識する、受け入れる」
❖ "He has not lost ~ "「神の子は、神とのコミュニオンを失ってはいなし、神の子自身とのコミュニオンも失ってはいない」。神の子は神との神聖な関係性を失ってはいない。つまり、神と分離してはいないのだ。さらに、単一存在としての神の子の神聖な関係性も失ってはいない。つまり、神の子が分離分裂してはいない、ということ。神の子が神と分離したと思い込んだことも、神の子が散り散りに分裂したと思い込んだことも、ともに幻想に過ぎなかったのだ。ただの夢である。"When you agreed ~ "「あなたが、(神の子同士)互いに結びつこうと同意したとき、」"you acknowledged ~ "「あなたは、このことがそうであると認識したのである」。あなたが神からの分離を解消し、神の子同士再び結合しようと意思したとき、本当は神からの分離も神の子の分裂も起きていなかったのだと認識したのである。神聖な関係性は失われていなかったのだと知ったのである。過去形で表現されているが、ACIMでは時制を気にしないこと。実相世界ですでに起きていることが、幻想世界で追体験されるだけの話である。過去も未来も、実は存在していないのだ。



This has no cost, but it has release from cost.
  • cost [kɔ́(ː)st] : 「〜に負担をかける、犠牲を払わせる」
  • cost [kɔ́(ː)st] : 「犠牲、代償、損失」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "This has no ~ "「これには犠牲は伴わない」。"but it has releaseb ~ "「それは、犠牲からの解放なのだ」。コミュニオン、つまり神聖な関係性を保つために、犠牲にすることは何もない。むしろ、肉体的犠牲や精神的犠牲から、神聖な関係性は解放してくれるのである。つまり、実相世界の実在との結合は、あなたを解放し、犠牲を追放するのである。



5. You have paid very dearly for your illusions, and nothing you have paid for brought you peace.
  • paid [péid] : 「pay の過去・過去分詞形」¥
  • pay : 「〜の代価を払う、〜に対して賠償する」
  • dearly [díə(r)li] : 「非常に、愛情を込めて、心から」
  • illusion [ilúːʒ(ə)n] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
❖ "You have paid very ~ "「あなたは、あなたの幻想のために、多大な犠牲を払ってきたが、」"and nothing you ~ "「あなたが犠牲を払ったものすべては、あなたに平和をもたらすことはなかった」。実相的平和を、幻想の物質や肉体で得ようとしても不可能である。それは犠牲を払うだけで、実りはない。



Are you not glad that Heaven cannot be sacrificed, and sacrifice cannot be asked of you?
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする」sacrifice : 「犠牲、いけにえ」
❖ "Are you not glad that ~ "「あなたは、that以下を嬉しく思わないだろうか」。"that Heaven cannot ~ "「天の王国は犠牲にされることは不可能だし、犠牲が、あなたに求められることも不可能なのだ」。実相的実在が、幻想ために犠牲にされることは不可能だ。そもそも、実相世界には犠牲という概念は存在しないのである。犠牲が存在しないのに、どうして天の王国を犠牲に出来るだろう? ましてや、天の王国があなたに犠牲を強いることなど、原理的に不可能なのだ。したがって、天国に入るには、お布施や布教活動や献身が必要だと説く宗教はまやかしである。



There is no obstacle that you can place before our union, for in your holy relationship I am there already.
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • before [bifɔ́ː(r)] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "There is no obstacle ~ "「あなたが、私たちの結合の前に置くことの出来る障害物はない」。神聖なもの同士が集い、結合するコミュニオンを邪魔することは、誰にも出来ない。"for in your holy relationship ~ "「なぜなら、あなたの聖なる関係性の中に、私(イエス)はすでにいるからだ」。キリストとしてのイエスを、コミュニオンに入れまいとする障害なのであろうが、すでに、イエスはその中に参加している。あなたがホーリー・スピリットと聖なる関係性を築いた時点で、イエス・キリストは、すでに、その関係性の仲間入りをしているのだ。ホーリー・スピリットとキリストが一体であることが窺える。



We will surmount all obstacles together, for we stand within the gates and not outside.
  • surmount [sə(r)máunt] : 「乗り越える、克服する、突破する」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • stand [stǽnd] : 「立っている、立ち上がる、立つ」
  • gate [géit] : 「入り口、門扉、ゲート、門」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
❖ "We will surmount ~ "「私たちは一緒になって、すべての障害を乗り越えることになろう」。"for we stand within ~ "「なぜなら、私たちはゲートの内側に立っているのであって、外側ではない」。ゲートとは、実相世界のゲート、あるいは天の王国のゲート。この世界とあの世界の間にあるゲートである。聖なる関係性を築いた時点で、すでにそのゲートをくぐり抜けている。ゲートをくぐれば、残された歩みは、あと一歩である。神の力を借りて、最期の架け橋を渡るだけである。



How easily the gates are opened from within, to let peace through to bless the tired world!
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • from within : 「〜の中から、内側から、内部から」
  • through [θruː] : 「通り抜けて、直通で」
  • bless [blés] : 「授ける、祝福する、清める」
  • tired [táiə(r)d] : 「疲れた、しんどい」
❖ "How easily the gates ~ "「ゲートは、なんと簡単に、内側から開けれるのだろうか」。"to let peace through ~ "「疲れ果てた世界を祝福するために、平和を、そのゲートを通すために、」なんとも簡単に、ゲートは開けられることか。天の王国のゲートは内側から簡単に開く。そこを通して、実相世界の平和を送り出し、幻想に疲弊した世界に平和を広げるのである。蛇足になるが、このゲートは幻想世界の産物である。幻想世界が、実相世界に対して築いたゲートである。ゲートが幻想であるから、実相世界からは簡単に開けられるのだ。逆に、幻想世界からは、あたかも開かずの扉の如く、なのである。



Can it be difficult for us to walk past barriers together, when you have joined the limitless?
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • past [pǽst] : 「〜を過ぎて、越えて」
  • join [dʒɔ́in] : 「結合する、連結する、合わせる、〜に加わる、〜に加入する」
  • limitless [límitlis] : 「無限の、限りない」
❖ "Can it be difficult ~ "「あなたが、制限のない者達と結合した時、私たちが一緒になって、バリアーを越えて歩んでいくことは困難であろうか」。"the limitless"「制限のない者達」とは、実相世界の存在者達、つまり、ホーリー・スピリットであり、キリストであり、アセンディド・マスター達。あなたは、それらと結合し、聖なる関係性を築いたのだ。実相世界の実在が、幻想のバリアーによって制限されることなどないのだ。



The end of guilt is in your hands to give. Would you stop now to look for guilt in your brother?
  • end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉、終点、終了」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • look for : 「〜を探す」
❖ "The end of guilt is ~ "「罪の終焉は、与えられるべく、あなたの手中にある」。"Would you stop ~ "「今や、あなたの同胞の中に罪を探すことを止めにしたらどうであろうか」。幻想世界で疲弊した同胞に平和を与えて祝福出来る立場にあるあなたである。同胞に罪を求めることはもう止めにしようではないか。イエスがそうしたように、我々もそれが出来るはずである。同じ人間であり、同じ神の子なのだから。
 
 
 

T-19.IV.B.2:1 ~ T-19.IV.B.3:7

2. This is the value that you think peace would rob you of.

  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価」
  • rob [rɑ́b] : 「〜から力ずくで奪う、〜の中身を盗む、〜から奪う」
  • rob A of B : 「AからBを奪う」
❖ "This is the value that ~ "「これが、あなたが、平和があなたから奪ってしまうと思っている価値なのだ」。平和は実相世界の真実であり、実在は心だけだという認識から生まれる。同時に、平和は、肉体が幻想であることを認識している。肉体が他者を攻撃しても、平和は、その価値を認めない。肉体と肉体が結合しても、その結合が偽りであることを平和は知っている。罪あるものが肉体的な罰を加えられたとしても、平和は、それは幻想世界の茶番劇に過ぎないと達観する。肉体的な美醜によって平和は得られないのだと、真の平和は知っている。つまり、真実の平和は、幻想世界の価値観をひっくり返してしまうのだ。あたかも、あなたにとって価値あるものを平和が奪ってしまうように、あなたは感じるのだ。



This is what you believe that it would dispossess, and leave you homeless.
  • dispossess [dìspəzés] : 「〜から取り上げる」
  • leave [líːv] : 「〜の状態にしたままにする」
  • homeless [hóumlis] : 「家のない、住む家もない」
❖ "This is what you ~ "「これが、あなたがthat以下だと信じていることである」。"that it would dispossess ~ "「平和は(肉体的価値をすべて)奪い取り、あなたをホームレスにしてしまう」とあなたが信じていることである。心の平和をとるか、物質的平和をとるか、と迫れれば、恐らく、多数の人たちは物質的平和、肉体的平和を選択するだろう。心の平和と肉体的平和、物質的平和は両立しないのだ。一見、両立出来るように思うかも知れないが、幻想と実相を共に心に抱くことは不可能だ。ACIMが、ホーリー・スピリットとエゴの両者を師として信奉することは不可能だと述べていることを思い出そう。心の平和、つまりホーリー・スピリットの思考システムを採用すれば、肉体の平和、つまりエゴの思考システムを放棄しなくてはならないのだ。その覚悟なしに、ACIMに触れることは、あなたにとって危険である。下手をすると、物質的、肉体的平和を、あなたは失うことになるからだ。



And it is this for which you would deny a home to peace.
  • deny [dinái] : 「〜に…を与えない、〜を否定する」
  • deny B to A : 「AにBを与えない」
❖ "And it is this for ~ "「そして、これが、あなたが平和に対して、その住む場所を与えない理由である」。あなたの心を平和の安住の場として与えることを拒んでいる理由である。



This "sacrifice" you feel to be too great to make, too much to ask of you. Is it a sacrifice, or a release?
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • ask of : 「〜に要求する」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
❖ "This "sacrifice" you feel ~ "ここは"too ~ to ~ "の構文、「この『犠牲』は、あまりにも大き過ぎて、それは出来ないと、あなたは感じている」。"too much to ~ "「あまりにも多すぎて、あなた自身に要求するものではない、と感じている」。しかし、"Is it a sacrifice ~ "「これが犠牲だろうか、解放だろうか」。肉体的価値を放棄することは犠牲か、解放か。



What has the body really given you that justifies your strange belief that in it lies salvation?
  • really [ríː(ə)li] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと説明する、弁明する、正当化する」
  • strange [stréin(d)ʒ] : 「奇妙な、変わった、変な」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "What has the body ~ "「犠牲の中にこそ救いはあるのだという、奇妙な信仰を正当化するような何かを、肉体はあなたに、実際に与えてくれただろうか」。考えても見よう。信仰のもとに、いかに多くの犠牲が払われてきたことか。しかし、証明するまでもなく、犠牲はただの一度たりとも救いをもたらしたことはない。それは単に、犠牲を強いる側の気休めであるに過ぎなかった。



Do you not see that this is the belief in death? Here is the focus of the perception of Atonement as murder. Here is the source of the idea that love is fear.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡」
  • focus [fóukəs] : 「焦点、中心、的」
  • perception [pə(r)sép] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • Atonement [ətóunənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • murder [mə́ː(r)də(r)] : 「殺人、謀殺」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」 fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
❖ "Do you not see that ~ "「犠牲が救いをもたらすとは、死への信仰であると、あなたは分からないのか」。"Here is the focus ~ "「ここに、贖罪は人殺しであると知覚する焦点がある」。死によって何かが変わるのだから、死は罪を帳消しに出来るかも知れないと考え、人を殺し、犠牲を強いることで贖罪が果たせるに違いないと思い込むのである。死を無駄にしたくないという思いは、ある意味では同情に値するが、かと言って、たとえば、イエスの死を、人類全体の罪の贖罪に利用するとは、あまりにも突飛で、飛躍した思想ではないか。"Here is the source ~ "「ここに、愛は恐れであるという考えの源がある」。愛は救いをもたらすが、救いのための死さえ愛は求めるかもしれないと思い、愛を恐れるのである。



3. The Holy Spirit's messengers are sent far beyond the body, calling the mind to join in holy communion and be at peace.
  • messenger [més(ə)n(d)ʒə(r)] : 「メッセンジャー、使者」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して」
  • join [dʒɔ́in] : 「加わる、加入する、参加する、交わる、一緒になる」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • communion [kəmjúːniən] : 「正餐、交わり、親交、共有、交流」
  • at peace : 「平和に、安らかに、安らかな気持ちで、心穏やかで」
❖ "The Holy Spirit's messengers ~ "「ホーリー・スピリットのメッセンジャー(使者)は、肉体を遥かに越えた所から送られて来る」。ホーリー・スピリットが主導する愛の感覚、それは肉体を遥かに越えた所からやって来る。"calling the mind ~ "分詞構文、単純接続、「そして、心に向かって、神聖な交流に交わり、平和であれと呼びかける」。"communion"「親交、交流」という言葉であるが、「コミュニオン」とカタカナ書きにしておいた方がいいかもしれない。神やホーリー・スピリットや、アセンディド・マスター達との、神聖な交わりのことだと解釈しておこう。実相世界の実在との集(つど)いである。霊性の交わりと思っていいだろう。



Such is the message that I gave them for you. It is only the messengers of fear that see the body, for they look for what can suffer.
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報、連絡事項」
  • fear [fíə(r)] : 「恐れ、恐怖」
  • look for : 「〜を探す」
  • suffer [sʌ́fə(r)] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
❖ "Such is the message ~ "「私(イエス)が、あなたのために、ホーリー・スピリットの使者に託したメッセージは、そのようなものである」。イエスが、愛の使者に、あなたの心もコミュニオンに参加するようにとのメッセージを託した。"It is only the messengers ~ "ここは"It ~ that ~ "の強調構文、「肉体に目を向けるのは、恐れの使者だけである」。"for they look for ~ "「なぜなら、恐れの使者は、苦痛を感じることが出来るものばかりを探しているからだ」。恐れの使者とは、もちろん、エゴの使者である。恐れを嗅ぎ出し、苦痛を探し、罪を暴きたてようとする。



Is it a sacrifice to be removed from what can suffer?
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
❖ "Is it a sacrifice ~ "ここは"it ~ to ~ "の構文、「苦痛を与えるものを除去することが犠牲であろうか」。エゴは、それは犠牲だと言うが、そうであろうか。つまり、苦痛を与えるものを除去するという救いは、エゴの言うように、犠牲だろうか、ということ。



The Holy Spirit does not demand you sacrifice the hope of the body's pleasure; it has no hope of pleasure.
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「〜を犠牲にする」
  • hope [hóup] : 「希望、願い、望み」
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと、好み」
❖ "The Holy Spirit does not ~ "「ホーリー・スピリットは、肉体的な快楽を期待することを犠牲にするようにと、あなたに要求したりしない」。元々、"it has no hope ~ "「肉体は、快楽の期待など、持ち合わせていないのだ」。肉体は幻想であるから、肉体の快楽も幻想である。しかし、ホーリー・スピリットは、それを犠牲にせよと要求しているのではない。肉体の快楽は幻想であることを教えているだけだ。ここを取り違えないこと。肉体は幻想であるから、自ら死を選んで肉体を放棄せよ、などとホーリー・スピリットが要求するわけがない。肉体が幻想であることを知り、肉体が実在であるとする信仰を放棄せよ、と要求しているのだ。



But neither can it bring you fear of pain. Pain is the only "sacrifice" the Holy Spirit asks, and this he would remove.
  • neither [níːðə(r)] : 「〜もまた…ない」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
  • ask [ǽsk] : 「〜を求める、〜を頼む、〜してほしいと頼む」
❖ 肉体を通して快楽が期待出来ないと同時に、"But neither can it ~ "「肉体は、痛みへの恐れも、持ち込むことは出来ない」。十字架上のイエスは、このことを十分に知っていた。イエスが痛みからさえも解放されていた所以である。"Pain is the only ~ "「痛みとは、ホーリー・スピリットが要求する唯一の『犠牲』である」。"and this he would ~ "「そして、ホーリー・スピリットは、この痛みを除去してくれるのである」。心の、本当の意味での快楽のために、苦痛なるものを犠牲にするのである。それがホーリー・スピリットの要求であり、エゴの拒むところである。
 
 
 

T-19.IV.A.17:1 ~ T-19.IV.B.1:4

17. I am made welcome in the state of grace, which means you have at last forgiven me.

  • welcome [wélkəm] : 「温かく迎え入れる、歓迎する、もてなす」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • in the state of : 「〜の状態で」
  • grace [gréis] : 「優雅、優美、恩恵、恩寵」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • at last : 「最後に、ついに、とうとう、やっと」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "I am made welcome ~ "「私(イエス)は、愛をもって迎え入れられる」。ここの"in the state of grace"を「愛をもって」と訳してみたが、丁重に扱われることを表しているのだろう。"which means you ~ "「それは、あなたがついに私を赦したことを意味するのだ」。あなたとホーリー・スピリットとの、あるいはあなたと同胞との神聖な関係性の中に、あなたは敬意をもってイエスを迎え入れた。"forgiven me"とは、あなたがイエスを受け入れたということ。あるいは、イエスが磔刑に処せられたことを、その過去は幻想であり、実相世界では何も起きなかったのだと認識して、イエスの悲惨な過去を赦した、ということ。ACIMの「赦し」の意味を取り違えないこと。



For I became the symbol of your sin, and so I had to die instead of you.
  • became [bikéim] : 「become の過去形」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • have to : 「〜する必要がある、〜すべきである」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • instead of : 「〜の代わりに」
❖ "For I became ~ "「なぜなら、私はあなたの罪のシンボルとなり、あなたに代わって死なねばならないとされたからだ」。アダムとイヴが禁じられた楽園のリンゴを食べたことが、人間の原罪となり、その罪を贖(あがな)うために、たった一人、イエス・キリストは磔刑に処せられねばならなかったというパウロの解釈を言っている。キリスト教の基本理念であるが、ACIMはここで、その解釈が誤っていることを指摘しているのだ。こういう解釈は、エゴの思考システムに則ったものである。犠牲と贖罪の取り違えである。しかし、このパウロの解釈が2000年の長きにわたって支持され続けたとは、まさに驚きである。



To the ego sin means death, and so atonement is achieved through murder.
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
  • achieve [ət∫íːv] : 「成し遂げる、達成する、成就する、やり遂げる」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • murder [mə́ː(r)də(r)] : 「殺人、謀殺」
❖ "To the ego ~ "「エゴにとっては、罪は死を意味する」。"and so atonement is ~ "「したがって、エゴにとっては、罪の償いは、人殺しをもって成し遂げられる、ということになる」。イエスの磔刑を、エゴはそう解釈するわけである。2000年前、神の愛(いと)し子と思われたイエスが十字架上で殺された事実を、いったいどう解釈していいものか、人々は途方にくれたであろう。なぜ、神はイエスを助けなかったのか。しかし、イエスが復活してくれたおかげで、パウロの解釈が、俄然、人気を博することとなる。そう解釈すれば、もやもやした気持ちが『腑に落ちる』からだ。腑に落ちたからといって、それが正しいとは限らない。事実、十字架上のイエスは、そんな解釈をしてはいなかった。少なくとも、ACIMのイエスは、そんな解釈をしていない。キリスト教徒にとっては、従来の解釈を放棄することは非常に難しいだろうが、このパウロの解釈、つまり、エゴ的解釈は、乗り越えなくてはならない最大の難所の一つである。



Salvation is looked upon as a way by which the Son of God was killed instead of you.
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
  • instead of : 「〜の代わりに」
❖ "Salvation is looked ~ "「救いは、神の子があなたに代わって殺されるという方法によって、見い出される」。もちろん、これがエゴの解釈であり、パウロの解釈である。しかし、既存の信仰から離れて、あなた自身の心で素朴に感じて欲しい。神の子があなたに代わって殺されることが、あなたの救いになるなんて、どう考えても不自然ではないか。不自然どころか、狂っていると思えないだろうか。確かに、人類全体の救いのために、たった一人が犠牲になるという考えは、ヒロイックで魅力はあろう。だが、そんなアニメティックな考えから自分の心を解放してやらなくてはならない。あなたは2000年前の人間ではなく、21世紀の人間なのだから。



Yet would I offer you my body, you whom I love, knowing its littleness? Or would I teach that bodies cannot keep us apart?
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • littleness lítlnis] : 「小さいこと」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
  • apart [əpɑ́ː(r)t] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
❖ "Yet would I offer ~ "「しかし、私が、あなたに私の肉体を捧げたいと思うだろうか」。 "you whom ~ "「そのあなたを私は愛しており、」"knowing its ~ "「肉体などつまらないものだと知っていながら」。肉体など幻想であり、つまらない物だと知っていながら、最愛のあなたに、そんなつまらない物を与えたいと思うはずはないではないか。その逆に、"Or would I teach that ~ "「あるいは、肉体など、私たちを分離した状態にしてはおけないのだと、私が教えたいと思っているとは思わないか」。肉体は幻想であり、意味はないのだ。意味あるものを犠牲にするならいざ知らず、意味のないものを犠牲にするとは、矛盾そのものではないか。



Mine was of no greater value than yours; no better means for the communication of salvation, but not its Source.
  • great [gréit] : 「偉大な、卓越した、大きい、大きな」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、有用」
  • better [bétə(r)] : 「より良い」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • communication [kəmjùːnikéi∫n] : 「コミュニケーション、情報伝達」
  • source [sɔ́ː(r)s] : 「もと、源、起点、原因」
❖ "Mine was of no ~ "「私の肉体が、あなたの肉体より価値が大きいということは決してない」。"no better means for ~ "「また、私の肉体が、救いをもたらす手段としてより良いということも決してない」。"but not its Source"「しかし、救いの源に関しては、その限りではない」。あなたを救い出してくれるホーリー・スピリットや神の存在は、私(イエス)の肉体とは違って、価値は大きい。なぜなら、実在だからだ。幻想の肉体が関わった救いはあり得ないが、実在のホーリー・スピリットが関わった救いは大いにあり得る。それどころか、救いを求めるその源は、実在にしかない。



No one can die for anyone, and death does not atone for sin. But you can live to show it is not real.
  • atone [ətóun] : 「償う、あがなう、罪滅ぼしをする」
❖ "No one can die ~ "「誰も、他者のために死ぬことは出来ないのだ」。幻想の肉体が死に至っても、それは幻想が消えたに過ぎないので、誰の救いにもならないのだ。"and death does not ~ "「そして、死は、罪の贖いにはならない」。イエスの死さえ、人間の贖罪になることはない。なぜなら、死さえも幻想だからだ。"But you can live ~ "「しかし、あなたは、肉体が実在ではないと示すために生きることは出来る」。むしろ、生きて、肉体が実在ではなく幻想だということを示しなさい、という意味合い。それが、この幻想世界で生きる目的であるから。お気付きだろうか、十字架上のイエスが我々に伝えたかったことは、まさに、これである。



The body does appear to be the symbol of sin while you believe that it can get you what you want.
  • appear [əpíə(r)] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • symbol [símbl] : 「象徴、記号、シンボル、表象」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • while [(h)wáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • get [gét] : 「〜に〜を取ってくる、〜に〜を買ってやる」
❖ "The body does appear ~ "「肉体があなたに欲しいものを与えてくれると、あなたが信じているうちは、肉体は、罪の象徴として表れるのである」。肉体の欲望を満たすために、あなたは罪を犯してまで、欲しいものを手に入れようとするのだ。肉体と罪は切っても切れない仲だ。肉体と痛み、肉体と恐れ、それもまた、兄弟同士である。



While you believe that it can give you pleasure, you will also believe that it can bring you pain.
  • pleasure [pléʒə(r)] : 「喜び、楽しみ、快楽、楽しいこと」
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
"❖ While you believe that ~ "「あなたが、肉体があなたに喜びを与え得ると信じているうちは、」"you will also believe ~ "「あなたは、また、肉体が痛みをもたらし得ると信じているのだ」。あなたが肉体を実在扱いしているうちは、肉体はあなたにとって本当に実在するかのように振る舞うのである。肉体は欲望し、快楽を感じ、痛みを覚えるのである。2000年前、イエスがまず第一に達成したことは、この肉体からの自己解放であったろう。しかし、誤解してはならない。肉体から解放されようとして、肉体的欲望や快楽を禁じる方法は逆効果である。禁ずることで、ますます肉体は現実化するからだ。ましてや、痛みからの解放を目的として、針を肉体に刺してみるとか、炎に肉体を晒(さら)してみるとかの荒行は笑止千万、噴飯物である。喜ぶのはエゴだけだ。



To think you could be satisfied and happy with so little is to hurt yourself, and to limit the happiness that you would have calls upon pain to fill your meager store and make your life complete.
  • satisfy[sǽtisfài] : 「〜を満足させる、満たす、充足させる」
  • hurt [hə́ː(r)t] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
  • limit [límit] : 「限定する、制限する、制限をかける」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • fill [fíl] : 「〜を補充する、満たす」
  • meager [míːgə(r)] : 「わずかな、劣る、貧弱な、貧相な、乏しい」
  • store [stɔ́ː(r)] : 「店、小売店、商店」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の、完成した」
❖ 肉体主導の幻想世界にあっては、"To think you could ~ "「ほんの少しのもので、あなたは満たされ幸せを感じることが出来ると考えることは、あなた自身を傷つけることであり、幸せを制限することになる」。"that you would have ~ "ここの"that"は"so that"、「その結果、あなたは、あなたの品不足の店を満たし、あなたの生活を完成させるために、痛みを呼び込もうとするのである」。肉体的な欲求が満たされないなら、痛みでもいいから自分のものにしたいと望むのである。腐ったものでも、品物がないよりはましだという狂った考えである。それほどに、この幻想の肉体は飢えているのだ。



This is completion as the ego sees it. For guilt creeps in where happiness has been removed, and substitutes for it.
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • creep [kríːp] : 「はう、ゆっくり近づく、忍び寄る」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • substitute [sʌ́bstət(j)ùːt] : 「代わりになる」
❖ "This is completion ~ "「これが完成であると、エゴは見るのである」。幸せがないなら痛みを持ち込むことが、生きていることの証(あかし)、完成だとエゴは考える。"For guilt creeps in ~ "「なぜなら、幸せが取り除かれた場所に、罪の意識が忍び込み、幸せの代わりをするからだ」。つまり、実相が取り除かれた所に、幻想が忍び込むのである。現実感の喪失が空想を生む。



Communion is another kind of completion, which goes beyond guilt, because it goes beyond the body.
  • communion [kəmjúːniən] : 「正餐、共有、交流、交わり、親交」
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「〜の域を越えて、〜を超越して」
❖ "Communion is another ~ "「正餐(コミュニオン)はまた、もう一つの完成である」。正餐と書いたが、イエスの肉と血をイメージして、パンを食べワインを飲むという、キリスト教的儀式のことではない。実相世界に目覚めた、神聖な関係性を結んだ同胞達と、祝宴を催す、その集まり、集い(つどい)のことである。"which goes beyond ~ "「それは罪を超え、肉体をも超越する」。罪や肉体といった幻想を越えて、実相世界の実在を祝う催し物なのだから。蛇足になるが、そもそも、イエスの肉と血を重んずるという思想自体が狂っているのだ。イエスは、肉も血も幻想だと教えたのである。その教えに反して、イエスの肉と血を重んずるとは、いったい何事だろうか。



B. The Second Obstacle: The Belief the Body is
Valuable for What It Offers

第二の障害:肉体が差し出すものによって肉体の価値が決まると信じること


1. We said that peace must first surmount the obstacle of your desire to get rid of it.
  • surmount [sə(r)máunt] : 「乗り越える、克服する、突破する」
  • obstacle [ɑ́bstəkl] : 「障害物、妨害物、邪魔」
  • desire [dizáiə(r)] : 「欲望、欲求、願望、念願」
  • get rid of : 「取り除く、除去する、削除する、排除する」
❖ "We said that peace ~ "「私たちは、that以下と言ったことがある」。"that peace must ~ "「平和は第一に、平和を排除したいというあなたの欲望、その障害を乗り越えなくてならない」と言ったことがある。あなたは、平和を望んでいながら、平和を排除したいという、矛盾した心を抱いている。ホーリー・スピリットの思考システムとエゴの思考システムが、あなたの心の中に同居していて、コンフリクトを起こしているのである。



Where the attraction of guilt holds sway, peace is not wanted.
  • attraction [ətrǽk∫n] : 「引き付けるもの、引力、魅力、誘引」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • sway [swéi] : 「支配、統治、動揺」
  • hold sway : 「〜に君臨する、〜で幅をきかせる」
❖ "Where the attraction ~ "「罪への魅力が支配的である状態では、」"peace is not ~ "「平和は望まれていないのだ」。エゴがあなたの心の中で優勢であるなら、あなたは本当の平和を望んでいるとは言えない。



The second obstacle that peace must flow across, and closely related to the first, is the belief that the body is valuable for what it offers.
  • flow [flóu] : 「導かれる、出てくる、流れる、自由に動く」
  • across [əkrɑ́s] : 「〜を横切って、〜を横断して、〜を越えて、〜を渡って」
  • closely [klóusli] : 「綿密に、密接に、念入りに、接近して、厳密に」
  • related [riléitid] : 「関係のある、関連した、関連している」
  • valuable [vǽljəbl] : 「高価な、役立つ、有益な、重要な、貴重な」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "The second obstacle ~ "「平和が、越えて流れ出して行かねばならない、第二の障害は、」"and closely related ~ "「それは、第一の障害と密接に関連しているのだが、」"is the belief that ~ "「第二の障害は、肉体が、それが差し出すものによって価値が決まると信じていることである」。人間の価値が肉体によって左右されると信じていることが、障害になっている。たとえば、肉体によって他者の肉体を攻撃出来るから、肉体は価値がある。肉体と肉体は結合出来るから、肉体は価値がある。肉体は肉体美を提供出来るから、価値がある。逆に、肉体が老化すれば、肉体はもはや価値はない。肉体が病に侵されれば、肉体は不健康で価値がない。肉体が醜ければ、肉体の価値はない。等々、肉体の状態によってその存在価値が評価されると信じていることが、平和の障害になっているのだ。肉体によって心の平和が阻害されているのである。



For here is the attraction of guilt made manifest in the body, and seen in it.
  • manifest [mǽnəfèst] : 「明白な、明らかな、明らかにする」
❖ "For here is the attraction ~ "「なぜなら、ここにこそ、肉体の中において明白にされた罪への魅力があり、また、肉体の中にそれが見い出されるからだ」。罪は肉体と密接な関係にある。罪と一体である罰が、肉体に加えられるものであることを考えれば、それが理解出来よう。誤解してはならない、肉体が罪なのではない。幻想の肉体が幻想の罪を抱え込んでいると信じていることが、狂っているのだ。この悪魔的な信仰から解放されることが、ACIMの言う救いであり、それが、ACIMの言う贖罪である。そして、2000年前、イエスは、この悪魔に打ち勝ったのである。この事実を、心を静かにして、ゆっくり考えてみる価値はある。
 
 
 

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