●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-19.IV.B.10:1 ~ T-19.IV.B.11:9

10. Faith in the eternal is always justified, for the eternal is forever kind, infinite in its patience and wholly loving.

  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信念、確信、信仰、信条」
  • eternal [itə́ː(r)nl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
  • always [ɔ́ː(l)weiz] : 「いつも、日夜、以前からずっと、常にいつでも」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと証明する、正当化する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • kind [káind] : 「優しい、親切な、いたわる」
  • infinite [ínf(ə)nət] : 「無限の、計り知れない、果てしない、莫大な」
  • patience [péi∫ns] : 「忍耐、我慢、辛抱強さ、根気」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
  • loving [lʌ́viŋ] : 「誠実な、愛情のある、愛情に満ちた、愛情のこもった」
❖ "Faith in the eternal ~ "「永遠なるものを信じることは、いつでも正当だと証明される」。永遠なるものを信じて、絶対間違いない。なぜなら、永遠なるものは実相世界の実在であり、実相世界の実在は真実であるからだ。"for the eternal is ~ "「なぜなら、真実なるものは永遠に心優しく、どこまでも辛抱強く、完全に愛情深いからだ」。だから、真実は幻想ではなく実相世界の実在なのである。したがって、信じるに十分足る。



It will accept you wholly, and give you peace. Yet it can unite only with what already is at peace in you, immortal as itself.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • unite [junáit] : 「結合する、一体となる、一体化する、合体する」
  • unite with : 「〜と一緒になる、〜と結合する、〜と合体する」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
  • at peace : 「平和に、安らかに、安らかな気持ちで、心穏やかで」
  • immortal [imɔ́ː(r)tl] : 「死なない、不死身の、不死の、不朽の、不滅の、永久の」
❖ "It will accept ~ "「永遠なるものは、あなたを完全に受け入れ、あなたに平和を与えてくれるだろう」。"Yet it can unite only ~ "「しかし、永遠なるものは、あなたの心の中ですでに平和であって、それ自体、永遠であるものとだけ、結合出来るのである」。永遠なるものは実相世界の実在である。それは幻想世界の錯覚と結合することは出来ない。レベルが完全に異なるからだ。永遠なるものは、あなたの心の中の実在と結合するのである。あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分、最も平和で、永遠なる部分とのみ、結合出来るのである。逆に、幻想世界の錯覚と結びつくようなものは実在ではなく、したがって、永遠ではない。したがって、『祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす』となるのである。滅びるものは実在ではないのだ。まさに、夢なのである。



The body can bring you neither peace nor turmoil; neither joy nor pain.
  • bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
  • neither [níːðə(r)] A nor B : 「AでもなくBでもない、AとBのどちらも〜ない」
  • turmoil [tə́ː(r)mɔil] : 「騒動、混乱、不安、騒ぎ、動揺」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜、満足、成功」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」
❖ "The body can ~ "「肉体はあなたに、平和も混乱ももたらすことは出来ない」。肉体がもたらす平和も混乱も、実は幻想であって、夢の平安であり、夢の動乱である。同様に、"neither joy ~ "「喜びも痛みももたらすことは出来ない」。肉体がもたらす喜びも痛みも、それすら、幻想である。心がもたらす平和だけが実在である。



It is a means, and not an end. It has no purpose of itself, but only what is given to it.
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • end [énd] : 「目的、目標、最後、終局、終焉」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "It is a means ~ "「肉体は手段であって、目的ではない」。"It has no ~ "「肉体は、それ自体として、目的を持ってはいない」。"but only what ~ "「肉体に与えられたものだけを持ち得るのだ」。解釈の難しい部分である。肉体はそれ自体目的ではない。つまり、幻想の肉体を実在化し、永遠なる存在にすることは出来ないのだ。肉体は単なる手段、道具である。つまり、エゴにとっては、肉体は心を閉じこめておく牢獄であり、攻撃を加え得るターゲットである。ホーリー・スピリットにとっては、肉体は、それが幻想であると見抜いて肉体から解放され、実相世界に目覚めるための道具である。



The body will seem to be whatever is the means for reaching the goal that you assign to it.
  • whatever [(h)wʌtévə(r)] : 「〜するのは何でも」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • reach [ríːt∫] : 「に達する、〜に至る」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • assign [əsáin] : 「〜を当てがう、与える、〜を割り当てる、指定する」
❖ "The body will seem ~ "「肉体は、あなたが割り当てた目的に到達するための手段なら、何にでもなれるように見えるだろう」。あなたの内部のエゴが指定した目的に到達するための悪しき手段にもなれるし、あなたの心の中のホーリー・スピリットが神聖な目的を達成するための正しき手段にもなれる。いわば肉体は、手段として、両刃(もろは)の刃(やいば)なのだ。



Only the mind can set a purpose, and only the mind can see the means for its accomplishment, and justify its use.
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、達成、完成 」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当だと証明する、正当化する」
❖ "Only the mind can ~ "「心だけが、目的を定めることが出来るし、」"and only the mind ~ "「心だけが、目的の達成のための手段を選び出し、その手段の使用を正当なものとすることが出来る」。あくまでも、実相の心が、幻想の肉体の上位に位置するのである。したがって、肉体の手段としての善し悪しは、その心の善し悪しが決定していることになる。



Peace and guilt are both conditions of the mind, to be attained.
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • both [bóuθ] : 「両方の、双方の、二つともの」
  • condition [kəndí∫n] : 「状態、状況、様子、様相」
  • attain [ətéin] : 「手に入れる、獲得する、達成する、実現する」
❖ "Peace and guilt are ~ "意訳する「平和も罪も、共に、心の状態になり得るし、それは獲得出来るものなのだ」。あなたの心が、平和か罪かを選択でき、しかも、それを手に入れることが出来る。さて、あなたはどちらを選ぶか? 



And these conditions are the home of the emotion that calls them forth, and therefore is compatible with them.
  • emotion [imóu∫n] : 「感情、情緒、感動」
  • call forth : 「〜を生じさせる、〜を引き出す、〜を発揮させる、呼び起こす」
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って」
  • compatible [kəmpǽtəbl] : 「矛盾のない、両立できる、両立する、互換性のある」
  • be compatible with : 「〜と互換性がある、〜と両立し得る、〜と共生できる」
❖ "And these conditions ~ "「そして、これらの心の状態は、その状態を生じさせる感情の住家であるのだ」。"and therefore is ~ "「したがって、これらの心の状態は両立出来るのである」。心が平和なら、その平和に似合った感情、つまり、愛に満ち、喜びといたわり、静けさに満たされた感情を生み出す。心に罪の意識があれば、心には痛み、後悔、嫌悪、憎悪、卑下、嫉妬、攻撃性の感情が住み着くことになる。しかも、人間は、そのどちらにも、感情は傾き得るのだ。なぜなら、心の状態と感情は、心が主導で選び出せるものだからだ。



11. But think you which it is that is compatible with you. Here is your choice, and it is free.
  • be compatible with : 「〜と互換性がある、〜と両立し得る、〜と共生できる」
  • choice [t∫ɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "But think you which ~ "「しかし、どちらがあなたと両立出来るか、考えて見なさい。」あなたは、平和と罪の、いったいどちらと共存出来るか、よく考えてみなさい。"Here is your choice ~ "「ここに、あなたの選択があり、選択は自由なのだ」。あなたは平和も罪も、どちらも自由に選択出来る。では、どちらを選ぶか? 



But all that lies in it will come with it, and what you think you are can never be apart from it. The body is the great seeming betrayer of faith.
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • come with : 「〜と共にやって来る、〜に同伴する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • betrayer [bitréiər] : 「裏切り者、内通者、密告者、誘惑者」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
❖ "But all that lies ~ "「しかし、あなたが選択したものの中にあるすべてが、共に、生じてくるのだ」。平和を選択すれば、平和の属性のすべてがあなたの心に生じ、罪を選択すれば罪の属性のすべてがあなたの心に生じてくる。"and what you think ~ "意訳する、「そして、これが自分だと思っているものは、決してその選択と無関係ではないのだ」。あなたがあなた自身をどう思っているかによって、平和か罪かの選択が決まる。"The body is ~ "意訳する、「肉体は、あなたの信じているものを表面的に裏切って見せることに長けている」。あなたがたとえ罪を選択したとしても、あなたの肉体は、あなたが罪を信仰していることを隠すが如く、平和な顔で平和な肉体を演じることが出来るのだ。逆に、あなたが平和を選択したとしても、心がエゴとの間でコンフリクトを起こしているうちは、肉体は痛みを覚え、病を起こし、決して平和な肉体として表れることはないだろう。



In it lies disillusionment and the seeds of faithlessness, but only if you ask of it what it cannot give.
  • disillusionment [dìsilúːʒənmənt] : 「覚醒、幻滅」
  • seed [síːd] : 「種子、種」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • only if : 「〜の場合に限り」
  • ask of : 「〜に要求する」
❖ "In it lies disillusionment ~ "「肉体の中に、幻滅や、不信心の種が存在する」。"but only if you ask of ~ "「しかし、あなたが、肉体が与えることの出来ないものを、肉体に要求したときに限って、そうなのだ」。たとえば、肉体を通じて、真の幸せを得ようとしても、それは叶わない。叶わないこと知ると、あなたは肉体に幻滅するのである。肉体を通じて、永遠の命を得ようとしても、それは叶わない。叶わないことを知ると、あなたは肉体に不信を覚えるのである。



Can your mistake be reasonable grounds for depression and disillusionment, and for retaliative attack on what you think has failed you?
  • mistake [mistéik] : 「誤り、判断上の間違い、ミス、過ち、手違い、誤解」
  • reasonable [ríːznəbl] : 「道理にかなった、筋の通った、正当な、妥当な、適当な」
  • ground [gráund] : 「根拠、原因、理由、立場、立脚点、見地、見方」
  • reasonable grounds : 「正当な理由、合理的根拠」
  • depression [dipré∫n] : 「落ち込み、意気消沈、絶望」
  • disillusionment [dìsilúːʒənmənt] : 「覚醒、幻滅」
  • retaliative [ritǽlièitiv] : 「報復として行われる、報復的な、仕返しの」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • fail [féil] : 「裏切る、〜を失望させる」
❖ "Can your mistake be ~ "「あなたの判断の誤りが、意気消沈や幻滅の、あるいは、あなたを裏切ったと思い込んだものに対する報復的な攻撃の、正当な理由となり得るだろうか」。肉体に対して、叶わぬ望みを要求し、肉体がそれを実現出来なかったことに対して、あなたは幻滅し、意気消沈し、自分を裏切ったと逆恨みして報復攻撃に出ようとするかも知れないが、そもそも、その原因は、あなたの判断ミスにある。あなたの判断ミスが、幻滅や意気消沈を正当化出来るだろうか? さらに、あなたの判断ミスも、正当化され得るだろうか? 



Use not your error as the justification for your faithlessness.
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • justification [dʒʌ̀stəfikéi∫n] : 「正当化、正当とする理由」
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
❖ "Use not your error ~ "「あなたの過ちを、あなたの不信心の正当化に利用してはならない」。あなたの判断ミスが原因で、幻滅もし、意思消沈もした。しかし、それよって、あなたの信じる気持ちを減少させてはならない。信じる気持ちがないことを正当化するために、あなたの判断ミスを利用してはいけない。



You have not sinned, but you have been mistaken in what is faithful.
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
  • mistake [mistéik] : 「誤る、間違える」
  • faithful [féiθfl] : 「信頼できる、誠実な、信心深い」
❖ "You have not ~ "「あなたは罪を犯したのではない」。"but you have been ~ "「そうではなく、何が信じるに足るか、その判断を誤っただけなのだ」。肉体が信頼に足るという、誤った判断を下したのだ。肉体が信じるに足るものではないという正しい判断を下していたなら、あなたは幻滅もしなかっただろうし、意気消沈もしなかった。信頼に足る心を信じていたなら、あなたの信じる心は減ずることもなかったのである。



And the correction of your mistake will give you grounds for faith.
  • correction [kərék∫n] : 「訂正、矯正、修正、是正、補正」
  • ground [gráund] : 「根拠、原因、理由、立場、立脚点、見地、見方」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
❖ ならば、修正すればいいのだ。"And the correction of ~ "意訳する、「あなたの誤りを正すことは、信じる気持ちを取り戻す正当な理由を与える」。誤りを正すことで、つまり、肉体ではなく心こそ信じるに足ると思い直すことで、あなたの信じる気持ちは取り戻せるのだ。そして、それは、正しい行いである。
 
 
 

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