4. In a sense, the special relationship was the ego's answer to the creation of the Holy Spirit, who was God's answer to the separation.
- in a sense : 「ある意味で、ある程度まで、一面では」
- special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- answer [ǽnsə(r)] : 「答え、回答、返事、応答」
- creation [kriéi∫n] : 「創作物、作品、創造、創作」
- separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
❖ "In a sense, the special ~ "「ある意味で、特別な関係性は、ホーリー・スピリットが創造されたことに対するエゴの答えであった」。"who was God's answer ~ "「そのホーリー・スピリットは、分離に対する神の答えであったのだ」。神の子は神から分離し、神の王国を後にした。神は神の子の回帰を望み、分離を解消しようとする。そこで、神はホーリー・スピリットを創造し、神の子の元へ遣(つか)わせたのである。ホーリー・スピリットは、神の子に真実を教える使命を与えられた。幻想世界から目覚め、真実を見ることを神の子に教えるのである。一方、エゴは、神からの分離を、神に対する裏切り行為であるとして神の子を断罪し、神の子の罪は永遠に消えないと宣言する。ホーリー・スピリットが神の子に真実の愛を教えるのに対して、エゴは特別な関係性における愛欲をもって、それに答えるのである。
For although the ego did not understand what had been created, it was aware of threat. - although [ɔː(l)ðóu] : 「〜だけれども、〜ではあるが、〜とはいえ」
- understand [ʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- be aware [əwéə(r)] of : 「〜を承知している、〜に気付いている、〜を知っている」
- threat [θrét] : 「脅迫、脅し」
❖ "For although the ego ~ "「なぜならば、エゴは、創造されたもの(ホーリー・スピリット)が何であるか理解していないにもかかわらず、」"it was aware ~ "「エゴは脅威を覚えたのだ」。ホーリー・スピリットは幻想のエゴに対して、実在の真実を運んでくる。エゴは自分が単なる幻想、錯覚であることを知らない。しかし、ホーリー・スピリットの運んでくる真実が、幻想に過ぎない自分を消滅させてしまうだろうという脅威は感じている。
The whole defense system the ego evolved to protect the separation from the Holy Spirit was in response to the gift with which God blessed it, and by his blessing enabled it to be healed. - whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
- defense [diféns] : 「防衛、防御、弁護、擁護」
- evolve [ivɑ́lv] : 「〜を進化させる、発展させる、展開させる」
- protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
- separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- response [rispɑ́ns] : 「応答、感応、反応」
- in response to : 「〜に応えて」
- gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、与えること」
- bless [blés] : 「祝福する、授ける、〜を神聖にする」
- blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運」
- enable [enéibl] : 「〜を可能にする、〜に可能性を与える」
❖ "The whole defense system ~ "「ホーリー・スピリットからの分離を守るためにエゴが展開する全防衛システムは、その分離に対して神が与えた贈り物(答え)に対する反応であった」。"and by his blessing ~ "「そして、神が与えた贈り物によって、分離はヒーリングされるのである」。非常に解釈が難しい。ここの"separation"「分離」であるが、神から分離した状態の神の子と考えると解釈しやすいだろう。そうすれば、"to protect the separation from the Holy Spirit"の部分は、神の子をホーリー・スピリットから切り離して、ホーリー・スピリットの影響から神の子を守るため、といった意味合いになる。そのためのエゴの防衛システムは、神が神の子に与えた贈り物、つまり、ホーリー・スピリットに対するエゴのとった対抗策だということになる(in response to the gift with which God blessed it)。エゴは、あなたをホーリー・スピリットに近づけたくないのである。なぜなら、あなたがホーリー・スピリットの影響を受けて実相世界に目覚めたなら、幻想は消滅し、同時にエゴも消滅してしまうからだ。だから、エゴは防衛システムを築いて、是が非でもあなたをホーリー・スピリットに近づけまいとする。エゴの防衛システムとは、エゴの思考システムと考えていいだろう。得るためには奪え、攻撃される前に攻撃せよ、裏切りには報復をもって対処せよ、等々の教えである。ところで、"and by his blessing ~ "の部分は、神が神の子に与えたホーリー・スピリットによって、あなたの神からの分離が癒される、つまり、分離の解消へと導いてくれるのはホーリー・スピリットだ、ということである。
This blessing holds within itself the truth about everything. - blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運、神の恵み」
- hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
- within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内部に」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "This blessing holds within ~ "「この祝福は、それ自体の内に、あらゆることに対する真実を保持している」。"blessing"「祝福」であるが、神が神の子を祝福して、つまり、幸せを願って、与えたホーリー・スピリットそれ自身と考えていいだろう。したがって、本文は、ホーリー・スピリット自身がそれ自体の内側に、すべての真実をもっている、といった意味合いになる。
And the truth is that the Holy Spirit is in close relationship with you, because in him is your relationship with God restored to you. - close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復活させる、再構築する」
❖ "And the truth is that ~ "「そして、その真実とはthat以下である」。"that the Holy Spirit is ~ "「ホーリー・スピリットはあなたと密接な関係にある」。"because in him is your ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットの中において、神とあなたの関係性が、あなたにとって、修復されるからだ」。回りくどい言い方をしているが、要するに、ホーリー・スピリットが、あなたと神の間に立って、つまり、媒介役になって、分離を解消し、関係性を修復してくれる、ということ。
The relationship with him has never been broken, because the Holy Spirit has not been separate from anyone since the separation. - broken [bróukn] : 「breakの過去分詞形」
- break [bréik] : 「壊す、割る、折る、破る、中断する、遮断する」
- separate [sépərèit] : 「分かれた、離れた、個々の、別個の、別の」
- separate from : 「〜から離れる、〜から分離する、〜と別れる」
❖ "The relationship with him ~ "「(あなたと)神との関係性は、壊されることはなかった」。"because the Holy Spirit has ~ "「なぜなら、(あなたが神から)分離してからずっと、ホーリー・スピリットは、神の子の誰からも離れていないからだ」。すべての神の子の心の中に、その最も純粋で神聖な部分に、ホーリー・スピリットは住んでおり、神と神の子の間の媒介役として使命を果たしてきた。
And through him have all your holy relationships been carefully preserved, to serve God's purpose for you.- through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
- preserve [prizə́ː(r)v] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
- serve [sə́ː(r)v] : 「〜に役立つ、(目的を)果たす」
- purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "And through him ~ "「そして、ホーリー・スピリットを通して、あなたの神聖な関係性は注意深く保存されてきた」。"to serve God's purpose ~ "「あなたのために、神の目的を果たすために」。
あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇があり、ホーリー・スピリット、あるいはキリストが住んでいる。その場所が、この幻想世界と神の住む実相世界の接点になっているのだ。したがって、この場所における、あなたとホーリー・スピリットとの、あなたとキリストとの、あるいは、あなたと神との関係性が、神聖な関係性(holy relationships)であるのだ。神の目的"God's purpose"とは、神の子が幸せになることであり、そのためには、神の子が分離を解消し、神の元へ回帰することが必須である。それを、あなたに代わって、主導してくれるのがホーリー・スピリットである。
5. The ego is alert to threat, and the part of your mind into which the ego was accepted is very anxious to preserve its reason, as it sees it. - alert [ələ́ː(r)t] : 「警戒した、注意を怠らない、抜け目のない、油断のない、用心深い」
- threat [θrét] : 「脅迫、脅し」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
- accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- anxious [ǽŋ(k)∫əs] : 「心配して、気になる、切望して、ぜひ〜したいと思って」
- be anxious to : 「〜することを切望する」
- preserve [prizə́ː(r)v] : 「〜を保つ、保存する、貯蔵する、保護する」
- reason [ríːzn] : 「理由、動機、理性、理知、良識、分別、正気」
❖ "The ego is alert ~ "「エゴは脅威に対していつも警戒している」。ホーリー・スピリットがエゴにとっての脅威である。ホーリー・スピリットがあなたに近づくことをエゴは恐れる。"and the part of your ~ "「エゴを容認したあなたの心の一部は、エゴの分別を、心の一部がエゴを見たままに保存しておきたくてたまらないのである」。あなたの心の最も神聖で純粋な部分以外は、多かれ少なかれエゴを受け入れ、エゴの思考システムに毒されている。その部分は、エゴの分別である思考システムを、見たままに正当だと判断して、エゴの思考システムを保持しようとしているのだ。したがって、あなたの心はホーリー・スピリットとエゴに分裂し、常にコンフリクトを起こしていると言っていい。ところで、"reason"を「エゴの分別」と訳してみたが、「エゴの存在理由」と考えても意味は通じるだろう。
It does not realize that it is totally insane. And you must realize just what this means if you would be restored to sanity. - realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
- totally [tóut(ə)li] : 「全く、完全に、全体的に、全体として、すっかり」
- insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復元する、再構築する」
- sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "It does not ~ "「エゴは、エゴが完全に狂っていることを知る由もない」。"And you must realize ~ "「そして、あなたは、このことが何を意味しているのか気付かなくてはならない」。 "if you would be ~ "「もし、あなたが正気を取り戻したいと願っているならば」。あなたの心に取り憑いたエゴが完全に狂っていること、そして、そのエゴをあなたの意思で取り入れたことを、あなたは知る必要がある。そして、エゴの思考システムが、ホーリー・スピリットの思考システムに反して、狂っていることを理解する必要もあろう。
The insane protect their thought systems, but they do so insanely. - protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
- insanely [inséinli] : 「正気とは思えないほど、発狂して、気違いじみて、非常識に」
❖ "The insane protect ~ "「狂った者は、狂った者の思考システムを守ろうとする」。エゴの毒された者は、エゴの狂った思考システムを守ろうとするのだ。"but they do so ~ "「しかし、彼らは、狂気的にそれを守ろうとする」。狂信的にエゴの思考システムを信じ、狂信的にそれを守ろうとするのである。
And all their defenses are as insane as what they are supposed to protect. - defense [diféns] : 「防衛、防御」
- be supposed to : 「〜することになっている、〜するはずである、〜しなければならない」
- protect [prətékt] : 「保護する、守る、防御する」
❖ "And all their defenses ~ "「そして、狂った者の防衛法はすべて、彼らが守ろうとしているものと同じくらい狂気じみている」。エゴの思考システムを守るためなら、他者を攻撃するだろうし、破壊も辞さないだろうし、暴力も誹謗中傷も、あらゆる手法をもって防御するだろう。その防御法は狂気じみている。
The separation has nothing in it, no part, no "reason," and no attribute that is not insane. - separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
- part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
- reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
- attribute [ǽtribjùːt] : 「属性、特質、特性、性格」
- insane [inséin] : 「正気でない、精神障害の、非常識な」
❖ "The separation has ~ "「分離というものは、その中に、いかなる部分でも、いかなる『理由』でも、いかなる属性でも、狂っていないものなどないのだ」。分離のどの部分をとっても狂っているし、分離した理由のすべてが狂っているし、分離の性質、属性自体が狂っている。
And its "protection" is part of it, as insane as the whole. The special relationship, which is its chief defense, must therefore be insane.- protection [prəték∫n] : 「保護、保護物、守ること、防御、防備、防衛」
- whole [hóul] : 「全部、全体」
- special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- chief [t∫íːf] : 「最重要の、根本的な、最高位の」
- defense [diféns] : 「防衛、防御」
- therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
❖ "And its "protection" is ~ "「分離を『守ること』も分離の一部であり、分離全体同様、狂っている」。分離も狂気なら、分離を守ることも狂気だ。"The special relationship, which ~ "「特別な関係性は、それは、分離の主たる防衛策なのだが、したがって、狂っているに違いないのだ」。分離を維持する特別な愛欲の関係性は、分離を維持するが故に、やっぱり狂気である。