●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-7.V.6:1 ~ T-7.V.7:9

6. Fear does not gladden. Healing does. Fear always makes exceptions. Healing never does. Fear produces dissociation, because it induces separation. 
  • gladden [ɡlǽdn] : 「〜を喜ばせる」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • exception [iksépʃən] : 「例外、除外」
  • produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する」
  • dissociation [disòusiéiʃən] : 「解離、分離、分裂」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、離脱」
❖ "Fear does not ~ "「恐れは、喜びを与えることはない」。"Healing does"「ヒーリングは喜びを与える」。"Fear always ~ "「恐れは常に例外を作る」。"Healing never ~ "「ヒーリングは例外を作ることはない」。"Fear produces ~ "「恐れは乖離を生む」。"because it induces ~ "「なぜなら、恐れは分離を引き起こすからだ」。ここの分離は、神からの分離ではなく、他者の心からの分離と考えておこう。恐れが心を閉ざしてしまって、他者の心から自分の心を引き離してしまう。孤立した心は恐れに絶えられなくなり、今度は実在の(現実の)自己を切り離して、幻想や妄想の、架空の自己を作り上げ、そこに逃げ込む。これが乖離(dissociation)である。



Healing always produces harmony, because it proceeds from integration. It is predictable because it can be counted on. 
  • harmony [hɑ́ːrməni] : 「調和、一致」
  • proceed [prəsíːd] : 「由来する、進む」
  • integration [ìntəɡréiʃən] : 「統合、一体化、統一」
  • predictable [pridíktəbl] : 「予測可能な」
  • count [káunt] : 「数える、〜を数に入れる」
  • count on : 「〜を頼りにする、〜を当てにする 」
❖ "Healing always ~ "「ヒーリングはいつも調和を生み出す」。恐れが心を分離するのに対して、ヒーリングは心と心を調和させる。"because it proceeds ~ "「なぜならば、ヒーリングは統合に由来しているからだ」。ここでの統合は、自己統一性と見ていいだろう。エゴとホーリー・スピリットに分裂した自己ではなく、ヒーリングはホーリー・スピリットに自己を統一させる。"It is predictable ~ "「ヒーリングは予測可能だ」。"because it can ~ "「なぜなら、それは頼りになるからだ」。一貫性のあるヒーリングは必ずいい結果を出してくれる。それは偶然ではなく、神の必然に属している。頼りがいがあり、従って、いい結果を常に期待できる。



Everything that is of God can be counted on, because everything of God is wholly real. 
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として」
  • real [ríəl] : 「実在的な、現実の、本物の」
❖ "Everything that is ~ "「神のものであるすべては、頼りになる」。"because everything ~ "「なぜなら、神のものであるすべては、完全に実在するからだ」。神の創造したものだけが実在する。その他は幻想であり、錯覚だ。幻想や錯覚は時と共に変化流動し、混乱と崩壊へ向かう。しかし、神の創造した実在は変化を超越して不変である。永遠不変であるから、頼りになる。



Healing can be counted on because it is inspired by his voice, and is in accord with his laws. 
  • inspire [inspáiər] : 「活気を与える、吹き込む」
  • in accord with : 「〜と一致して、〜と調和して」
❖ "Healing can be ~ "「ヒーリングは頼りになる」。"because it is ~ "「なぜなら、ヒーリングは神の声によって息吹を吹き込まれ、神の法に調和しているからだ」。



Yet if healing is consistent it cannot be inconsistently understood. Understanding means consistency because God means consistency. 
  • consistent [kənsístənt] : 「一致した、一貫性のある」
  • inconsistently [ìnkənsístəntli] : 「一貫性なく」
  • consistency [kənsístənsi] : 「一貫性、整合性」
❖ "Yet if healing is ~ "「しかし、もしヒーリングが一貫性のあるものなら、一貫して理解されないわけがない」。ホーリー・スピリットの主導するヒーリングは一貫性をもっているので、ヒーリングは誰にとっても一貫性をもって理解される。"Understanding means ~ "「理解とは一貫性のことである」。"because God means ~ "「なぜなら、神とは一貫性であるからだ」。一貫性とは、曖昧でなく、不変であること。つまり、神の属性に一致する。本当の理解とは、その一貫性を見抜くことであり、ヒーリングが一貫性ありと理解されるなら、確かにヒーリングには一貫性があるのだ。



Since that is his meaning, it is also yours. Your meaning cannot be out of accord with his, because your whole meaning and your only meaning comes from his and is like his. 
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義 」
  • out of accord with : 「〜と調和しない」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の」
❖ "Since that is ~ "「一貫性が神の意味であるから、」"it is also ~ "「それはまた、あなたの意味でもある」。ここの意味とは、真実であるということ。"Your meaning ~ "「あなたの意味が神の意味と一致しないことはあり得ない」。"because your ~ "「なぜなら、あなたという丸ごとの意味、そして、唯一の意味は、神の意味から来るのであり、あなたの意味は神の意味に似ているからだ」。あなたの真実はすべて神から継承した真実であって、似ているどころか、実は同一である。あなたの存在は神と同一の真実であって、だから、あなたには意味がある。言い換えるなら、あなたの存在意義はあなたの心の真実である。



God cannot be out of accord with himself, and you cannot be out of accord with him. You cannot separate your Self from your Creator, Who created you by sharing his Being with you.
  • separate [sépərèit] : 「分離する、切り離す」
  • share [ʃέər] : 「〜を分かち合う、共有する」
  • being [bíːiŋ] : 「存在、実在、生命」
❖ "God cannot be ~ "「神は神自身と調和しないではいられない」。" and you cannot ~ "「そして、あなたは神と調和しないではいられない」。"You cannot separate ~ "「あなたは、あなた自身をあなたの創造主から切り離すことなど出来ないのだ」。"Who created you ~ "「その創造主は、その存在をあなたと分け合うことで、あなたを創造したのだから」。ここは、「その命をあなたと分け合うことで」と訳してもいい。神は神の愛(命)の延長上に神の子を創造した。あなたと神は同体であって、分離などしていない。分離せずに命を分かち合っているのだから、当然、あなたは神と調和しているはずだ。今のあなたが気付いていないだけの話し。



7. The unhealed healer wants gratitude from his brothers, but he is not grateful to them. 
  • gratitude [grǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
  • grateful [gréitfl] : 「感謝している、ありがたく思う」
  • be grateful to : 「〜に感謝する」
❖ "The unhealed healer ~ "「ヒールされていないヒーラーは、彼の同胞からの感謝を欲しがる」。"but he is not ~ "「しかし、彼は同胞に感謝の念を感じていない」。偽のヒーラーは、他者から感謝と称賛を得たいと思う。時に、高額なお金を求めることもあると聞く。



That is because he thinks he is giving something to them, and is not receiving something equally desirable in return. 
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る」
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に」
  • desirable [dizáiərəbl] : 「望ましい、好ましい」
  • in return : 「返礼として、お返しに」
❖ "That is because ~ "「それはbecause以下だからである」。"because he thinks ~ "「ヒールされていないヒーラーが、何かを同胞に与えたのであり、返礼として、同等に望ましいものを受け取っていないと考えているからだ」。ホーリー・スピリットの思考システムでは、与えることと得ることは同一である。それを理解していないヒーラーは、したがって、ホーリー・スピリットの思考システムに準じているのではなく、エゴの思考システムに毒されているわけだ。偽のヒーラーに限らず、見返りを求める行為はすべてエゴ的である。



His teaching is limited because he is learning so little. His healing lesson is limited by his own ingratitude, which is a lesson in sickness. 
  • limited [límitid] : 「限られた、制限された」
  • ingratitude [inɡrǽtətjùːd] : 「感謝の気持ちがないこと」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
❖ "His teaching is ~ "「ヒールされていないヒーラーは、ほとんど学ぼうとしないので、彼の教えは制限される」。ホーリー・スピリットの思考システムでは、学ぶことと教えることは同一である。偽のヒーラーは分かち合うことを知らないので、学ぶことも、したがって教えることもない。" His healing lesson ~ "「彼のヒーリングのレッスンは、彼自らの感謝の念がないことで制限される」。"which is a lesson ~ "「感謝の念が欠けているから、病のレッスンである」。



True learning is constant, and so vital in its power for change that a Son of God can recognize his power in one instant and change the world in the next. 
  • constant [kɑ́nstənt] : 「持続する、絶えず続く」
  • vital [váitl] : 「生命の、活気のある、元気な」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間」
❖ "True learning is ~ "「真の学びとは持続性があり、」"and so vital in its power ~ "ここは"so ~ that ~ "の構文、「変化のためのパワーに活気があるので、」"that a Son of God ~ "「神の子は一瞬のうちに彼のパワーに気付くことが出来、次の瞬間には世界を変えている」。一貫性のある持続的な学びにはパワーがある。それは幻想世界を変化させ得るパワーであり、自分の中にそのパワーが認識できるやいなや、自分も変化し、次の瞬間世界をも変えてしまう。これが自然のヒーリングである。



That is because, by changing his mind, he has changed the most powerful device that was ever given him for change. 
  • device [diváis] : 「機器、装置、道具、手段」
❖ "That is because"「それはbecause以下であるからだ」。"by changing his ~ "「彼の心を変えることで、」"he has changed ~ "「彼は、それまで彼に与えられていた変化のための最も強力な装置を変えたからである」。神の世界は叡知の世界であり、永遠不変の世界であるから、学ぶことも教えることもない。しかし、この幻想の世界にあっては、私達は神の叡知に向けて知覚を修正し、心を正さなくてはいけない。以前は幻想の変化流動に身を任せてきたが、今、私達はそれに代えて、新たな変化のための強力な補助装置が与えられた。それは学び合うことであり教え合うことである。したがって、私達の心をホーリー・スピリットに向けて変えることが出来れば、学びと教えの装置も変化し、ホーリー・スピリットの教えを学び、学んだことを同胞に教えることが出来るのだ。



This in no way contradicts the changelessness of mind as God created it, but you think that you have changed it as long as you learn through the ego. 
  • in no way : 「決して〜ない、まったく〜ない」
  • contradict [kɑ̀ntrədíkt] : 「〜と矛盾する、相反する」
  • as long as : 「〜する限りは、〜する以上は」
  • learn through : 「〜から学ぶ」
❖ "This in no way ~ "「これは決して、神が創造したままの心の不変性と矛盾するものではない」。教えたり学んだりすることには、変化への強力なパワーが秘められているが、これは心の不変性と矛盾しない、ということ。"but you think ~ "「しかし、あなたがエゴに学んでいる限りは、あなたは自分の心を変化させたと思うだろう」。ホーリー・スピリットに学んだり同胞に教えたりしても、基本の心は変化しない。心が幻想的に変化するのはエゴの教えを鵜呑みにするときだけである。



This places you in a position of needing to learn a lesson that seems contradictory;--you must learn to change your mind about your mind. Only by this can you learn that it is changeless.
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • position [pəzíʃən] : 「位置、立場」
  • contradictory [kὰntrədíktəri] : 「相反する、正反対の」
❖ "This places you ~ "「このことがあなたを〜な立場に置くことになる」。このこととは、エゴに学ぶことで心が変化したと感じること。"in a position of ~ "「(エゴのそれとは)正反対に見えるレッスンを学ぶ必要のある立場に」あなたを置くことになる。エゴによって心が変化していく様を感じたなら、それは、エゴとは正反対のホーリー・スピリットから学ばなくてはならないというサインである。"you must learn ~ "「あなたは、あなたの心についてあなたの心を変えることを学ばなくてはならない」。心はエゴに学んではいけない、ホーリー・スピリットに学ばなくてはならない、と心の方向性を変えることを学ばなくてはならない。"Only by this ~ "「こうすることによってのみ、あなたは、心が不変であることを学ぶことが出来るのである」。エゴに学んでいる限りは、心の様相、いわば心の色が次々に変化する。なぜなら一貫性がないからだ。しかし、ホーリー・スピリットに学ぶ限り、その教えは一貫性があるから、学ぶ心の色は変わらない。心の色は変わらず、しかし、心が拡張し増大するだけなのだ。






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