2. Only minds communicate. Since the ego cannot obliterate the impulse to communicate because it is also the impulse to create, it can only teach you that the body can both communicate and create, and therefore does not need the mind.
- communicate [kəmjúːnikèit] : 「連絡する、交信する」
- since [síns] : 「〜なので、〜だから」
- obliterate [əblítərèit] : 「〜を消し去る、〜を取り除く」
- impulse [ímpʌls] : 「衝動、衝撃」
- create [kriéit] : 「〜を創造する、〜を作る」
❖ "Only minds ~ "「心だけがコミュニケーションする」。"Since the ego ~ "「エゴは、(心の)コミュニケーションをしたいという衝動を消し去ることは出来ないので、」"because it is ~ "「というのも、コミュニケーションしたいという衝動は創造したいという衝動でもあるからだが、」"it can only teach you ~ "「エゴはあなたにthat以下を教えることしか出来ない」。"that the body ~ "「肉体もまたコミュニケーションも創造も出来、したがって、心など必要ないと」教えることしか出来ない。エゴは心の分裂と孤立を狙っているので、心が互いにコミュニケーションをとることで融合するのをエゴは最も恐れる。そこで、エゴは、肉体もまたコミュニケーションも創造も出来ると嘘をつき、私達の関心を肉体に引きつける。
The ego thus tries to teach you that the body can act like the mind, and is therefore self-sufficient.
- try [trái] : 「試す、やってみる、試みる」
- act [ǽkt] : 「行動する、振る舞う」
- self-sufficient [səfíʃənt] : 「自給自足できる、自足できる」
❖ "The ego thus ~ "「こうして、エゴはあなたにthat以下を教えようとする」。"that the body ~ "「肉体は心のように行動することが出来、したがって自足的であると」教えようとする。肉体があれば、心がなくても生きていけるという考えだ。むしろ、心は肉体の邪魔をしているという考えである。
Yet we have learned that behavior is not the level for either teaching or learning, since you can act in accordance with what you do not believe.
- learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、分かる」
- behavior [bihéivjər] : 「態度、言動、行動」
- level [lévl] : 「水準、レベル、段、段階」
- in accordance with : 「〜に従って、〜に一致して」
❖ "Yet we have ~ "「しかし、私たちはthat以下を学んだ」。"that behavior is not ~ "「行動は、教えたり学んだりするレベルにはないと」学んだ。"since you can act ~ "「なぜならば、あなたは、信じてもいないことに従って行動することも出来るからだ」。エゴは、肉体は自足的に行動できると言ったが、自律していはいない。心のレベルならば教えたり学んだり出来るであろうが、肉体的行動はその下部に位置するので、心は行動を律しきれない。本能的な衝動によって行動することもあるし、信じてもいないことを行動に表すこともある。肉体の行動は、基本的に欲動である。快楽主義的な欲望や攻撃に対する恐怖が引き金になる。もちろん、この欲望は、快楽主義を逆転させ、禁欲主義に向かうこともあるが、根っこは同じだ。いずれにしても、奇妙にバランスを欠いた肉体と行動の関係が見えてくる。
To do this, however, will weaken you as a teacher and a learner because, as has been repeatedly emphasized, you teach what you do believe.
- weaken [wíːkn] : 「弱める、弱体化させる」
- repeatedly [ripíːtidli] : 「繰り返して、たびたび」
- emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、力説する」
❖ "To do this ~ "「しかし、信じてもいないことを行動に移すとは、教える者として、また学ぶ者としてのあなたを弱体化するだろう」。"because, as has ~ "「なぜなら、繰り返し強調しているように、信じたことを教えるのだから」。人は、自分が信じていることを教え得るのであって、信じてもいないことを行動に移すことは、決して教えにはならない。したがって、学ぶことにもならない。まったくレベルをはき違えた行動をとっていることになり、あなたを弱体化させる。つまり、幻想レベルの肉体的行動をとっている限り、あなたの実相的パワーは失われていく。
An inconsistent lesson will be poorly taught and poorly learned. If you teach both sickness and healing, you are both a poor teacher and a poor learner.
- inconsistent [ìnkənsístənt] : 「矛盾した、一貫性のない」
- poorly [púərli] : 「下手に、不完全に、不十分に」
- both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
- sickness [síknəs] : 「病気、病」
❖ "An inconsistent lesson ~ "「一貫性のないレッスンは、不完全に教えられたり、不完全に学ばれたりする」。"If you teach both ~ "「もし、あなたが病もヒーリングも両方教えたなら、」"you are both a poor ~ "「あなたは不完全な教師であり不完全な学習者である」。
3. Healing is the one ability everyone can develop and must develop if he is to be healed.
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、手腕」
- develop [divéləp] : 「開発する、発達させる」
❖ "Healing is the ~ "「ヒーリングは、誰もが開発でき、そして誰もが開発しなくてはならない一つの能力である」。"if he is to ~ "「もし、その人がヒーリングされる必要があるならば」。知覚を修正し、幻想と真実を識別できるようにして夢から目覚めさせることがヒーリング。その気にさえなれば、誰にでも出来ることだ。
Healing is the Holy Spirit's form of communication in this world, and the only one he accepts.
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、型」
- accept [əksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "Healing is the ~ "「ヒーリングは、ホーリー・スピリットの、この世界におけるコミュニケーションの形である」。"and the only ~ "「そして、ホーリー・スピリットが認める唯一のコミュニケーションの形である」。ヒーリングは誰にも出来るが、人が単独で行うものではない。あなたの心の中のホーリー・スピリットと他者のホーリー・スピリットのコミュニケーションを通してなされるものだ。簡単に言えば、心の通じ合いがなければ、ヒーリングは成就しない。
He recognizes no other, because he does not accept the ego's confusion of mind and body.
- recognize [rékəgnàiz] : 「認める、受け入れる」
- confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同」
❖ "He recognizes ~ "「ホーリー・スピリットはその他のコミュニケーションの形を認めない」。"because he does ~ "「なぜならば、ホーリー・スピリットは、心と肉体を混同するエゴの混乱を容認しないからだ」。ヒーリングは心のレベルのコミュニケーションが主導することであって、基本的に肉体はヒーリングに関わらない。結果的に肉体的な病が治ることはあっても、それは、心がホーリー・スピリットとのコミュニケーションを通して悪夢から目覚めた結果に過ぎない。エゴは心と肉体を混同し、肉体が肉体をヒーリングできると勘違いしている。
Minds can communicate, but they cannot hurt. The body in the service of the ego can hurt other bodies, but this cannot occur unless the body has already been confused with the mind.
- hurt [hə́ːrt] : 「害を与える、〜を傷つける」
- in the service of : 「〜に仕えて」
- occur [əkə́ː(r)] : 「起こる、発生する、生じる」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り」
- already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
- confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる」
❖ "Minds can ~ "「心はコミュニケートできるが、傷つけることは出来ない」。"The body in ~ "「エゴに仕える肉体は他の肉体を傷つけることが出来るが、」"but this cannot ~ "「しかし、これが起きるのは、肉体がすでに心と混同されてしまっているときである」。レベル・コンフュージョンを起こしているとき、肉体は傷つけられ得る。つまり、肉体(頭脳)が心を生み出しているという勘違いだ。幻想が実相を生み出すことは不可能なのだ。実相の心が幻想の肉体を生み出し(投影し)、その幻想の肉体が傷つけ合っているだけだ。
This situation, too, can be used either for healing or for magic, but you must remember that magic always involves the belief that healing is harmful.
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、状態、事情」
- either A or B : 「AかそれともB」
- use [júːz] : 「使う、利用する」
- magic [mǽdʒik] : 「魔法、魔術、呪術」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常にいつでも」
- involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰」
- harmful [hɑ́ːrmfl] : 「有害な、害を及ぼす」
❖ "This situation ~ "「この状況はまた、ヒーリングや魔術についても当てはまる」。心と肉体の問題は、ヒーリングと魔術の問題にも当てはまる。ヒーリングが実相、魔術が幻想。魔術がレベル・コンフュージョンを起こしている。"but you must ~ "「しかし、あなたは、魔術はいつもthat以下の信念を含んでいると覚えておかねばならない」。"healing is harmful"「ヒーリングは有害である」という信念を魔術は常に含んでいると覚えておく必要がある。ここで言う魔術は、現代医療と置き換えて読むといいだろう。ヒーリングは、病は心から来ると見ている。魔術(現代医療)は、病は肉体の問題と見ている。ヒーリングは、肉体は幻想であり、実在の心がコンフュージョンを起こしたときにそれを外部に投影した結果、幻想の病が生じると考えている。魔術(現代医療)は肉体と心は完全に別物であって、病と心は関係がないと見ている。さらに魔術(現代医療)は、心を正せば病は消滅するとするヒーリングは科学的な医療にとって有害な思想だと考えている。
This belief is its totally insane premise, and so it proceeds accordingly.
- totally [tóutəli] : 「全体的に、全く、完全に」
- insane [inséin] : 「正気でない、狂った」
- premise [prémis] : 「前提、仮定」
- proceed [prəsíːd] : 「始める、続行する、進む」
- accordingly [əkɔ́ːrdiŋli] : 「それに応じて、それに沿って」
❖ "This belief is ~ "「こんな信念はまったく馬鹿げた前提である」。"and so it ~ "「そして、魔術はそれに従って執り行われていく」。つまり、ヒーリングは有害だという馬鹿げた前提に従って魔術(現代医療)は成立している、ということ。これが背景となって、ACIM口述の後、イエスは『PSYCHOTHERAPY(精神療法)』をヘレンに口述することになる。