4. To be in the Kingdom is merely to focus your full attention on it.
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- focus [fóukəs] : 「〜の焦点を合わせる、集中させる」
- attention [əténʃən] : 「注意、留意、注目」
❖ "To be in the Kingdom ~ "「王国にいるとは、単に、あなたの注意を王国だけに向けることである」。ここは、天の王国に住まう自分を確認するには、天の王国に関心を集中させることだけが必要である、という意味合いにとらえてもいいだろうが、むしろ、王国という言葉を真実に置き換えて「真実であるには、単に、あなたの注意を真実だけに向けることである」と解釈した方がいいだろう。
As long as you believe you can attend to what is not true, you are accepting conflict as your choice.
- as long as : 「〜である限りは、〜する以上は」
- attend [əténd] : 「関心を向ける、注意を向ける」
- attend to : 「〜に注意を払う、〜に関心を向ける」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の」
- accept [əksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
- conflict [kɑ́nflikt] : 「摩擦、葛藤、軋轢、争い」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "As long as you ~ "「あなたが、真実ではないものに注意を向けることができると信じている限り、」"you are accepting ~ "「あなたは自分の選択としてコンフリクトを受け入れていることになる」。真実ではないエゴの声に耳を傾けることが出来ると信じている限りは、あなたはコンフリクトを受け入れていることになる。
Is it really a choice? It seems to be, but seeming and reality are hardly the same. You who are the Kingdom are not concerned with seeming.
- seeming [síːmiŋ] : 「外観、見せかけ、うわべ」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
- hardly [hɑ́ːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
- same [séim] : 「同じの、同じ、同一の」
- concern [kənsə́ːrn] : 「〜と関係がある、〜にかかわる」
- be concerned with : 「〜に関係している、〜に関心がある」
❖ "Is it really ~ "「それは本当に選択だろうか」。幻想を選択するということは、本当に選択と言えるだろうか。"It seems to ~ "「そのように見えるかも知れないが、しかし、見せかけと真実はとても同じものだとは言えない」。"You who are ~ "「王国であるあなたは、見せかけに関わってはいないのだ」。あなたが天の王国にいる限り、見せかけの幻想を選択することは不可能である。なぜなら、王国には真実しか存在しないから。真実だけに関心を集中させているなら、幻想を選択することは不可能なのだ。
Reality is yours because you are reality. This is how having and being are ultimately reconciled, not in the Kingdom, but in your mind.
- ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「結局のところ、ついに」
- reconcile [rékənsàil] : 「和解させる、調和させる」
❖ "Reality is yours ~ "「あなたは実相なのだから、実相はあなたのものである」。あなたは真実なのだから、真実はあなたのものである。"This is how ~ "「これが、持つことと存在することがどのようにして最終的に調和するかということを示している」。"not in the Kingdom ~ "「それは王国の中ではなく、あなたの心の中で起こることである」。たとえば、あなたの心の中にはホーリー・スピリットが住まっている。いわば、あなたはホーリー・スピリットを『持って』いる。しかし、あなたの関心が、実相的な真実であるホーリー・スピリットに集中したとき、あなたの心はスピリットとして昇華、再生され、ホーリー・スピリットと調和、融合する。このとき、あなたはホーリー・スピリットとして『存在』することになる。たとえば、あなたの存在が愛を『持って』いるように見えるだろうが、愛があなたの『存在』そのものである。実相世界では、持つことと存在することは同義なのだ。
The altar there is the only reality. The altar is perfectly clear in thought, because it is a reflection of perfect Thought.
- altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- clear [klíər] : 「明らかな、明瞭な、きれいな、澄んだ、透明な」
- reflection [riflékʃən] : 「反射、反射光、現れ、しるし」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "The altar there ~ "「そこにある祭壇は唯一の真実である」。"The altar is perfectly clear ~ "「その祭壇は、(色々な)思いの中にあって完璧に明瞭である」。"because it is ~ "「なぜならば、その祭壇は完璧な思いの反映だからである」。心は抽象、想念の世界だから、祭壇といっても具象的な形や大きさを想起しなくていい。したがって、祭壇は象徴、シンボルとして扱えばいい。何のシンボルかというと、それが"reality(真実)"なのである。心の色々な思いの中にあって、ひときわ際立つ完璧に明瞭な真実、完璧な思いの真実、それを祭壇という言葉で象徴化している。祭壇は抽象的想念の世界のものだから、形を想起しなくていいと言ったが、もちろん、イメージとして形や様子を思い描いてもいい。たとえば、きれいな花で飾られてあるとか、宝石が置かれてあるとか、灯明がともされているとか・・・等々。つまり、完璧な美を象徴するもので飾ればいいのである。そして、あなたが生活の中で出会った真実、たとえば愛とか思いやりとか静寂を、その祭壇に贈り物としてささげればいい。
ACIMにおいては、"altar(祭壇)"はあなたの心の奥底にあると説明されている。あなたの心の最も純粋で神聖な部分に神の祭壇があり、そこにホーリー・スピリットが宿っている。そして、この祭壇が唯一の神とのチャンネルになっている。
Your right mind sees only brothers, because it sees only in its own light.
- right [ráit] : 「正しい、正当な」
- light [láit] : 「光、明かり」
❖ "Your right mind ~ "「あなたの正しき心は同胞だけを見る」。"because it sees ~ "「なぜなら、正しき心は自らの光になかに見るだけだからだ」。ここも象徴的にとらえて、あなたの正しい心が神聖な光を放ち、その光の中で真実なるものだけが輝いて見える。すると、正しい心の持ち主である同胞の姿が、あなたの光の中に浮かび上がってくる。
5. God has lit your mind himself, and keeps your mind lit by his light because his light is what your mind is.
- lit [lít] : 「light の過去・過去分詞形 」
- light [láit] : 「〜を明るくする、〜を照らす」
- keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜にしておく」
❖ "God has lit ~ "現在完了形、継続、「神自ら、あなたの心を照らし続けている」。"and keeps your ~ "「そして、神は神の光であなたの心を照らした状態に保っている」。ここで"keep A (過去分詞)"の形は、「Aを〜された状態に保つ」という意味。"because his light ~ "「なぜならば、神の光こそあなたの心そのものだからだ」。詩的表現をしている箇所なので、理屈で理解しようとする必要はない。イメージをもつだけでいい。たとえば、春、太陽の光を十分に浴びて花々が咲き誇る。そこで、春の花こそ太陽の光、と感じる。同じように、神の光に照らされなければ、私達の心は暗黒の寒い世界で凍えていたかも知れない。しかし、神の光のおかげで、春の野の花のように陽を浴びて生き生きしていれる。まさに、神の光こそ私達の心。私達の命の光は神が私達を照らす光そのものである。
This is totally beyond question, and when you question it you are answered.
- totally [tóutəli] : 「全体的に、全く、完全に」
- beyond [bijɑ́nd] : 「〜を越えて、〜を過ぎて」
- question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い」
- question : 「〜を疑問に思う、〜を疑問視する」
- answer [ǽnsər] : 「〜に答える」
❖ "This is totally ~ "「これは全く疑問を超越している」。"and when you ~ "「そして、あなたがそれを疑問に思ったとき、あなたは答えられたのだ」。"This"「これ」とは、神が心を照らし、神の光があなたの心そのものだ、という事実。これは真実だから疑問の領域を超越している。そういった真実に疑問を呈したとき、答えは決まっているのだ。答えは決まっているから、"you are answered"「あなたは答えられている」となる。では、何と答えられているか? 次の文章を読もう。
The Answer merely undoes the question by establishing the fact that to question reality is to question meaninglessly.
- merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
- undo [ʌndú] : 「〜を元どおりにする、取り消す」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、達成する」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実」
- reality [riǽləti] : 「現実、真実、実相」
- meaninglessly [míːniŋlisli] : 「意味なく、無益に」
❖ "The Answer merely ~ "「答えとは、単に、〜を確立することで疑問を取り消しにすることだ」。"by establishing ~ "「that以下の事実を確立することで」疑問を取り消しにすることだ。"that to question ~ "「真実を問うことは、意味なく疑問をもつことである」という事実を確立することで、疑問を取り消しにする。禅問答の様子を呈してきたが、解読していこう。目の前の真実、真理に対して「なぜ?」と疑問をもつことは、意味がないことだと言っている。それは、真実が存在するレベルと、疑問をもつレベルが全く違うからだ。それはちょうど、子をいたわる母親に、なぜ子を愛しているかと疑問を投げるようなものである。母親の子に対する愛の存在レベルと、それに疑問を呈するレベルが完全に異なっているからだ。このレベル・コンフュージョンを起こしているのは真実に対して疑問を呈する心である。では、この疑問に対しての答えは何か? 疑問そのものを取り消すことである(The Answer merely undoes the question)。だから、あなたが疑問を呈したとき、すでにあなたは答えられている(when you question it you are answered)。つまり、「あなたはレベル・コンフュージョンを起こしていて、疑問自体が無意味なのだよ」と答を与えられているのである。
That is why the Holy Spirit never questions. His sole function is to undo the questionable and thus lead to certainty.
- sole [sóul] : 「唯一の、たった一つの」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用」
- questionable [kwéstʃənəbl] : 「疑わしい、不確かな、怪しい」
- lead [líːd] : 「〜を連れていく、 〜を導く」
- certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然」
❖ "That is why ~ "「それが、ホーリー・スピリットが決して疑問を呈さない理由である」。"His sole function ~ "「ホーリー・スピリットの唯一の機能は、疑わしさを取り消して、確信へと導くことである」。ホーリー・スピリットは、レベル・コンフュージョンを起こしている心をヒーリングして、心が確信できる状態へと導く。
The certain are perfectly calm, because they are not in doubt. They do not raise questions, because nothing questionable enters their minds.
- certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、確信して」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- calm [kɑ́ːm] : 「静かな、穏やかな、平穏な」
- in doubt [dáut] :「不確かで、未決定で、疑って」
- raise [réiz] : 「起こす、引き起こす」
- enter [éntər] : 「〜に入る、〜に立ち入る」
❖ "The certain are ~ "「確実なものは完全に物静かである」。"because they are ~ "「なぜなら、彼らは疑っていないからだ」。"They do not ~ "「彼らは疑問を引き起こさない」。" because nothing ~ "「なぜなら、疑わしいものは何も彼らの心に浸入しないからだ」。静寂と確信は対をなし、喧噪と疑問は同類である。静寂と確信は心の平安を保ち、喧噪と疑問は不安を煽る。
This holds them in perfect serenity, because this is what they share, knowing what they are.
- hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
- serenity [sərénəti] : 「静穏、平静」
- share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する」
❖ "This holds them ~ "「疑いがないことが、彼らを完全な平穏に保ってくれる」。"because this is ~ "「なぜなら、疑いなく平穏であることは、彼らが分かち合うものだからだ」。"knowing what ~ "分詞構文、理由、「彼らは本当の自分をわかっているので」。静寂と確信は真実であり、彼らはその真実を分かち合う。分かち合われた静寂と確信は拡張増大し、心の平穏は揺るぎないものとなる。