4. You are the Kingdom of Heaven, but you have let the belief in darkness enter your mind and so you need a new light.
- darkness [dɑ́ːrknəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
- enter [éntər] : 「〜に入る、〜に参加する」
❖ "You are the ~ "「あなたは天の王国である」。"but you have ~ "「しかし、あなたは、闇を信じる思いをあなたの心の中に入らせてしまった」。"and so you ~ "「だから、あなたには新しい光が必要なのである」。
The Holy Spirit is the radiance that you must let banish the idea of darkness.
- radiance [réidiənsi] : 「輝き、光輝」
- banish [bǽniʃ] : 「追い出す、追放する」
❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは輝きである」。関係代名詞thatを使って"radiance"を説明し、"that you must ~ "「闇への思いを追い払うために使わねばならない」輝きである。ホーリー・スピリットは真実の光を放つ。光は闇(幻想)を駆逐する。光を欠いた状態が闇なのであって、闇は実体をもたない幻想である。光が実在するとき、必然的に闇は消滅する。
His is the glory before which dissociation falls away, and the Kingdom of Heaven breaks through into its own.
- glory [glɔ́ːri] : 「栄光、名誉、誇り」
- dissociation [disòusiéiʃən] : 「解離、分離、分裂」
- fall away : 「外れて落ちる、はがれ落ちる、剥離する」
- break through : 「現れる、打ち破る、切り抜ける」
❖ "His is the glory ~ "「ホーリー・スピリットの輝きは栄光であり、」ホーリー・スピリットの光は、神の真実を反映する栄光であり、"before which dissociation ~ "「その前では乖離ははがれ落ちてしまう」。神から分離したと信じていた神の子の幻想は消滅する。天の王国は純粋一元論の世界であり、乖離や分離は原理的に存在し得ない。真実の光に照らし出されると、幻想の分離は闇と同様に消えてしまう。"and the Kingdom ~ "「そして、天の王国はそれ自身の姿を現していく」。ここは訳しにくいのだが、"come into its own"が「独立する、自立する」という意味合いなので、それに準じた。光に満たされた天の王国が、その姿を現してくるのだ。
ここの文章をイメージ的にとらえてみよう。ホーリー・スピリットの光があなたの心の中に差し込んでくる。あなたは闇から解放され、目の前に天の王国が出現してくる。その時あなたは、自分が神から一歩も離れていなかったことに気付く。神の住む家に戻ってきたと知る。ホーリー・スピリットの輝きはますます強さを増し、天の王国のすべてを照らし出していく。あたかも、天の王国が自らの姿をあなたの眼前に展開させていくようだ。
Before the separation you did not need guidance. You knew as you will know again, but as you do not know now.
- guidance [gáidns] : 「指導、 助言、アドバイス」
❖ "Before the separation ~ "「(神からの)分離以前、あなたはガイダンスを必要としなかった」。"You knew as ~ "「あなたは、やがて再び知るようになることを知っていたが、今は知らない状態である」。分離によって神の子は叡智を見失ってしまったが、やがてそれを取り戻すことになる。そのガイダンス(導き)を与えてくれるのがホーリー・スピリット。
5. God does not guide, because he can share only perfect knowledge.
- guide [gáid] : 「〜を導く、案内する、〜を指導する」
- share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
- perfect [pə́ːrfikt ] : 「完璧な、完全な」
- knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、、認識、知恵」
❖ "God does ~ "「神はガイドすることはない」。"because he can ~ "「なぜなら、神は完璧な叡智だけを分かち合うことが出来るからだ」。実相的真実の総体が叡智である。叡智は、したがって神の属性の一面である。神は、神と同レベルのスピリットと叡智を分かち合うことが出来るが、そのレベルに達していない、つまり、幻想レベルに止まっている心とは直接的な接触はしない。無関心であるのではない。そこで、神は、神に代わるホーリー・スピリットを神の子に遣わすのである。ホーリー・スピリットは、幻想世界と実相世界の両方を行き来できる。
Guidance is evaluative, because it implies there is a right way and also a wrong way, one to be chosen and the other to be avoided.
- evaluative [ivǽljuèitiv] : 「価値的な、評価的な」
- imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する」
- avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する」
❖ "Guidance is ~ "「ガイダンスは評価的なものである」。導きは、その方向性を評価判断して示すことである。"because it implies ~ "「なぜならば、ガイダンスは、暗に〜を意味しているからだ」。"there is a ~ "「(評価には)正しいやり方もあり、また、誤ったやり方もあるし、選ぶべきやり方もあり、避けるべき別のやり方もある」ということを暗に意味しているからだ。神はガイドしないのだが、その理由はガイダンスとは評価的だからだ。神は絶対的真実(叡智)を行うのみであり、評価判断するなどという不確かなことを神は行わない。神は決して善悪、正邪を裁かない。善悪、正邪などという評価判断を超越したところに神は住まうからだ。
By choosing one you give up the other. The choice for the Holy Spirit is the choice for God. God is not in you in a literal sense; you are part of him.
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- give up : 「あきらめる、ギブアップする」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- literal [lítərəl] : 「文字通りの」
- in a literal sense : 「文字どおりの意味で」
- be part of : 「〜の不可欠な要素である」
❖ "By choosing one ~ "「一方を選ぶことで、あなたは他方を諦める」。"The choice for ~ "「ホーリー・スピリットを選択することは、神を選択することである」。"God is not in ~ "「神は、文字通りに、あなたの中にいるというわけではないが、」"you are part ~ "「あなたは神にとって不可欠な一部なのだ」。神は幻想と一切の関わりをもたない。幻想に手を染めることはない。しかし、幻想に苦しむ神の子を放っておくこともしない。そこで神は、神の子の心の奥底に神の祭壇を設け、そこに、ホーリー・スピリットを遣わした。この祭壇が、神と幻想世界を結ぶ唯一のチャンネルである。そのチャンネルと通して神のメッセージを受け取り、神の子に伝える役割を担っているのがホーリー・スピリットである。したがって、ホーリー・スピリットを受け入れることは、神を受け入れることと同等なのだ。
When you chose to leave him he gave you a voice to speak for him because he could no longer share his knowledge with you without hindrance.
- chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
- leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を見捨てる」
- speak for : 「〜の代弁をする、〜を代表する」
- no longer : 「もはや〜でない」
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- hindrance [híndrəns] : 「妨害、邪魔、障害物」
❖ "When you chose ~ "「あなたが神の下(もと)を去ることを選んだとき、神は、神に代わって話しをする声をあなたに与えた」。神の声は、神の祭壇であるチャンネルを通してホーリー・スピリットに与えられる。そして、神を代弁するホーリー・スピリットの声をあなたが聞くのである。"because he could ~ "「なぜなら、神は、神の叡智を何の障害もなくあなたと分かち合うことがもはや出来なくなったからである」。叡智を分かち合うとは、真実の分かち合いであって、分かち合いは真実を拡張増大させる。これが、実相的創造であって、幻想に埋没した神の子にはそれが出来なくなってしまった。
Direct communication was broken because you had made another voice.
- direct [dáirekt] : 「直接の、率直な」
- communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「通信、やりとり、連絡、伝達」
- broken [bróukn] : 「breakの過去分詞」
❖ "Direct communication ~ "「(神と神の子の)直接のコミュニケーションは壊された」。"because you ~ "「なぜなら、あなたは(神以外の)別の声を作ってしまったからだ」。別の声とは、エゴの声である。神から分離した神の子は、神に代わる偶像をエゴとしてでっち上げた。いわばエゴは、幻想の偽神である。この偽神エゴは、裁く神であり、罰する神であり、復讐する神であり、破壊する神であり、憎しみの神である。もしあなたが、他者を裁き、憎み、復讐し、破壊し、罰したいと思ったなら、あなたは完全にエゴの支配下にある証拠である。