3. There are two diametrically opposed ways of seeing your brother. They must both be in your mind, because you are the perceiver.
- diametrically [dàiəmétrikli] : 「正反対に」
- opposed [əpóuzd] : 「反対した、対抗した、対立した」
- perceiver [pərsíːvər] : 「受信者、知覚者、知覚する者」
❖ "There are two ~ "「あなたの同胞を見る見方に、二つの正反対の見方が存在する」。エゴを通して見る見方と、ホーリー・スピリットを通して見る見方の二つ。"They must both ~ "「そのどちらも、あなたの心の中にあるに違いない」。あなたの心の大半をエゴが支配し、しかし、心の奥底にホーリー・スピリットは確かに宿っている。"because you are ~ "「なぜなら、あなたは知覚する者だからである」。幻想世界に生きている限り、あなたは肉体的な知覚を通して見ざるを得ない。知覚する者は、対象を知覚し、判断し、選択して対象の属性を認識する。これがエゴ的見方である。対して、叡智による認識は直覚による。つまり、知覚、判断、選択という道筋を通らずに、真実が直接全的に把握される。これが、ホーリー・スピリット的見方である。
They must also be in his, because you are perceiving him. See him through the Holy Spirit in his mind, and you will recognize him in yours.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を把握する」
- recognize [rékəgnàiz] : 「承認する、認める、〜を認識する」
❖ "They must also ~ "「二つの正反対の見方は同胞の中にもあるに違いない」。"because you are ~ "「なぜなら、あなたが彼を知覚しているからだ」。あなたは同胞をあなたとは分離した存在と見ているが、本当は違う。エゴとホーリー・スピリットの両者が混在するあなたの心が、外部世界にそれを投射して作り上げた幻影が他者である。他者はあなたの姿を映し出す鏡である。その鏡に映った自分を、あなたは他者だと知覚しているだけだ。"See him through ~ "「同胞の心にあるホーリー・スピリットを通して見なさい」"and you will ~ "「そうすれば、あなたはあなたの心の中にホーリー・スピリットを認識できるだろう」。鏡に映ったあなた自身、つまり、あなたである他者の心の中のホーリー・スピリットを通してあなた自身を見てみるのだ。そうすれば、あなた自身の心の中のホーリー・スピリットが見えて来る。ここでは、知覚という側面をとらえて、自他一如を語っている。
What you acknowledge in your brother you are acknowledging in yourself, and what you share you strengthen.
- acknowledge [əknɑ́lidʒ] : 「認める、承認する、認識する」
- strengthen [stréŋkθn] : 「〜を強くする、強化する、増強する」
❖ "What you acknowledge ~ "「あなたが(叡智をもって)あなたの同胞の心の中に認識したことは、あなた自身の心の中にも(叡智をもって)認識することになる」。"and what you ~ "「そして、あなたが分かち合うものを、あなたは強化することになる」。"you are acknowledging"の現在進行形は近未来を表す。あなたが他者をホーリー・スピリットの目で見れば、そこに見えたものこそ本当のあなた自身である。ホーリー・スピリットの目がとらえた認識を分かち合うことで、その真実は増大し、強化される。
4. The voice of the Holy Spirit is weak in you. That is why you must share It.
- weak [wíːk] : 「弱い、力がない、脆弱な」
❖ "The voice of ~ "「あなたの中で、ホーリー・スピリットの声は弱くなっている」。あなたの心の大半を支配しているのはエゴである。ホーリー・スピリットは、あなたの心の深部、最も純粋で神聖な部分に追いやられた。"That is why ~ "「それが、あなたはホーリー・スピリットの声を分かち合わなくてはならない理由である」。同胞と分かち合って、ホーリー・スピリットの声を増大、強化するのである。
It must be increased in strength before you can hear It. It is impossible to hear It in yourself while It is so weak in your mind.
- increase [inkríːs] : 「〜を増やす、増大させる」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
- impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、できない」
❖ "It must be ~ "「あなたがホーリー・スピリットの声を聞くことが出来るようになる前に、その声は強さを増さなければならない」。ホーリー・スピリットの声を聞けるようになるために、ホーリー・スピリットの声を大きくしよう。" It is impossible ~ "「あなたの心の中で、ホーリー・スピリットの声があまりにも弱々しいうちは、ホーリー・スピリットの声を聞くことは不可能である」。
It is not weak in Itself, but It is limited by your unwillingness to hear It.
- in Itself : 「それ自体は、本質的に」
- unwillingness [ʌnwíliŋnis] : 「気が進まないこと、不本意」
❖ "It is not weak ~ "「ホーリー・スピリットの声は、それ自体として弱いわけではない」。"but It is ~ "「しかし、それは、あなたがその声を聞きたくないと思うことで、制限されている」。あなたの心の中のエゴが、ホーリー・スピリットに耳を傾けさせないように、四六時中あなたの頭の中でしゃべり続けている。しかも、そのほとんどは、くだらないおしゃべりである。
If you make the mistake of looking for the Holy Spirit in yourself alone your thoughts will frighten you because, by adopting the ego's viewpoint, you are undertaking an ego-alien journey with the ego as guide. This is bound to produce fear.
- make the mistake of : 「〜という間違いをする」
- frighten [fráitn] : 「〜を怖がらせる、脅かす」
- adopt [ədɑ́pt] : 「採択する、採用する、導入する」
- viewpoint [vjúːpɔ̀int] : 「見地、見える地点、観点、見方」
- undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「引き受ける、請け負う、負う」
- alien [éiliən] : 「異質な、縁もゆかりもない」
- journey [dʒə́ːrni] : 「旅、行路、長期の旅行」
- guide [gáid] : 「案内人、ガイド、案内者」
- be bound to : 「〜しなければならない、〜する運命にある」
- produce [prədjúːs] : 「〜を作り出す、生産する、製造する」
- fear [fíər] : 「懸念、心配、不安」
❖ "If you make ~ "「もし、あなたがたった一人であなた自身の中のホーリー・スピリットを捜すという間違いを犯せば、あなたの思考はあなたを脅かすことになろう」。あなたがたった一人でホーリー・スピリットを探すと言っても、あなたの頭の中で常にしゃべり続けているエゴが必ず介入してくるので、あなたはエゴ主導の基でホーリー・スピリットを探すことになる。エゴはホーリー・スピリットを敵と見なしているので、エゴはあなたを脅えさせ、ホーリー・スピリット探しを中断させようとする。"because, by adopting ~ "「なぜならば、エゴの観点を採用することで、エゴをガイド役に伴って、エゴにとって縁もゆかりもない旅路を歩むようなものだからだ」。"This is bound to ~ "「こうすれば、決まって恐れが生じる」。では、どうすればいいかと言うと、他者の心の中にホーリー・スピリットを探せばいい。探すと言うより、他者の心の中にホーリー・スピリットを見るように努めればいい。それは、同時にあなたの心の中のホーリー・スピリットであるはずだ。他者のホーリー・スピリットを見るとは、言葉を変えれば、他者を愛することである。マルコの福音書12:13に書かれている『隣人を自分のように愛しなさい』とは、そういうことである。