9. What you remember never was. It came from causelessness which you confused with cause.
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、記憶している、〜を思い出す」
- causelessness [kɔ́ːzlisnis] : 「原因がないこと、正当な理由がないこと」
- confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる」
- confuse A with B : 「AをBと混同する」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
❖ "What you remember ~ "「あなたが覚えていることは、決して存在していなかったのだ」。あなたが記憶している幻想世界の出来事は、実相的には存在していない。あなたは夢を見て、それを覚えているだけであって、夢の中の緒現象は現実に存在しているものではない。"It came from ~ "「それは、あなたが原因だと混同している、原因のないものから生じたのだ」。夢の中の出来事は、あなたは原因をもって生じたと思っているだろうが、それは、原因などもっていない。原因なくして生じた錯覚に過ぎないのだ。
It can deserve but laughter, when you learn you have remembered consequences that were causeless and could never be effects.
- deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する、ふさわしい」
- laughter [lǽftər] : 「笑い」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
- consequence [kɑ́nsəkwèns] : 「結果、結論、結末、成り行き、帰結、重大さ」
- causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用効果、効力」
❖ "It can deserve ~ "「〜であるなら、それは笑うしかないだろう」。"when you learn ~ "「あなたが、原因もなく、結果さえ存在しないという帰結を覚えているのだと知ったなら、」それは笑うしかないだろう。あなたがこの幻想世界で経験し、記憶ている緒現象が、実は、原因もなく、その結果さえ幻想であって存在してないと知ったなら、きっとあなたは笑ってしまうだろう。
The miracle reminds you of a Cause forever present, perfectly untouched by time and interference.
- remind [rimáind] A of B : 「AにBのことを思い出させる」
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
- present [préznt] : 「存在している、そこにある」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に」
- untouched [ʌntʌ́tʃt] : 「触れられていない、手つかずの、そのままの」
- interference [ìntərfíərəns] : 「干渉、妨害、障害、邪魔、支障」
❖ "The miracle reminds ~ "「奇跡は、永遠に存在する(真の)原因をあなたに思い起こさせるだろう」。"perfectly untouched ~ "「それは、時間によっても干渉によっても(汚されず)、完全に手付かずのままなのだ」。"Cause forever present"「永遠に存在する真の原因」とは、第一原因のことであって、神そのものである。つまり、奇跡はあなたに、第一原因である神そのものの存在を思い出させてくれる、という意味合いである。もちろん、神は何ものによっても汚されることなく、干渉を受けることもない。
Never changed from what It is. And you are Its Effect, as changeless and as perfect as Itself.
- change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
- changeless [tʃéindʒlis] : 「変化のない、不変の」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "Never changed from ~ "「真の原因である神は、あるがままの姿から変化することはない」。"And you are ~ "「そして、あなたは、その神という原因の結果なのだ」。神の子のあなたは、神が原因となって、神が創造した結果なのだ。"as changeless and ~ "「あなたは、神自身がそうであるように、変化することなく、そして、完璧である」。実相世界は永遠不変の世界である。その実相世界で神が創造した神の子も、同時に、永遠不変である。もちろん、真実の存在であるから、純粋で完璧である。一切の汚れも、一切の罪も、いらざる幻想の切れ端も、神の子には存在しない。
Its memory does not lie in the past, nor waits the future. It is not revealed in miracles.
- memory [méməri] : 「記憶、思い出」
- lie [lái] : 「ある、存在する」
- past [pǽst] : 「過去、昔」
- wait [wéit] : 「〜を待つ」
- future [fjúːtʃər] : 「未来、将来」
- reveal [rivíːl] : 「見せる、公開する、明らかにする、暴露する、啓示する」
❖ "Its memory does ~ "「神のもつ記憶は、過去に存在するのではないし、未来を待っているものでもない」。"It is not revealed ~ "「神の記憶は、奇跡においてさえ、明かされることはない」。無時間の実相世界にあっては、記憶とは、過去や未来に存在するわけではない。あえて言うなら、記憶は現在だけを表す叡智そのものである。その神の叡智は、奇跡によってさえ、安々と明かされる種類のものではない。秘密にされているという意味ではない。神の叡智は、神の叡智だけが知り得るものだからである。
They but remind you that It has not gone. When you forgive It for your sins, It will no longer be denied.
- remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- no longer : 「もはや〜でない」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
❖ "They but remind ~ "「しかし、奇跡は、神の記憶が去ってしまったものではないと、あなたに思い出させるのだ」。簡単に言えば、奇跡はあなたに、神の記憶が、あるいは神そのものが、あなたの心の中に永遠に存在していると、思い出させてくれる、ということ。神の叡智が開示されるわけではないが、神の叡智は、あなたの心の中に存在しているのだ。"When you forgive ~ "意訳する、「あなたが、あなたの罪ゆえに、神の記憶を忘れていたことを赦すなら、神の記憶は、もはや否定されることはあるまい」。あなたが、幻想の罪の意識に捕らわれて神の存在を忘れていたことは、これもまた幻想であると認識し、受け入れ受け流して赦すとき、幻想は消滅し、二度と神を否定することはない。
10. You who have sought to lay a judgment on your own Creator cannot understand it is not He Who laid a judgment on His Son.
- sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
- seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
- lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
- creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する」
- laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
❖ "You who have ~ "「あなた自身の創造者(神)を判断しようと躍起になっていたあなたは、神の子に判断を下したのは神ではないと理解出来ないのだ」。神は存在するか、神は正しいのか、神には罰する権利があるか、などと、神を理性で判断しようとしたあなたには、神は決して、神の子に罪があると判断したのではないと、理解することが出来ない。いわば、親の心、子知らず、である。
You would deny Him His Effects, yet have They never been denied.
- deny A B : 「AにBを与えない」
❖ "You would deny ~ "意訳する、「あなたは、原因である神に結果を与えようとはしないのだが、その結果は否定された例(ためし)はない」。ここで、神が原因となったその結果とは、神がその意思をもって創造したもの、という意味にとらえればいいだろう。したがって、あなたは、神が第一原因となって、あらゆる実相的な存在を創造したことを否定しようとするが、神が創造しなかったものは何一つ存在しない、という意味合いになる。
There was no time in which His Son could be condemned for what was causeless and against His Will.
- condemn [kəndém] : 「〜に有罪の判決を下す、〜を非難する、責める」
- causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、原因不明の、正当な理由のない」
- against [əɡéinst] : 「〜に逆らって、〜にそむいて、反抗して」
❖ "There was no time in ~ "「神の子が、原因もなく、神の意思に反したことで責められるような時など、存在しなかった」。神の子が、神を裏切って神から分離したことで罪の意識を背負ってしまったのだが、それは夢の中の出来事であって、そんな罪に原因はなく、神の意思に逆らって神を裏切った例(ためし)もなかった。
What your remembering would witness to is but the fear of God. He has not done the thing you fear.
- witness [wítnəs] : 「証言する、証明する」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "What your remembering ~ "「あなたの記憶が証言しようとしていることは、神への恐れなのだ」。"He has not done ~ "「神は、あなたが恐れるようなことをした例(ためし)はない」。あなたは夢の中で神を裏切り、罪の意識を背負ったが、その記憶が証言することは、ただ単に、神が罰するであろうという恐れだけだ。しかし、その恐れさえ、夢の中の恐れに過ぎない。なぜなら、神への裏切りが夢なら、神の復讐もまた、あなたが勝手に見ている夢だからだ。
No more have you. And so your innocence has not been lost. You need no healing to be healed.
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔」
- lost [lɔ́st] : 「lose の過去・過去分詞形」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "No more have ~ "「あなたも、何もしていない」。あなたも、神を裏切ったりしていない。ただ、夢を見ているだけである。"And so your innocence ~ "「したがって、あなたの無辜性は、失われていないのだ」。あなたは完全に潔白である。"You need no ~ "「あなたは、ヒーリングを受けるためのヒーリングを必要としてはいない」。あなたには、ヒーリングを受ける資格がある。つまり、夢から目覚める資格、真実に目覚める資格があるのだ。そのための、前準備は何もいらない。
In quietness, see in the miracle a lesson in allowing Cause to have Its Own Effects, and doing nothing that would interfere.
- quietness [kwáiətnis] : 「静寂、静けさ、平穏、沈静性」
- allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる、干渉する」
❖ "In quietness, see in ~ "意訳する、「静けさの中で、神という原因が神自身の結果を生むことを許し、妨げになるようなことは何もしないというレッスンを、奇跡の中で目撃しなさい」。第一原因である神が、その意思を邪魔されることなく原因が結果を生むことが出来るように、つまり、自由に真実を創造出来るように、そうするためのレッスンを、奇跡の中で静かに学びなさい。