4. Nothing at all has happened but that you have put yourself to sleep, and dreamed a dream in which you were an alien to yourself, and but a part of someone else's dream.
- happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
- put to sleep : 「眠らせる」
- alien [éiliən] : 「性質の異なる、異質な、縁もゆかりもない」
❖ "Nothing at all has ~ "「何も、まったく起きたわけではなく、」"but that you have ~ "「あなたは、あなた自身に夢を見させているだけなのだ」。"and dreamed a dream ~ "「つまり、あなた自身にとって異質な、他者の夢の一部としての夢を見ているのである」。神の子は、天の王国で深い眠りに落ち、神からの分離という夢を見ている。夢の中で神の子は、神からの分離と同時に、自らを分裂させ、数多くの自己を作り出し、心の外部に投射して偽創造した幻想世界に、その多数の自己を住まわせているのである。しかも、その夢の登場人物一人一人が、さらに夢(幻想)を見ているという、夢の二重構造を成しているのだ。あなたは夢を見ており、他者も夢を見ていて、互いが互いを夢の登場人物として、一つの夢を構成しているのである。他者の夢に登場するあなたは、あなたと異質な自分として、他者の夢を演じている( you were an alien to yourself, and but a part of someone else's dream)。
The miracle does not awaken you, but merely shows you who the dreamer is.
- awaken [əwéikn] : 「目を覚まさせる、目覚める、呼び起こす」
- show [ʃóu] : 「見せる、示す」
❖ "The miracle does ~ "「奇跡は、あなたを目覚めさせはしない」。"but merely shows ~ "「ただ単に、誰が夢を見ているのか、あなたに示すだけなのだ」。奇跡は、神の子が夢を見ており、その夢の登場人物の一人であるあなたも、神の子の夢の中で夢を見ているということを教えてくれる。しかし、奇跡は、あなたを目覚めさせることまではしない。それは、あなたの自由意思が自由選択するべき事だからだ。あなたが自ら夢から目覚めようと意思したとき、その時初めて、あなたは夢から目覚めることが出来るのである。
It teaches you there is a choice of dreams while you are still asleep, depending on the purpose of your dreaming.
- teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- while [hwáil] : 「〜する間に、その間に、〜と同時に、〜しながら」
- asleep [əslíːp] : 「眠っている、眠っている状態の」
- depend on : 「〜によって決まる、〜次第である」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "It teaches you there ~ "「奇跡はあなたに、あなたが眠っている間にでも、夢を選択出来ることを教えてくれる」。"depending on ~ "「あなたが夢見る目的にそって、選択出来るのだ」。あなたは、夢から目覚めることも、夢の内容を変えることも、自由に選択出来るのだ。それを、奇跡は教えてくれる。
Do you wish for dreams of healing, or for dreams of death?
- wish for : 「〜を所望する、〜の望む」
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉s」
❖ "Do you wish for ~ "「あなたは、ヒーリングされる夢を見たいのか、それとも、死の夢を見たいのか」。死の夢を選択したなら、あなたはこの幻想世界で夢を見続けて一生を終え、死ぬだろう。ヒーリングの夢を選択したなら、あなたは癒されて夢から目覚め、この幻想世界から実相世界へと回帰出来るだろう。どちらを選択するかは、あなたの自由意思に任されている。
A dream is like a memory in that it pictures what you wanted shown to you.
- like [láik] : 「似ている、類似の、類似した、同様の、同種の」
- memory [méməri] : 「記憶、思い出」
- picture [píktʃər] : 「〜を描写する、絵に描く、心に描く」
- shown [ʃóun] : 「show の過去分詞」
❖ "A dream is ~ "「夢は記憶と似たようなもので、」"in that it pictures ~ "「その中で、夢は、あなたが自分に見せたい絵を描いて見せるのだ」。幻想とは本来そういうものであり、あなたが見る夢も、あなたが記憶し思い出すものも、すべて幻想であるから、似たようなものになるのだ。あなたは見たい夢を見、覚えたいものを記憶するのである。幻想は、あなたが好きなように描いているドラマに過ぎない。もっとも、あなたは、あなたのドラマの製作者であると同時に、他者のドラマの登場人物でもある。それが、この幻想世界で夢を見て生きていく苦と悲しみを生み出している。
5. An empty storehouse, with an open door, holds all your shreds of memories and dreams.
- empty [émpti] : 「空の、空いている、誰もいない、無人の」
- storehouse [stɔ́ːrhàus] : 「倉庫、貯蔵所、宝庫」
- hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
- shred [ʃréd] : 「断片、破片」
❖ "An empty storehouse ~ "「扉が開いたままの空の倉庫に、あなたの記憶や夢のかけらのすべてが保存されてある」。実相世界は無時間無空間の世界であり、あらゆる事象が一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続く世界である。この幻想世界の出来事もすべて一瞬にしておき、そのすべてが、可能性のすべてを含めて、実相世界に保存されている。例えて言うなら、起こり得るすべての事象はすでに起き、ホログラフィックとして実相世界に保存されているようなものなのだ。それが、ここで言う"storehouse"「倉庫」である。"empty"「空の」と書いておいて、「あらゆる記憶や夢のかけらのすべてが保存されてある」というのは矛盾ではないか、と思われるだろうが、そう固いことは言いっこなし。いくらでも入る倉庫であって、まだまだ保存の余裕があると考えればいい。
Yet if you are the dreamer, you perceive this much at least: that you have caused the dream, and can accept another dream as well.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- at least : 「少なくとも、最少に見ても、〜であることは確か」
- cause [kɔ́ːz] : 「 〜を引き起こす、〜の原因になる」
- accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
- as well : 「同じに、同様にうまく、おまけに、その上」
❖ "Yet if you are ~ "「もし、あなたが夢を見ているなら、少なくとも、次のように知覚すればよい」。"that you have ~ "「あなたは夢を引き起こし、別の人の夢も同様に受け入れることが出来る」と、知覚すればよい。あなたが幻想世界で夢を見ている以上、あなたは自分で夢を作ってその夢を見、同時に、他者が作った夢を受け入れて、その夢にも登場していると了解すればいい。
But for this change in content of the dream, it must be realized that it is you who dreamed the dreaming that you do not like.
- change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
- content [kɑ́ntent] : 「入っているもの、内容物、中身」
- realize [ríːəlàiz] : 「に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
❖ "But for this change ~ "「この、夢の内容を変化させるためには、」自分の夢の内容と他者の夢の内容が、あなたの生活の中で入り乱れ、あなたの意思で変化させることが出来る。"it must be realized ~ "「夢は、that以下のように認識されなくはならない」。"that it is you who ~ "「見たくもない夢を見ている者はあなたである」と認識されなくはならない。あなたが見ている夢は、二重の構造をしており、自分の夢と他者の夢が入り乱れていて、見たくもない他者の夢を無理やり見せられているのだと認識することで、見る夢の内容を変化させることが出来る。本当に見たいと思う夢を強く意念することで、見たい夢に内容を変えることが出来るのだ。他者の夢に左右されない、強い夢を見ることが出来る。たとえば、愛や真実の夢は、どんな夢よりも強いのである。つまり、あなたは、苦の人生を愛の人生に変えることが出来るのである。
It is but an effect that you have caused, and you would not be cause of this effect.
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
❖ "It is but an effect ~ "「夢は、あなたが引き起こしたことの結果に過ぎず、」"and you would not ~ "「あなたは、この結果の原因ではない」。夢は、確かにあなたが見ている夢なのだから、あなたが引き起こした結果である。しかし、あなたが夢を見ている、そもそもの原因は、あなた自身にあるのではなく、天の王国で眠りに落ちて夢を見、あなたや同胞達を作り出している神の子である。原因は神の子にあるのだ。もっとも、あなた自身は、いわば神の子の分身として、神の子であることには変わりないから、まあ、連帯責任はあるかもしれない。
In dreams of murder and attack are you the victim in a dying body slain.
- murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
- victim [víktim] : 「犠牲者、被害者、被災者」
- dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、臨終の」
- slain [sléin] : 「slay の過去分詞、殺された、殺害された」
- slay [sléi] : 「殺す、殺害する、虐殺する、破壊する」
❖ "In dreams of murder ~ "「殺人や攻撃の夢の中では、あなたは肉体的に殺される犠牲者となる」。殺す役割ではなく、殺される役割を担う方が、圧倒的に多い。
But in forgiving dreams is no one asked to be the victim and the sufferer.
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- forgiving [fərɡíviŋ] : 「寛大な、寛容な、甘い」
- sufferer [sʌ́fərər] : 「苦しんでいる人、被災者、病人、患者」
❖ "But in forgiving ~ "「しかし、寛大な夢では、誰も犠牲者や被害者になることを求められない」。
These are the happy dreams the miracle exchanges for your own. It does not ask you make another; only that you see you made the one you would exchange for this.
- exchange [ikstʃéindʒ] : 「〜を交換する」
❖ "These are the happy ~ "「こんな夢は、奇跡があなた自身のために変換してくれた幸せな夢なのだ」。つまり、あなたはこの幻想世界にあって苦と悲しみの夢を見ているが、もし、あなたに愛や慈悲を与えてくれる人が現れたなら、それこそ、あなたに幸せを運んでくれる奇跡なのだ。"It does not ask ~ "「奇跡は、あなたに、(幸せな夢とは)別の夢を見るようにと求めてはいない」。奇跡はあなたに、幸せな夢だけを見続けなさいと求めているのだ。"only that you see ~ "「ただ、この(幸せな)夢と交換したいと思う夢を作り出すのはあなたなのだと、あなたに知って欲しいだけなのだ」。幸せな夢は真実である。しかし、それに変えて、苦と悲しみの夢を見ることをあなたが選んだなら(そして、実際に選んだのだが)、その夢を作り出すのはあなた自身なのだと知って欲しいと思っている。他でもない、あなた自身が、苦と悲しみの夢を選択し、それを見ているのだ。しかし、あなたは愛と慈悲を求めることが出来、その夢を選択出来るのである。そして、その幸せな夢を運んで来てくれるのが、奇跡なのだ。あなたが愛や慈悲を求め、それに出会ったなら、それこそが奇跡なのである。