9. In gentle laughter does the Holy Spirit perceive the cause, and looks not to effects.
- gentle [dʒéntl] : 「優しい、穏やかな」
- laughter [lǽftər] : 「笑い、楽しそうな表情」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、動機、理由」
- effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
❖ "In gentle laughter does ~ "「優しい微笑みを浮かべながら、ホーリー・スピリットは、結果を見るのではなく、原因を知覚する」。あなたが、この幻想世界で苦に虐げられているという結果に目をやるのではなく、ホーリー・スピリットは、そもそもなぜ神の子が幻想世界を偽創造したのか、その原因に目を向けている。
How else could He correct your error, who have overlooked the cause entirely?
- else [éls] : 「別の方法で、ほかに」
- correct [kərékt] : 「〜を訂正する、修正する、正す、補正する」
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
- overlook [òuvərlúk] : 「見落とす、見過ごす、大目に見る、許す」
- entirely [intáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら」
❖ "How else could He ~ "「そうでなかったら、どうしてホーリー・スピリットは、あなたの過ちを正せるだろうか」。"who have overlooked ~ "「過ちを犯したあなたは、原因を完全に見過ごしているのだから」。病気と同様に、原因が分からなかったら、治療の方法が分からないのだ。逆に、過ちを正すには、その原因に目を向ければいいのだ。
He bids you bring each terrible effect to Him that you may look together on its foolish cause and laugh with Him a while.
- bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する」
- bring [bríŋ] : 「〜をもたらす、〜を持って来る」
- terrible [térəbl] : 「恐ろしい、怖い、ひどく悪い、ぶざまな」
- together [təɡéðər] : 「一緒に、同時に」
- foolish [fúːliʃ] : 「ばかばかしい、思慮のない、愚かな、ばかげた」
- laugh [lǽf] : 「笑い声を上げる、笑う」
- while [hwáil] : 「少しの時間、時間、期間」
❖ "He bids you bring ~ "「ホーリー・スピリットは、悲惨な結果を一つ一つ、ホーリー・スピリットの元へ持って来るように、あなたに指示を出している」。"that you may look ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「そうすれば、あなたはホーリー・スピリットと一緒に、その愚かな原因を見ることが出来、しばしホーリー・スピリットと笑い合えるのだ」。神の子が、神なしでも神のように生きていけないかと思ったことが、そもそもの原因であった。ACIMでは、これを"a tiny mad idea"「小さな狂った思い」と表現している。したがって、それは「愚かな原因」なのだ。その愚かさに、ホーリー・スピリットは気付かせてくれる。
You judge effects, but He has judged their cause. And by His judgment are effects removed.
- judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜を審査する」
- judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
- remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
❖ "You judge effects, but ~ "「あなたは結果を判断するが、ホーリー・スピリットは結果を生み出す原因を判断する」。"And by His ~ "「そして、ホーリー・スピリットが原因を判断することで、結果は取り除かれるのだ」。原因は幻想を抱いたことである。あなたはその幻想の結果を判断し、他者が自分を攻撃し苦しめていると判断するだろうが、ホーリー・スピリットは、そもそもの幻想の原因を判断する。幻想の原因を修正するのだから、幻想という結果は消滅するのだ。消臭剤の宣伝文句ではないが、『元から断たなきゃダメ』なのだ。
Perhaps you come in tears. But hear Him say, "My brother, holy Son of God, behold your idle dream, in which this could occur. "
- perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
- tear [tíər] : 「涙、涙液」
- in tears : 「涙を浮かべて、泣いて、涙ながらに、泣く泣く」
- holy [hóuli] : 「神聖な」
- behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
- idle [áidl] : 「怠けた、怠惰な、ぐうたらな、何もしない」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "Perhaps you come ~ "「たぶん、あなたは、涙を流しながら、(ホーリー・スピリットの元へ)やって来るだろう」。悲惨にくれながら、ホーリー・スピリットの助けを求めて来るだろう。"But hear Him say ~ "「しかし、ホーリー・スピリットが次のように語ることを聞きなさい」。" "My brother, holy ~ "「『兄弟よ、神聖な神の子よ、怠惰な夢をしっかり見てみなさい」。"in which this.""「この中で、このことが起きているのだ』」。あなたはこの世界で苦を体験しているが、それは怠惰な夢なのであって、すべては、夢の中で起きていることなのだ。
And you will leave the holy instant with your laughter and your brother's joined with His.
- leave [líːv] : 「〜から離れる、〜を残す、〜を後にする」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- join [dʒɔ́in] : 「〜と交わる、〜と一緒になる、結合する、連結する」
❖ "And you will leave ~ "「そして、あなたは笑いながら、また、ホーリー・スピリットと一緒に同胞も笑いながら、聖なる瞬間を後にすることだろう」。すべての原因が夢にあったのだと分かった聖なる瞬間、あなたも同胞も、ホーリー・スピリットと一緒になって、それを知った喜びに満ちあふれ、笑いのうちに聖なる瞬間を後にすることとなる。
10. The secret of salvation is but this: that you are doing this unto yourself.
- secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事、秘伝、秘訣、極意」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "The secret of salvation ~ "「救いの秘密とは、こういうことなのだ」。"that you are doing ~ "「つまり、あなたは、このことをあなた自身に対してやっているのだ」。救いの秘密とは、幻想を消滅させることである。あなたが夢を見ていることを認識し、受け入れ受け流し、赦してしまえばいいのだ。それを、あなたはあなた自身に対して行わなくてはならない。それが、救いの秘訣である。
No matter what the form of the attack, this still is true. Whoever takes the role of enemy and of attacker, still is this the truth.
- no matter what :「たとえ何が〜であろうとも」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
- true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の
- whoever [huːévər] : 「誰が〜でも、誰を〜しても」
- role [róul] : 「役、役目、役割、任務、職務」
- take the role of : 「〜の役を演じる」
- enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
- attacker [ətǽkər] : 「攻撃者、攻撃する人」
❖ "No matter what the form ~ "「攻撃がどんな形でなされようと、なお、これは正しいのだ」。攻撃がどんな形をとろうとも、それが幻想であり、赦すことで消滅するという事実には変わりない。救いの秘密は、この場合も正しいのだ。"Whoever takes the role ~ "「誰が敵の役割と担おうとも、攻撃者の役割を担おうとも、なお、これは正しい」。誰が攻撃者でも敵でも、それは幻想であり、赦すことで消滅する事実に変化はない。救いの秘密は、この場合も正しいのだ。
Whatever seems to be the cause of any pain and suffering you feel, this is still true.
- whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
- pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り」
- suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
- feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
❖ "Whatever seems to be ~ "「あなたが感じる痛みや苦しみの原因が何であっても、なお、これは正しいのだ」。あなたの痛みも苦しみも幻想であって、それを赦せば、痛みや苦しみは消滅する。救いの秘密は、この場合も正しい。
For you would not react at all to figures in a dream you knew that you were dreaming.
- react [riǽkt] : 「反応する、反応を示す、対処する、反撃を行う」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
- figure [fíɡjər] : 「姿、人影、人物、形、形状」
- knew [njúː] : 「know の過去形」
❖ "For you would not ~ "「なぜなら、あなたが夢を見ているとあなたが知っている夢の中の登場人物に対して、まったくあなたは反応したいと思わないからだ」。夢の中の攻撃者に対して、あなたは夢を見ているだけだと知っているなら、抵抗することはあるまい。夢を見ていると知っていて、夢の中で痛みを感じたなら、その痛みにすら反応することなく、放っておくだろう。同じように、この幻想世界の攻撃に対しても、痛みや苦しみに対しても、それが幻想であると知っているなら、抵抗する必要はないのだ。幻想として赦してしまえるのである。それが、救いの秘密である。救いの秘訣である。蛇足になるが、これが真の『無抵抗主義』である。無抵抗主義とは、攻撃されるままに任せよ、殺されるままに任せよ、と言っているのではない。攻撃されたら反撃していいのだ。殺されそうになったら、相手をやっつけてもいいのだ。真の無抵抗主義は、そんなレベルのことを言っているのではない。攻撃であろうと殺しであろうと、そんなことは幻想だと、宣言していることなのである。
Let them be as hateful and as vicious as they may, they could have no effect on you unless you failed to recognize it is your dream.
- hateful [héitfl] : 「憎らしい、不愉快な、憎しみに満ちた、憎い」
- vicious [víʃəs] : 「意地の悪い、悪意のある、卑劣な、悪しき」
- have no effect on : 「〜には影響がない」
- unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
- recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "Let them be as hateful ~ "「それらが憎しみでも悪意でも、そのままにしておこう」。"they could have no effect ~ "「あなたが、それはあなたの夢に過ぎないのだということを認識し損なわない限り、それらはあなたに影響を与えることは出来ないのだ」。攻撃も痛みも苦しみも、それが幻想に過ぎないと正しく認識することが出来れば、それらはあなたに何の影響も与えることは出来ないのだ。それらは、単なる夢の出来事に過ぎないのだから。これが、真の無抵抗主義である。誰一人、何ものも、あなたを傷つけることは出来ないのだ。