6. How can communication really be established while the symbols that are used mean different things?
- communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「やりとり、連絡、伝達、情報、メッセージ」
- really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる、達成する」
- while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に」
- symbol [símbl] : 「象徴、シンボル、記号、符号」
- mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
❖ "How can communication ~ "「用いられる象徴が異なることを意味しているうちは、コミュニケーションはどうやって、実際、確立され得るだろうか」。一般論として、例えば、ある人が、水の中に住んでいてエラ呼吸をしヒレで泳ぐ生物を「サカナ」という文字に象徴し、別のある人が、陸上に住んでいて肺呼吸をし羽根で空を飛ぶ生物を「サカナ」という文字に象徴したなら、この二人の間にコミュニケーションが成り立つわけがない。ある人にとって幸せは物質的豊かさであり、金が幸せの象徴であり、別のある人にとっては幸せは精神的な豊かさであり、心の豊かさが幸せの象徴であるなら、この二人の間にコミュニケーションが成り立つはずはない。
The Holy Spirit's goal gives one interpretation, meaningful to you and to your brother.
- goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
- interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
- meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
❖ "The Holy Spirit's goal ~ "「ホーリー・スピリットの目的は、単一の解釈を与える」。"meaningful to you ~ "「その解釈は、あなたにとってもあなたの同胞にとっても意味があるのだ」。ホーリー・スピリットの目的とは、神の子を幻想から実相へと目覚めさせ、天の王国へ回帰させること。そのホーリー・スピリットの目的を受け入れたなら、すべての物事、出来事の解釈は、ぶれることなく一つに収斂する。つまり、物事や出来事の実相的な意味がその解釈となり、真実の解釈となるからだ。真実であるから、神の子であるあなたや同胞にとって意味があるのだ。
Thus can you communicate with him, and he with you. In symbols that you both can understand the sacrifice of meaning is undone.
- communicate [kəmjúːnəkèit] with : 「〜と意思が疎通する、〜に通じている」
- both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
- meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
- undone [ʌndʌ́n] : 「undoの過去分詞形」
- undo [ʌndú] : 「元へ戻す、取り消す」
❖ "Thus can you communicate ~ "「こうして、あなたはホーリー・スピリットとコミュニケーションをとることが出来、ホーリー・スピリットもあなたと意思疎通することが出来る」。"In symbols that you both ~ "「あなたとホーリー・スピリットの両者が理解出来る象徴の中にあれば、意味を犠牲にすることは取り消される」。あなたとホーリー・スピリットの両者が理解出来る象徴とは、たとえば、真実、幸せ、喜び、救い、赦し、解放、悟り、慈悲、等々の、実相的な象徴である。これらの象徴が意味することが、あなたとホーリー・スピリットの間でぶれることがないので、あなたとホーリー・スピリットは意思の疎通、コミュニケーションが出来るのだ。こうして、幻想世界において、象徴の意味がぶれることでその意味を犠牲にしてしまうような愚行を回避することが出来る。たとえば、幸せという言葉(象徴)の意味がぶれて犠牲にされた、その意味を取り消して、幸せという本当の実相的な意味(象徴)を回復するのである。
All sacrifice entails the loss of your ability to see relationships among events.
- entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」
- ability [əbíləti] : 「能力、才能、できること、手腕」
- relationship [riléiʃnʃìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
- among [əmʌ́ŋ] : 「〜に囲まれて、〜の間で」
- event [ivént] : 「出来事、事件、イベント、行事」
❖ "All sacrifice entails ~ "「あらゆる犠牲は、あなたが出来事の間の関係性を見てとる能力を失うという結果を引き起こす」。たとえば、実相的な幸せという意味を犠牲にして、物質的な豊かさだけが幸せをもたらすと信じてしまえば、あなたの人生のあらゆる出来事が、実は、幻想からの目覚めのために用意されたものとして、すべて密接な関連性があるのだという認識が出来なくなってしまう。出来事は偶発的に起きるものではなく、実相的な必然性を伴って起きるのものなのである。幻想に捕われて物事の意味を犠牲にしているうちは、その必然性、関係性が見えてこない。
And looked at separately they have no meaning. For there is no light by which they can be seen and understood.
- separately [sépərətli] : 「離れて、別々に、分かれて、離ればなれになって」
- light [láit] : 「光、ライト、明かり」
- seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
- understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
- understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる」
❖ "And looked at separately ~ "「出来事がバラバラに見られている限り、出来事は意味を持たない」。偶発的な出来事が関連性もなく勝手に起きていると見る限り、あなたは、出来事のもつ実相的な意味を理解出来ない。"For there is no light ~ "「なぜなら、出来事が目撃されたり理解されたりするために用いられる光がないからだ」。"light"「光」とは、実相的な理解を導く叡智のこと。出来事を、実相的な叡智、すなわち、真実を見抜く眼光によって照らし見るとき、出来事の本当の存在理由、その意味が理解出来るのだ。
They have no purpose. And what they are for cannot be seen. In any thought of loss there is no meaning.
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
- thought [θɔ́ːt] : 「考えること、思考、思索,考え、見解」
❖ "They have ~ "「(バラバラに分裂した)出来事は目的をもたない」。偶発的に起きる幻想的な出来事は、目的がない。実相への目覚めという目的を持っていない。むしろ、その目的が見えてこない、と解釈すべきだろう。だから、"And what they are ~ "「そして、そんな出来事が何のためにあるのか、理解され得ないのだ」。"In any thought ~ "「あらゆる喪失という思考には、意味などない」。何かが犠牲にされ、失うことがあり得るという考えは、幻想世界の出来事に対する思考であって、実相世界にあっては、失うことなど何もない。真実が永遠不変に存在する世界に、喪失という概念があり得るだろうか? 喪失という概念は幻想世界のものであって、したがって、実相的な意味はないのだ。
No one has agreed with you on what it means. It is a part of a distorted script, which cannot be interpreted with meaning.
- agree with : 「〜に同意する、〜と一致する」
- part [pάːrt] : 「一部、部分」
- distorted [distɔ́ːrtid] : 「歪められた、ゆがんだ、曲げた、ひずんだ」
- script [skrípt] : 「脚本、台本、原稿、せりふ」
- interpret [intə́ːrprit] : 「解釈する、解明する、説明する」
❖ "No one has agreed ~ "「喪失という概念が意味することに関して、誰もあなたに同意することはない」。たとえば、あなたが、金を失った、地位を失った、名誉を失ったと騒いでも、誰もあなたに同情することはない。あなたが喪失ということに対して抱く意味合いに、誰も同意しないからだ。"It is a part of ~ "「喪失とは、歪んだ台本の一部に過ぎない」。幻想世界にあってあなたが描く台本、たとえば、物質的な豊かさが幸せをもたらすのだ、などと書いた台本は、実相的な視点から見れば歪んだ台本であって、喪失という概念は、そんな歪んだ台本に登場する一つの空虚なセリフに過ぎない。"which cannot be ~ "「それは、意味ある解釈をされ得ない」。幻想的な歪んだ台本に登場する喪失という言葉は、実相的な意味を付与して解釈されることは不可能だ。喪失とは、夢の中に登場する空虚な言葉であって、夢から覚めれば、喪失という言葉は何の意味も持たない。いったい、夢の中で何かを失ったとしても、目覚めたあなたは何を失ったと言えるだろうか? 金を失っても地位を失っても名誉を失っても、あるいは家族が死によって失われても、さらに、あなたが命を失っても、それは夢の中の出来事であって、目覚めれば、何も失われてはいないのだ。命さえも、命は永遠に不変であるから、失われることはあり得ないのである。実相世界に、ただの一つの喪失など存在しない。
It must be forever unintelligible. This is not communication. Your dark dreams are but the senseless, isolated scripts you write in sleep.
- forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
- unintelligible [ʌnintélədʒəbl] : 「理解できない、不明朗な、不鮮明な」
- senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、愚かな、無意味な」
- isolated [áisəlèitid] : 「孤立した、人と交わらない、切り離された、分離した」
❖ "It must be forever ~ "「喪失という概念は、永遠に理解不能なことに違いない」。夢の中の概念は、目覚めた者にとっては意味はなく、永遠に理解不能だ。"This is not ~ "「これはコミュニケーションではない」。つまり、理解不能な意味のない概念を使ってのコミュニケーションは成立しない、ということ。"Your dark dreams ~ "「あなたの闇の夢は、まったく意味のないものであり、あなたが眠っていながら書き留めた孤立した台本である」。この幻想世界であなたが喪失という言葉を使って書き留めた台本は、夢の中で書いた台本に過ぎず、ひとたび目覚めたなら、まったく意味を持たない。"isolated"「孤立した」とあるが、「あなただけに限定した」という意味合い。分離分裂した神の子の一人として、あなたが孤立した存在であると信じて書き留めた台本には意味はないのだ。なぜなら、それは虚偽だから。
Look not to separate dreams for meaning. Only dreams of pardon can be shared. They mean the same to both of you.
- look to : 「〜に目をやる、〜に頼る、〜を期待する」
- separate [sépərət] : 「分かれた、離れた、分けられた、別々になった」
- pardon [pάːrdn] : 「寛容、許し、恩赦、大赦」
- share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
- same [séim] : 「同じ、同一の」
❖ "Look not to separate ~ "「意味を求めて、分離した夢を見てはいけない」。人それぞれに、勝手に分離して夢を見ている世界がこの幻想世界である。その夢の中に意味を求めてはいけない。そもそも意味がないのだから。"Only dreams of ~ "「赦しの夢だけが、分かち合われ得る」。幻想を幻想と認め、受け入れ受け流して赦してしまうという実相的な夢だけが本物の夢であって、その赦しの夢だけが実相を求める者達によって分かち合われ得る。"They mean the same ~ "「赦しの夢は、(赦す者、赦される者)どちらにとっても、同じことを意味するからだ」。赦しの夢によって、赦す者も赦される者も、同時に幻想(夢)から目覚めることが出来る。幻想の消滅という実相的な意味があるのだ。
7. Do not interpret out of solitude, for what you see means nothing.
- solitude [sάlətjùːd] : 「孤独、独りぼっち」
❖ "Do not interpret ~ "「孤独な状態で解釈してはいけない」。"for what you ~ "「なぜなら、あなたが目にするものは何も意味しないのだから」。"out of solitude"「孤独から、孤独な状態で」とは、あなたが、同胞からもホーリー・スピリットからも分離した、孤立した肉体だけの存在だと信じて、という意味合い。そういう状態にあると信じることは、実相的な繋がりを否定したことを意味し、結果、幻想ばかりが目に入る。目にする幻想は、何の意味も持たないのだ。
It will shift in what it stands for, and you will believe the world is an uncertain place, in which you walk in danger and uncertainty.
- shift [ʃíft] : 「変わる、移る」
- stand for : 「〜を表す」
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼」
- uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不安定な、変わりやすい」
- place [pléis] : 「場所、個所、立場、境遇、環境」
- danger [déindʒər] : 「危険、危機、危難」
❖ "It will shift in ~ "「あなたが目にするものは、それが表すことをころころ変える」。あなたが目にするものは幻想であって、常に変化流動する。永遠不変の真実は、あなたの目に映ることがない。"and you will believe ~ "「そして、あなたは、この世界が確実性を欠いた場所だと信じることになろう」。"in which you ~ "「その世界にあって、あなたは、危険性と不確かさの中を歩いているのだ」。これが、あなたがこの世で生きている姿である。
It is but your interpretations which are lacking in stability, for they are not in line with what you really are.
- interpretation [intə̀ːrprətéiʃən] : 「解釈、説明、解説」
- lack [lǽk] : 「足りない、不足している、欠いている」
- stability [stəbíləti] : 「安定、持続、不変、安定性、安定度、持続性」
- in line with : 「〜と一致して、〜と合致して」
- really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
❖ "It is but your ~ "強調構文、「安定性を欠いているのは、あなたの解釈なのだ」。世界が安定性を欠いているのではなく、あなたが世界に対して抱く解釈自体が安定性を欠いているのだ。あなたが、世界の幻想性を真実だと思い込み(そう解釈し)、実在だと信じているうちは、あなたは安定した実在性のある真実を見ることは出来ない。" for they are not ~ "「なぜなら、あなたの解釈は、実相的なあなた自身と一致していないからだ」。"what you really are"「実相的なあなた自身」とは、あなたが同胞と共に神の子であり、あなたの心の中にホーリー・スピリットが住んでいるという、そういうあなた自身。幻想世界から実相世界へと目覚めなくてならないあなた自身、ということ。あなたは本来、実相世界(天の王国)の実在であって、危険で安定性を欠いたこの幻想世界に生きていると思い込んでいるのは単なる夢なのである。あなたの解釈は、その夢こそが現実であり、実在だとする。あなたはまさに、幻想に騙されて解釈しているのだ。
This is a state so seemingly unsafe that fear must rise. Do not continue thus, my brother. We have one Interpreter.
- state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
- seemingly [síːmiŋli] : 「外見的には、外見から判断すると、見たところ」
- unsafe [ʌnséif] : 「安全でない、危険な、不確かな」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
- rise [ráiz] : 「立ち上がる、起立する、起こる、発生する」
- continue [kəntínjuː] : 「続く、とどまる」
- interpreter [intə́ːrpritər] : 「通訳者、解釈者、解説者、通訳」
❖ "This is a state so ~ "「これは、あまりにも安全には見えない状態なので、恐れが立ち上がってくる」。夢に見ているこの世界があまりにも危険で安定性を欠いているから、あなたは夢の中で恐れを抱くようになる。"Do not continue ~ "「我が兄弟よ、こんなことを続けてはいけない」。"We have one ~ "「私たちには、唯一の解釈者がいるのだ」。この世界が幻想に過ぎず、その幻想世界から目覚めて実相世界へ回帰することこそが唯一意味ある行動だと解釈してくれる唯一者、すなわち、ホーリー・スピリットが、私たちの心の中に住んでいる。だから、ホーリー・スピリットを信じて、今ある状態を続けてはいけないのだ(Do not continue thus)。
And through His use of symbols are we joined, so that they mean the same to all of us.
- through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、〜を介して」
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、交わる、一緒になる」
- so that : 「〜できるように」
❖ "And through His use ~ "「ホーリー・スピリットが象徴を用いることを通して、〜するようになるために、私たちは結びつく」。"so that they ~ "「それらの象徴が、私たちすべてにとって、同じ意味を表すようになるために、」私たちは結びつく。ホーリー・スピリットは私たちに真実の象徴をもって真実を教えてくれる。たとえば、実相的な真実の愛である。真実の愛の実体は、言葉で表すことに出来ないものであるが、「愛」という言葉、象徴を使ってホーリー・スピリットは愛の真実を語るのだ。その真実が、私たちすべてにとって、意味がぶれることなく同一の意味を持つように(so that they mean the same to all of us)、私たちは神の子として結合統一されていく(are we joined)のである。なぜなら、本来私たちは単一の存在なのだから。あなたと同胞は自他一如なのだ。真実の意味や解釈がぶれること自体がおかしいのだ。
Our common language lets us speak to all our brothers, and to understand with them forgiveness has been given to us all, and thus we can communicate again.
- common language : 「共通語」
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- given [gívn] : 「giveの過去分詞形」
- again [əɡéin] : 「再び、かさねて」
❖ "Our common language ~ "「私たちに共通する言葉が、私たちがすべての同胞に語りかけることが出来るようにしてくれる」。ホーリー・スピリットが用いる象徴としての真実の言語を通して、私たちは本物の会話をすることが可能となる。"and to understand with ~ "「また、共通の言葉を使うことで、赦しが私たちすべてに与えられたのだと理解出来るし、」"and thus we ~ "「こうして、私たちは、再びコミュニケーションをとることが出来るようになるのである」。幻想から目覚めるための赦しは、特定の同胞に与えられるようなものではなく、すべての神の子に与えられるものなのだ。むしろ、すべての神の子が赦しによって幻想から目覚めなくてはならないと言うべきだろう。神の子全体に対して、完全な赦しが必要なのだ。そのために、共通した真実の言葉(象徴)を用いて神の子同士、そして、ホーリー・スピリットととのコミュニケーションを再開し、赦しを通して幻想から実相へと目覚めなくてはならない。これが、この世界に生きていることに対する唯一の正しい解釈である。この解釈に、一切、ぶれはない。