5. You who believe that you can choose to see the Son of God as you would have him be, forget not that no concept of yourself will stand against the truth of what you are.
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
- concept [kάnsept] : 「概念、観念、考え、意見」
- stand against : 「〜に立ち向かう、〜に刃向かう、〜に抵抗する」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "You who believe ~ "「神の子を、あなたがそうさせたいと思うように見ることを選べると信じているあなたよ、」神の子である自分のイメージを、勝手に自分で選択し、作り上げることが出来ると信じているあなたよ、"forget not that ~ "「あなたの自己概念は、真実のあなたの姿に対立するであろうことを忘れてはいけない」。神の子は神によって創造されたのであるから、永遠不変に真実である。あなたが幻想の中で、その神の子のイメージを変えようとしても、決して真実を変えることはない。あなたの歪んだ自己概念は、ことごとく本当の神の子の姿に対立してしまうのだ。
Undoing truth would be impossible. But concepts are not difficult to change.
- undoing [ʌndúiŋ] : 「ほどくこと、解くこと、取り消し」
- impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
- difficult [dífikʌ̀lt] : 「困難な、厳しい」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "Undoing truth would ~ "「真実を取り消しにすることなど、不可能なのだ」。"But concepts are ~ "「しかし、概念というものは、変えることが難しくない」。自己概念は、あなたが勝手に幻想するものだから、真実ではなく、したがって、容易に変化し得る。変化させることが出来ると言うよりも、必然的に変化していき、崩壊へと向かうのだ。
One vision, clearly seen, that does not fit the picture as it was perceived before will change the world for eyes that learn to see, because the concept of the self has changed.
- vision [víʒən] : 「洞察力、想像力、考え方、視覚、視力」
- clearly [klíərli] : 「はっきりと、明らかに、明瞭に、疑いもなく」
- seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
- fit [fít] : 「合う、適合する、調和する、一致する」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する」
- change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
❖ "One vision ~ "「以前、知覚されたような絵柄に合わない、鮮明な一つのヴィジョンは、」"will change the world ~ "「ものの見方を学んだ目にとっては、世界を変えるだろう」。"because the concept ~ "「なぜなら、自己概念が変化したからだ」。あなたは以前、真実の神の子のイメージから外れた自分勝手な自己概念を作り上げ、それを外部に投射して、あなたにぴったりの世界を作り上げた。その世界は苦と痛みと罪に満ちており、あなたは惨めな進化した猿を演じてきた。しかし、あなたは実相的なものの見方を学び、その目をもって世界を見れば、世界は今までとは変わった絵柄に見えてくるのだ。それがヴィジョンであり、あなたの自己概念が変化し、真実の神の子に近づいた証拠なのだ。肉体的な感覚器官による知覚が、実相的なヴィジョンに変化したのである。
5. Are you invulnerable? Then the world is harmless in your sight.
- invulnerable [invʌ́lnərəbl] : 「傷つくことのない、不死身の」
- harmless [hάːrmlis] : 「無害の、安全な、当たり障りのない」
- sight [sáit] : 「視野、視界、視力、視覚、景色、眺め」
❖ "Are you ~ "「あなたは、傷つき得ないだろうか」。幻想の肉体が傷つけられたとしても、実相の心は決して傷つき得るものではないと実感出来るだろうか。"Then the world ~ "「そうであるなら、あなたの視野には、この世界は無害と映る」。世界が幻想として見えてくるので、幻想に過ぎない夢が、現実のあなたを傷つけることは不可能だと納得出来て、あなたの目に世界は無害なものとして映る。苦も痛みも絶望も罪も、すべては幻想であり、夢であり、決して現実のあなたを傷つけることは出来ないと理解出来るのである。
Do you forgive? Then is the world forgiving, for you have forgiven it its trespasses, and so it looks on you with eyes that see as yours.
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
- forgiving [fərɡíviŋ] : 「寛大な、寛容な」
- forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
- trespass [tréspəs] : 「不法侵入、不法侵害、罪、違反、不正」
- look on : 「〜を見る」
❖ "Do you ~ "「あなたは、赦せるだろうか」。"Then is the world ~ "「そうであるならば、世界は赦しの世界となる」。"for you have ~ "「なぜなら、あなたは世界の不正を赦したのであり、世界は、あなたの目と同じ目であなたを見るからだ」。あなたが、世界の苦も痛みも絶望も罪も、その不正のすべてを幻想だと見抜いて、その幻想性を受け入れ受け流し、赦すことが出来れば、あなたの世界に対するその見方は世界に向かって投射され、今度は、世界があなたを同じ目で見るようになる。つまり、あなたの罪も痛みも憎悪も怒りも、すべて幻想であり夢なのだと世界が教えてくれるのだ。
Are you a body? So is all the world perceived as treacherous, and out to kill.
- treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない、信頼できない」
- be out to : 「しきりに〜したがる、〜をしようと躍起になる」
- kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
❖ "Are you ~ "「あなたは、肉体であろうか」。"So is all the world ~ "「そうであるなら、世界のすべてが不誠実で、しきりに殺したがっているように知覚されるだろう」。あなたが、肉体を幻想ではなく実在だと信じている限り、世界の不誠実も裏切りも実在であり、世界はあなたを抹殺しようと常にあなたを脅かす。
Are you a spirit, deathless, and without the promise of corruption and the stain of sin upon you?
- spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神」
- deathless [déθlis] : 「不死の、不滅の」
- promise [prάmis] : 「約束、契約、約束したこと、約束したもの」
- corruption [kərʌ́pʃən] : 「堕落、邪悪、腐ること、腐敗」
- stain [stéin] : 「染み、汚点」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "Are you a spirit ~ "「あなたは、スピリットで、不死で、腐敗という約束もなければ、あなたの上に罪という汚点もないだろうか」。罪や死や腐敗、崩壊、恐れ、等々の幻想から解放されて、あなたは不死なるスピリットとして生きているだろうか。あなたは、実相的な自己を確立しただろうか。幻想と癒着した自己概念を脱ぎ捨てることが出来ただろうか。
So the world is seen as stable, fully worthy of your trust; a happy place to rest in for a while, where nothing need be feared, but only loved.
- stable [stéibl] : 「しっかりした、安定した、断固とした、不変の」
- fully [fúlli] : 「十分に、完全に、全く、すっかり、全体に」
- worthy [wə́ːrði] : 「〜に値する、〜するに足りる」
- trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」
- place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地、広場」
- rest [rést] : 「休む、休息する、休憩する、休養する」
- for a while [hwáil] : 「しばらくの間、少しの間」
- fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖が」
❖ "So the world is ~ "「そうであるなら、世界は安定し、あなたの信頼に十分足るものと見ることが出来る」。幻想世界が安定化し、信頼に足るようになる、という意味ではない。幻想が実相化するわけがない。そうではなく、あなた自身が安定化し、自分を信頼することが出来て、この幻想世界を夢の出来事として安心して見ることが出来る、という意味合いである。もはや世界は、あなたを傷つけることも殺すことも出来ないと理解出来るようになるのである。その意味で、世界は安全であり、信頼出来る、というわけだ。"a happy place to rest ~ "「しばしの間、世界は憩うことが出来る幸せな場所となり、何も恐れるに足るものもなく、愛されるものだけの世界となる」。一言で言えば、あなたは世界という夢を楽しむことが出来るようになるのだ。あたかも、夜見る夢の中で、その夢を楽しむようなものだ。"for a while"「しばらくの間」とあるが、「幻想世界が完全に消滅するまでの少しの間」「あなたが天の王国に回帰するまでのしばらくの間」「あなたが肉体を抜けるまでの少しの間」等々、と解釈していいだろう。
Who is unwelcome to the kind in heart? And what could hurt the truly innocent?
- unwelcome [ʌnwélkəm] : 「歓迎されない、快く受け入れられない」
- kind [káind] : 「思いやりのある、いたわりの、優しい、親切な」
- hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与える」
- truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に」
- innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、率直な、純真な、無邪気な」
❖ "Who is unwelcome ~ "「心優しい者にとって、誰が歓迎出来ないだろうか」。夢を夢として楽しんでいる心の充実した者は、夢の登場人物のすべてを、夢の立役者としてすべて歓迎し、受け入れるだろう。"And what could ~ "「そして、いったい何が、本当に潔白な者を傷つけ得るだろうか」。夢を楽しんでいる心は実相的に潔白である。罪のかけらもない。そんな心を、夢の中の何が傷つけることが出来るだろう。もはや心は、この幻想世界から解放されたのだ。幻想に捕われているからこそ、罪ありと断罪されて傷つけられるのであって、幻想から抜け出したなら、罪もなければ、断罪もされ得ない。傷つけられることもないのだ。ただただ、夢を楽しめばいい。