●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-31.VII.4:1 ~ T-31.VII.5:7


4. You live in that world just as much as this. For both are concepts of yourself, which can be interchanged but never jointly held. 

  • as much as : 「〜と同じ程度に」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • concept [kάnsept] : 「概念、観念」
  • interchange [ìntərt∫éindʒ] : 「〜を置き換える、互いにやりとりする、入れ替える」
  • jointly [dʒɔ́intli] : 「合同で、一緒に、両方に、連帯して」
  • held [héld] : 「holdの過去形」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する、心に抱く」

❖ "You live in that world ~ "「この世界に住んでいるのと同じくらい、あなたはあの世界(実相世界)に住んでいる」。あなたはこの幻想世界の住人であるが、それは夢の中の話しであって、本当は、あなたは実相世界に生きている。"For both are concepts ~ "「なぜなら、どちらの世界も、あなたの自己概念であるからだ」。ここは、「どちらもあなたの自己概念となり得るからだ」、と解釈した方がいいだろう。"which can be ~ "「ただし、それらは、置き換え可能ではあるが、決して(二つを)一緒に保持出来るものではない」。幻想世界に物質的な生物として生きている自己概念を持つことも、実相世界で心として生きている自己概念を持つことも、どちらも可能である。しかし、同時にそのどちらをも持つことは出来ない。あなたは自由意思をもって、そのどちらかを選択しなくてはいけない。



The contrast is far greater than you think, for you will love this concept of yourself, because it was not made for you alone. 

  • contrast [kάntræst] : 「対比、対照、差異、不一致」
  • great [ɡréit] : 「大きい、大きな、巨大な、主要な」
  • alone [əlóun] : 「独力で、単独で」

❖ "The contrast is ~ "「(二つの自己概念の)コントラストは、あなたが思っている以上に大きい」。"for you will love ~ "「なぜなら、あなたはこの(実相的な)自己概念を愛するようになるからだ」。幻想世界に生きる自己概念は、苦と痛みに苦しめられてきたが、実相世界に生きる自己概念は、それとは全く対照的に、喜びと幸せに満ちあふれる。あなたは、そんな自己概念を愛するようになるのだ。"because it was not ~ "「というもの、その(実相的)自己概念は、あなた一人のために創られたものではなからだ」。幻想世界の自己概念は、あなた一人のプライベートな概念である。しかし、実相世界の自己概念は、神の子として単一の概念である。いわば、あなたも同胞も、みんなが単一の神の子として創造され、単一の自己概念をもっている世界なのだ。分離の自己概念は苦と痛みと恐れを生み出す。単一として融合された自己概念は喜びと幸せと愛を生みだす。あなたがどちらの自己概念に誘われ、それを愛するようになるか、問うまでもあるまい。



Born as a gift for someone not perceived to be yourself, it has been given you. 

  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • gift [ɡíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を理解する」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」

❖ "Born as a gift for ~ "「あなた自身だと知覚されない誰かのため贈り物として生まれ、また、その贈り物はあなたにも与えられたのだ」。あなたは同胞のために生まれ、同胞はあなたのために生まれた。互いが互いの贈り物なのだ。なぜなら、実相世界にあっては、あなたと同胞は同一の神の子であって、自他一如であるからだ。幻想世界のあなたと同胞の分離は錯覚に過ぎない。あなたは同胞を幻想から救う役割を担って、いわば同胞への贈り物として生まれてきたのであり、同胞はあなたを幻想から救う役割を担って生まれてきた。同胞はあなたへの贈り物なのだ。



For your forgiveness, offered unto him, has been accepted now for both of you.

  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • accept [æksépt] : 「受け入れる、承認する、容認する」

❖ "For your forgiveness ~ "「なぜなら、同胞に差し出されたあなたの赦しは、今や、あなたと同胞の両者のために受け入れられたからだ」。あなたが、同胞の存在を幻想として認め、受け入れて赦すとき、同時に、あなたはあなた自身の幻想性を受け入れて赦したことになるからだ。あなたと同胞は分離などしていない。



5. Have faith in him who walks with you, so that your fearful concept of yourself may change. 

  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、自信、信念、確信」
  • so that : 「〜するために、その結果」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」

❖ "Have faith in him ~ "「あなたと共に歩む同胞を信頼しなさい」。"so that your ~ "「その結果、あなたの恐れに満ちた自己概念は変わるだろう」。得るために奪え、攻撃される前に攻撃せよ、というエゴの思考システムに従って形成したあなたの自己概念は、したがって、あなたもいつか攻撃されるだろうという恐れをずっと抱いてきた。しかし、エゴの思考システムを脱して、ホーリー・スピリットの思考システムによって再構築したあなたの自己概念は、同胞を悪しき攻撃者と見ることはない。共に、実相世界に向かって歩む同伴者と見るようになったのだ。そこに恐れはない。



And look upon the good in him, that you may not be frightened by your "evil" thoughts because they do not cloud your view of him. 

  • look upon : 「〜を見る」
  • frighten [fráitn] : 「〜を怖がらせる」
  • evil [íːvəl] : 「悪意ある、険悪な、邪悪な」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え、見解」
  • cloud [kláud] : 「〜を雲らせる、〜を不透明にする、曖昧にする」
  • view [vjúː] : 「視界、視野、視力、光景、意見、見識」

❖ "And look upon ~ "「そして、同胞の良きものに視線を当てなさい」。"that you may not ~ "「そうすれば、あなたは、あなたの『悪しき』思いによって恐れを抱かさせられることはなくなるだろう」。"because they do not ~ "「なぜなら、あなたの『悪しき』思いが、同胞を見るあなたの視界を曇らすことはなくなるからだ」。あなたはこれまで、同胞はあなたを攻撃する敵だと思ってきた。罪があるのは同胞であり、あなたのものを奪い、あなたに恐れと痛みを与えてきたと思ってきた。あなたは同胞を恨み、憎み、機会があれば攻撃してやりたと、『悪しき』思いを抱いてきた。しかし、今、あなたはそんな思いは幻想だと知り、その幻想を払拭したのだ。もはや『悪しき』思いがあなたの知覚を曇らせることはない。『悪しき』思い自体が消滅したからだ。あなたの目に入るのは、同胞の良き部分ばかりである。それが真実だからだ。



And all this shift requires is that you be willing that this happy change occur. No more than this is asked. 

  • shift [ʃíft] : 「交代、変更、変化、転換」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
  • willing [wíliŋ] : 「〜することをいとわない、〜する気がある」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • ask [ǽsk] : 「〜を求める、〜を頼む、依頼する」

❖ "And all this shift ~ "「こういった(自己概念の)シフトが必要とするものは、こんな幸せな変化が起こって欲しいと望むことなのだ」。"No more than ~ "「それ以上のことは何も求められてはいない」。幻想から実相へ目覚めたいという、あなたの自由意思があればいい。自由意思による自由選択だけが、あなたに求められているすべてである。その意思を高らかに宣言し、後は、すべてをホーリー・スピリットに委(ゆだ)ねるだけでいい。ACIMの絶対他力である。



On its behalf, remember what the concept of yourself that now you hold has brought you in its wake, and welcome the glad contrast offered you. 

  • on one's behalf [bihǽf] : 「〜のために、〜の利益になるように」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bringの過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • wake [wéik] : 「航跡、通った跡」
  • in one's wake : 「〜の通った跡に」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎する、喜んで受け入れる」
  • glad [ɡlǽd] : 「満足して、うれしく思う」

❖ "On its behalf ~ "「そのために、今まであなたが保持してきた自己概念が、その痕跡として、あなたにもたらして来たものを思い出し、」"and welcome the glad ~ "「あなたに差し出された(新しい自己概念がもたらしてくれる)喜ばしいコントラストを歓迎しなさい」。幻想的自己概念が、その痕跡として残していったものは、苦と痛みと哀しみ、そして恐れだけであった。今、そんな自己概念を捨てて、実相的な自己概念を手に入れたあなたは、喜びと幸せと平和に満たされるのである。そのコントラストを、心から歓迎して、受け入れればいい。



Hold out your hand, that you may have the gift of kind forgiveness which you offer one whose need for it is just the same as yours. 

  • hold out : 「伸ばす、差し出す」
  • kind [káind] : 「優しい、親切な」
  • need [níːd] : 「必要、要求」

❖ "Hold out your ~ "「手を差し伸べなさい」。"that you may ~ "「そうすれば、あなたは、優しい赦しという贈り物を得られるだろう」。"which you offer one ~ "「それは、あなたが必要としているものとちょうど同じものを必要としてる同胞に、あなたが差し出す優しい赦しという贈り物でもあるのだ」。ややこしい言い回しなのだが、要するに、あなたも同胞も同じ赦しを必要としており、互いに優しい赦しという贈り物を分かち合う、ということ。あなたと同胞は、同時に、幻想を幻想として受け入れ赦し、幻想を消滅させるのである。幻想からの救いが、互いの優しい贈り物となる。



And let the cruel concept of yourself be changed to one that brings the peace of God.

  • cruel [krúːəl] : 「残酷な、むごい、残虐な、無慈悲な、非情な」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平安、静けさ、静謐」

❖ "And let the cruel ~ "「そして、あなたの非情な自己概念を、神の平和をもたらす自己概念へと変えさせなさい」。幻想の自己概念を赦すことで、あなたの自己概念の幻想性は消滅し、あなたの自己概念は実相的な真実に変わる。あなたが再び自己概念を作り変える必要はない。幻想から目覚めることで、自ずと自己概念は変わるのだ。それは、神の平和、実相世界の平和をもたらしてくれる自己概念である。神の子としての自己概念を持てばいいのだ。なぜなら、あなたが神の子であるということは真実であり、それ以外の自己概念はあり得ないからだ。神から愛される自分であること、それ以上の真実があり得ようか。
 
 
 


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