5. Learn, then, the happy habit of response to all temptation to perceive yourself as weak and miserable with these words:
I am as God created me. His Son can
suffer nothing. And I am His Son.
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する」
- habit [hǽbit] : 「習慣、癖、傾向、気質」
- response [rispάns] : 「反応、反響、返答、回答」
- temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、」
- weak [wíːk] : 「弱い、弱った、衰えた、弱体な、無力な」
- miserable [mízərəbl] : 「惨めな、悲惨な、不幸な、哀れな」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、経験する、被る」
❖ "Learn, then, the happy ~ "「そこで、次の言葉を口に出して、あなた自身を弱く惨めな者と知覚したくなるあらゆる誘惑に反応出来る、幸せな習慣を学び取りなさい」。"I am as God ~ "「私は、神が私を創造したままの私である」。"His Son can ~ "「神の子は、どんな苦しみも被(こうむ)ることは出来ない」。"And I am ~ "「そして、私は、その神の子である」。エゴは、あなたを幻想に留め置くために、様々な誘惑を仕掛けてくる。その誘惑に負けたあなたが経験するものは、すべて苦と痛みであり、自分が弱く惨めな人間だと感じさせるものばかりであった。しかし、そんな時こそ、誘惑に負けない反応を習慣的に身に付けよう。次のように口ずさめばいい。自分は神の創造した神の子であり、神の子は苦悩を背負うことはないのだ、と。
Thus is Christ's strength invited to prevail, replacing all your weakness with the strength that comes from God and that can never fail.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
- invite [inváit] : 「招待する、招く、〜を頼む、懇願する」
- prevail [privéil] : 「勝つ、勝る、勝利を得る」
- replace [ripléis] : 「〜を取り替える、〜を置き換える、〜を交換する」
- weakness [wíːknis] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "Thus is Christ's strength ~ "「こうして、(エゴの誘惑に)打ち勝つために、キリストの力が招き入れられることになる」。"Christ's strength"「キリストの力」とは、実相的なパワーのことで、幻想を消滅させる力である。真実を真実たらしめる力である。もちろん、あなたが自分の自由意思で、キリストの力を招き入れたのだ。正しい選択をしたのだ。"replacing all your ~ "「そして、あなたのすべての弱さは、神からやって来る力、決してやり損ねたりしない力によって、置き換えられるのである」。幻想に過ぎないあなたの弱さが、実相の力、つまり神が与えてくれたパワーによって置き換えられ、そして、消滅させられるのだ。それが失敗することは、決してない。なぜなら、真実が現実化しないことは不可能であり、神の辞書に失敗という文字はないからだ。
And thus are miracles as natural as fear and agony appeared to be before the choice for holiness was made.
- miracle [mírəkl] : 「奇跡、驚くべきこと、奇跡的な出来事」
- natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、普通の、ありのままの、当然の」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- agony [ǽɡəni] : 「激しい苦痛、苦悶、苦しみ」
- appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、〜らしい」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
❖ "And thus are miracles ~ "「こうして、神聖さを選び取る前は、恐れと苦悩が自然に見えたように、(今は)奇跡が自然なものになる」。誘惑に屈して幻想を選択した結果が恐れと苦悩であった。しかし今、キリストの力という神聖さを選択した結果、その幻想に過ぎない恐れと苦悩が消滅するという奇跡が、実に自然に見えてくる。奇跡とは、幻想の消滅であり、真実の現れに過ぎないからだ。奇跡は、一番自然な現象なのだ。
For in that choice are false distinctions gone, illusory alternatives laid by, and nothing left to interfere with truth.
- false [fɔ́ːls] : 「うその、虚偽の、誤った、本物でない、偽の」
- distinction [distíŋkʃən] : 「差異、区別、特徴、特質」
- gone [ɡɔ́ːn] : 「goの過去分詞形」
- illusory [ilúːsəri] : 「幻影の、幻想の、錯覚の」
- alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「選択肢、取って代わるもの、代替手段」
- laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
- lay [léi] : 「置く、横たえる、寝かせる」
- lay by : 「脇に置く、捨てる、諦める」
- left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする、置き忘れる」
- interfere [ìntərfíər] : 「邪魔をする、妨げる、遅らせる」
- truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "For in that choice ~ "「なぜなら、その選択によって、誤った区別が去り、幻想の選択肢が捨てられ、」"and nothing left ~ "「真実を邪魔する何ものも残されないからだ」。ここの"false distinctions"「誤った区別」とは、恐れ、痛み、苦、憎悪、怒り、嫉妬、悲しみ、等々の悪感情が、個々別々に見えていたが、という意味合い。しかし、そのすべてが幻想という一つの原因に根ざしたものだと知ったのだ。分離も区別もないと知ったのだ。その結果、二度と幻想を選択しない、という決意が生まれたのである。もはや、何ものにも、真実は邪魔されることはない。真実が、明瞭にヴィジョンされるようになったのだ。
6. You are as God created you, and so is every living thing you look upon, regardless of the images you see.
- living thing : 「生き物、生物」
- look upon : 「〜を見る」
- regardless of : 「〜にかかわらず」
- image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像」
❖ "You are as God ~ "「あなたは、神があなたを創造した、そのままのあなたである」。"and so is every ~ "「そして、あなたが目にする生きとし生けるものすべても、あなたの目にどんなイメージとして映ろうとも、同様である」。命は、それがどんな形をとろうが(regardless of the images you see)、命として同等である。可愛い小鳥も、怖いワニも、物静かなシダも、愉快なミジンコも、命としてはそこに区別はない。神が平等に創造した命である。もちろん、神の子としてのあなたの命も同様である。言い換えれば、命は分裂などしておらず、実相世界では単一の存在である。だから、命に序列など存在しないのだ。
蛇足になるが、ここで言う命とは、死に至る命のことではない。肉体的な命ではない。命がとる形など幻想だのだ(regardless of the images you see)。命とは、実相的に永遠不変であって、分裂の出来ない単一の存在である。命とは、神の息吹のことだ。神の愛の煌(きら)めきである。神の放つ光なのだ。古今東西、多くの愚か者が永遠の命を手に入れようと不老長寿の魔法(薬)を求めた。しかし、真実は、不老長寿は、実は彼らの心の中にこそ存在したのだ。永遠は、形(肉体)に宿ることは出来ない。真実が幻想を宿とすることは不可能なのだ。
What you behold as sickness and as pain, as weakness and as suffering and loss, is but temptation to perceive yourself defenseless and in hell.
- behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
- sickness [síknis] : 「病気」
- pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛」
- suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」
- loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」
- temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- defenseless [difénslis] : 「無防備の、防御手段がない」
- hell [hél] : 「地獄、生き地獄」
❖ "What you behold ~ " 「あなたが、(何かを)病として見ること、痛みとして、弱さとして、苦痛として、喪失として見ることは、あなた自身を無防備で、地獄に住む者と知覚する誘惑に過ぎない」。あなたの肉体的な感覚器官が、ある対象を病であるとか苦痛であるとか、あるいは弱さや喪失と知覚したなら、それはあなたが幻想に騙されている証拠であって、あなた自身が、痛みにや苦に対して無防備な地獄の住人と見なしていることを意味する。エゴが仕掛ける幻想の誘惑に負けている証拠だ。
Yield not to this, and you will see all pain, in every form, wherever it occurs, but disappear as mists before the sun.
- yield [jíːld] : 「降伏する、屈服する」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿」
- wherever [hwεərévər] : 「どこへ〜しても、どこで〜であろうとも」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる」
- disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する」
- mist [míst] : 「霧、かすみ、もや」
❖ "Yield not to this ~ "「こんな誘惑に屈してはいけない」。"and you will ~ "「屈しなければ、あなたは、痛みがどんな形をとろうが、どこで起きようが、太陽の前で霧が消滅するように、すべての痛みが消滅するのを目撃するだろう」。幻想に引き込まれる誘惑に負けさえしなければ、幻想は自ら消滅していくのだ。太陽という真実の光が霧という幻想を吹き消してしまうように、あらゆる痛みは消滅する。
A miracle has come to heal God's Son, and close the door upon his dreams of weakness, opening the way to his salvation and release.
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
- close [klóuz] : 「閉じる、閉める、閉鎖する、封鎖する」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
- release [rilíːs] : 「釈放、救出、解放」
❖ "A miracle has come ~ "「奇跡が、神の子をヒーリングするためにやって来た」。今、ヒーリングという奇跡が起きる。"and close the door ~ "「神の子の弱き夢の扉を閉じ、」"opening the way ~ "「神の子の救いと解放への道を開くのだ」。くどいようだが、ACIMの言う奇跡とは、幻想からの解放、幻想からの目覚め、実相への目覚めを意味し、それがヒーリングである。空中浮遊を見せ物にする魔術が奇跡なのではない。お香を焚(た)いてストレスを取る癒しがヒーリングなのではない。もっとも、それもまた楽しいのだが、しかし、お遊びに過ぎない。
Choose once again what you would have him be, remembering that every choice you make establishes your own identity as you will see it and believe it is.
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
- once again : 「またしても、再度、いま一度、今度も」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる、達成する」
- identity [aidéntəti] : 「正体、身元、独自性、固有性、同一性」
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
❖ "Choose once again ~ "「〜を思い出しながら、あなたが、神の子がどうあって欲しいのか、もう一度、選択しなさい」。"remembering that ~ "「あなたが選択する毎に、あなたがそれを見て信じた通りに、あなた自身の正体を確立するのだと思い出しながら、」あなたが、神の子がどうあって欲しいのか、もう一度、選択しなさい。あなたが神の子を、猿から進化した動物と見て取ってそれを信じたなら、あなたは猿から進化した動物に過ぎない自分を確立し、神が創造した神聖な神の子だと見て取ってそれを信じたなら、あなたは神聖な神の子として自己を確立する。あなたが選択したままに、自己が現実化するのだ。夢を見続けていたいなら、それを選択すればいい。夢から目覚めたいなら、それを選択すればいい。あなたが選択した方が現実化する。つまり、そのどちらも、実相的には既に起きてしまっていて、いわばビデオに記録されていると思えばいい。どちらかのビデオを選択して、あなたは再生させるのだ。それによって、あなたの運命は決まる。運命は既に決まっている。しかし、選択するのはあなた自身なのだ。あなたの自由意思で選ばなくてはいけない。神は決して強制しない。急(せ)かせることもない。神はただ静かに待っている。