●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-30.IV.7:1 ~ T-30.IV.8:13

7. Salvation is a paradox indeed! What could it be except a happy dream?
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • paradox [pǽrədɑ̀ks] : 「逆説、パラドックス、逆理」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
❖ "Salvation is a paradox ~ "「救いは、まったくもって逆説である」。"What could it be ~ "「救いは、幸せな夢でなくて何だろうか」。幻想から目覚めることが救い。幻想は、いわば悪い夢であり、救いは、いわば実相的な良い夢である。悪い夢から目覚めて良い夢を見るのだから、まったくもって、救いはパラドックスである。夢から目覚める夢を見るのだから。



It asks you but that you forgive all things that no one ever did; to overlook what is not there, and not to look upon the unreal as reality.
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • overlook [òuvərlúk] : 「見て見ぬふりをする、見過ごす、大目に見る、許す」
  • look upon : 「〜を見る」
  • unreal [ʌnríəl] : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "It asks you but that ~ "「救いはあなたに、that以下だけを求める」。"that you forgive ~ "「あなたが、誰もしなかったことすべてを赦すこと」だけを求める。幻想世界は夢であり、誰かが何かをしたように見えても、本当は誰も何もしてはいない。そういう幻想を赦すことが救いである。幻想を幻想としてしっかり認め、受け入れ受け流してしまうこと、それが赦しである。"to overlook what ~ "「そこにはないものを見過ごしてしまうこと」。そこにあるように見える幻想を、幻想として受け入れ、見過ごしてしまうこと。"and not to look upon ~ "「非実在を、実在であるかのように見ないこと」。幻想と実相を取り違えないこと。救いとは、幻想を実相と取り違えたりせず、幻想をありのままに認めて、受け流ししまうことなのだ。



You are but asked to let your will be done, and seek no longer for the things you do not want.
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "You are but asked to ~ "「あなたは、あなたの意思がなされるようにと、そして、あなたが望みもしないことをもはや求めないようにと求められているだけだ」。もはや求める気持ちもない幻想を、未練がましく追いかけたりしないこと。そして、救われたいと願う意思を強く保って、それが実現することを希求すること。



And you are asked to let yourself be free of all the dreams of what you never were, and seek no more to substitute the strength of idle wishes for the Will of God.
  • no more : 「もはや〜しない」
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「〜を代わりにする、代用する、置き換える」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • idle [áidl] : 「働いていない、何もしない、怠惰な」
  • wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
❖ "And you are asked ~ "「あなたは、あなた自身を、決してあなたではなかったものの夢すべてから解放してやることを求められている」。"all the dreams of what you never were"「決してあなたではなかったものの夢すべて」とは、実相的な本当の自分ではない自分として生活していたこの幻想世界すべて、ということ。幻想から自らを解放することが、あなたの求められていること。"and seek no more ~ "「そして、神の意思に代えて、怠惰な望みの力を代用しようと、これ以上追求しないことが求められている」。"the strength of idle wishes"「怠惰な望みの力」とは、偶像の力のこと。偶像に望みをかけても、偶像はその望みを叶えることはないので、怠惰なのだ。神に代えて偶像の力にすがることは止めにせよ、と求められている。



8. Here does the dream of separation start to fade and disappear.
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • fade [féid] : 「薄くなる、薄れる、色あせる、衰える」
  • disappear [dìsəpíər] : 「見えなくなる、なくなる、消滅する」
❖ "Here does the dream ~ "「ここで(赦しにおいて)、分離という夢は色あせ始め、やがて消滅していく」。神の子が神から分離し、その分離を象徴して、神の子は、この幻想世界を心の外に投射して作り上げた。神の子が見ている夢は、分離を象徴した夢なのだ。その夢や幻想を赦すことで、夢や幻想は消滅してしまうのである。



For here the gap that is not there begins to be perceived without the toys of terror that you made.
  • gap [gǽp] : 「割れ目、すき間、隔たり、ギャップ」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を理解する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • toy [tɔ́i] : 「おもちゃ、玩具」
  • terror [térər] : 「恐怖、テロ」
❖ "For here the gap ~ "「なぜなら、この赦しにおいて、本当はそこにないギャップが、あなたが作り上げた恐怖のおもちゃを伴うことなく、知覚され始めるからだ」。"the gap"「ギャップ」とは、幻想世界にあって、分離分裂して存在するものを隔てる空間のこと。一言で言えば、幻想空間そのものである。その幻想空間において、人は特別な期待を込めて、それぞれに偶像(おもちゃ)を弄(もてあそ)ぶ。たとえば、物質的な豊かさが心の平和をもたらすと期待して、金を信奉し、金という偶像を崇拝する。ところが、幻想を赦した今、偶像もまた幻想に過ぎないと知って、偶像を赦し、赦すことで偶像を消滅させることが出来たのだ。金という偶像は消滅した。そんな幻想の偶像のない、空っぽの空間として、ギャップを見ることが出来るようになったのだ。しかも、そのギャップさえも、本当は存在などしていない。まさに、仏教的な「空」なのである。



No more than this is asked. Be glad indeed salvation asks so little, not so much. It asks for nothing in reality.
  • no more than : 「ただの〜にすぎない、たかが〜 」
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
❖ "No more than ~ "「これ以上のことは、求められない」。救われるために、幻想を赦すこと以上のことは求められない。"Be glad indeed salvation ~ "「救いは、ほんの少しを求めるが、多くを求めてないことを、まさに喜びなさい」。"It asks for ~ "「救いは、実相においては、何も求めていないのだ」。救いは、幻想を赦し、目を覚ますことだけを求めているのであって、たとえば、実相的な真実を新たに創造せよ、などということを求めてはいない。新たな実相の創造は必要ないのだ。なぜなら、すでに、すべての真実を包摂する実相は実在しているからだ。



And even in illusions it but asks forgiveness be the substitute for fear. Such is the only rule for happy dreams.
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • substitute [sʌ́bstətjùːt] : 「代わりのもの、代用品、代替」
  • rule [rúːl] : 「規則、ルール、規定、法則、規範」
❖ "And even in illusions ~ "「幻想においてさえも、救いは、赦しを恐れの代わりにせよ、と求めているに過ぎない」。"Such is the only ~ "「幸せな夢を見るための唯一のルールとは、そういうことなのだ」。"happy dreams"「幸せな夢」とは、幻想から目覚める夢、ということ。夢は夢でも、幻想的な夢ではなく、実相的な夢である。実体を伴った夢である。つまり、実相世界への回帰の夢である。実相的な夢を、希望と捉えてもいいだろう。



The gap is emptied of the toys of fear, and then its unreality is plain. Dreams are for nothing.
  • be emptied : 「空になる」
  • unreality [ʌnriǽləti] : 「非現実性、実在しないもの、虚構」
  • plain [pléin] : 「明白な、平易な、明らかな」
❖ "The gap is emptied ~ "「ギャップは、恐れというおもちゃのない、空っぽな空間となり、その非実在性は明白となる」。偶像が消滅した幻想空間、つまり、ギャップさえも、非実在、幻想だと知ることが出来た。"Dreams are for ~ "「夢とは、無のためのものなのだ」。無なるものを、むりやり有なるものと書き換えることが、すなわち夢(幻想)である。何もないところに、まことしやかな絵を描く作業が夢なのだ。



And the Son of God can have no need of them. They offer him no single thing that he could ever want.
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
❖ "And the Son of God ~ "「神の子は、夢を見る必要はなくなった」。"They offer him ~ "「夢は、神の子に、欲しいと思うものを、一つも差し出すことはない」。夢は実体がないものなので、神の子の欲する実相的な真実の一つも、神の子に与えることは出来ない。絵に描いた餅は、人の腹を膨らますことは出来ないのだ。



He is delivered from illusions by his will, and but restored to what he is.
  • deliver [dilívər] : 「解放する、救い出す」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、修復する、復活させる」
  • restore to : 「〜の状態に戻す」
❖ "He is delivered from ~ "「神の子は、神の子の意思によって、幻想から解放され、本当の神の子の姿に修復される」。大切なのは、救いや解放を望む強い意思である。神の子の、この意思なくしては、たとえ万能の神でさえ、手出しは出来ない。逆に言えば、意思のない神の子は、単に眠っているだけなのだ。この幻想世界で、あなたは、数々の意思を働かして生きていると思っているだろうが、それは実相的には本当の意思とは呼べない。夜見る夢の世界を思い浮かべればいい。意識を失って夢を見ている者が、どうして現実的な意思を持ち得ようか。



What could God's plan for his salvation be, except a means to give him to Himself?
  • plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、設計図、意向、つもり」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
❖ "What could God's plan ~ "「神の子に神の子自身を与える手段であると言う以外に、神の子の救いのための神のプランは何であり得るだろうか」。神は、神の子にホーリー・スピリットを遣わして、神の子の救いを願った。それが、神のプランである。神の子が実相世界へ回帰することを願ったのだ。回帰とは、すなわち、夢見る神の子が、自分自身に目覚めることである。本当の自分を取り戻すことなのだ。すなわち、実相的な命の復活である。
 
 
 



Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp