3. Not yet is Heaven quite remembered, for the purpose of forgiveness still remains.
- quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
- remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに」
- remain [riméin] : 「残る、残存する」
❖ "Not yet is Heaven ~ "「天の王国は、まだ完全には思い出されていない」。"for the purpose of ~ "「なぜなら、赦しの目的は、まだ(完全には達成されず)、残っているからだ」。幻想を赦すことで、幻想は消滅するのだが、そこですべてが終わるのではない。天の王国への回帰が待っている。いわゆる、アセンション(ascension)である。
Yet everyone is certain he will go beyond forgiveness, and he but remains until it is made perfect in himself.
- certain [sə́ːrtn] : 「確信している、確実な、確かな、確信して」
- beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
- until [ʌntíl] : 「〜までは、〜になってやっと」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完璧な、完全な」
❖ "Yet everyone is certain ~ "「しかし、誰もが、自分は赦しを越えて行くのだと確信しており、」"and he but remains ~ "「心の中で赦しが完全にされるまで、(この地上に)留まるのだ」。「赦しを越えて行く」とは、赦しの次に来る「天の王国への回帰」を実行に移すということ。それまでは、この地上、この幻想世界に留まることになる(remains)。
He has no wish for anything but this. And fear has dropped away, because he is united in his purpose with himself.
- wish [wíʃ] : 「望む、祈る」
- fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
- drop away : 「少しずつ減る、、少なくなる、衰える」
- unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
❖ "He has no wish for ~ "「赦しを実行した者は、このこと以外に望むものはない」。赦しの後の、天の王国への回帰、アセンションだけを願うことになる。"And fear has dropped ~ "「恐れは、どんどん消えて行く」。"because he is united ~ "「なぜなら彼は、目的をもつことで、自分自身と結合するからだ」。天の王国に回帰するという目的をもつことで、心の中の本当の自分自身と一体化する。つまり、実相的自己と調和共鳴し、幻想の恐れがどんどん消滅して行くのである。
There is a hope of happiness in him so sure and constant he can barely stay and wait a little longer, with his feet still touching earth.
- hope [hóup] : 「希望、望み」
- happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
- sure [ʃúər] : 「信頼できる、確信して、確かな」
- constant [kάnstənt] : 「不変の、一定な、持続する」
- barely [bέərli] : 「ほとんど〜ない、〜するのがやっと」
- a little longer : 「今しばらく、もう少し」
- feet [fíːt] : 「foot の複数形」
- foot [fút] : 「足」
- touch [tʌ́tʃ] : 「〜に触れる、〜に接する」
- earth [ə́ːrθ] : 「地球、地上、地、地面」
❖ "There is a hope of ~ "「彼の心の中に、幸せへの希望が確実に、そして持続して存在するので、」"he can barely stay ~ "「彼はほとんど(この地上に)留まることなく、ほんの少しだけ待っていればいい」。"with his feet still ~ "「(ただし)、足はまだ地上に着いたままなのだが」。天の王国への回帰まで、もう少しである。故郷への帰還である。幸せへの希望は確実に、そして途切れることなく、彼の心の中で踊る。
Yet is he glad to wait till every hand is joined, and every heart made ready to arise and go with him.
- glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う」
- wait [wéit] : 「じっとしている、待つ」
- till [tíl] : 「〜まで」
- join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、〜と交わる、〜と一緒になる 」
- ready [rédi] : 「用意ができている、支度が整った、覚悟ができた」
- be ready to : 「いつでも〜できる、すぐに〜できる、〜する心構えができている」
- arise [əráiz] : 「上昇する、起きる、起床する」
❖ "Yet is he glad to wait ~ "「しかし、みんなと手を結び、みんなの心が立ち上がって、彼と共に行く準備が出来るまで、彼は喜んで待っている」。あなた一人だけが幻想を赦し、幻想を消滅させ、天の王国に回帰するのではない。赦しは多くの同胞と分かち合われ、多くの同胞があなたと共に、天の王国へ回帰するのである。同胞と手を取り合うこともまた、とても喜ばしいことである。
For thus is he made ready for the step in which is all forgiveness left behind.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- make ready : 「準備する、備える」
- step [stép] : 「階段、段、階、ステップ、歩み、一歩 」
- left [léft] : 「leave の過去・過去分詞形」
- behind [biháind] : 「後に、後ろへ、後ろ側に、背後に」
❖ "For thus is he made ~ "「なぜなら、こうして彼は、あらゆる赦しを後に残すというステップに進む準備が整ったことになるからだ」。「赦しを後に残す」とは、赦しを放棄するという意味ではなく、赦しを完成させて、その後に完成された赦しから離れて天の王国へ回帰する、という意味。あなた一人だけが赦し、天の王国へ回帰するのではない。自他一如である同胞と赦しを分かち合い、同胞と共に天の王国へ回帰するのだ。こうすることで、赦し自体は完成し、赦しの次に来る目的へ進むのである。くどくなるが、もう少し説明してみよう。幻想世界からの救いは、あなた一人だけのものではない。あなたがホーリー・スピリットの導きに従って自分を救い出すことが出来たなら、今度は、あなたは同胞を救わねばならない。これが、あなたはキリストになる、という意味であり、仏教的な言い方をすれば、菩薩行である。
4. The final step is God's, because it is but God Who could create a perfect Son and share His Fatherhood with him.
- final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
- create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
- share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- fatherhood [fάːðərhud] : 「父であること、父権、父としての責任」
❖ "The final step ~ "「最後のステップは、神が手伝ってくれる」。同胞共々、あなたは天の王国への回帰の旅を始める。もちろん、導いてくれるのは、ホーリー・スピリットであり、キリストである。こうして、天の王国への最後の橋にたどり着く。ここまでが、ホーリー・スピリットの仕事であり、最後の橋を安全に渡らせてくれるのは、神自身である。"because it is but God ~ "「なぜなら、完全な神を創造し、神の子と、神の父性を分かち合えるのは、神をおいて外にいないからだ」。神の子が最終的に回帰しなくてはならないのは、神をいて外にない。天の王国への回帰とは、とりもなおさず、神への回帰なのだ。「神の父性を分かち合う」とは、再会した神と神の子が、父であり子であるという喜びを分かち合うということ。なぜなら、神の子を完全な形で創造したのは神自身であるからだ。
No one outside of Heaven knows how this can be, for understanding this is Heaven itself.
- outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
- understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、把握、納得」
❖ "No one outside of ~ "「天の王国の外にいる者は誰も、どうやってこんなことが起こり得るのか、知ることはない」。幻想世界に埋没している者には、天の王国への回帰も、神への回帰も、実際に起こり得るものだということが理解出来ない。"for understanding ~ "「なぜなら、これを理解することが、天の王国それ自体なのだから」。天の王国へ回帰してみないことには、これを理解することは出来ない、というニュアンス。幻想世界の頭脳による理性的判断では、到底理解出来ることではない。天の王国の「叡智」による直覚的理解がなければ無理なのだ。叡智による直覚的な真実の理解、まさに、天の王国そのものである。
Even the real world has a purpose still beneath creation and eternity.
- real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
- beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
- creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
- eternity [itə́ːrnəti] : 「永遠、無限」
❖ "Even the real world ~ "「実相世界でさえも、創造と永遠の下位に、なおも目的がある」。実相世界においても、永遠の真実を創造する前に、成されなければならない目的がある。その目的とは何か? 次を読もう。
But fear is gone because its purpose is forgiveness, not idolatry.
- gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
- idolatry [aidɑ́lətri] : 「偶像崇拝」
❖ "But fear is gone ~ "「しかし、実相世界の目的は赦しであり、偶像崇拝ではないから、恐れは過ぎ去ってしまう」。実相世界で幻想の偶像を崇拝するなどということは、原理的にあり得ない。幻想を必要としないから、恐れもない。さて、実相世界における赦しとは何なのか? ACIMでは、幻想世界における偶像崇拝は悪夢である、と述べられている。この世界に生きていること自体が夢なのだ。そして、幻想を赦し、幻想を消滅させて天の王国へ回帰することは、新しい幸せな夢であると述べている。実相的な夢である。いわば、天の王国へ回帰した時点では、あなたはまだ夢見心地なのだ。幸せな、新しい夢を見ていると思っている。そこで、天の王国においてさえ、その夢を赦すのである。夢は赦されて消滅し、初めてあなたは夢から覚める。そして、これは夢ではなく、現実そのものだと知るのである。天の王国で覚醒したあなたは、やっと、永遠なる真実を創造することが出来るようになるのだ。永遠なる真実を創造するとは、神と一体になって、愛や喜びや美や平和や真理、等々の真実を分かち合うという意味である。
And so is Heaven's Son prepared to be himself, and to remember that the Son of God knows everything his Father understands, and understands it perfectly with Him.
- prepare [pripέər] : 「〜を準備する、用意する、支度する」
- be prepared to : 「する準備ができている、〜する覚悟ができている」
- perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完璧に、完全に」
❖ "And so is Heaven's Son ~ "「そうして、天の王国の神の子は、自分自身になる準備が整うのである」。"and to remember that ~ "「父なる神が理解しているすべてを神の子も知り、神と共に、完全にそれを理解する準備が整うのである」。天の王国に回帰するという幸せな夢を赦し、その夢が消滅して、これは夢ではなく現実そのものだったと知ったとき、神の子は本当の自分自身になる準備が整ったのだ。全知全能の神が神の子に与えた神の属性のすべてを思い出し、それを理解し、神と分かち合う準備が整ったのである。