●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-1.I.21:1 ~ T-1.I.30:2

21. Miracles are natural signs of forgiveness. Through miracles you accept God's forgiveness by extending it to others.
  • natural [nǽtʃərəl] : 「自然の、普通の、ありのままの」
  • sign [sáin] : 「兆し、兆候、象徴、シンボル」
  • natural signs : 「自然な表われ」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「 許すこと、許し、赦し」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる、納得する 」
  • extend [iksténd]: 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
❖ "Miracles are natural ~ "「奇跡は、赦しの自然な表れである」。" forgiveness" 「赦し」はACIMにおける最重要なキーワード。我々が日常使う『許し』とは意味が異る。ACIMの『赦し』は、幻想を幻想としてしっかり認識し、受け入れ受け流してしまうこと。怒りや憎悪を感じる対象に対して、それは幻想だと認識し、『何だ、夢に過ぎないじゃないか』と、受け流してしまうことのだ。奇跡は幻想から目覚めさせることだから、幻想を幻想としてしっかり認識し、それを受け入れて消滅させてしまう。奇跡は赦しなのである。"Through miracles ~ "「奇跡を通して、あなたは、神の赦しを他者に拡張することで、神の赦しを受け入れるのである」。神もまた、神の子が眠りに陥って夢を見ている、つまり幻想を抱いていると認識しており、神の子の幻想を受け入れ、受け流して赦している。神は、神の子の幻想を赦すことで、夢を消滅させしょうとしているのだ。あなたは、奇跡を通して(Through miracles)真実に目覚めれば、神の赦しが理解出来(accept God's forgiveness)、その神の赦しを他者と分かち合って、神の赦しを拡張増大させていくのである(extending it to others)。
ACIMは理論書であると同時に、実践論の書でもある。ACIMの" Workbook"もさることながら、あなたが日々実践すべきことは、この "forgiveness"「赦し」である。徹底的に赦すのである。なぜ赦すのか? 赦す対象は幻想であって、戦う価値がないからだ。無なるものと戦って、あなたは何を得られるだろう? むしろ逆に、戦うことで、その無なるものは現実化してしまうだけなのだ。風車に向かって戦いを挑むドン・キホーテになってはいけない。ドン・キホーテは、風車が実在だと信じたから、風車が化け物としてドン・キホーテの前に現実化したのである。化け物と化した風車が幻想だと認識出来なかったのだ。今のあなたを考えて見れば、あなた自身がドン・キホーテであると認識出来るはずだ。



22. Miracles are associated with fear only because of the belief that darkness can hide.
  • associate [əsóuʃièit] : 「 〜を連想する、思い出す、結合させる」
  • be associated with : 「〜と関係がある、〜と関連する、〜を連想させる」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条」
  • darkness [dάːrknis] :  「 暗さ、暗がり、暗闇、無知」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する」
❖ "Miracles are associated ~ "「闇が(恐れを)隠し得ると信じているからこそ、奇跡は恐れを連想させてしまう」。心の中の恐れ、不安、罪の意識、等々を、闇が隠してくれると信じている限り、奇跡が闇の幻想を払拭して光をもたらせば、真実が露見されててしまうと恐れるのだ。隠されていた恐れ、不安、罪の意識、等々が眼前に現れはしないかと恐れを抱いてしまう。奇跡が真実を暴くのを恐れるのである。本当は逆である。奇跡が真実を暴けば、恐れ、不安、罪の意識、等々が悪い夢に過ぎなかったのだと認識出来、それらを赦すことで、悪夢は消滅してしまうからだ。
"darkness"「闇」は、仏教的な言い方をすれば『無明』である。我々の心は無明の中で眠り続けている。眠っているうちは恐怖も感じないと信じているのだ。怖いと思って布団をかぶってしまう子供、それが今のあなたである。



You believe that what your physical eyes cannot see does not exist. This leads to a denial of spiritual sight.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • physical [fízikəl] eyes : 「肉体的な目」
  • exist [iɡzíst] : 「ある、存在する」
  • lead [líːd] : 「通じる、つながる」
  • denial [dináiəl]: 「 否定、拒否、拒絶」
  • spiritual [spíritʃuəl] sight : 「精神的な視覚、魂の視力」
❖ "You believe that what ~ "「あなたは、あなたの肉体的な目で見ることの出来ないものは存在しないと信じている」。肉体的な感覚器官が知覚出来るものだけが、あるいは観測機器が観測可能なものだけが実在していると信じている。感覚されないもの、観測されないものは存在しないとする。"This leads to ~ "「これが、スピリチュアルな視覚の否定に繋がるのだ」。そんなことでは、幻想という黒雲に隠された真実が見えてはこない。肉体は幻想であるから、肉体の目は幻想しか見ることができない。心の目は、幻想を越えた真実を見ることが出来るのだ。



23. Miracles rearrange perception and place all levels in true perspective.
  • rearrange [riəréindʒ] : 「 〜を配列し直す、再整理する、再配置する」
  • perception [pərsépʃən]: 「知覚、認知、知力、認識」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、〜を認識する、判別する」
  • level [lévəl] : 「水準、度合い、高さ、高度、階級、段階」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • perspective [pərspéktiv] : 「物の見方、考え方、観点、視点」
❖ "Miracles rearrange ~ "「奇跡は、知覚を再調整し、すべてのレベルを正しい視点の中に置き直す」。我々の知覚は肉体に依存し、したがって、幻想に都合のいいように見たり感じたりする。ところが、奇跡によって幻想が払拭され真実が露(あらわ)になれば、心の目が開いて、肉体による知覚が修正され、真実が見えてくる。知覚が再調整、再生されるのだ。"all levels"「あらゆるレベル」とは、幻想レベルも実相レベルもすべて含めて、という意味合い。つまり、幻想は幻想として、実相は実相として、真実は真実として、虚偽は虚偽として、正しい視野の中で(in true perspective)捉えることが出来るようになる。これが、心の目、つまりヴィジョン(vision)であり、知覚が叡智(knowledge)に再生されるのだ。



This is healing because sickness comes from confusing the levels.
  • healing [híːliŋ] : 「治療、治癒、回復」
  • sickness [síknis] : 「病気」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる、困惑させる」
❖ "This is healing ~ "「病はレベルの混乱から生じるものであるから、この知覚の修正はヒーリングである」。低次の肉体的レベルから高次の精神的レベルまで、あるいは形而下レベルから形而上レベルまで、つまり、幻想レベルから実相レベルまで、そのレベルの捉えかた、知覚のし方がめちゃくちゃに混乱しているから、そこに病が生まれる。簡単に言えば、幻想を実在だと信じる心が病を生み出すのだ。ところが、奇跡によって知覚が修正され、心の目として再生されれば、幻想は非実在で真実だけが実相的に実在だと認識出来るようになる。たとえば、病を幻想として認識することが出来、虚偽として赦すことが出来れば、幻想は消滅し病は消える。こうして、知覚の修正は、ヒーリングに繋がる。



24. Miracles enable you to heal the sick and raise the dead because you made sickness and death yourself, and can therefore abolish both.
  • enable [enéibl]: 「〜を可能にする、できるようにする」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • sick [sík] : 「病気、病」
  • raise [réiz] : 「起こす、立てる、(死者を)よみがえらせる」
  • sickness [síknis] : 「病気」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • abolish [əbάliʃ]: 「〜を廃止する、撤廃する、廃する、根絶する、止める」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
❖ "Miracles enable you ~ "「奇跡は、あなたが病を癒すことも、死者を蘇らせることも可能にしてくれる」。ここの"the dead"は「the + (形容詞)」だから、「死者」。病も死も幻想である。幻想を払拭するヒーリングという奇跡をもってすれば、病は癒え、死者は蘇る。"because you made ~ "「なぜなら、病も死も、あなた自身が作ったものだからである」。"and can therefore ~ "「したがって、その両方を捨て去ることが出来るのだ」。幻想は、あなたの心が作り出したものである。病も死も実在で現実だと信じる心が、それを生み出している。そもそも、肉体という幻想を作り出したのは、あなたの心である。したがって、あなたの心がその幻想を捨てれば、病も死も、幻想として消滅してしまうのだ。
さて、死者を蘇らせるという話しは聖書に出てくるイエスの奇跡譚である。これを事実と見るか、たとえ話と見るか、それはあなたの自由である。人それぞれ、その人のレベルで判断すればいい。



You are a miracle, capable of creating in the likeness of your Creator. 
  • be capable [kéipəbl] of : 「〜の能力がある、〜の才能がある、〜ができる 」
  • in the likeness [láiknis] of : 「〜と偽って、見せかけて」
❖ "You are a miracle ~ "「あなたこそが奇跡であり、あなたの創造主と同じように創造出来るのだ」。"in the likeness of"「〜と偽って、見せかけて」は、本来はネガティブなニュアンスだが、ここではポジティブに捉えるべき。あなたという実体は、神が創造した神の子であって、神の属性のすべてを継承している。真実のすべて、神のパワーのすべてをもっているのだ。これこそ奇跡ではないか。そして、神の属性の一つである創造性も、もちろん、あなたは有しており、神同様に、あらゆる真実を創造し得るのだ。あなたは、本来、奇跡をなし得るのである。



Everything else is your own nightmare, and does not exist. Only the creations of light are real.
  • nightmare [náitmὲər] : 「 悪夢」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • light [láit] : 「光、ライト、明かり」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "Everything else is ~ "「その他はすべて、あなた自身の悪夢であり、存在しない」。"Only the creations ~ "「光によって創造されたものだけが、実在である」。あなたは神と同じように真実を創造出来るのだが、もしあなたが神の創造とは異る偽創造をしたとき、つまり、創造のつもりで幻想を描き出したときは、それはあなたの悪夢となる。夢は幻想であり、実在しない。実在するものは真実だけであって、それは光であり愛である神が創造したものである。ここの"light"「光」を「光である神」と解釈した。したがって、あなたが神のように真実を創造出来るようになるには、あなたは光にならなければいけない。つまり、神の子であり『光の子』であるあなた自身に回帰しなくてはいけないのだ。



25. Miracles are part of an interlocking chain of forgiveness which, when completed, is the Atonement. 
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • interlock [intəːrlɔ́k] : 「組み合う、かみ合う、連動する、連結する」
  • chain [tʃéin] : 「鎖、チェーン」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、完成する、達成する」
  • atonement [ətóunmənt] : 「贖罪、罪滅ぼし、償い、補償」
❖ "Miracles are part of ~ "「奇跡は、赦しと連結した鎖の一部である」。奇跡と赦しは切っても切れない鎖のような関係にある。ACIMの"forgiveness"「赦し」は、独特の意味をもっている。幻想を幻想としてしっかり認識し、それを受け入れ、受け流すこと、それが赦しである。赦しが成就すれば、幻想は消滅する。たとえば、誰かがあなたを裏切ったとしよう。あなたはその他者に怒りを覚え、憎むだろう。ところが、それが夢だったらどうだろう。あなたは、『なーんだ、夢だったのか』と言って、他者の裏切りを幻想として認識し、受け流してしまうだろう。すると、あなたの怒りも憎しみも幻想として消滅してしまうのだ。それが赦しである。奇跡は、幻想を幻想として見極め、幻想を消滅させて真実を現実化することである。つまり、奇跡は、幻想を赦す行為の一環(part of an interlocking chain)なのだ。"which, when completed, is ~ "「赦しは、それが成されたとき、贖罪となる」。赦しは幻想を消滅させる。怒りや憎悪、恐れ、嫉妬、攻撃性、等々を心に覚えることで、あなたは悪感情を抱いた自分を責める。隠れた罪の意識を抱くのだ。普通は、他者が悪感情の原因だとしてその責任を他者に投影するのだが、罪の意識は無意識レベルに深く潜行する。ところが、赦しによって幻想が消滅すれば、その隠された罪の意識も消滅してしまうのである。なぜなら、罪の意識も元を正せば幻想に過ぎないからだ。赦しによって罪が消滅する、罪が滅ぼされる、罪滅ぼし、すなわち贖罪(Atonement)なのである。
ACIMでは、罪(sin)の原型は次のように述べられている。神の子が神から分離した後、神の子は神の愛を裏切ってしまったという思いを強く抱く。つまり、神を裏切った罪の意識を抱くのだ。神への裏切り、これが罪の原型である。エデンの園、そして、失楽園を思い出そう。あの寓話は、神からの分離と神を裏切った神の子の罪の意識を象徴しているのである。また、さらに、ACIMは話しを続ける。神の子は、神が神の子の裏切りに対して復讐するに違いないという恐れを抱く。これが、恐れの原型である。神の子は、自分の犯した罪と神の罰の恐れに絶えきれなくなる。そこで、神の子は自己を乖離(かいり)するのだ。別人格の自分を作り出し、罪と罰の重圧から逃れる。子供が悪い事をして親に叱られると思うと、その怖さに絶えきれなり、別人格を作り出して、罪をその人格に投影するのと同じである。神の子は自己を乖離して、エゴという別人格を作り出したのだ。あなたが今自分だと信じている人格は、乖離と投影によって作り出したエゴ(自我)である。幻想なのだ。



Atonement works all the time and in all the dimensions of time.
  • work [wə́ːrk] : 「機能する、稼働する」
  • all the time : 「その間ずっと、いつでも、休みなく」
  • dimension [diménʃən] : 「次元、局面、相」
❖ "Atonement works ~ "「贖罪は、いつでも、時間のすべての局面において機能する」。赦しによる幻想の消滅、罪の消滅は、時間依存しない。時間自体が幻想だから当然なのだが、今あなたが感じている罪の意識に対しても、過去の罪に対してでも、あるいは、過去生の罪に対してでも、贖罪は機能する。ということは、大昔に遡って、神を裏切った神の子の罪の意識をも、今のあなたは赦し、消滅させることが出来るのだ。実相世界は無時間の世界である。したがって、贖罪、つまり、赦しによる罪の消滅は、実相レベルで行われるということである。
蛇足を一つ。お気付きと思うが、ACIMの贖罪という概念はキリスト教の贖罪とは似ても似つかない。神に対する人間の罪のすべてをイエス・キリスト一人が背負い込んで、十字架上の死をもって贖(あがな)ったとするキリスト教の贖罪論は、どう考えても無理がある。失礼だが、噴飯物(ふんぱんもの)だ。実は、この贖罪論は2000年前にパウロが考え出したものだ。キリスト教が別名パウロ教だと言われる所以(ゆえん)である。



26. Miracles represent freedom from fear. "Atoning" means "undoing." 
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • atone [ətóun] : 「償う、あがなう、罪滅ぼしをする」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • undoing [ʌndúiŋ] : 「ほどくこと、解くこと、取り消し」
❖ "Miracles represent ~ "「奇跡は、恐れからの解放を表す」。""Atoning" means ~ "「『贖罪』は、『取り消し』を意味する」。罪と罰は表裏一体である。罪と罰の意識が恐れを生み出す。そして、罪と罰と恐れはすべて幻想である。奇跡は、幻想を赦し、赦すことで幻想を消滅させる。奇跡は、恐れから解放してくれるのだ。罪の意識を取り消してくれるのである。罪を滅ぼしてくれるので、すなわち『贖罪』である。



The undoing of fear is an essential part of the Atonement value of miracles.
  • essential [isénʃəl] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、必須の、最も重要な、肝心な」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち」
❖ "The undoing of fear ~ "「恐れを取り消しにすることは、奇跡のもつ贖罪としての価値の最も重要な部分である」。奇跡は罪を赦し、罪を消滅させるのだが、そういう贖罪としての価値は、表面的にはあなたの恐れをも消滅させる。恐れの取り消しは、贖罪の一部である。簡単に言えば、罪の意識を消滅させることが原因となって、結果的に恐れも取り消される、とうこと。



27. A miracle is a universal blessing from God through me to all my brothers. It is the privilege of the forgiven to forgive.
  • universal [jùːnəvə́ːrsəl] : 「普遍的な」
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、神(天)の恵み、神のたまもの、恩恵」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • privilege [prívəlidʒ] : 「特権、恩恵」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "A miracle is ~ "「奇跡は、私を通して私の同胞すべてに与えられた神の普遍的な恩恵である」。"me"という単語が初めて登場したが、もちろん、このACIMをヘレン・シャックマンに口述したイエス・キリストのこと。イエスは完全なスピリットであり、ここではホーリー・スピリットと同一であると考えていい。"brothers"「同胞達」とは、我々神の子のこと。幻想世界に埋没しているあなたは、まだ一人では奇跡を成就出来ない。ホーリー・スピリットの手助けが必要なのだ。ACIMの『絶対他力性』であって、それが"through me"「私を通して、私の手助けで、ホーリー・スピリットを他力して」という表現に繋がる。"blessing from God"「神の恩恵、神の祝福」とは、神は神の子が奇跡を通じて赦しを成就することを心から願い、喜び、手助けのためのパワーを与えている、という意味合い。つまり、神の愛である。そして、それは、特定の個人に特化された恩恵ではなく、神の子全体に及ぶ(universal)祝福なのだ。"It is the privilege ~ "「赦すことは、赦された者の特権である」。ここの"It"は仮主語で、"to forgive"が本主語。"the forgiven"は「the + (形容詞、ここでは過去分詞)」の形だから、〜なもの、〜な人という意味で、「赦された者」となる。本文に戻ると、赦された者とは、幻想から解放された者のことで、真実に目覚めた者であるから、他者の幻想も赦せる、という意味である。赦しを実行出来る特権、つまり、パワーが与えられている、ということ。実相世界では、与えることと得ることは同一であり、ヒーリングすることとヒーリングされることは同じである。赦すことと赦されることは同義である。したがって、本文を次のように書き換えると、より意味がはっきりするだろう。つまり、「赦されることは、赦す者の特権である」。赦すことで、あなたは赦されるのだ。



28. Miracles are a way of earning release from fear.
  • a way of : 「〜の方法、手段、手だて」
  • earn [ə́ːrn] : 「〜を得る、もたらす」 
  • release [rilíːs]: 「解放、解き放すこと、解除」
❖ "Miracles are a way of ~ "「奇跡は、恐れからの解放を得る手段である」。奇跡は赦しによって幻想を消滅させるから、幻想の恐れも消滅する。奇跡は、恐れを取り消し、恐れから解放してくれるのだ。



Revelation induces a state in which fear has already been abolished.
  • revelation [rèvəléiʃən]: 「啓示、黙示」
  • induce [indjúːs]: 「〜を生じさせる、引き起こす、誘発する」
  • ]state [stéit] : 「状態、状況」
  • ]already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み、前々から」
  • abolish [əbάliʃ]: 「〜を廃止する、撤廃する、捨てる」
❖ "Revelation induces ~ "「啓示は、恐れが既に捨てられてしまったという状況を生み出してくれる」。ここの"Revelation"「啓示」とは、「神からの啓示」という意味合いがあるが、ここでは奇跡による赦しが示してくれるもの、という意味合いに捉えておこう。つまり、真実が現実化したその姿、ということ。したがって、本文は、奇跡による赦しによって、恐れが既に取り消された状況が現実化する、となる。
文法的には、本文は2つの文、"Revelation induces a state"と"Fear has already been abolished in the state"を、関係代名詞"which"で繋げたものである。先行詞"the state"を関係代名詞"which"に置き換え、くっつけたのだ。



Miracles are thus a means and revelation is an end.
  • thus [ðʌ́s] : 「このようにして、こんなふうに、従って」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • end [énd] : 「目的、目標」
❖ "Miracles are thus ~ "「このように、奇跡は手段であって、啓示が目的となる」。奇跡が原因となって、啓示が結果する。奇跡という手段を用いて赦しが実行されれば、恐れが消滅するという現実が具現化され、その状態があなたの目の前に啓示される。



29. Miracles praise God through you. They praise him by honoring his creations, affirming their perfection.
  • praise [préiz]: 「〜をほめる、称賛する、(神を)たたえる」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • honor [ɑ́nər]: 「〜に敬意を払う、尊敬する、称える、支持する」
  • creation [kriéiʃən] : 「創作物、作品、創造、創作」
  • affirm [əfə́ːrm]: 「 断言する、肯定する、確約する」
  • perfection [pərfék∫n]: 「完全、完成、申し分のないこと」
❖ "Miracles praise ~ "「奇跡は、あなたを通して神を讃える」。あなたが奇跡を実現することで(through you)、神の正しさが証明され、神の愛に感謝する(praise God)こととなる、といった意味合い。"They praise ~ "「奇跡は、神の創造物(である神の子)に敬意を払うことで、神を讃える」。"affirming their ~ "「そして、創造物(である神の子)の完全性を宣言するのである」。ここでは奇跡が人格化されて表現されている。ホーリー・スピリットと同義だと思って考えるといいだろう。神によって創造された神の子に敬意を払うことで、ホーリー・スピリットは神の創造を讃える。そして、ホーリー・スピリットは、神の子が神同様に完全であることを宣言するのである。つまり、神の子は完全な無辜(むこ)なのだと、断言するのだ。
後半の ", affirming ~ " は分詞構文。ここでは、単純接続として解釈した。



They heal because they deny body-identification and affirm spirit-identification.
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • deny [dinái]: 「〜を否定する、否認する」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一であること、同定、同一化」
  • affirm [əfə́ːrm]: 「 断言する、肯定する、確約する」
❖ "They heal because ~ "「奇跡は、(神の子が)肉体と同一であることを否定し、スピリットと同一であることを肯定するので、ヒーリングが出来るのである」。奇跡は、あなたが幻想の肉体的な存在などではなく、実相のスピリチュアルな存在だと断言することで、つまり、幻想を赦し、幻想を消滅させて実相を現実化させるので、あなたの罪の意識は消え、肉体的な病も消滅する。奇跡はあなたを癒すのだ。奇跡はヒーリングである。
あなたは、知覚が捉える肉体を自分自身の実在だと信じているが、そうではない。肉体は幻想である。心が肉体という幻想を生み出しているだけであって、あなたの実体は、その心である。あるいは、幻想から目覚めた心こそがスピリットであり、あなたの実存である。



30. By recognizing spirit, miracles adjust the levels of perception and show them in proper alignment.
  • by ~ing : 「〜することで、〜することによって」
  • recognize [rékəgnàiz]: 「認識する、認知する」
  • spirit [spírit] : 「霊、魂、霊魂、精霊、精神」
  • adjust [ədʒʌ́st] : 「調整する、調節する、適合させる」
  • level [lévəl] : 「水準、度合い、レベル」
  • perception [pərsépʃən]: 「知覚、認識」
  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する」
  • proper [prάpər] : 「正確な、きちんとした、厳密な」
  • alignment [əláinmənt] : 「配置、配列、配置構造」
❖ "By recognizing ~ "「スピリットを認識することで、奇跡は、知覚のレベルを調整し、そのレベルを適正な配置で示してくれる」。"By recognizing ~ "「スピリットを認識することで」の主語は、文法的にすぐ後の"miracles"「奇跡」なのだが、ここは、あなたを主語として考えれば理解しやすい。あなたは自分の肉体こそが実在だと知覚しているが、奇跡を通して、本当は肉体ではなくスピリットこそが実在であると認識し、知覚を修正する。肉体的な知覚のレベルとスピリチュアルな知覚のレベルを奇跡は修正、再調整し、スピリチュアルな知覚のレベルを上位に、肉体的な知覚のレベルを下位に並べ直すのだ。つまり、奇跡は、幻想レベルの知覚と実相レベルの知覚を、正しく認識させてくれるのである。だから、奇跡は、知覚を修正することで、あなたをヒーリングしてくれるのだ。



This places spirit at the center, where it can communicate directly.
  • place [pléis] : 「置く、設置する、取り付ける」
  • at the center [séntər] : 「中央に、中心に」
  • communicate [kəmjúːnəkèit] : 「通信する、交信する」
  • directly [dəréktli]: 「直接に、率直に」
❖ "This places spirit ~ "「これによって、スピリットが中央に配置される」。"where it can ~ "「そして、そこで、スピリットは直接、コミュニケーションが出来るようになるのだ」。肉体ではなく、スピリットこそが実在の中心である。スピリットは、実相に目覚めた心である。本当のあなたは、このスピリットなのだ。スピリットが直接コミュニケーションをとる相手は他者のスピリットでもあるが、ここでは、神との直接コミュニケーションと考えるべきだろう。
あなたの心の中の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが住んでおり、そこがスピリットである。そこには、神の祭壇があって、神とのコミュニケーションをとることの出来る唯一のチャンネルになっている。あなたが、自分はスピリットなのだと認識出来れば、この神とのチャンネルの存在に気付き、神との直接コミュニケーションが出来るようになる。とは言っても、そのコミュニケーションには、ホーリー・スピリットの媒介が必要とされる。なぜなら、神は、神から分離した神の子の自由意思を尊重し、直接神の子に話しかけることを遠慮して、神と神の子の間をとりもつホーリー・スピリットを神の使者として神の子に遣わしたからだ。
 
 
 


 

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp