●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-15.I.5:1 ~ T-15.I.6:7

5. The ego teaches that Heaven is here and now because the future is hell.

  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
  • hell [hél] : 「地獄、修羅場、生き地獄」
❖ "The ego teaches that ~ "「エゴは、天国は今ここにあると教える」。"because the future ~ "「なぜなら、未来は地獄だからである」。やがて、神はあなたの裏切りの罪を裁き、悪くすれば磔刑、良くて地獄送りにするだろう、とエゴは言う。それに比べれば、今、こここそがあなたの天国だと言うわけである。



Even when it attacks so savagely that it tries to take the life of someone who thinks its is the only voice, it speaks of hell even to him.
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • savagely [sǽvidʒli] : 「どう猛に、野蛮に、残酷に」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • take the life of : 「〜の命を奪う」
  • speak of : 「〜を口にする、〜のことを話す」
❖ "Even when it attacks so ~ "ここは"~ so ~ that ~ "の構文、「エゴがあまりにも残虐に攻撃するので、エゴの声を唯一の声だと思っている者の命さえ奪おうという時においてさえ、」"it speaks of hell ~ "「エゴは彼に地獄の話をするのである」。"someone who thinks its is the only voice"「エゴの声を唯一の声だと思っている者」とは、エゴに忠実な者のこと。エゴはエゴの信奉者さえも攻撃して死に至らしめようとする。しかも、死にぎわに際してまで、地獄の話を聞かせるのである。



For it tells him hell is here as well, and bids him leap from hell into oblivion.
  • as well : 「同じく、おまけに、その上、なお」
  • bid [bíd] : 「命じる、命令する、指示する」
  • leap [líːp] : 「飛び跳ねる、跳ぶ、飛び越える」
  • oblivion [əblíviən] : 「忘れられている状態、忘却、無意識の状態」
❖ "For it tells him hell ~ "「なぜなら、エゴは彼に、地獄も同様にここにある、と話すのだ」。先に、未来は地獄だから、それに比べれば、今のこの場所は天国だ、と言っておきながら、攻撃した相手に対して、ここだって同じ地獄だ、と言うのである。"and bids him leap ~ "「そして、地獄から忘却へと飛び込んでしまえと命令する」。こんな地獄で野良犬のように生きるより、いっそのこと死という忘却へ身を投じてしまえと言って、あなたに死を迫るのだ。



The only time the ego allows anyone to look upon with equanimity is the past.
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • equanimity [ìːkwəníməti] : 「落ち着き、平静、沈着」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
❖ "The only time the ego ~ "「エゴが誰に対してでも、落ち着き払って、見てもいいと許す唯一の時間は過去である」。過去の過ち、つまり、神を裏切った罪ある過去だけを見ていいとエゴは言う。そして、現在はエゴにとって意味はなく、未来は地獄か磔刑が待っている、という理屈である。エゴの思考システムの基本はそこにある。



And even there, its only value is that it is no more.
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち、真価、値段」
  • no more : 「もはや〜しない、それ以上〜ない」
❖ "And even ~ "「そこにおいてさえ、過去のもっている唯一の価値は、もはやない、ということである」。エゴは過去を見ていいと言う。しかし、目にした過去が持っている価値、その意味は、あったものがもはやそこにはない、ということである。簡単に言えば、過去の価値なるものは、幻想に過ぎないのだ。なぜなら、過去は、今ここに、存在しないのだから。しかし、エゴはそれを知りながら、あなたに過去を見せる。そして、過去のあなたの罪を、あたかも実在するかのようにあなたにまざまざと見せつけるのである 。



6. How bleak and despairing is the ego's use of time! And how terrifying!
  • bleak [blíːk] : 「寒々とした荒涼とした、殺風景な、暗い、希望のない」
  • despairing [dispé(ə)riŋ] : 「絶望した、絶望的な」
  • terrifying [térəfàiiŋ] : 「非常に恐ろしい、恐ろしいほどの、怖い、恐るべき」
❖ "How bleak and ~ "「エゴの時間の使い方は、なんとも荒涼として絶望的であることか」。"And how ~ "「そして、なんとも恐ろしいものである」。幻想の過去、過ちを犯したと思い込んだ錯覚の過去を、ことさらに実在するかのようにあなたの目の前に展開して見せ、あなたを過去に縛りつけるのである。そして、現在を地獄と化し、未来をも地獄にする。生かさず殺さず、あなたを時間という牢獄の中に閉じこめ、罪の意識を引きずり回すように仕向けるのである。



For underneath its fanatical insistence that the past and future be the same is hidden a far more insidious threat to peace.
  • underneath [ʌ̀ndə(r)níːθ] : 「〜の下に、〜の表面下に、〜に支配されて」
  • fanatical [fənǽtikəl] : 「狂信的な、熱狂的な」
  • insistence [insíst(ə)ns] : 「強い主張、断言、強調、強要、無理強い、固執」
  • hidden [hídn] : 「hideの過去分詞形」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • insidious [insídiəs] : 「狡猾な、陰湿な、陰険な」
  • threat [θrét] : 「脅迫、脅し」
❖ "For underneath its fanatical ~ "「なぜなら、エゴの、過去も未来も同じだという狂信的な固執の下に、」"is hidden a far more ~ "「心の平和に対する、ずっと狡猾な脅しが隠されているのである」。過去に神を裏切った罪は、未来も消えることなく実在し、神の裁きと報復によって、あなたは磔刑に処せられる、あるいは、良くて地獄送りだ、とエゴは脅すのである。だから、神にやられる前に、あなたの方から神を攻撃せよ、と唆(そそのか)す。それすら嫌なら、ひたすら神から逃げ回れ、と言う。エゴに魂を売れば、エゴはあなたを神から救ってやる、と言う。脅しの次に、あめ玉をあなたに用意して、投げてよこすのである。



The ego does not advertise its final threat, for it would have its worshippers still believe that it can offer them escape.
  • advertise [ǽdvə(r)tàiz] : 「公表する、はっきり表に出す、公然のものとする」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • worshipper = worshiper [wə́ːrʃipər] : 「崇拝者、礼拝者」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃避、回避」
❖ "The ego does not ~ "「エゴは最後の脅しを公表しない」。"for it would have ~ "「なぜなら、エゴは、エゴの崇拝者たちがいまだに、エゴは彼らに逃げ道を用意しておくことが出来るのだと信じさせたいからだ」。あなたの罪を罰する神から逃げる方法を教えるふりをするのである。あなたをエゴに引き寄せておくためである。過去の幻想に縛りつけ、真実の光に目覚めさせないがためである。ところで、エゴが公にしない"final threat"「最後の脅し」とは何であろう? ここでは、単純に、神の裁きによって地獄に落とされるぞという脅しととらえておこう。(深読みすれば、どんどん深い解釈が出来そうだが・・・。)



But the belief in guilt must lead to the belief in hell, and always does.
  • lead to : 「〜につながる、結果として〜に導く、結局〜となる、〜を引き起こす」
❖ "But the belief in guilt ~ "「しかし、罪を信じる気持ちは、必ず地獄を信じる気持ちへとつながる」。"and always ~ "「常にそうなるのだ」。エゴが地獄行きの脅しを公にしなくても、罪の意識を持っていれば、当然の成り行きで、地獄へ落ちることを信じるようになる。



The only way in which the ego allows the fear of hell to be experienced is to bring hell here, but always as a foretaste of the future.
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途」
  • allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜を連れて来る」
  • foretaste [fɔ́ːrtèist] : 「前触れ、前兆」
  • future [fjúːt∫ə(r)] : 「未来、将来」
❖ "The only way in which ~ "「エゴが、地獄の恐れを経験させることを許す唯一の方法とは、この地上に地獄を持ってくることである」。"but always as ~ "「しかし、それは常に、未来に起きることの前兆として、持ってくるのである」。エゴのいう地獄は、神があなたに報復する未来の出来事であるはずだが、まるでその予行演習であるかのように、この地上においてさえも、エゴはエゴ独自の地獄を展開してあなたに見せるのである。それは病だあったり、事故であったり、災害であったり、あるいは精神的な苦痛かもしれない。しかし、いずれにせよ、あなたの心に平安が訪れないように、次々と地獄の試練を与え続けるのだ。もちろん、そのすべてはこの幻想世界で起こる単なる幻想であるが、あなたの心の苦痛は計り知れない。エゴはそれを楽しむのである。



For no one who considers himself as deserving of hell can believe that punishment will end in peace.
  • consider [kənsídə(r)] : 「〜と考える、〜を考慮する」
  • deserving [dizə́ːrviŋ] : 「〜の資格のある、〜を受けるべき、〜に値する」
  • punishment [pʌ́ni∫mənt] : 「罰すること、罰、刑罰、処罰、懲罰」
  • end in : 「〜の結果になる、〜に終わる」
❖ "For no one who considers ~ "「なぜなら、自分自身は地獄行きにふさわしいと考えている者は誰一人として、罰が平和に終わるなどと信じることは出来ないからだ」。神を裏切った罰は未来の地獄かもしれないが、この地上にあっても罰を受けて、こんな苦痛の日々を送らねばならないのだと考えるのである。そのように、エゴは、あなたに考えさせるのである。あなたに平和を与えないためである。とことん苦しめて、憎悪に燃え上がるあなたを作り出し、神や同胞を、怒り狂って攻撃するあなたを作り出したいがためである。
 
 
 

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