●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-29.IX.5:1 ~ T-29.IX.6:9

5. Nightmares are childish dreams. The toys have turned against the child who thought he made them real.
  • nightmare [náitmὲər] : 「恐ろしい夢、悪夢」
  • childish [tʃáildiʃ] : 「子供みたいな、子供じみた、子供っぽい」
  • toy [tɔ́i] : 「おもちゃ、玩具」
  • turn against [əɡéinst] : 「〜に敵対する」
  • thought [θɔ́ːt] : 「think の過去・過去分詞形」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "Nightmares are ~ "「悪夢は、子供じみた夢である」。"The toys have turned ~ "「おもちゃが、おもちゃをリアルにしてやったと思っている子供に逆らったのだ」。単なる物体に過ぎないおもちゃに命らしきものを与え、おもちゃをリアルなものにしてやったのに、それに背いて、おもちゃがその子に襲いかかる。これが、子供の抱く悪夢である。同様に、この世界で、あなたは偶像に命らしきものを与え、偶像をリアルなものにしてやったのに、偶像はあなたに逆らってあなたを支配し、あなたに苦と痛みを与えるようになってしまった。これもまた、悪夢である。



Yet can a dream attack? Or can a toy grow large and dangerous and fierce and wild?
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • grow [gróu] : 「〜の状態になる、成長する」
  • large [lάːrdʒ] : 「大きい、広い」
  • dangerous [déindʒərəs] : 「危険な、物騒な」
  • fierce [fíərs] : 「どう猛な、荒々しい、激しい、すさまじい」
  • wild [wáild] : 「気の荒い、荒っぽい、野蛮な」
❖ "Yet can a dream ~ "「しかし、夢が攻撃出来るだろうか」。"Or can a toy grow ~ "「あるいは、おもちゃは、大きくなったり危険になったり、獰猛になったり荒々しくなったり出来るだろうか」。おもちゃが子供に逆らうようになったからといって、あるいは、偶像があなたに苦と痛みを強いるようになったからたといって、それもまた夢や幻想の中の出来事であるから、夢から覚めればすべて消えてしまうのだ。夢の中のモンスターがいかに怖くても、現実にあなたを攻撃することはない。



This does the child believe, because he fears his thoughts and gives them to the toys instead.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • thought [θɔ́ːt] : 「考え、思考、思索、熟考」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、その代わりに」
❖ "This does the child ~ "「子供は、これを本当に信じている」。おもちゃが、夢などではなく、現実に子供に襲いかかるものと信じている。同様に、あなたは、偶像が、夢などではなく現実にあなたを苦しめていると思っている。"because he fears ~ "「なぜなら、その子は、自分の思いを恐れ、その思いを、彼に代えて、おもちゃに与えたからだ」。子供にも、悪い事をしてしまったというような罪の意識もあり、友達をいじめてやりたいという思いもある。そういう悪しき思いを、その子は恐れるのだ。自分の心の中には、なんて汚い悪い思いがあるのだろう、そんな悪い思いを抱く自分が恐ろしい、というわけだ。もし、この思いが非常に重く大きい場合は、子供は自己を乖離して別人格の自分を作り上げてしまうのだが、程度が病的でないときは、悪しき思いを他者に、あるいはおもちゃに投射してしまうのだ。おもちゃにカーチェイスをさせ、おもちゃに戦争をさせ、おもちゃに殺人をさせる。虫や小動物もおもちゃの一部となり、それを殺すこともある。子供が、実に残酷な遊びをしているのに驚くことがあるものだ。こうして、マッチ箱は戦車となり、マッチ棒は実弾となる。



And their reality becomes his own, because they seem to save him from his thoughts.
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
❖ "And their reality ~ "「そして、おのちゃの現実が、その子供自身の現実となる」。おもちゃ遊びの現実が、子供の現実になってしまうのだ。偶像の現実が、あなたの現実と化してしまう。"because they seem ~ "「なぜなら、おもちゃが、その子供を子供の思考から救ってくれるように見えるからだ」。思考をおもちゃに投射してしまえば、罪の意識や罰への恐れを逃れることが出来るわけだ。同様に、思考を偶像に投射してしまえば、あなたは罪と罰の責め苦から逃れることが出来る。言い換えれば、あなたは自分の魂を偶像に売り渡してしまうことで、苦と痛みから逃れようとするのだ。



Yet do they keep his thoughts alive and real, but seen outside himself, where they can turn against him for his treachery to them.
  • keep [kíːp] : 「〜の状態にしておく、〜の状態を保つ、〜にしておく」
  • alive [əláiv] : 「生存して、生きていて、活動して」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外側に」
  • treachery [trétʃəri] : 「不信、裏切り、背信、不実」
❖ "Yet do they keep ~ "「しかし、おもちゃは、子供の思考に命を与え、それをリアルに保つ」。"but seen outside ~ "「ただし、その思考は、子供の心の外にあるように見られ、」"where they can turn ~ "「子供がおもちゃを裏切れば、おもちゃは子供を攻撃することもあり得る」。子供は、自分の思考(魂)をおもちゃに売り、子供の心の外で、その思考は命があるかのように活動し、リアルな現実を作る。しかし、ひとたびその子供が、命を得たかに見えるおもちゃに逆らうものなら、おもちゃは子供に逆襲する。偶像に忠実なうちはいいが、もし、あなたが偶像に逆らうようなことがあれば、偶像はあなたに逆襲するのだ。



He thinks he needs them that he may escape his thoughts, because he thinks the thoughts are real.
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
❖ "He thinks he needs ~ "ここの"that"は"so that"のこと、「〜するために、その結果」、「子供は、彼の思考から逃れるために、おもちゃが必要だと考えている」。"because he thinks ~ "「なぜなら、子供は、思考はリアルなものであると思っているからだ」。子供にとって思考は幻想ではなく現実である。自分が悪い子だと思えば、確かにその子は悪い子になってしまうのだ。そこで、子供は、自分は悪い子だという思いから逃れるために、おもちゃにその思いを売り飛ばすのである。虫を殺し、小動物を殺すのは、自分ではなく、おもちゃのナイフであり、おもちゃのピストルなのである。おもちゃに魂を売り飛ばした彼には、今や、心がない。だから、何でも出来るのである。彼がやるのではない。彼のおもちゃがやるのだ。



And so he makes of anything a toy, to make his world remain outside himself, and play that he is but a part of it.
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである、とどまる、残る」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
❖ "And so he makes ~ "「だから、子供は何でもおもちゃに出来る」。思考を投射出来るものなら何でも、子供のおもちゃになり得るのだ。"to make his world ~ "「子供自身の外側に、その子供の世界を作るためであり、」"and play that ~ "「その世界の一部になり切るために、おもちゃで遊ぶためである」。あなたは、偶像に魂を売り、思考をあなたの外に投げ出した。あなたは自己を乖離し、別人格の偶像に、あるいはエゴに成り代わったのだ。その別人格の自分を、心の外にある幻想世界に投射して、そこで生きて活動していると思い込む。それが現実だと信じ、疑うこともない。しかし、本当は、子供のおもちゃ遊びと同じ幻想なのだ。幻想の一部として、あなたは、あたかも現実に見える実生活を営んでいるのである。



6. There is a time when childhood should be passed and gone forever.
  • childhood [tʃáildhùd] : 「子供時代、幼児期、児童期、小児期」
  • pass [pǽs] : 「過ごす、渡す、手渡す」
  • passed [pǽst] : 「過ぎ去った、過去の」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「go の過去分詞形」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "There is a time ~ "「幼児期が永遠に過ぎ去ってしまう時は(必ず)来る」。子供のおもちゃ遊びは永遠に続くわけではない。子供が成長すれば、幼児期が過ぎるにしたがって、おもちゃ遊びは忘れられる。



Seek not to retain the toys of children. Put them all away, for you have need of them no more.
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • retain [ritéin] : 「〜を保有する、保つ、保持する、持ち続ける」
  • children [tʃíldrən] : 「child の複数形」
  • put away : 「片付ける、しまう、しまい込む、収納する」
  • no more : 「もはや〜しない」
❖ "Seek not to retain ~ "「子供のおもちゃを、いつまでも持っていようとしてはいけない」。"Put them all away ~ "「あなたには、おもちゃはもう必要ないのだから、全部片づけてしまいなさい」。子供がおもちゃを捨てる時期が来るように、あなたにも偶像を捨てるべき時期が来る。その時は、未練など感じることなく偶像を捨てなさい。



The dream of judgment is a children's game, in which the child becomes the father, powerful, but with the little wisdom of a child.
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • powerful [páuərfəl] : 「強い、強力な、力強い、迫力のある」
  • wisdom [wízdəm] : 「賢明さ、英知、知恵、知識、見識、分別」
❖ "The dream of judgment ~ "「判断という夢は、子供のゲームである」。ここの"judgment"は「分別」に近い意味。肉体的頭脳による理性的判断、分別で生きることは、子供がおもちゃで遊ぶゲームと等しい。突き詰めれば、幻想の「〜ごっこ遊び」なのだから。"in which the child ~ "「そこでは、子供は父親となり、力があり、しかし、わずかな子供の知恵しかもっていない」。その子は「お父さんごっこ」をしているのだろう。力のある父親のまねはしてみるものの、知恵はやはり子供のままである。あなたも、成長した「大人ごっこ」をしているだろうが、偶像に魂を売っている限り、あなたの心は成長を止めて、子供の知恵で止まっているのだ。



What hurts him is destroyed; what helps him, blessed. Except he judges this as does a child, who does not know what hurts and what will heal.
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける、〜に苦痛を与え」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、崩壊させる」
  • bless [blés] : 「祝福する、〜を賛美する」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「〜を判断する、〜に判決を下す」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
❖ "What hurts him ~ "「子供を傷つけるものは、破壊され、」気にくわないおもちゃは、子供によって壊され、"what helps him ~ "「役に立つものは、歓迎される」。気に入ったおもちゃは、いつまでも大切にされる。"Except he judges this ~ "「ただし、子供が判断するように、判断しているのだ」。判断の夢の中で暮らす大人も、まるで子供がするように、ちゃちな判断をしている。気にくわなければ破壊し、気に入れば溺愛する。この判断は、まるで子供がおもちゃを選ぶときのようなものだ。"who does not know ~ "「そんな子供は、何が傷つけ、何が癒してくれるか、分かっていないのである」。おもちゃの何が子供の心を傷つけ、おもちゃの何がそれを癒してくれるのか、そんなことはお構いなしである。気にくわなければ、ただ壊し、気に入ればベッドの中まで持ち込むのである。



And bad things seem to happen, and he is afraid of all the chaos in a world he thinks is governed by the laws he made.
  • bad [bǽd] : 「悪い、ひどい」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • be afraid [əfréid] of : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • chaos [kéiɑs] : 「無秩序、混乱、混沌」
  • govern [ɡʌ́vərn] : 「支配する、統治する、統率する」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
❖ "And bad things seem ~ "「悪い事が起こったように思えたときは、」事態が思い通りにいかないときは、"and he is afraid of ~ "「彼は、彼が作った法によって統治されていると思っている世界が、すべてカオスとなることを恐れる」。ここの"he"「彼」は、子供に限定する必要はない。あなたのことである。神の子のこと。神の子は、この幻想世界を心の外に投射して作ったのだが、幻想世界を牛耳る法もまた、神の子が作ったものである。神の子が自己を乖離してエゴという別人格を作り出し、そのエゴがこの世界の法を作ったのだ。エゴの思考システムである。ところが、この変化流動する幻想世界では、すべてが崩壊と死に向かう。悪いことが起き、世界はカオス化していくのである。あなたはそれを恐れるが、実は、恐れる必要はない。そんな欠陥だらけの船にいつまでも乗っている必要はないのだ。幻想世界から目覚めてしまえばいいだけの話しである。実相世界へ引っ越しすればいいのだ。



Yet is the real world unaffected by the world he thinks is real.
  • unaffected [ʌnəféktid] : 「影響を受けない、心を動かされない」
❖ "Yet is the real world ~ "「しかし、実相世界は、彼が現実だと思っている世界によって影響を受けることはない」。実相世界、つまり天の王国は、この幻想世界の影響をまったく受けない。夜見る夢に登場するモンスターがどんなに恐ろしくても、目を覚ましてしまえば、モンスターは露と消えるのだ。



Nor have its laws been changed because he does not understand.
  • change []tʃéindʒ : 「を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • understand []ʌ̀ndərstǽnd : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "Nor have its laws been ~ "「彼が、実相の法が理解出来ないからといって、実相の法が変えられることなどない」。彼が、実相世界の法、つまり、神の法を理解出来ないからといって、その法を幻想世界に合わせて書き換えるなどということはない。
 
 
 


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