●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-30.I.2:1 ~ T-30.I.3:7

2. (1) The outlook starts with this:
 
Today I will make no decisions by myself.
  • outlook [áutlùk] : 「景色、見晴らし、見解」
  • start with : 「〜から始める、〜に端を発する」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • make no decision : 「何も決断しない、何も決定しない」
❖ "The outlook starts ~ "「一日の展望は次のように始めるとよい」。"Today I will make ~ "「今日一日、私は自分で決定は下さない」。おや?、と思われるかも知れない。自分で決定を下さないということは、やるべきことに自分の意思を介入させないという意味だからだ。しかし、ここは、幻想から目覚める前の段階で、誤った知覚や判断を頼りに決定を下すことの危険性を排除しようとしているのである。初めは、ホーリー・スピリットの決定に従うだけでいい。



This means that you are choosing not to be the judge of what to do.
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「裁判官、判事、審査員、審判、判定者」
  • what to do : 「すべきこと」
❖ "This means that ~ "「これは、やるべきことの判断者にならないという選択をしていることを意味する」。今日一日のやるべきことを、頭脳的な理性判断で決定しないという意思表示である。"judge"「判断、分別」という習慣からから解放されなくてはならないのだ。



But it must also mean you will not judge the situations where you will be called upon to make response.
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情、情勢」
  • response [rispɑ́ns] : 「応答、感応、反応、対応、対処」
  • call upon : 「求める、要求する、〜に発言を求める、〜を頼む」
❖ "But it must also mean ~ "「しかし、それはまた、あなたが反応することを求められている状況を判断しないということも意味している」。たとえば、目的地に辿り着くために、右に曲がるか左に曲がるか選択しなければならない状況を考えよう。その状況に対して、どちらが良くて、どちらがまずいか、価値判断をするなということである。分別による価値判断をしようにも、右がいいか左がいいか、頭脳では決定することが不可能だからだ。では、何によって選択すればいいのか。判断や知覚ではなく、実相的な知覚、つまり、直感や直覚によって右左を決めればいいのである。よりロマンチックな言い方をすれば、ホーリー・スピリットの声を聞いて、その導きに従えば良い。ついでに、もう少し、深い説明をしよう。実相世界は無時間無空間の世界であり、あらゆる事象が一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続く世界である。起こる可能性のあることすべてが起き、いわば実相的なホログラムに永遠に記録されているのである。この幻想世界で起こることも、可能性のあるものはすべて起きてしまっており、記録されている。そこで、時間を作ってしまった我々は、あたかもビデオを選択し再生するかのように、実相世界ですでに起きた事象を、時間を追って追体験しているのである。先の例に戻れば、右に行けば何が起こるか、左に行けば何が起きるか、その後どんな人生に進んでいくか、すでに決定している。しかし、この幻想世界の知覚や頭脳による判断では、次に何が起きるかは未来という時間に預けられた事象であるから、知ることは出来ないのだ。だが、実相世界のホーリー・スピリットはすべてを知っている。右に行けば何が起きるか(起きたか)、左に行けば何が起きるか(起きたか)、ホーリー・スピリットはすでに、可能性の全部を把握しているのだ。ならば、頭脳による不確かな決定を止めて、直覚としてのホーリー・スピリットの導きに従った方が正当ではないか。



For if you judge them, you have set the rules for how you should react to them.
  • set [sét] : 「〜を決める、整える、定める、配置する、設定する」
  • rule [rúːl] : 「規則、ルール、規定、法則、規範」
  • react [riǽkt] : 「反応する、反応を示す、対処する」
❖ "For if you judge ~ "「なぜなら、もしあなたが、状況を(価値)判断したなら、」"you have set the rules ~ "「状況に対して、あなたはどのように反応すべきなのかというルールを設定してしまうことになるからだ」。先の例で、右に行けばすぐ利益が得られ、左に行けば何も得られないだろうと、不確かな価値判断で自分の進むべき道を決定するというようなルールを作ってしまうのだ。A大学に進めば将来お金儲けが出来て安楽な生活が送れ、B大学に進めば貧乏生活を余儀なくされるなどと判断する。恋愛はともかく、結婚となれば、Aさんと結婚すれば玉の輿、Bさんと結婚すればお金で苦労すると判断する。上司Aに付いていれば将来出世し、上司Bに付いていれば出世の見込みなし、と判断する。こうして、目先の利益によって判断するというルールを自分の生き方に課してしまうのだ。人生のもっと先の大切な目的に向かっての選択が不可能となるのである。人生のずっと先にある本当の目的を失ってしまうのだ。頭脳的価値判断によって有利なものを決定するという悪しきルールを作ってはいけない。



And then another answer cannot but produce confusion and uncertainty and fear.
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • produce [prədjúːs] : 「を作り出す、引き起こす、形成する」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱、混同、混乱状態、無秩序、当惑」
  • uncertainty [ʌnsə́ːrtnti] : 「確信のなさ、不確かさ、不確実さ、不確実性」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "And then another answer ~ "「そして、別の答えは、混乱と不確かさと恐れを生み出す可能性があるのだ」。右の道がいいと判断してやって来たが、本当は左の道の方が良かったかも知れない、と不安を覚え、決定した気持ちが混乱する。A大学が将来を約束してくれると思ったが、判断を誤ったかも知れない。B大学に進んだ友人はどんどん出世しているではないか。Aさんと結婚すればお金に困らないと思ったが、現実は借金地獄だった。Bさんを選んでいたなら、金持ちになれないまでも平和な暮らしが出来たかも知れない。上司Aに付けば出世出来ると思ったが、Aは仕事に失敗して左遷されてしまった。Aの後釜に付いたBを選択するべきだった。等々、不確かな判断は不確かな未来しか生み出さないのだ。もし、判断を放棄して、自分の直覚、ホーリー・スピリットの導きに従って、右の道を選んだなら、たとえその道が石ころだらけの凸凹で、つらい道のりであったとしても、それすら自分に必要な道なのだと信じて、いずれ本当の目的地に到達出来るだろう。出世の見込みのないBさんを直感で選んだが、やりくり上手に生活し、いい子にも恵まれ、小さいながら幸せな生活を楽しむことが出来るかもしれないのだ。目先の有利不利、善し悪し、幸不幸、等々の価値判断によって進むべき道を選んではならない。頭脳による理性的価値判断は、その先を知ることは出来ないのだ。



3. This is your major problem now. You still make up your mind, and then decide to ask what you should do.
  • major [méidʒər] : 「主要な、重要な、より大きい、重大な」
  • problem [prɑ́bləm] : 「問題、課題、疑問、難問、難題」
  • still [stíl] : 「常に、いつでも」
  • make up one's mind : 「決心する」
  • decide [disáid] : 「〜しようと決心する、〜することに決める」
❖ "This is your major ~ "「これが、目下のところ、あなたの主要な問題である」。自分だけで決定しないということが、今のあなたにはなかなか出来ない。これが、目下の問題である。"You still make up ~ "「あなたはいつも、決心し、」"and then decide ~ "「その後、何をすべきか自問することに決めている」。人生は決定の連続だと思い、行動をとる前に決定し、決定した後にその行動の内容を検討する、という生き方をしている。確かに、子供の頃から我々は、考えて、その後で行動せよ、と教育されてきた。自分で決定し、それにそって行動すべきことを選択せよと教えられてきたのだ。ACIMは、そういう常識を覆す。頭脳による価値判断こそ不確かであると教えているのだ。



And what you hear may not resolve the problem as you saw it first.
  • hear [híər] : 「聞く、聞こえる」
  • resolve [rizάlv] : 「解く、説明する、解明する、解決する」
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • first [fə́ːrst] : 「初めて、最初に」
❖ "And what you hear ~ "「そうすると、あなたが耳にすることは、最初にあなたが見たようには、問題を解決出来ないかも知れない」。"what you hear"「あなたが耳にすること」とは、自分で決めると決心し、その後に何をなすべきか自問した時に、あなたの頭脳が答えてくれた解答のこと。自問したことに対する、あなたの頭脳の答えである。頭脳は、物事の優劣、価値の多少を理性的に判断して、有利なものをあなたに答えることになる。ところが、それに従ったとしても、あなたが当初描いたような(as you saw it first)結果にならないことがある。頭脳による理性的な価値判断では、問題が解決出来ないことが往々にしてあるのだ(may not resolve the problem)。



This leads to fear, because it contradicts what you perceive and so you feel attacked. And therefore angry.
  • lead [líːd] to : 「〜につながる、結果として〜に導く、結局〜となる」
  • contradict [kɑ̀ntrədíkt] : 「〜と矛盾する、相反する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • angry [ǽŋgri] : 「腹を立てて、立腹して、怒って」
❖ "This leads to ~ "「これが、恐れへと繋がる」。理性的な判断が誤っていたわけではないのに、結果は問題解決に繋がらなかったのだから、あなたの理性的頭脳は混乱し、行き場を失って恐れを感じる。"because it contradicts ~ "「なぜなら、それは、あなたが知覚することと矛盾するからである」。理性的な判断が出した答えと、あなたが知覚する結果と矛盾するのだ。たとえば、幸せになるにはどうしたらいいかと自問し、金が手に入れば幸せになれると、あなたの理性的な頭脳は判断したとしよいう。そのためにどう行動したらいいかと考え、頭脳は、ギャンブルで手軽に金を手に入れる方法が一番いいと判断する。ところが、ギャンブルで金が手に入っても、一時の興奮が静まれば、あなたは、本当の安らぎや幸せは感じられなくないのだ。"And therefore ~ "「そこで、あなたは怒りを感じることになる」。判断した予定が狂って、怒りを覚えるのである。こんなはずじゃなかった、というわけである。



There are rules by which this will not happen. But it does occur at first, while you are learning how to hear.
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • at firs : 「最初は、初めは、当初は」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • how to : 「〜するための方法、〜のやり方、〜の仕方」
❖ "There are rules by ~ "「こんなことが起こらないルールというものがある」。"But it does occur ~ "「しかし、あなたが、どのように耳を傾けるか学んでいる間は、最初は、こんなことが起きるのである」。"how to hear"「どのように耳を傾けるか」という部分が大切なのである。あなたは、自分で判断決定しようとして、頭脳的理性の答えに耳を傾けた。その結果、理性の答えと実際に知覚する結果に矛盾が生じ、それに対して恐れを感じ、怒りさえ覚えた。あなたが耳を傾けなけらばいけないのは、頭脳ではない。理性でも知性でも経験でもない。そうではなく、あなたの心の中に住むホーリー・スピリットの答えに耳を傾けなくてはならないのだ。あなたの心の直感、直覚、実相的な叡智に問いかけ、その答えに耳を傾ける方法を身に付けなければいけないのである。これが、本文の"rule"「ルール」である。ただし、それが出来るようになるまでは、初めのうちは、往々にして、同じ間違いを繰り返すことになろう。
 
 
 


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