●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-30.VIII.1:1 ~ T-30.VIII.2:9



VIII. Changeless Reality
不変なる実相



1. Appearances deceive, but can be changed. Reality is changeless. 

  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、出現、現われること」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実のこと」
  • changeless [tʃéindʒlis] : 「変化のない、不変の」

❖ "Appearances deceive ~ "「見掛けは(人を)騙すが、変化させ得る」。形として目に見える外見は、往々にして人を騙すが(嘘をつくが)、その外見はころころと形を変えて変化する。変化するから、それは幻想なのだ。"Reality is ~ "「実相は変化しない」。実在する真実の実相は、永遠不変であり、ころころ変化するものではない。



It does not deceive at all, and if you fail to see beyond appearances you are deceived. 

  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない」
  • fail [féil] to : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜のかなたに」

❖ "It does not deceive ~ "「実相はまったく騙すことはない」。"and if you fail to ~ "「もしあなたが、見掛けを越えて見ることに失敗すれば、あなたは騙されてしまう」。幻想の表面的な見掛けだけを見ているようでは、あなたは、その幻想の見掛けに騙されてしまう。見掛けの奥にある、あるいは、見掛けを超越したところにある実相を見なくてはならないのだ。そこにこそ実相はあり、その実相は無変化であり、不変であり、あなたを騙すことはない。なぜなら、実相は真実だからだ。真実は嘘をつかないのだ。



For everything you see will change, and yet you thought it real before, and now you think it real again. 

  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物」

❖ "For everything you ~ "「なぜなら、あなたが目にするものは変化するであろうし、」"and yet you thought ~ "「以前もあなたは、それが現実だと思い、今もまた再び、あなたはそれが現実だと思っているからだ」。あなたの感覚器官である目が知覚する物事の外見(見掛け)はころころと変化し、それが実在であり現実であると、あなたは騙されている。過去もそうであったし、現在もそうである。ずっと騙されて続けているのだ。
蛇足になるが、この文章のように回りくどい表現をしているのは、ACIMが単なる理論書や思想書などではなく、詩として書かれているからだ。言葉のリズムや響きを意識しつつ、いわば、言葉遊びをしているのである。ACIMを原語(英語)で読む価値がここにある。ACIMを、生き生きした表現として感じられるようになったら、理論的な理解度も増してくるはずだ。



Reality is thus reduced to form, and capable of change. Reality is changeless. 

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • reduce [ridjúːs] to : 「〜に帰着する、〜に変換する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿、現れ」
  • capable of : 「〜の能力がある、〜の才能がある、〜ができる」

❖ "Reality is thus ~ "「このように、実相は、形に姿を変えてしまい、変化が可能となってしまう」。実相は、あなたの感覚器官を通して形あるものとして捉えられ、感覚が作り出した形はころころと変化する。したがって、感覚が捉えたものは幻想なのだ。"Reality is ~ "「実相自体は変化することはない」。ここの部分を少々深読みしてみよう。実相(reality)は、完全な抽象(abstract entity)であり、実相世界は完全な想念(thought, idea)の世界である。形を伴った具象(concrete entity)の世界ではないのだ。想念として、いわば、非常に振動数の高いエネルギー(パワー)をもった世界と考えていいだろう。たとえば、愛のもつエネルギー(パワー)を思い浮かべればいいだろう。この想念のもつ非常に高いエネルギーが、その振動数をどんどん落としていけばどうなるか? ちょうど、熱い気体としての蒸気が、熱を失って冷めた水滴に層を転換するように、高エネルギー・レベルの想念は、エネルギー・レベルを下げることで形のある具象を作り出すのである。抽象が具象を作り出す。思い(想念)が物質(形)を作り出すのである。決して、具象であるあなたの頭脳が、抽象である想念の世界を作っているのではない。その逆なのだ。初めに想念があった。その想念がこの世界を作ったのである。さらに蛇足になるが、ヨハネによる福音書に「初めに言葉があった」というのは、厳密な意味で、この事情を語っている。ギリシャ語の「Logos」を「言葉」と訳したがために誤解が生まれ、さらに、それを「イエス・キリスト」のことだと解釈した宗教人の誤解が重なるのだが、Logosはプラトンのイディア(idea)に近い概念であって、何のことはない、想念(thought, idea)である。初めに想念があり、想念がエネルギー・レベルを落として物資世界を生み出したのだ。言い換えれば、想念が夢を見ている世界が、この物質世界である。



It is this that makes it real, and keeps it separate from all appearances. 

  • separate [sépərət] : 「別個の、単独の、離れた」

❖ "It is this that ~ "「不変性が、実相を実相たらしめている」。"and keeps it separate ~ "「そして、不変性が、実相をあらゆる見掛けから切り離しているのだ」。実相と幻想を分けているものは、変化のあるなしである。実相は永遠不変であり、幻想は変化流動する。



It must transcend all form to be itself. It cannot change.

  • transcend [trænsénd] : 「超える、超越する、勝る」

❖ "It must transcend ~ "「実相は、実相であるために、あらゆる形から超絶していなければならない」。実相が形を伴って変化などしたら、一瞬にして幻想に堕落する。"It cannot ~ "「実相は、変化し得ないのだ」。実相はあくまでも永遠不変である。永遠不変性が、とりもなおさず実相なのである。



2. The miracle is means to demonstrate that all appearances can change because they are appearances, and cannot have the changelessness reality entails. 

  • means [míːnz] : 「手段、方法、手法」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実際にやってみせる、実証する、明らかにする」
  • changelessness [tʃéindʒlisnis] : 「変化のなさ、無変化」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」

❖ "The miracle is means ~ "「奇跡は、あらゆる見掛けは、見掛けだから変化することが出来、実相が伴っている無変化性(不変性)を持ち得ないということを実証して見せる手段である」。ここの奇跡とは、幻想から実相に目覚める救いとして奇跡。赦し、と考えていい。赦しという奇跡によって幻想から目覚めれば、感覚器官が捉える見掛けは幻想に過ぎなかったのだ理解出来、変化するものはすべて幻想だと知ることが出来るのだ。



The miracle attests salvation from appearances by showing they can change. 

  • attest [ətést] : 「〜が正しいと証明する、裏付ける、保証する」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」

❖ "The miracle attests ~ "「奇跡は、見掛けは変化するということを示すことで、見掛けからの救いを保証する」。"attests salvation"「救いを保証する」とは、単純に、奇跡が確実に救いをもたらす、という意味にとらえていいだろう。奇跡は、変化するものを消滅させ、変化しないものに目覚めさせる。こうすることで、奇跡は変化する幻想から、変化しない実相へと、神の子を救い出すのだ。



Your brother has a changelessness in him beyond appearance and deception, both. 

  • deception [disépʃən] : 「ごまかし、だますこと」
  • both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」

❖ "Your brother has ~ "「あなたの同胞は、見掛けやごまかしの両方を越えて、心の中に変化しないものをもっている」。"beyond appearance and deception, both"「見掛けやごまかしの両方を越えて」とは、肉体としての同胞は見掛けやごまかしという属性をもつ幻想的な存在であるが、それを超越したところに、という意味合い。同胞は、表面的にはあなたと同じ幻想に束縛された存在であるが、しかし、心の中には、変化しないもの、実相の真実がある。神の子の心の中にはホーリー・スピリットが住んでいるのだから当然だ。



It is obscured by changing views of him that you perceive as his reality. 

  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、分かりにくくする、見えなくする」
  • view [vjúː] : 「視界、視野、視力、光景、景色」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」

❖ "It is obscured by ~ "「その変化しないものは、あなたが同胞の現実だと知覚している、変化する光景によって曖昧にされている」。難しい言い回しをしているが、要するに、あなたが同胞を見るとき、同胞の変化する見掛けを、それこそが同胞の現実であり真実であると知覚しているが、その誤った知覚によって、同胞の心の中の本当の実相が曖昧にされて、あなたの目に見えてこない、ということ。あなたは、同胞が神の子であることも、心にホーリー・スピリットを抱いていることも気付くことがない。



The happy dream about him takes the form of the appearance of his perfect health, his perfect freedom from all forms of lack, and safety from disaster of all kinds. 

  • take the form of : 「〜となって現れる、〜の形になる、〜という形をとる」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
  • health [hélθ] : 「健康、健康状態、調子」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」
  • disaster [dizǽstər] : 「災害、天災、災難、惨事」
  • of all kinds : 「あらゆる種類の」

❖ "The happy dream ~ "「同胞に対して抱く幸せな夢は、彼の完全な健全性を表す形をとり、」"his perfect freedom ~ "「欠落のとるあらゆる形から完全に自由であり、あらゆる種類の災害に対して安全な形をとる」。"happy dream"「幸せな夢」とは、実相的な視点で見えてくる光景、という意味。同胞の真実の姿、ということである。それは、心が完全に健全であり(perfect health)、物質的な不足、欠如から完全に自由であり(perfect freedom from all forms of lack)、あらゆる幻想的な惨事、不幸、災害から安全に保護されている(safety from disaster of all kinds)。あなたが同胞をそのように知覚出来たとき、あなたは実相的に正しく同胞を見ることが出来たことを意味し、同時に、あなた自身をも実相的に正しく捉えることが出来るのだ。あなたは健全であり、不足はなく、幻想的な不幸から解放されているのだ。あなたの不健全、不足、不幸は、したがって、単なる幻想、錯覚である。



The miracle is proof he is not bound by loss or suffering in any form, because it can so easily be changed. 

  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し、裏付け」
  • bound [báund] : 「bindの過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「縛る、結び付ける」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」
  • in any form : 「いかなる種類のものであれ」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく」

❖ "The miracle is proof ~ "「奇跡は、同胞がいかなる形の損失や苦しみによっても束縛されることはないという証拠である」。"The miracle is proof ~ "「奇跡が〜の証拠である」とは、「奇跡によって〜が証言される」、「奇跡が〜の証拠を示している」という意味合い。幻想を消滅させる赦しという奇跡によって、同胞は、損失や喪失、あるいは苦しみや不幸という幻想によって束縛されることがなくなるのだ。奇跡がそれを証明してみせるのである。"because it can so easily ~ "「なぜなら、損失や苦しみは簡単に変化させられ得るからだ」。変化流動するものは、すべて幻想である。損失や喪失、苦しみや不幸は、時に従って変化流動する。だから、幻想であり、赦しの奇跡はそんな幻想を消滅させるのである。



This demonstrates that it was never real, and could not stem from his reality. 

  • stem [stém] : 「始まる、起因する」
  • stem from : 「〜から生じる、〜から起こる、〜が原因である、〜に由来する」

❖ "This demonstrates that ~ "「このことは、that以下を実証している」。"that it was never ~ "「損失や苦しみは決して実在ではなく、同胞の実相から派生することなど出来ないものだ」ということを実証している。あなたがこの幻想世界で経験する損失や喪失、苦しみや不幸は、実は実在する現実ではなく、単なる夢である。幻想は、すべからく夢なのだ。その夢に過ぎない幻想は、神の子である同胞の実相的な現実から派生するものではない。幻想は、実相と完全に無関係である。神の子の実相が、幻想を生み出しているのではない。



For that is changeless, and has no effects that anything in Heaven or on earth could ever alter. 

  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効き目」
  • alter [ɔ́ːltər] : 「変える、変更する、改める、改ざんする、改造する」

❖ "For that is changeless ~ "「なぜなら、同胞の実相は変化することなどなく、天や地に存在するものが変更を加えることが出来るような影響を受けることは決してないからだ」。神の子である同胞の実相、真実の姿は、永遠に不変であり、天地のあらゆるものによって影響を受け変化するようなものではない。だから、幻想なのではなく、実在の、そして現実の実相なのだ。



But appearances are shown to be unreal because they change.

  • shown [ʃóun] : 「showの過去分詞」
  • unreal [ʌnríəl] : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の」

❖ "But appearances are ~ "「しかし、見掛けは、それが変化するので、非現実だと示される」。永遠不変の実相に対して、知覚が感知する肉体的な見掛けは変化流動する。したがって、見掛けは幻想であり、非実在、非現実である。どんなにリアルに見える夢であっても、夢は夢に変わりない。夢は非実在であり、非現実である。同様に、この世の存在も出来事も、すべて夢であり、非実在、非現実である。





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