●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-30.VIII.5:1 ~ T-30.VIII.6:9


5. Because reality is changeless is a miracle already there to heal all things that change, and offer them to you to see in happy form, devoid of fear. 

  • reality [riǽləti] : 「現実性、実在、実在性」
  • changeless [tʃéindʒlis] : 「変化のない、不変の」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • devoid [divɔ́id] : 「欠いている、欠けている」
  • devoid of : 「〜を持っていない、〜を欠いている」

❖ "Because reality is ~ "「実相は変化しないので、奇跡はすでに、〜するためにそこにある」。"to heal all things ~ "「変化するすべてのものをヒーリングし、それらをあなたに、恐れのない幸せな形を伴って見させるように差し出してくれるために、」奇跡すでにそこにある。実相は変化しない。実相的な真実である奇跡は、まだこの幻想世界では起きていないように見えるかも知れないが、それは時間の存在する世界ではまだ起きていないだけの話しであって、時間の存在しない実相世界ではすでにすべての奇跡は起きてしまっている。だから、実相は変化しないのだ(時間がないのに、どうやって変化し得よう)。そして、すべての奇跡はすでに、そこにある(is a miracle already there)。それを、あなたは単に追体験すればいいだけなのだ。あなたが既に起きてそこにある奇跡を追体験すれば、変化する幻想世界のすべての出来事はヒーリングされ(heal all things that change)、幻想は消滅する。もちろん、この幻想世界で感じていた幻想の恐れも消滅し(devoid of fear)、幻想のすべては幸せな光景としてあなたの目に映ってくるのだ(to see in happy form)。なぜなら、それが実相の光景だからだ。そういうことが起きるように、奇跡はすでにそこに、あなたのために用意されているのである(offer them to you)。



It will be given you to look upon your brother thus. But not while you would have it otherwise in some respects. 

  • given [gívn] : 「giveの過去分詞形」
  • look upon : 「〜を見る」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「別なふうに、違ったように」
  • respect [rispékt] : 「点、事項、箇所」
  • in some respects : 「いくつかの点で」

❖ "It will be given you ~ "「あなたの同胞をこのように見ることが、あなたに与えられるだろう」。あなたがすでにそこにある奇跡を追体験出来たとき、あなたは同胞を、恐れのない幸せな光景の中で見ることになるだろう。なぜなら、あなたの知覚が奇跡によってヒーリングされるからだ。幻想が視野から消え、実在する実相が見えてくるのである。"But not while you ~ "「しかし、何らかの点において、あなたが奇跡を別な様相にしたいと望むうちは、そんなことは起こらない」。この幻想世界の何らかの局面において(in some respects)、たとえば、金銭的にも物質的にも窮乏した状態において、幻想から実相への目覚めという本来の奇跡以外の(otherwise)、たとえば、天から金が降ってくるなどという奇跡を夢見るようなことがあれば(while you would have it otherwise)、奇跡が与えてくれる実相的な幸せは、あなたに与えられることはない。あなたは、同胞もあなた自身も、苦と痛みと恐れと不幸の中に自らを見続けることになる。それが幻想であり、夢に過ぎないということも知らないままに、である。
蛇足を一つ。この幻想世界は変化流動し、運命が気ままに人を動かしているかのように見えるかも知れない。ある人は富みに恵まれ、容姿に恵まれ、運に恵まれ、一方で、ある人は貧しく、醜く、運から見放されたかのように思えるだろう。しかし、富みや容姿や運に恵まれることは、その人に幸せの奇跡が起きたからではない。実相的な真実の奇跡は、そんなちゃちな幸運とは無縁である。真実の奇跡は、望みさえすれば、誰にでも平等に与えられるものなのだ。富める者が富みに満足して真実の奇跡を求めなけば、当然、富める者には本当の奇跡は起きない。逆に、貧しき者が真実の奇跡を求めれば、必ず本当の奇跡は起こる。マタイによる福音書、5章3節に書かれた「心の貧しき者は幸いである」という本当の意味はそういうことだ。誤解がないように言っておきたいのだが、心が貧しいとは、富みによって心が横柄になっていない者、という意味である。



For this but means you would not have him healed and whole. The Christ in him is perfect. Is it this that you would look upon? 

  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • have : 「〜を〜の状態にする」
  • whole [hóul] : 「完全な、全体の」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「全部そろった、全くの、完全な」

❖ "For this but means you ~ "「なぜなら、これは、あなたが、同胞をヒーリングしてやることも、完全な者にすることも望んでいないということを意味しているだけだからだ」。あなたが同胞を、恐れのない幸せな姿として見ることが出来ないのは、彼を完全な姿として見ることをあなたが拒んでいること、つまり、同胞を実相的な真実の姿としてみることを拒否していることを意味するのだ。実相を拒んでいるのだから、当然、実相に目覚めさせる奇跡のヒーリングを成功させることも出来ない。"The Christ in him ~ "「同胞の心の中のキリストは完全である」。同胞の心に住むホーリー・スピリットは、キリストとして、実相的な完全性を具えている。"Is it this that you ~ "「このキリストの姿は、あなたが(同胞の心の中に)見たいと思うものだろうか」。残念ながら、今のあなたはそうではない。あなたは、同胞を罪ある不幸な者として見るばかりで、同胞の中の神聖で純粋なホーリー・スピリット、つまり、キリストの姿を捉えることが出来ないのだ。だから、あなた自身の心の中のホーリー・スピリットもキリストも、あなたの目には見えてこない。したがって、奇跡のヒーリングは、あなたの身に起きないのである。



Then let there be no dreams about him that you would prefer to seeing this. 

  • prefer [prifə́ːr] : 「〜を好む、むしろ〜の方を好む」
  • prefer to doing : 「〜することをより好む、〜することの方を選ぶ」

❖ "Then let there be ~ "「そこで、同胞に関して、これ(キリスト)を見たいと思うこと以上の夢を持たないようにしなさい」。同胞を、その真実の姿として、救い主であるキリスト、あるいは奇跡の救いに導いてくれるホーリー・スピリットとして見ることが必要なのであって、それ以外の幻想としての偽りの姿、あなたに対する攻撃者だとか、苦と不幸に苦しむ弱者だとか、あなたに金と物を与えてくれるカモだとか、そんな幻想(夢)を抱いてはいけない(let there be no dreams)。



And you will see the Christ in him because you let Him come to you. 

  • come to : 「思い付く、思い出される」

❖ "And you will see ~ "「そうすれば、あなたがキリストを招き入れたのだから、同胞の中にキリストを見ることになるだろう」。あなたがキリストを求めたのだから、同胞の心の中にキリストが見えるようになる。同時に、あなたの心の中のキリストも見えるようになるのだ。ところで、キリストを求めるとは、幻想世界から実相世界へと救われたい、目覚めたいと願い、その実現を導いてくれる助けを求めることである。



And when He has appeared to you, you will be certain you are like Him, for He is the changeless in your brother and in you.

  • appear [əpíər] to : 「〜の所に現れる」
  • certain [sə́ːrtn] : 「〜を確信している、〜に疑いを持たない」

❖ "And when He has ~ "「そして、ひとたびキリストがあなたの元に現れたなら、あなたは、あなたがキリストと似ていると確信が持てるだろう」。あなた自身の心の中のキリストが見えてくるのだから、そのキリストがあなたにそっくりであることは何の不思議もない。むしろ、心の中のキリストはあなた自身なのだと考えるべきである。あなたは同胞と自他一如であり、同時に、キリストやホーリー・スピリットとも自他一如なのだから。"for He is the changeless ~ "「なぜなら、キリストは、あなたの同胞の心の中、そしてあなたの心の中で、不変なのだからだ」。キリストが "changeless"「不変」だということは、実相的に真実であるということ。つまり、あなたと同胞の心の中には、実相的に不変な真実が存在していて、それこそが、あなた自身であり、同胞自身であるということである。あなたの真実の姿が、キリストが、あなたの目に見えるようになり、それが自分自身であると確信がもてるのだ。



6. This will you look upon when you decide there is not one appearance you would hold in place of what your brother really is. 

  • look upon : 「〜を見る」
  • decide [disáid] : 「〜を決心する、〜だと確信する、きっと〜だと思う」
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿、風貌」
  • in place of : 「〜の代わりに、〜の代理で」

❖ "This will you look upon ~ "「あなたが〜したとき、あなたにはこれが見えてくる」。"when you decide ~ "「あなたの同胞の実相的な姿に代えて、あなたが見たいと思う見掛けなど一つも存在しないと、あなたが確信したとき、」あなたには、このキリストの姿が見えてくる。あなたが同胞に対して、実相的な真実の姿に代わるような幻想的な偽りの見掛けなど存在しないのだと確信が持てたとき、キリストの姿が立ち現れてくるのである。



Let no temptation to prefer a dream allow uncertainty to enter here. 

  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • allow [əláu] : 「許す、許可する」
  • uncertainty [ʌnsə́ːrtnti] : 「不確実なこと、当てにならないこと」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」

❖ "Let no temptation ~ " ここの"allow"が原形になっているのは "prefer that a dream should allow ~ "という形の"that"と"should"が省略されていると思えばいい、「夢が、不確実なことがここに入り込むのを許した方がいいと思うような誘惑に駆られないようにしなさい」。やっと実相的な真実の姿であるキリストが見えてきたというのに、ややもすれば、その場に、変化流動する不確実な幻想(夢)が入り込んできて、キリストという真実を曖昧にしてしまいたい誘惑に駆られそうになるか知れないが、その誘惑に負けてはいけない。ひとたび掴んだ真実を手放してはいけないし、そこに虚偽を紛れ込ませてもいけない。夢の世界に戻りたいという誘惑に負けてはいけない。



Be not made guilty and afraid when you are tempted by a dream of what he is. 

  • guilty [ɡílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した、罪の意識がある」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • tempt [témpt] : 「〜を誘惑する、〜を唆す」

❖ ここは後ろから解釈して、"when you are tempted ~ "「あなたが、同胞の姿の夢によって誘惑されるとき、」ここの"what he is"は「同胞であるところのもの、同胞がどんな姿であるかというもの」、つまり、「同胞の姿」という意味合いになる。その同胞の姿に関して、幻想を抱きたいと思うとき、つまりその思いに誘惑されるとき(when you are tempted by a dream of what he is)、"Be not made guilty ~ "「罪の意識を抱いたり、恐れを抱いたりしてはいけない」。夢の誘惑に負けて幻想に逆戻りしてしまえば、再び幻想の罪の意識や恐れを抱くことになるので、そうしてはいけない。その誘惑に負けてはいけない。



But do not give it power to replace the changeless in him in your sight of him. 

  • replace [ripléis] : 「〜を取り替える、〜を交換する」
  • sight [sáit] : 「視野、視界、景色、眺め、視力、視覚」

❖ 誘惑に負けたとしても、"But do not give it ~ "「しかし、夢に対して、あなたの視野の中の同胞の不変性を置き換えてしまうようなパワーを与えてはいけない」。誘惑に負けて夢の中に舞い戻ってしまえば、あなたは、あなたの同胞を幻想という視野の中で見てしまう。しかしそうであっても、同胞の心の中にある不変性、つまり、実相的な真実の存在であるキリストやホーリー・スピリットを夢が追い払ってしまうことがないように、夢にそんなパワーを与えないように気を付けなくてはいけない。この幻想世界で生きていても、幻想の奴隷となってはいけないのだ。幻想の偶像に、実相の真実を払拭してしまうようなパワーを与えてはいけない。



There is no false appearance but will fade, if you request a miracle instead. 

  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、うその、虚偽の」
  • fade [féid] : 「消えていく、弱まる、薄くなる、薄れる、あせる」
  • request [rikwést] : 「〜を依頼する、〜を要請する」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」

❖ "There is no false appearance ~ "「もしあなたが、夢に代えて奇跡を求めるなら、誤った見掛けは消えて存在しなくなってしまう」。夢を夢として認識し、受け入れ受け流すという赦しの奇跡を求めれば、幻想は消滅し、間違いだらけの見掛けも同時に消滅してしまう。あなたは実相に目覚め、真実を見ることが出来る。



There is no pain from which he is not free, if you would have him be but what he is. 

  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛」

❖ "There is no pain from ~ "「もしあなたが、同胞を、本来の同胞自身にしてあげたいと思うなら、同胞が自由になれないような痛みなど存在しなくなる」。ここの"what he is"「本来の同胞自身」とは、同胞の実相的な真実の姿、ということ。あなたが同胞を苦や痛みなどという幻想から解放してあげて、本来の実相的な真実の姿に戻してあげたいと望むなら、その願いは、赦しという奇跡のパワーによって叶うのであって、結果、同胞は幻想の痛み、苦しみ、不幸から完全に救われるのである。



Why should you fear to see the Christ in him? You but behold yourself in what you see. As he is healed are you made free of guilt, for his appearance is your own to you.

  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」

❖ "Why should you fear ~ "「なぜあなたは、同胞の心の中のキリストを目撃することを恐れなくてはならないのか」。同胞の真実の姿を見ることは、喜びに繋(つな)がることはあっても、決して恐れに繋がることはない。"You but behold yourself ~ "「あなたは、あなたが見るものの中に、あなた自身を見るのだ」。あなたが、同胞の心の中に真実のキリストを目撃出来たとき、あなたはそのキリストが、実はあなた自身であることに気が付く。あなたと同胞は自他一如であって、あなたは同胞の姿にあなた自身を見ているのだ。あなたの目に、同胞がキリストと映ったなら、あなた自身がキリストなのである。"As he is healed ~ "「同胞がヒーリングされるとき、」つまり、幻想から実相に目覚めるとき、"are you made ~ "「あなたは、罪の意識から解放される」。あなたも実相に目覚め、罪という幻想から自由になれるのだ。"for his appearance ~ "「なぜなら、同胞の見掛けは、あなたにとって、あなた自身の見掛けであるからだ」。
 
 
 


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