III. The Self-Accused
自分を責める者
1. Only the self-accused condemn. As you prepare to make a choice that will result in different outcomes, there is first one thing that must be overlearned.
- accuse [əkjúːz] : 「〜に責任を問う、〜を責める、〜を非難する」
- condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
- prepare [pripέər] : 「〜を準備する、用意する、支度する」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- make a choice : 「選択する、選んで取る、よって取る」
- result [rizʌ́lt] in : 「〜をもたらす、〜に終わる」
- different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
- outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
- first [fə́ːrst] : 「第一の、一番目の」
- overlearn : 「必要以上に学習する」
❖ "Only the self-accused ~ "「自分を責める者だけが、(他者を)非難する」。ここは、方向を逆に考えて、他者を非難する者は、実は、自分を責めているのだ、ということ。非難とは、ここでは、他者の罪を攻撃すること、他者の罪に対して有罪を宣言すること、と捉えていいだろう。"As you prepare ~ "「あなたが、異なった結果に結実する選択をする準備をなすには、」"there is first one ~ "「まず第一に、何度も学び返さねばならない一つのことがある」。エゴの思考システムではなく、ホーリー・スピリットの思考システムを選択して、異なった結果を結実させるには、あるいは、幻想を捨てて実相を選択し、真実を手に入れるには、その準備として、いつも繰り返し学び直さなくてはならないことがある。いわば、心構えであり、基本姿勢である。それを、まず第一に、常に念頭に置かなくてはならない。
It must become a habit of response so typical of everything you do that it becomes your first response to all temptation, and to every situation that occurs.
- become [bikʌ́m] : 「 〜になる」
- habit [hǽbit] : 「習慣、癖」
- response [rispάns] : 「反応、反響、返答、回答、返報」
- typical [típikəl] : 「典型的な、代表的な、標準的な、特有な、独特の」
- temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
- situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、情勢、事態、状態、立場」
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "It must become ~ "意訳する、「それは、あなたがなすすべてのことの典型的な反応として習慣化されねばならず、その結果、起こることのあらゆる状況やあらゆる試みに対しての、あなたの最初の反応となるのである」。つまり、いつでもどこでも、心構えや基本姿勢がぐらついたりしないように、習慣化された反応になるまで、それを学び取らなくてはならない、ということ。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの思考システムに準じて、いつでも思考し、行動出来るようにしなさい、ということだ。
Learn this, and learn it well, for it is here delay of happiness is shortened by a span of time you cannot realize.
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、〜であると分かる」
- delay [diléi] : 「遅れていること、遅延」
- happiness [hǽpinis] : 「幸福、喜び、幸せ」
- shorten [ʃɔ́ːrtn] : 「短くする、短縮する、縮める」
- span [spǽn] of : 「〜の長さ」
- realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
❖ "Learn this, and learn ~ "「これを、よくよく学びなさい」。"for it is here delay ~ "意訳する、「なぜなら、こうすることで、あなたには実感出来ないかも知れないが、幸せ実現のための時間的遅れが短縮されるからだ」。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの思考システムに準じて生きることが、実相的な幸せを実現する最短の道なのだ、とうこと。闇の幻想世界を彷徨(さまよ)って、時間を無駄にする必要はない。あなたには実感出来ないかもしれないが、ホーリー・スピリットの導きに従って旅をすることが、最短最善の方法なのだ。
You never hate your brother for his sins, but only for your own.
- hate [héit] : 「 〜を憎む、〜をひどく嫌う」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
❖ "You never hate your ~ "「あなたは、同胞に罪があるから同胞を嫌っているのではなく、ただ、あなた自身に罪があるから同胞を嫌っているのだ」。同胞に罪があるから、あなたは同胞を憎悪し、攻撃しているのではない。あなた自身に罪があると認めている、その心が、あなたを他者への攻撃へと向かわせているのだ。あなたと同胞は、この幻想世界で分離しているとは言え、自他一如である事実には変わりない。つまり、同胞は、鏡に写ったあなた自身なのだ。鏡の中の同胞に罪があると認めることは、あなた自身に罪があると認めていることなのである。
Whatever form his sins appear to take, it but obscures the fact that you believe them to be yours, and therefore meriting a "just" attack.
- whatever [hwʌtévər] : 「 〜するのは何でも」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
- appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる、〜らしい」
- obscure [əbskjúər] : 「〜を暗くする、覆い隠す、〜を曖昧にする」
- fact [fǽkt] : 「事実、真相、現実、実際」
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
- merit [mérət] : 「〜に値する」
- just [dʒʌ́st] : 「正しい、公正な、当然の」
- attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
❖ "Whatever form his sins ~ "「同胞の罪が、どんな形をとって表れるにしても、」"it but obscures ~ "「単に、罪はあなたの罪であると信じている事実を曖昧にしているだけで、」"and therefore meriting ~ "「したがって、『正当な』攻撃に値すると思っているだけなのだ」。どんな理由で同胞を憎み、攻撃しようとも、そして、どんなに攻撃が正当だと主張しても、憎悪と攻撃の根本原因は、あなた自身に罪があると信じている事実なのだ。逆に言えば、あなた自身が、自分には罪がないと信じることが出来れば、他者への憎悪や攻撃という幻想は消滅してしまうのである。実相的な赦しの基本である。
2. Why should his sins be sins, if you did not believe they could not be forgiven in you?
- forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
- forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
❖ "Why should his sins ~ "「もし〜なら、なぜ、同胞の罪は、罪であらねばならないのか」。"if you did not ~ "「もしあなたが、あなたの心の中で同胞は赦されることが不可能だと信じていないなら、」なぜ、同胞の罪は、罪であらねばならないのか。ここは、二重否定になっているので意味がはっきりしないのだが、肯定的な表現に書き換えると、「もしあなたが、心の中で同胞は赦され得ると信じることが出来れば、同胞の罪は罪ではなくなってしまうではないか」ということ。同胞に罪があるように見えることは幻想であって、あなたがその幻想性をはっきり認識し、受け入れ受け流して赦すことが出来れば、幻想の罪は消滅してしまう。それは同時に、あなた自身の罪の意識の消滅を意味するのである。
Why are they real in him, if you did not believe that they are your reality?
- real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
- reality [riǽləti] : 「現実、現実のこと、現実性」
❖ "Why are they real ~ "「もしあなたが、罪があなたの現実だと信じていないなら、どうして、罪は同胞の心の中に実在するだろうか」。あなたの心の中に罪など実在していないと信じることが出来れば、同時に、同胞の心の中にも罪は実在することは不可能なのだ。ありもしない罪を現実化させているのは、罪の存在を信じている想念である。
And why do you attack them everywhere except you hate yourself?
- attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
- except [iksépt] : 「ただし、〜ということを除いて」
- hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
❖ "And why do you ~ "「あなたがあなた自身を嫌っていないなら、どうしてあなたは、同胞を至るところで攻撃することがあるだろうか」。あなたがあなた自身を憎悪しているからこそ、何かにつけて、あなたは同胞を攻撃してしまう。同胞を攻撃するとは、あなた自身の罪を攻撃していることなのである。
Are you a sin? You answer "yes" whenever you attack, for by attack do you assert that you are guilty, and must give as you deserve.
- answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
- whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも」
- assert [əsə́ːrt] : 「断言する、言い張る、強く主張する」
- guilty [ɡílti] : 「有罪の、犯罪的な、罪を犯した」
- deserve [dizə́ːrv] : 「 〜を受けるに値する、〜にふさわしい」
❖ "Are you ~ "「あなたは罪なのか」。"You answer ~ "「あなたが(同胞を)攻撃するときは常に、あなたは『その通り、(私は罪だ)』と答えていることになる」。"for by attack ~ "「なぜなら、攻撃することによって、あなたは、(自分には)罪があると断言しているのであり、」"and must give ~ "意訳する、「あなたが受けるに値するものを、あなたは自分に与えねばならないからだ」。あなたが他者を攻撃するときは、あなた自身に罪が有り、攻撃に値すると思うから、その攻撃を自分に与えようとして、表面的には逆方向に、つまり、同胞へ攻撃の目を向けているのである。
And what can you deserve but what you are? If you did not believe that you deserved attack, it never would occur to you to give attack to anyone at all.
- occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "And what can you ~ "「本当のあなた自身以外に、あなたは何に値するだろうか」。あなたが、本当の自分はこうなのだ、と信じていることだけを、自分はそれに値すると信じて、あなたは自分に与えるのであり、したがって、それを他者に与えてしまうのだ。"If you did not ~ "「もしあなたが、あなたは攻撃に値しないと信じていないなら、」あなたには攻撃に値する罪などないと信じているなら、"it never would occur ~ "「誰に対しても一切、攻撃を与えるようなことは、あなたに起きることはないだろう」。自分には攻撃に値する罪がないのだと信じることが出来れば、あなたは誰も攻撃することはないのだ。その必要がないからだ。
Why should you? What would be the gain to you? What could the outcome be that you would want? And how could murder you benefit?
- gain [ɡéin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
- outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
- murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
- bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
- benefit [bénəfit] : 「〜の利益になる、〜のためになる」
❖ "Why should ~ "「なぜ、あなたは攻撃しなくてはならないのか」。"What would be ~ "「あなたに何の得があるのか」。"What could the outcome ~ "「あなたの望む何が結果するのか」。"And how could ~ "「どうすれば、殺人はあなたに利益をもたらすと言うのか」。他者を攻撃することは、あなたが自分を攻撃することであって、何の得もない。何の、真実の結果も生み出しはしない。攻撃はまさに殺人であって、殺人は何の利益も生み出しはしないのだ。