●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-31.III.5:1 ~ T-31.III.6:6


5. The mind that thinks it is a sin has but one purpose; that the body be the source of sin, to keep it in the prison house it chose and guards and holds itself at bay, a sleeping prisoner to the snarling dogs of hate and evil, sickness and attack; of pain and age, of grief and suffering. 

  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
  • keep [kíːp] : 「〜を持ち続ける、保持する」
  • prison [prízn] : 「刑務所、拘置所、監獄、監禁、禁錮、幽閉」
  • prison house : 「獄舎」
  • chose [tʃóuz] : 「chooseの過去形」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • guard [ɡάːrd] : 「守る、保護する、見張る、監視する」
  • hold [hóuld] : 「縛り付ける、とどめておく、拘束する」
  • bay [béi] : 「追い詰められた状態、窮地」
  • at bay : 「追い詰められて」
  • hold at bay : 「寄せ付けない、くぎ付けにする」
  • prisoner [prízənər] : 「囚人、捕虜」
  • snarl [snάːrl] : 「うなる、とげとげしく言う、怒鳴る、罵る」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • evil [íːvəl] : 「悪、不正、不道徳」
  • sickness [síknis] : 「病気」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛 、苦痛、骨折り」
  • age [éidʒ] : 「年齢、年、高齢、老齢、寿命」
  • grief [ɡríːf] : 「悲しみ、嘆き、苦悩」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」

❖ "The mind that thinks ~ "「自らを罪だと思っている心は、ただ一つの目的をもっている」。"that the body be the source ~ "「それは、肉体を罪の源であるとし、」"to keep it in the prison ~ "「心が選んだ牢獄(肉体)に心を閉じこめ、監視し、心自体を窮地に追い込み、」"a sleeping prisoner ~ "「病や攻撃、痛みや加齢、悲しみや苦痛、そして、憎しみや悪意の犬が吠え立てても眠り続ける囚人に仕立て上げることなのだ」。肉体は、罪の住まう館という形をとった、神の子の分離の象徴である。つまり、病や攻撃、痛み、加齢、悲しみ、苦痛、憎しみ、悪意、等々の幻想を実在する現実だと思い込み、その原因が自らの罪にあるのだと信じ込んで、肉体を罪と分離の偶像に祭り上げられているのだ。正しい心は、それは幻想に過ぎないのだと訴えようとしているのだが、その心を肉体という牢獄に閉じこめ、その声を遮断し、あたかも薬物によって眠りこけたような状態を強制しているのだ。苦と痛みがどんなに吠え立てようとも、眠りこけた心は目を覚まそうとしない。エゴが肉体に求めた目的は、まんまと叶えられている。



Here are the thoughts of sacrifice preserved, for here guilt rules, and orders that the world be like itself; a place where nothing can find mercy, nor survive the ravages of fear except in murder and in death. 

  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え、見解」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、犠牲にすること」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、守る、順守する」
  • guilt [ɡílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る」
  • order [ɔ́ːrdər] : 「指図する、命令する」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、地域、土地」
  • find [fáind] : 「見つける、探し出す、発見する、見いだす」
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け、深い心、優しい心根」
  • survive [sərváiv] : 「切り抜けて生き残る、乗り切る」
  • ravage [rǽvidʒ] : 「破壊、損害、惨害、痛ましいほどの被害」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、謀殺」
  • death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」

❖ "Here are the thoughts ~ "「ここに、犠牲という考えが保存される」。肉体は罪であり、苦と苦痛に値するという考えが、そのまま犠牲という考えを正当化する。"for here guilt ~ "「なぜなら、この肉体にあっては、罪が支配し、この世界もまた肉体自体と同じようであらねばならないと命じているからだ」。罪という幻想を象徴する形で肉体は偽創造され、同時に、この世界も幻想として偽創造された。つまり、罪を囲い込んだ肉体が、その活動の場所として、この現象界を与えられたのだ。夢の世界に、亡霊のような肉体が動き回るのである。"a place where nothing ~ "「この世界では、いかなる慈悲も探し出すことは出来ず、人殺しと死以外に、破壊的な恐怖から生き延びることは出来ない」。"except in murder and in death"「人殺しと死以外に」、とあるが、ここは、「破壊的な恐怖から生き延びることは出来きず、すべては人殺しと死に結果する」という意味合いである。肉体同様、この世界も苦と痛みの世界であり、変化流動する幻想世界は、破壊と死に帰結する。夢は死で終わるのだ。



For here are you made sin, and sin cannot abide the joyous and the free, for they are enemies which sin must kill. 

  • abide [əbáid] : 「我慢する、辛抱する、居住する」
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた、楽しい、楽しげな」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」

❖ "For here are you ~ "「なぜなら、この世界では、あなたは罪有りとされているからであり、」"and sin cannot abide ~ "「罪は、喜びに満ちることや自由であることを容赦出来ないからだ」。だから、この世界に慈悲はない。喜びや自由という実相的真実を、幻想は極力嫌悪するからだ。"for they are enemies ~ "「なぜなら、喜びや自由は、それを殺さねばならない罪の敵だからだ」。幻想の罪は、幻想として生き延びるために、実相の真実を抹殺する。喜びも自由も、もちろん、愛も慈悲も、幻想の罪は抹殺し続けるのである。



In death is sin preserved, and those who think that they are sin must die for what they think they are.

  • die for : 「〜のために死ぬ」

❖ "In death is sin ~ "「罪は、死の中に保持される」。罪の終着駅は、死以外にない。幻想の行き着く先は崩壊と死なのだ。"and those who think ~ "「罪あると思っている人達は、(死に値する罪を背負っていると)思っているから、死ぬのである」。罪があり、罪は死によって贖(あがな)われなければならないと信じる、その想念が、たとえ単なる幻想に過ぎないとは言え、現実化するのだ。夢の中の思いであっても、夢の中では、思いは現実化する。死は幻想に過ぎないが、幻想世界にあっては、死は現実となる。苦と痛みの果ての死である。むしろ、苦と痛みに耐えた褒賞(ほうしょう)が死だと言った方がいいだろうか。



6. Let us be glad that you will see what you believe, and that it has been given you to change what you believe. 

  • glad [ɡlǽd] : 「満足して、うれしく思う、嬉しい」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」

❖ "Let us be glad that ~ "「あなたが信じることを、あなたは目にするのだということを喜ぼう」。"and that it has been ~ "「あなたが信じているものを変えるために、それはあなたに既に与えられていることを喜ぼう」。罪や死という幻想を信じ込めば、その想念は現実化する。ならば、逆に、罪や死は幻想に過ぎないのだと認識し、罪も死も存在しないのだと信じるなら、それもまた、現実化するのだ。あなたは、無辜と無死が与えられるのである。しかも、無辜と無死は実相的な真実であって、実は既にあなたに与えられているものなのである。神は神の子をそのように創造したからだ。それに気付きさえすればいい。罪や死の幻想性を認識し、受け入れ受け流して赦すことが出来れば、幻想は自ずから消滅する。そして、あなたの目に、無辜と無死という真実の現実が見えてくるのだ。それが、救いであり、ヒーリングであり、奇跡なのである。



The body will but follow. It can never lead you where you would not be. 

  • follow [fάlou] : 「〜の後について行く、〜に従う、追随する」
  • lead [líːd] : 「案内する、先導する、指導する」

❖ "The body will ~ "「肉体は従うだけである」。肉体は、あなたに命じることは不可能だ。あなたが肉体を従わせるのである。"It can never lead ~ "「肉体は、あなたがそこにいたいと思わない場所にあなたを導くことなど決して出来ない」。あなたが苦と痛みのこの幻想世界にいたくないと思えば、肉体はあなたをその場に留め置くことは出来ない。肉体は、あなたの心を閉じこめている牢獄ではあるが、その場があなたの居場所ではないとあなたが強く意思出来れば、肉体はあなたを牢獄に留め置くことは出来ないのである。



It does not guard your sleep, nor interfere with your awakening. 

  • guard [ɡάːrd] : 「守る、保護する」
  • interfere [ìntərfíər] with : 「〜を妨げる、〜を邪魔する」
  • awakening [əwéikəniŋ] : 「覚醒、目覚め、気付くこと」

❖ "It does not guard ~ "「肉体は、あなたを眠らせたままにしておくことも、あなたの目覚めを邪魔することも出来ない」。あなたを眠らせたままにしておこうとするものも、目覚めを邪魔しようとするものも、あなたの肉体ではなく、その肉体を支配しているエゴである。あなたの倒錯した意思なのだ。その倒錯したエゴの意思を覆して、真実を求める意思をあなたが自覚出来さえすれば、あなたは、幻想という夢から目覚めることが出来るのである。ホーリー・スピリットの意思を、あなた自身の意思だと自覚すればいいのだ。



Release your body from imprisonment, and you will see no one as prisoner to what you have escaped. 

  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
  • imprisonment [impríznmənt] : 「投獄、拘禁、監禁、幽閉」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」

❖ "Release your body "Release your body ~ "「牢獄の身から、肉体を解放しなさい」。心が肉体という牢獄に閉じこめられているのではなかったかと思われただろうが、それはそうだが、肉体もまた、エゴの作った倒錯した意思という牢獄に閉じこめられている。その幻想から、肉体を解放しなさい。肉体が解放されれば、同時に心も解放される。"and you will see ~ "「そうすれば、あなたは誰も、あなたが逃れてきたところに投獄されていた囚人として見ることはないであろう」。あなたが肉体も、そして同時に心も、幻想から解放されれば、あなたの目に真実が見えてきて、あなたの同胞もまた、エゴや肉体に閉じこめられた囚人であるという姿は幻想であって、本当は、実相世界の中で自由の身なのだと理解出来るだろう。



You will not want to hold in guilt your chosen enemies, nor keep in chains, to the illusion of a changing love, the ones you think are friends.

  • guilt [ɡílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • chain [tʃéin] : 「鎖、チェーン、手枷、足枷、拘束、束縛」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」

❖ "You will not want ~ "「あなたは、あなたが敵として選んだ同胞を罪の中に押し留めて置くことはしないだろうし、あなたが友達だと思っている者達を、〜という幻想の鎖に縛りつけて置くこともしないだろう」。"to the illusion of ~ "「ころころ変わってばかりいる愛という幻想の」鎖に縛りつけて置くこともしないだろう。変化する愛は、憎悪という対極概念をもった幻想の愛である。偽りの愛だ。そんな幻想的な偽りの愛をもって友達だとか恋人だとかと思っている同胞を、その幻想的な愛の鎖から解放するのである。そのとき初めて、憎悪という対極概念をもたない真実の愛、純粋な愛、実相的な愛が見えてくる。それは、神の愛であり、ホーリー・スピリットの愛である。そして、それは同時に、神の子であるあなたの本当の愛なのだ。
 
 
 


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