7. The innocent release in gratitude for their release. And what they see upholds their freedom from imprisonment and death.
- innocent [ínəsənt] : 「無実の、潔白な、率直な、純真な、無邪気な」
- release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
- gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
- in gratitude for : 「〜に感謝して」
- release [rilíːs] : 「釈放、救出、解放」
- uphold [ʌphóuld] : 「〜を是認する、支持する、支える、維持する」
- freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
- imprisonment [impríznmənt] : 「投獄、拘禁、禁錮、懲役」
- death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
❖ "The innocent ~ "「無辜なる者は、解放されたことに感謝しながら、(他者をも)解放する」。心にあった罪の意識は、実は幻想だったのだと知ってそれを赦し、罪の意識から解放された者は、その解放をもたらしてくれた真実に感謝しながら、今度は、同胞を罪の意識から解放する。"And what they see ~ "「彼らが目にするものは、投獄と死から自由になったことを支持している」。「目にするものが、〜を支持する」とは、「〜である現実を目にする」ということ。つまり、心が、それを閉じこめていた肉体から解放され、幻想から自由になったために、幻想の死からさえ解放された事実を目撃するのである。
Open your mind to change, and there will be no ancient penalty exacted from your brother or yourself.
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの、古い、古びた」
- penalty [pénəlti] : 「刑罰、処罰、違約金、罰金、罰」
- exact [iɡzǽkt] : 「〜を要求する、〜を強要する、〜を必要とする」
❖ "Open your mind ~ "「変化を起こすために、あなたの心を開きなさい」。肉体に幽閉された状態から心の自由な状態へと変化させるために、まずは、心の目を開きなさい。心の目をもって、真実を見つめなさい。"and there will be ~ "「そうすれば、あなたの同胞やあなた自身に強要されていた昔の罰は、存在しなくなるだろう」。罪が幻想であると認識し、赦して、その幻想が消滅したのだから、昔からずっと強要されていた罪に対する罰もまた、同時に消滅するのだ。神を裏切ったという罪も幻想であるなら、神が神の子に報復するという、その罰への恐れも幻想である。あるいは、あなたがこの幻想世界で犯した数々の罪は、実は、夢の中の出来事であって、そんな悪夢から目覚めさせすれば、夢の中の罪は消滅する。同時に、夢の中で恐れていた罰も消えるのだ。
For God has said there is no sacrifice that can be asked; there is no sacrifice that can be made.
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、いけにえ」
❖ "For God has said ~ "「なぜなら、強要され得るような犠牲など存在しないと、神が言ったからである」。神の住む実相世界には犠牲という概念は存在しない。犠牲は真実ではないからだ。したがって、真実の神が、神の子に犠牲を強要するわけがない。犠牲という考えは、この幻想世界だけに存在する。つまり、犠牲とは夢の中の出来事に過ぎないのだ。本当は、犠牲など存在しない。つまり、"there is no sacrifice ~ "「なされ得るような犠牲など存在しない」。実相的に、犠牲はなされ得ない。そんなものは、その概念さえも、存在しないからだ。
IV. The Real Alternative
実相的な選択肢
1. There is a tendency to think the world can offer consolation and escape from problems that its purpose is to keep.
- tendency [téndənsi] : 「性向、傾向、意図、性質、特質」
- offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
- consolation [kὰnsəléiʃən] : 「慰めること、慰め、安らぎ、慰安」
- escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃げ道、逃避、回避」
- problem [prάbləm] : 「問題、課題、困難な状況」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
❖ "There is a tendency ~ "「〜であると考える傾向がある」。"the world can ~ "「この世界は、世界の目的が抱え込む問題からの脱出や慰めを差し出してくれる可能性がある」と考える傾向がある。"problems that its purpose is to keep"「この世界の目的が抱え込み、保持し続ける諸問題」とは、罪の意識に起因する数々の苦と痛みのことである。この世界の目的とは、神の子の分離を維持することであり、罪という幻想を維持することだ。その結果、神の子は他者を攻撃し、奪い、殺し、罪を抱き、恐れを抱き、痛みを感じ、苦を味わい、そして、崩壊と死へ向かう。ところが、そんな神の子は、尚のこと、痛みと苦からの開放策が、この幻想世界に存在していると錯覚している。人の上に立って人を支配し、金をため込み、富を蓄え、食と性の快楽の中に安住することで、痛みと苦から解放されると信じているのだ。
Why should this be? Because it is a place where choice among illusions seems to be the only choice. And you are in control of outcomes of your choosing.
- place [pléis] : 「場所、個所、住所、立場、境遇」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
- among [əmʌ́ŋ] : 「〜に囲まれた、〜の間の」
- illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
- in control of : 「〜を管理して、〜を支配して、〜を抑制して、〜の主導権を持って」
- outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "Why should this ~ "「なぜ、こんなことにならねばならないのか」。"Because it is a place ~ "「なぜなら、この世界こそが〜である場所だからだ」。"where choice among ~ "「幻想の中から選択するのが、唯一の選択だと思われている」場所だからだ。"And you are ~ "「そして、あなたが、あなたの選択による結果を支配していると思っているからだ」。この世界で、あなたが支配者になるか支配される者になるか、奪う者になるか奪われる者になるか、金持ちになるか貧乏人になるか、殺すか殺されるか、すべてはあなたの選択次第だと、あなたは考えている。勝利者になるか敗者になるか、勝馬になるか負け犬になるか、どっちにしても幻想に過ぎないにも関わらず、あなたの選択肢は、そんなケチな幻想の中にしか存在しないと考えているのである。そして、あなたが数々の幻想から自ら選択し、その結果を、自らの責任として支配出来るものと信じている。この世界での成功はあなたの努力の結果であり、失敗はあなたの責任であるとする。成功も失敗も幻想であり、単なる夢の中の出来事に過ぎないにも関わらず、夢の中の出来事の選択もその結果も、自分がコントロール出来るものだと信じているのである。
Thus you think, within the narrow band from birth to death, a little time is given you to use for you alone; a time when everyone conflicts with you, but you can choose which road will lead you out of conflict, and away from difficulties that concern you not.
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
- within [wiðín] : 「〜の中で、〜以内で」
- narrow [nǽrou] : 「限られた、狭い、薄い、小さい、少ない」
- band [bǽnd] : 「帯、バンド」
- birth [bə́ːrθ] : 「誕生、出生、生まれること」
- death [déθ] : 「死、死亡、破滅、消滅」
- given [gívn] : 「giveの過去分詞形」
- alone [əlóun] : 「独力で、単独で、独りで」
- conflict [kənflíkt] : 「対立する、矛盾する」
- lead [líːd] : 「案内する、先導する、連れて行く」
- conflict [kάnflikt] : 「争い、紛争、闘争、戦争、戦闘 」
- away from : 「〜から離れて」
- difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事、難儀、面倒なこと、問題」
- concern [kənsə́ːrn] : 「〜に関係する、〜と関係がある、〜を心配させる」
❖ "Thus you ~ "「あなたは、こう考えているのだ」。"within the narrow ~ "「生まれて死ぬまでの短い時間の中で、」"a little time is ~ "「わずかの時間は、あなたのためだけに、あなたに与えられており、」"a time when ~ "「それは、他者のすべてがあなたと対立する時間であると考えている」"but you can choose ~ "「しかし、関わりのない困難から離れて、対立から抜け出すようにあなたを導いてくれる道をあなたは選択出来るものだと考えている」。あなたがこの世に生まれ死んでいくまでのわずかの時間は、あなたに与えられた自由時間だと信じている。勝利者となるか敗者となるかの選択の自由も与えれているし、たとえ他者と対立しても、攻撃し殺すことで、他者との対立から抜け出す自由も与えれている。また、本来あなたが求めたものではなく無関係だと思っている苦と痛みから離れる道さえも、快楽や富みを手に入れることで、あなたは進むことが出来ると考えている。
Yet they are your concern. How, then, can you escape from them by leaving them behind?
- concern [kənsə́ːrn] : 「関心事、懸念、心配、不安」
- escape [iskéip] from : 「〜から逃避する」
- leave [líːv] : 「〜を残す、置きっぱなしにする」
- behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に」
❖ "Yet they are your ~ "「しかし、それらは、あなたに関わりがあるのだ」。苦と痛みは、あなたが求めたものではなく、あなたに無関係なものだと思っているだろうが、本当は、あなたの罪の意識が生み出した必然的な結果なのだ。"How, then, can ~ "「ならば、どうして、そんなものを後に残して、(苦と痛みから)逃れることが出来るだろうか」。あなたの罪の意識が生みだした苦と痛みをあなたの背後に隠したまま、見て見ぬ振りをして、苦と痛みから抜け出すことなど出来るだろうか。苦と痛みを一時的に麻痺させるような快楽と富よって、苦と痛みそのものも原因も消滅するはずはないのだ。
What must go with you, you will take with you whatever road you choose to walk along.
- go with : 「〜とともに進む、〜と一緒に行く」
- whatever [hwʌtévər] : 「どんなものが〜でも」
- walk along : 「歩く」
❖ "What must go ~ "「あなたと共に歩むに違いないものは、」あなたが携えて歩いて行かなくてはならないものは、"you will take with you ~ "「たとえあながどんな歩むべき道を選択したとしても、それと共に歩いていくのである」。あなたが苦と痛み、つまり、罪の意識をどんなに無視し、背後に隠しても、そして、たとえあなたが快楽と富の道を選択し、勝者への道を歩んで行こうと努力しても、罪の意識があなたの心に存在する限りは、苦と痛みはあなたについてくるのだ。この幻想世界で、その幻想から解放されない限り、あなたは苦と痛みの幻想から解放されることはない。どんなに巨大な支配力を得ようが、どんなに巨大な富を築こうが、どんなに快楽に溺れようが、成功者としてどんなに名声を馳せようが、それが単なる幻想である限りは、決して苦と痛みから解放されることはない。幻想を捨て、幻想に代わるものを得るまでは、あなたは、苦と痛みの短い時間を死に向かってひた走ることになる。