4. Such is the Holy Spirit's kind perception of specialness; His use of what you made, to heal instead of harm.
- kind [káind] : 「優しい、親切な、いたわる」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
- use [júːs] : 「使うこと、利用、使用、役立つこと、効用、用途、使途」
- heal [híːl] : 「治す、治癒する、治療する、癒やす、救う」
- instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
- harm [hάːrm] : 「害する、阻害する、〜に危害を加える」
❖ "Such is the Holy Spirit's ~ "「特別性に対するホーリー・スピリットの優しい知覚のし方は、そういうものである」。他者に罪を見つけ出し攻撃することで、自分が他者から分離し、他者よりも優位であると確認することが、特別性の目的である。しかし、ホーリー・スピリットは、その特別性に取り憑かれた者たちを断罪したりしない。優しく見守り、彼らが他者から孤絶した孤独者と知覚するのである。"His use of what ~ "「あなたが作り上げたものを、傷つけるためではなく、癒すために、ホーリー・スピリットは利用するのだ」。あなたが作り上げたものとは、ここではあなたの特別性であり、あるいは特別な関係性であり、幻想そのものである。ホーリー・スピリットは、その幻想の特別性を断罪して傷つけようとはしない。特別性や特別な関係性が単なる幻想に過ぎないと彼らに認識させ、過ちを赦し癒すのである。幻想からの目覚めのために、特別性や特別な関係性を有効に利用するのである。
To each He gives a special function in salvation he alone can fill; a part for only him.
- each [íːtʃ] : 「各々、それぞれ、めいめい」
- special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
- alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
- fill [fíl] : 「満たす、注入する」
- part [pάːrt] : 「担、役、役目、役割」
❖ "To each He gives ~ "「一人一人に対して、ホーリー・スピリットは、その人だけが満たすことの出来る救いという特別な役割、つまり、彼だけに特化した役割を与えるのだ」。幻想からの救いは、神の子全体が幻想から目覚めなくては完成されない。しかし、たった一人が神の子全体を救い出すことは物理的にも不可能であるから、彼の生活圏内で、すなわち、彼が関わりをもっている特別な関係性の中で、その相手を特化して、ホーリー・スピリットは、救いという役割を一人一人に割り振るのである。簡単に言えば、二人の間の特別な関係性において、AはBを救い、BはAを救う、CはDを救い、DはCを救う、という形になる。ホーリー・スピリットは、一人一人に、救う相手と救い方を割り振るのだ。したがって、この世で出会った特別な相手は、あなたが救い、あなたが救われるという、特別な縁を持った相手なのである。つまり、特別な関係性を、神聖な関係性へと質転換させる相手、その協力者なのだ。
Nor is the plan complete until he finds his special function, and fulfills the part assigned to him, to make himself complete within a world where incompletion rules.
- plan [plǽn] : 「計画、企画、予定」
- complete [kəmplíːt] : 「完結した、完成した、全部そろった、完全な」
- until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
- find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
- fulfill [fulfíl] : 「果たす、全うする、成就する、実行する」
- assign [əsáin] : 「〜を割り当てる、指定する、任命する」
- make [SVOC] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
- within [wiðín] : 「〜の中で、〜の内側で」
- incompletion [ìnkəmplíːʃən] : 「不完全、不十分、未完成」
- rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る」
❖ "Nor is the plan complete ~ "「彼が、〜するまでは、計画は完成されない」。一人一人が、〜するまでは、神の子全体の救いという計画は完成しない。"until he finds ~ "「不完全性が支配する世界の中で自分自身を完成させるために、彼が彼の特別な役割を見つけ出し、彼に割り振られた役割を成就するまでは、」計画は完成されない。"a world where incompletion rules"「不完全性が支配する世界」とは、もちろん、この幻想世界のこと。不完全な世界に生きるあなたであるが、不完全である特別な関係性の中で、あなたとパートナーが互いに救い救われるという特別な使命を成就したとき、不完全な関係性は完全である神聖な関係性へと質転換するのだ。幻想から救われたあなたとパートナーは、それによって自己を完成させ、救いは神の子全体に伝播、拡張されて行って、神の子全体の救いという計画が成就されるのである。
5. Here, where the laws of God do not prevail in perfect form, can he yet do one perfect thing and make one perfect choice.
- law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
- prevail [privéil] : 「広がる、広く行き渡る、流行する、普及する」
- perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
- form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、姿、体つき、外見」
- choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
❖ "Here, where the laws ~ "「ここ、神の法が完全な形では流布していない世界においてさえ、」"can he yet do one ~ "「人は、一つの完全な行いを成すことや、一つの完璧な選択をすることが出来るのである」。"one perfect thing"「一つの完全な行い」、"one perfect choice"「一つの完璧な選択」とは、赦し(forgiveness)、あるいは、救い(salvation)と考えていい。ACIMにおいては、赦しと救いは同義語である。
And by this act of special faithfulness to one perceived as other than himself, he learns the gift was given to himself, and so they must be one.
- act [ǽkt] : 「行為、活動、言動」
- special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
- faithfulness [féiθfəlnis] : 「忠実、誠実、信心深いこと」
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
- other than : 「〜以外の」
- learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる、悟る」
- gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
- given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "And by this act of ~ "「そして、自分以外の他者として知覚した者を特別に信頼するという行為を通して、」つまり、特別な関係性にある他者を本当に信頼し、本当に愛することで、"he learns the gift ~ "「彼は、贈り物が彼自身に与えられたのだと知ることになり、」"and so they ~ "「それによって、彼らは一体であるに違いないと学ぶのである」。本当に信頼し、愛する他者は、あなたに与えられた贈り物だと感じるのである。その関係性に神の意図を感じるのだ。その神の意図とは、赦しであり救いであると了解出来れば、二人は互いを赦し救うことで、実相世界に目覚めることが出来る。かくして、幻想を捨て、実相に目覚めた二人は、自分たちがもはや他人同士ではなく、単一の神の子であると知るのである。
Forgiveness is the only function meaningful in time. It is the means the Holy Spirit uses to translate specialness from sin into salvation.
- forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
- function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
- meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- translate [trænsléit] : 「解釈する、〜を翻訳する、訳す」
- specialness [spéʃəlnis] : 「特別であること、特別性」
- sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "Forgiveness is the only ~ "「赦しは、時間という枠組みの中にあって、唯一の意味ある役割である」。赦しは、時間の存在する幻想世界にあって、唯一実相的に意味ある、ということ。救いも然りである。"It is the means the Holy Spirit ~ "「赦しは、ホーリー・スピリットが、特別性を罪から救いへと解釈するために用いる手段である」。特別な関係性の中にあって、互いに罪を見つけ合い攻撃し合うという構図の中で、ホーリー・スピリットは、その罪が幻想であると教え、罪の赦しという手段を通して、救いをもたらすのである。かくして、特別な関係性は、神聖な関係性へと質転換、再解釈されるのである。
Forgiveness is for all. But when it rests on all it is complete, and every function of this world completed with it.
- rest [rést] : 「ある、置かれている、休む、休息する」
- complete [kəmplíːt] : 「完結した、完成した、全部そろった、完全な」
❖ "Forgiveness is ~ "「赦しは、すべての者のためにある」。"But when it rests ~ "「しかし、赦しがすべての者の上に宿ったとき、赦しは完成され、」"and every function ~ "「この世界における役割のすべてが、それと共に、完了するのである」。あなたとパートナーだけが赦され救われるだけでは道半ばである。すべての同胞、すべての神の子が赦され救われたとき、赦しと救いの役割は完了するのだ。
Then is time no more. Yet while in time, there is still much to do.
- no more : 「もはや〜しない」
- while [hwáil] : 「の間ずっと、〜する間に、その間に」
❖ "Then is time ~ "「その時、もはや時間は存在しない」。幻想の時間という役割も終了するのだ。なぜなら、神の子すべてが幻想を捨てて実相に目覚めれば、時間を含めて、幻想のすべては消滅するからだ。"Yet while in time ~ "「しかし、時間という枠組みにあっては、まだまだ、やることはいっぱいある」。赦し赦され、救い救われ、幻想を捨て実相に目覚め、神の子全体が、天の王国への回帰の旅を成就しなくてはならない。やることは沢山ある。
And each must do what is allotted him, for on his part does all the plan depend.
- allot [əlɑ́t] : 「〜を割り振る、充てる、割り当てる」
- part [pάːrt] : 「分担、役、役目、役割」
- plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、意向」
- depend [dipénd] on : 「〜に頼る、〜を当てにする、〜によって決まる、〜次第である」
❖ "And each must do ~ "「そして、一人一人が、割り当てられたことをなしていかなくてはならないのだ」。"for on his part does ~ "「なぜなら、計画のすべては、彼の役割に依存しているからだ」。神の子全体が救われるという計画にとって、あなた一人が欠けても、あなた一人だけが参加しても、共に計画の完成はない。すべての神の子が、同時にとまでは言えなくとも、余すことなく救われる必要があるのだ。なぜなら、神の子は単一であり、神の子全体の再統一、再融合が必要だからだ。
He has a special part in time for so he chose, and choosing it, he made it for himself.
- chose [tʃóuz] : 「choose の過去形」
- choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
❖ "He has a special part ~ "「彼は、時間という枠組みの中で、自分でそう選んだがゆえに、その特別な役割をもっている」。あなたは、特別な関係性の中で、あなたのパートナーの罪を赦し幻想から救い出すという特別な役割を持っているのだが、そのパートナーはあなたが選んだのであり、役割を成就するという使命も自ら選択したものなのだ。"and choosing it, he ~ "「そして、それを選ぶことで、彼は彼自身のためにそれを自分の特別な役割にしたのである」。選択するという意思を示すことで、特別な役割を自分のためのこととして受け入れたのだ。深読みになるが、仏教的な視点に立って見れば、この選択と決断は、この世界に生を受ける前に、今生(こんじょう)における生きる目的として、選択決断されたものと考えていいだろう。運命論的な言い方をすれば、すでにそのとき、関係性を結ぶパートナーも決定されていたに違いない。そう考えると、我々の人生は、壮大なドラマの膨大なシナリオにすべて組み込まれて存在するものなのかもしれないのだ。
His wish was not denied but changed in form, to let it serve his brother and himself, and thus become a means to save instead of lose.
- wish [wíʃ] : 「願い、望みの物、願望、希望」
- deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
- thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして、こんなふうに」
- become [bikʌ́m] : 「〜になる」
- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- save [séiv] : 「救う、助ける」
- instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
- lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "His wish was not ~ "「彼の望みは、否定されれたのではなく、形を変えさせられたのだ」。当初、特別な関係性を築いたときは、互いの罪と恐れを舐め合って孤独を癒す目的であったかもしれないが、今、その関係性そのものを否定されたのではない。特別な関係性を、その目的を変えることで、神聖な関係性に変わることが求められたのだ。"to let it serve his ~ "「それは、彼の望みが同胞や彼自身のために役立つようにするために変えられたのであり、」"and thus become ~ "「そして、彼の望みが、(目的を)失う代わりに救う(という目的の)手段になるために変えられたのだ」。罪を責め、攻撃するという行為から、罪を幻想と見定め、罪を赦し救うという目的に変化したのである。つまり、エゴの思考システムからホーリー・スピリットの思考システムへの大転換なのだ。まさに、自己革命である。ACIMはそれを求めている。それは神の望みであり、意思でもあるのだ。