●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-3.IV.6:1 ~ T-3.IV.6:10

6. The ability to perceive made the body possible, because you must perceive something and with something.
  • ability [əbíləti] : 「能力、才能」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
❖ "The ability to ~ "「知覚する能力が肉体を存在させた」。"made the body possible" この部分は、「肉体を可能にした」ということだから、肉体を存在させたと解釈していいだろう。"because you ~ "「なぜならば、あなたは何かを、何かによって知覚しなくてはならないからだ」。『何かを』は『幻想を』、『何かで』は『肉体の目で』、あるいは『肉体の耳で』。神の子が自らでっち上げた幻想をリアルな現実として知覚し、自らを騙すために、肉体的な感覚器官を作ったのだ。



That is why perception involves an exchange or translation, which knowledge does not need.

  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、必要とする」
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「換えること、交換」
  • translation [trænsléiʃən] : 「翻訳、通訳、言い換え、解釈、変形、転換」
❖ "That is why ~ "「それは、なぜ知覚が交換や解釈を含むかの理由である」。たとえば、目(視力)によって物を見る場合、光が物に当り、その光の反射を目の網膜がとらえ、電気信号に変え、脳に信号を送り、信号を情報処理して解釈する、という一連の流れがある。物が物を知覚するには光や音などを交換し(情報のやりとりをし)、脳によって情報を解釈するなど、"exchange"や"translation"がかかわってくる。したがって、世の哲学者は、物を全的に 直接認識することは出来ないという不可知論を主張する。"which knowledge ~ "「叡智は交換も解釈も必要としない」。叡智は『直覚』である。何の媒介物も必要とせず、直接認識するものである。仏教の『般若』や『悟り』はこの領域に属する。この領域は、非物質、非時空間の領域であるので、叡智が交換や解釈を必要としないのは極自然なことだ。



The interpretative function of perception, a distorted form of creation, then permits you to interpret the body as yourself in an attempt to escape from the conflict you have induced.
  • interpretative [intə́ːrprətèitiv] = interpretive [intə́ːrprətiv] : 「解釈的な、説明の」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、作用、働き、効用、職務、役割」
  • distort [distɔ́ːrt] : 「歪める、誤り伝える、歪曲する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
  • permit [pərmít] : 「許可する、許す、認める、容認する」
  • interpret [intə́ːrprət] : 「解釈する、解明する、説明する」
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
  • in an attempt to : 「〜しようとして、〜しようと企てて」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける、免れる」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「不一致、衝突、対立、論争、摩擦、葛藤、軋轢」
  • induce [indjúːs] : 「 〜を生じさせる、引き起こす、誘発する 」
❖ "The interpretative function ~ "「知覚のもっている解釈をするという機能は、それは創造の歪んだ形なのだが、あなたに肉体が自分自身であると解釈することを許している」。"in an attempt ~ "「あなたが引き起こした衝突から逃れるために」。我々が自ら招いた衝突、葛藤とは、たとえば、自分は精神か肉体かという問題、あるいは我々の現実は幻想か否か、という問題など。我々は自分の肉体的な知覚を信じてしまう。目に見え、手で触れるこの肉体が真の実在で、この世界は幻想でも夢でもなく、確かな実在なのだと信じてしまう。そう解釈せざるを得ないのだ。そう解釈することで、一応の安定を得ることが出来る。もし、この解釈が永遠に安定的に続くならば、その解釈自体は真実であり創造であると言えるだろう。しかし、永遠には続かない。なぜなら、肉体自体は滅びてしまうし、世界は変容するからだ。したがって、その解釈は真実ではなく、真の創造でもない。偽りである。対して、叡智には解釈がない。叡智は、滅びゆく肉体が永遠ではないがゆえに真の実在だとは思わない。叡智は対立概念をもたないから衝突も葛藤もない。なお、叡智の機能を考えれば、対比的に、おのずと知覚のもつ解釈するという機能が見えてくる。



Spirit, which knows, could not be reconciled with this loss of power, because it is incapable of darkness.
  • reconcile [rékənsàil] : 「調和させる、調整する、一致させる」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」
  • be incapable of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
❖ "Spirit, which knows ~ "「スピリットは、(それは叡智の機能をもって)知っているのだが、このようなパワーをロスするようなことと調和することは出来ない」。知覚の解釈機能をパワーのロスだと言っている。スピリットはそんなことはしない。"because it is ~ "意訳する、「なぜなら、スピリットは闇を容認出来ないからだ」。ありもしない現象をありもしない知覚で捉え、ありもしない頭脳で解釈することなど、スピリットにとっては闇も同然である。スピリットは闇を許容しない。闇とは光のない状態、つまり単なる空(くう)である。
たとえて言えば、あなたは夜見る夢の中で、目の前に広がる現象を夢の中の目で捉え、夢の中の頭脳で解釈しているようなものなのだ。朝夢から覚めたあなたは、はたして、夜見た夢を現実と捉えるだろうか? 夢を見ていた知覚を実在だと考えるだろうか? 夢の中の頭脳の解釈を信じるだろうか? そもそも、夢の中に登場するあなたの肉体が実在すると思うだろうか? 



This makes spirit almost inaccessible to the mind and entirely inaccessible to the body.
  • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分通り、大体」
  • inaccessible [ìnəksésəbl] : 「近づき難い、手の届かない」
  • entirely [entáiərli] : 「全く、完全に、全体に、ひたすら、もっぱら」
❖ "This makes ~ "「このことが、スピリットにとって心はほとんど手の届かないものとしているし、肉体も完全に手の届かないものにしている」。幻想を信じる心と真実を知るスピリットはほぼ断絶し、肉体とスピリットは完全に断絶している。知覚が邪魔をしているのだ。



Thereafter, spirit is perceived as a threat, because light abolishes darkness merely by showing you it is not there. Truth will always overcome error in this way.
  • thereafter [ðὲərǽfər] : 「それ以来、その後」
  • threat [θrét] : 「脅迫、脅威、脅かすもの、脅し、危険な存在 」
  • abolish [əbɑ́li] : 「〜を廃止する、撤廃する、廃する」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • overcome [òuvərkʌ́m] : 「克服する、乗り越える、打開する、打ち勝つ」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
❖ "Thereafter, spirit ~ "「それ以来、スピリットは脅威として知覚される」。"because light ~ "「なぜなら、光はあなたに闇などそこにはないと示すことで、闇をかき消してしまうからだ」。光が闇を払拭してくれるのだから、一見、スピリットは脅威に感じられないかもしれないが、我々はその闇に長年住み慣れていて、闇が実在だと信じているから、その常識を光が破れば、やはり、スピリットを脅威と感じるのだ。映画館で映画を見ているとしよう。暗い空間のスクリーンに映し出された映像が現実のように感じる。しかし、もし突然、館内の照明を明々とともしたらどうなるか? スクリーンに映し出されていた映像は照明にかき消されてしまうだろう。現実だと思っていた光景が突然消滅したら、これは脅威だろう。"Truth will always ~ "「真実はこのように常に誤りに打ち勝つであろう」。光が闇を払拭するように、真実は常に虚偽に打ち勝つ。



This cannot be an active process of correction because, as I have already emphasized, knowledge does not do anything.
  • active [ǽktiv] : 「活動的な、活発な、機敏な、生き生きとした」
  • process [prɑ́ːses] : 「程、進行、経過、工程」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、訂正個所、矯正、修正、是正」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • emphasize [émfəsàiz] : 「〜を強調する、重要視する、重視する、力説する」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見、情報、事実」
❖ "This cannot be ~ "「これは積極的な修正過程とは言い難い」"because, as I ~ "「なぜなら、私が強調してきたように、叡智は何もなさないからである」。初めの"This"は、光が闇を払拭するように真実が誤りに打ち勝つこと。しかし、これは積極的な修正過程ではない、と言っている。理由は、叡智は何もしないからだと。前文との整合性が欠けいて、意味不明である。
我々が今ここで精読しているACIMのは1975年版の"Wapnick Standard Version (WSV)"であるが、WSVより古い"Hugh Lynn Cayce version (HLC)"がある。Hugh Lynn Cayce が編集したもので、WSVより内容が原形をとどめていると言われている。2つを比較してみよう。

[Wapnick Standard Version (WSV)]
Thereafter, spirit is perceived as a threat, because light abolishes darkness merely by showing you it is not there. Truth will always overcome error in this way. This cannot be an active process of correction because, as I have already emphasized, knowledge does not do anything.

[Hugh Lynn Cayce Text (HLC)]
Thereafter, the superconscious was perceived as a threat, because light does abolish darkness merely by establishing the fact that it is not there. The truth will ALWAYS overcome error in this sense. This is not an ACTIVE process of destruction at all.
その後、超意識は脅威と知覚されるようになった。なぜなら、光は、闇がそこにないという事実を単に確立することで闇を払拭するからである。この意味で、真実は常に誤りに打ち勝つ。これは、まったくもって、積極的な破壊の過程などではない。(大畑訳)

いかがであろう。叡智は闇を破壊して打ち勝つものではなく、単に光(真実)をかざして闇(虚偽)を消滅させるだけだ、というのが元々の意味である。Wapnick氏は"process of destruction"を"process of correction"に書き換えたのだ。HLC版の方が文章に整合性があり、意味内容もしっかりしている。Kenneth Wapnick氏がなぜ、編集の名の下にわざわざ書き換えたのか、私にはわからない。本人に訊いてみるしかないが、それはともかく、我々は、より原典に近いHLC版が廃棄されずに残っていることに感謝しなくてはならない。
余談になるが、HLC版は『Sparkle Edition』と名が付けられて製本化された(表紙が、キラキラと光を反射する水面の絵柄になっており、Sparkle版と言われている)。著者は『Jesus』とされている。今は、HLC版、あるいはSparkle版はネットでフリーで手に入る。HLC版より古い、未編集のACIMは『Urtext』と呼ばれており(ドイツ語で原本という意味)、これもネットで手に入る。それ以前の、ヘレンの手書き原稿も残っている。速記の走り書きが多数見られ、我々には読むことはほとんど不可能である。これもネットで手に入る。



It can be perceived as an attacker, but it cannot attack. What you perceive as its attack is your own vague recognition that knowledge can always be remembered, never having been destroyed.
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • attacker [ətǽkər] : 「攻撃する人、襲撃者、攻撃機」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • vague [véig] : 「ぼんやりした、はっきりしない、漠然とした」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている、記憶している」
  • destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する、ぶち壊す、破損する、〜を滅ぼす」
❖ "It can be ~ "「叡智は、攻撃者として知覚される可能性があるが、」"but it cannot ~ "「しかし、叡智は攻撃出来ない」。"It"を、叡智をもったスピリットと解釈してもいい。闇を信じる者にとっては、スピリットは脅威と知覚された。したがって、脅威を与えるスピリットが攻撃してくるように感じられる可能性がある、ということ。"What you perceive ~ "「あなたが叡智の攻撃として感じるものは、あなた自身が叡智は常に思い出すことが可能で、決して破壊されてはいないということをおぼろげに認識していることの表われだ」。あなたは神から授かった叡智を喪失していまったわけではない。忘れているだけであって、あなたの心の中に叡智は今でも存在する。あなたの心の最も神聖で純粋な部分にホーリー・スピリットが宿り、いわば、あなたの叡智を守り続けている。だからこそ、あなたは幻想の闇を叡智の光で払拭出来るのである。ただ、残念なことに、あなたはそれを叡智からの攻撃と勘違いしてしまうのだ。あなたの正しい心が、あなたの誤った心を攻撃していると感じてしまう。だが、それは、あなたの心に正しい部分が残っている証拠なのだ。正しい心は決して破壊されることはなく、いつでも思い出せるものなのである。
 
 
 



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