●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-19.I.11:1 ~ T-19.I.12:7

11. Faith is the gift of God, through him Whom God has given you.

  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、自信、信念、確信」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント」
  • through [θruː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "Faith is the gift ~ "「信じる気持ちは神からの贈り物であり、」"through him Whom ~ "「神があなたに遣わせたキリストを通して、信じる気持ちという贈り物は与えられるのだ」。真実や真理を信じて愛する気持ちが存在する場所が、あなたの心の中の最も神聖で純粋な部分である。そこにキリストが住んでいる。神があなたに遣わせたホーリー・スピリットである。また、真実や真理を信じ、愛する気持ちは、神があなたに継承した神の属性である。神からの贈り物とは、そういう意味である。



Faithlessness looks upon the Son of God, and judges him unworthy of forgiveness.
  • faithlessness [féiθlisnis] : 「不実さ、不誠実さ、信仰心のなさ」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、裁定する」
  • unworthy [ʌnwə́ː(r)ði] : 「〜に値しない、値打ちのない」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
❖ "Faithlessness looks upon ~ "「信じる気持ちの欠如は、神の子を見て、赦しに値しないと判断する」。真実を信じようとしない気持ちは幻想に惑わされているので、神の子が神から分離した過去を赦すことが出来ないのだ。それが単なる神の子の思い込み、錯覚に過ぎないことを信じることが出来ないからだ。罪を赦すことが出来ないから、神の罰を信じてしまう。なんとも皮肉なものだ。神を恐れ、罰を信じるのは、真実を信じる気持ちの欠如である。



But through the eyes of faith, the Son of God is seen already forgiven, free of all the guilt he laid upon himself.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgive の過去分詞」
  • forgive [fə(r)gív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、」
  • laid [léid] : 「lay の過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「〜を横たえる、〜を置く」
❖ "But through the eyes ~ "「しかし、信じる気持ちの目を通して見れば、」"the Son of God is ~ "「神の子はすでに赦されていると見える」。"free of all the guilt ~ "「神の子が自らに課した罪のすべてから自由だと見るのである」。真実を見る目をもって見れば、神の子が神から分離したことで自ら抱いた罪の意識は幻想だと分かるのである。幻想であり、存在していなかったのだから、罪は赦されているのだ。ACIMが使用する「赦す(forgive)」という言葉は、「幻想であると見抜いて、受け流してしまう」という意味合いをもつ。存在しなかったのだから、取っ組み合いをする必要がないのだ。それが、赦すということ。



Faith sees him only now because it looks not to the past to judge him, but would see in him only what it would see in you.
  • look to : 「〜に目をやる、〜に目を配る、〜を目指す」
  • past [pǽst] : 「過去、昔」
❖ "Faith sees him only ~ "「信じる気持ちは、今の神の子だけを見る」。"because it looks not to ~ "「なぜなら、信じる気持ちは、神の子を判断するために過去を見るようなことはしないからだ」。信じる気持ちは、過去が幻想であると知っている。現在だけが存在している。もっと正確に言うなら、実相的には時間は存在していないのだ。"but would see in him ~ "「信じる気持ちは、あなたの心の中に見るものだけを、神の子の中に見ようとするからである」。あなたの信じる気持ちは、自分の中に真実を見ようとする。だから、神の子である同胞の中にも、真実を見ようとするのである。そして、幻想は幻想として、偽りは偽りとして、ただ消えるに任せるのだ。



It sees not through the body's eyes, nor looks to bodies for its justification.
  • justification [dʒʌ̀stəfikéi∫n] : 「正当化、正当とする理由」
❖ "It sees not through ~ "「信じる気持ちは、肉体の目を通してものを見ているのではない」。"nor looks to ~ "「ましてや、肉体を正当化しようとして肉体を見ることもない」。肉体は幻想であると理解しているから、幻想の目を通しては真実が見えて来ないことを知っているのだ。ましてや、肉体は実在なのだと証明しようとすることもない。



It is the messenger of the new perception, sent forth to gather witnesses unto its coming, and to return their messages to you.
  • messenger [més(ə)n(d)ʒə(r)] : 「メッセンジャー、使者」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • sent [sént] : 「send の過去・過去分詞形」
  • send forth [fɔ́ː(r)θ] : 「送り出す、発行する、派遣する」
  • gather[gǽðə(r)] : 「集める、拾い集める、かき集める、寄せ集める」
  • witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「〜を返す、戻す、返却する」
  • message [mésidʒ] : 「伝言、メッセージ、通報」
❖ "It is the messenger of ~ "「信じる気持ちは、新しい知覚のメッセンジャーである」。肉体的な知覚に依存しない新しい知覚、いわば心の知覚を、信じる心はあなたに教えてくれる。つまり、信じる気持ちを持ってものをみれば、全く新しい風景が見えてくるのだ。実相的知覚をあなたに伝えてくれる使者が、あなたの信じる気持ちだというわけである。"sent forth to gather ~ "「新しい知覚を伝えてくれるメッセンジャーは、その到来を証言する証人を集めるために送られてきた」。"and to return their ~ "「そして、証言者のメッセージ(証言)をあなたに伝えるために、メッセンジャーは送られて来たのである」。難解な箇所である。あまり細部にこだわらず、大まかに捉えることにしよう。信じる気持ちは新しい知覚、新しいものの見方、新しい風景をあなたにもたらす。実相世界の叡智(knowledge)の到来を予告しているのである。つまり、新しい知覚、新しい風景が、叡智の到来を証言する証人といういうわけである。その証言を集めるために、あなたは信じる気持ちをもってものを見るのである。そして、信じる気持ちをもってものを見れば、確かに、叡智の到来を予告するような風景があなたに返されてくるのだ。



12. Faith is as easily exchanged for knowledge as is the real world.
  • easily [íːz(ə)li] : 「容易に、たやすく、安易に、簡単に」
  • exchange [ikst∫éin(d)ʒ] : 「〜を交換する」
  • knowledge [nɑ́lidʒ] : 「知識、心得、認識、知恵、知見」
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、現実の、実際の、本物の」
❖ "Faith is as easily ~ "「信じる気持ちは、(幻想世界が)容易に実相世界に置き換えることが出来るように、たやすく叡智へと置き換わるのである」。信じる気持ちは新しい知覚をもたらす。信じる気持ちをもってものを見れば、まったく新しい風景が見えてくるのだ。この、知覚の変革が、実相世界の叡智へとつながっていくのである。それは、ちょうど、幻想世界から実相世界への目覚めと歩調を同じくする。どちらも、実は極く自然な移行であって、難しい大逆転劇を演じなくてはならないわけではないのだ。



For faith arises from the Holy Spirit's perception, and is the sign you share it with him.
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • perception [pə(r)sép∫n] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • sign [sáin] : 「表れ、兆し、兆候、印、標示、サイン」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "For faith arises ~ "「なぜなら、信じる気持ちは、ホーリー・スピリットの知覚から発生するのであり、」"and is the sign ~ "「あなたがその知覚をホーリー・スピリットと分かち合っている印であるからだ」。あなたの心の最も神聖で純粋な部分から、信じる気持ちは生まれる。そこに、ホーリー・スピリットが住んでいて、ホーリー・スピリットの知覚があなたに乗り移ると考えていいだろう。むしろ、本来の知覚に回帰すると言った方がいいか。実相的知覚をホーリー・スピリットと分かち合うのである。



Faith is a gift you offer to the Son of God through him, and wholly acceptable to his Father as to him.
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • acceptable [əkséptəbl] : 「受け入れることができる、受諾できる、喜ばれる、満足な、期待に沿う」
❖ "Faith is a gift you ~ "「信じる気持ちは、あなたがホーリー・スピリットを通じて神の子に捧げる贈り物である」。ホーリー・スピリットと分かち合う知覚をもって、あなたは神の子である同胞を見るのである。そして、あなたは信じる気持ちを同胞に対して抱く。"and wholly acceptable ~ "「そして、信じる気持ちは、ホーリー・スピリットに快く受け入れられると同時に、父なる神もまた、完全に受け入れるのだ」。信じる気持ちは真実であり、愛であるから、ホーリー・スピリットも神も、喜びをもって、あなたの信じる気持ちを受け入れてくれる。その信じる気持ちを、今度は、あなたの同胞に捧げるのだ。分かち合うとは、こういうことなのである。



And therefore offered you. Your holy relationship, with its new purpose, offers you faith to give unto your brother.
  • therefore [ðéə(r)fɔ̀ː(r)] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "And therefore ~ "「したがって、信じる気持ちは、あなたにも捧げられるのだ」。実相世界では、与えることと得ることは同じである。あなたが同胞に信じる気持ちを捧げることは、あなたが同胞から信じる気持ちを受け取ることと同等である。もちろん、あなたと同胞は自他一如であるからだ。"Your holy relationship ~ "「新しい目的をもった、あなたの聖なる関係性は、あなたの同胞に与えるために、あなたに信じる気持ちを捧げるのだ」。意味がとりにくい部分である。あなたはホーリー・スピリットや神との間で神聖な関係性を築く。その関係性のもつ、新たな目的とは、心の融合である。その目的を果たすために、神聖な関係性はあなたに信じる気持ちを生み出させる。心を信じる気持ちが生まれるのだ。それは、あなた一人にとどまることはなく、あなたの同胞にも、同様の、心を信じる気持ちを抱かせるのである。いわば、神の子全体に、信じる気持ちを抱かせるために、神聖な関係性はあなたに信じる気持ちを捧げるのだ。こうして、信じる気持ちが分かち合われ、信じられた心は、つまり、愛された心は、ホーリー・スピリットや神を巻き込んで融合していく。三位一体へ向かうのである。



Your faithlessness has driven you apart, and so you do not recognize salvation in each other.
  • driven [drívn] : 「drive の過去分詞」
  • drive [dráiv] [SVOC] : 「〜の状態へ追いやる、〜の状態にする」
  • apart [əpɑ́ː(r)t] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
  • each other : 「お互い」
❖ "Your faithlessness has ~ "「あなたの、信じる気持ちの欠如は、あなたを分離の状態へ追いやる」。信じる気持ちの欠如は、ホーリー・スピリットや同胞と結合するのではなく、逆に、分離し孤立化する方向にあなたを追いやる。"and so you do not ~ "「したがって、あなたは、お互いの中に救いを認識することが出来なくなるのだ」。お互いに心を信じ合えるなら、新しい知覚によって真実が見えるようになり、幻想から目覚めて実相に回帰するという救いは実現出来るだろう。しかし、そもそも、心の存在を信じられないなら、その救いも期待出来まい。信じる気持ちがないなら、同胞の姿を見て、同胞共々、幻想世界から救われたい気持ちにはなるまい。



Yet faith unites you in the holiness you see, not through the body's eyes, but in the sight of him Who joined you, and in Whom you are united.
  • unite [junáit] : 「〜を結合させる、一つにする、結び付ける」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • sight [sáit] : 「視覚、視力、視界、景色、光景」
❖ "Yet faith unites ~ "「しかし、信じる気持ちは、肉体の目を通すのではなく、あなたが(心の目を通して)見る神聖さの中で、あなたを結びつけるのだ」。あなたの信じる気持ちも神聖なら、あなたの心も神聖である。その心に住むホーリー・スピリットも、もちろん、神聖である。そういう神聖さの中で、つまり、神聖な関係性の中で、あなたはホーリー・スピリットと結びつき、また同胞の神聖な心と結びついていくのである。"but in the sight of him ~ "「(肉体の目を通すのではなく) あなたを結びつけたホーリー・スピリットの視点から見えてくる神聖さの中で、あなたは結合するのである」。"and in Whom you ~ "「そのホーリー・スピリットと、あなたは結合したのである」。真実を信じる気持ちが、あなたとホーリー・スピリットを強く結びつける。結びつくことで、ホーリー・スピリットの知覚があなたの知覚になるのだ。そのホーリー・スピリットの知覚から見えてくる神聖さの中で、あなたは、ホーリー・スピリットのみならず、あなたの同胞達の心とも結合していく。こうして、信じる気持ちは分かち合われ、新しい知覚が分かち合われ、そして、神聖さが分かち合われていくのである。こうしてみると、分かち合うことと結合することは、ほぼ同じことを意味していることが分かってくる。愛が分かち合われることで結合を促し、真実が分かち合われて結合を促進する、その理由がここにある。
 
 
 

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