●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.VI.10:1 ~ T-21.VI.11:10

10. The Son of God is always blessed as one. And as his gratitude goes out to you who blessed him, reason will tell you that it cannot be you stand apart from blessing.

  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
  • bless [blés] : 「祝福する~を神聖にする、清める、恩恵を受ける」
  • as one : 「一つになって、一体となって、一斉に」
  • gratitude [ɡrǽtətjùːd] : 「感謝、感謝の気持ち」
  • go out : 「送られる、伝えられる、伝達される」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • tell [tél] : 「~に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • stand apart from : 「~から離れて立つ、~から距離を置く」
❖ "The Son of God ~ "「神の子は常に、一体のものとして、祝福される」。神やホーリー・スピリットが神の子を愛するとき(祝福するとき)、神の子を、分裂してバラバラになったものとしてではなく、一体の、単一の神の子として愛する。"And as his gratitude ~ "「神の子の感謝の気持ちが、神の子を祝福したあなたに伝わると、」つまり、神によって祝福された神の子をあなたが自分の事として受け止め、あなた自身にも感謝の念が湧いてくると、"reason will tell you ~ "「正気さは、あなたにthat以下を告げるのだ」。"that it cannot ~ "「神の祝福から、あなたが離れて立っていることなど不可能なのだと」正気さは告げるのだ。あなた自身も神の祝福に浴する、ということ。神の子は一体であるから、その一体なるものに、当然、あなたも属しているのだ。神が神の子を祝福するとき、あなたも祝福の対象となり、あなたは、神に感謝することとなる。



The gratitude he offers you reminds you of the thanks your Father gives you for completing him.
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、捧げる、提供する」
  • remind [rimáind] : 「~に思い出させる、~に気付かせる」
  • remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
  • thank [θǽŋk] : 「感謝、謝意、謝辞」
  • complete [kəmplíːt] : 「~を完了する、完成する、達成する」
❖ "The gratitude he ~ "「神の子があなたに差し出す感謝は、あなたに、あなたの父なる神があなたに与える、神を完成させてくれたことへの感謝を、思い起こさせるのだ」。なぜ、神はあなたに感謝するのか? 神は、実は単独では完成されない。天の王国にあって、神とホーリー・スピリットと神の子の三位(さんみ)が一体となったとき、初めて神は完成するのである。その第一歩として、あなたがその融合に賛同してくれたことに対して、神はあなたに感謝するのである。それはそれとして、ここでは、神の子やあなたや神が、感謝したり感謝されたり、祝福したり祝福されたりして、誰が誰だか混乱してきたと思う。実はそれでいいのだ。あなたと神の子は一体であり、神さえも、やがては神の子と融合するので、あなたと一体であると考えていい。実相世界では、誰と彼が融合体として存在しているので、誰が誰だか分からなくなるのが当たり前なのだ。誰と誰かを区別しなくてはならないと考えるのは、幻想世界の分離を原則とした見方であって、真実ではない。それに則して考えてみれば、与えることと受け取ることは同じであるという神の法が理解出来るし、他者を愛することは自分を愛すること、自分を愛することは他者を愛することという神の法も理解出来るのである。何のことはない、自分と他者の区別がないからだ。ACIMが繰り返し述べているように、真実は実にシンプルなのだ。これが、一元論世界なのである。仏教的に言えば、多即一、一即多の世界である。いわば、無数の振動数の光が重なり合い、共鳴し合い、調和し合って、一つの無色透明な光を作り出しているようなものである。



And here alone does reason tell you that you can understand what you must be.
  • alone [əlóun] : 「独りで、単に」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、了解する、納得する、分かる」
❖ "And here alone does ~ "「こういう場所においてのみ、正気さはあなたにthat以下を告げるのである」。つまり、神があなたに感謝するという段階に至って初めて、あなたの正気さはあなたにthat以下であることを知らしめるのだ。"that you can understand ~ "「あなたが、自身そうあらねばならない、その姿を、あなたは理解出来るようになる」と告げるのである。"what you must be"この訳し方は難しいのだが、「本来の、本当の、あなたの実像」といった意味合いである。つまり、あなたが本来神の子であり、神と融合する神聖な存在なのだということだ。狂気にはそれが理解出来ないが、あなたの正気さは、その真実に気付かせてくれるのである。



Your Father is as close to you as is your brother. Yet what is there that could be nearer you than is your Self?
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な、親しい、仲の良い」
  • near [níər] : 「近い、近くにある、接近した、近接した、近親の、密接な」
❖ "Your Father is as close ~ "「あなたがあなたの同胞に近いように、あなたの父なる神もあなたに近い存在である」。"Yet what is there ~ "「しかし、あなた自身よりあなたに近い存在はあり得ようか」。ここでは、あなたとあなた自身を区別して述べているのだが、それは、あなたの心と、あなたの心の最も純粋で神聖な部分とを区別しているからだ。しかたがって、あなたに一番近い存在は、あなたの心の中の純粋で神聖なあなた自身である、という意味合いになる。そこには正気さが宿り、そこはホーリー・スピリットやキリストの住家である。神の祭壇が置かれている所も、この最も純粋で神聖な心の部分である。



11. The power you have over the Son of God is not a threat to his reality.
  • threat [θrét] : 「脅迫、脅し、脅かすもの、危険な存在、脅威」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
❖ "The power you have ~ "「あなたが神の子の上に及ぼすパワーは、神の子の実相に対して脅威などではない」。幻想世界にどっぷりと浸かりきった同胞には、幻想から目覚めさせようとするあなたの心のパワーは脅威に感じるかも知れないが、眠りから覚ますことなど攻撃でも何でもなく、救いであるから、恐れを感じる必要はない。事実、あなたのパワーは、せんじ詰めれば、愛そのものなのだから。



It but attests to it. Where could his freedom lie but in himself, if he be free already?
  • attest [ətést] : 「証言する、証明する」
  • attest to : 「証拠立てる、証言する、証明する、立証する」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • free [fríː] : 「自由な、束縛を受けていない」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに~済み」
❖ "It but attests ~ "「あなたが神の子の上に及ぼすパワーは、神の子の存在を証言するものなのだ」。あなたの心のパワー、救いのパワー、愛のパワーは、それが向かう対象の存在の証である。つまり、あなたの実相的パワーは幻想に向かうのではなく、実在に向かうのだ。だから、存在の証になる。"Where could his ~ "ここは後半から訳して、「もし、神の子がすでに自由であるなら、神の子の自由は神の子自身の中になくてどこに存在し得ようか」。実相的な真の自由とは、物理的自由ではなく、心の自由のことだ。自由は心の外にあるのではない。心自体の中に、あるいは、心それ自体が、自由なのだ。



And who could bind him but himself, if he deny his freedom?
  • bind [báind] : 「~を縛る、結び付ける、巻き付ける」
  • deny [dinái] : 「を否定する、否認する、~に…を与えない」
❖ "And who could ~ "ここも後半部分から、「そして、もし神の子が神の子の自由を否定するなら、神の子を縛りつける者は、神の子をおいて、誰であろうか」。真の自由は、心の自由である。ならば、束縛は、物理的束縛ではなく、心の束縛である。心を束縛出来る者は、当の本人の心であるに違いない。自分の心が自分の心を縛りつけるのだ。



God is not mocked; no more his Son can be imprisoned save by his own desire.
  • mock [mɑ́k] : 「ばかにする、まねをしてからかう、だます、欺く」
  • imprison [imprízn] : 「監禁する、拘置する、投獄する、牢屋へたたき込む」
  • no more : 「それ以上~ない、もはや~しない」
  • save [séiv] : 「~を除いて、~のほかは、~は別として、~以外の」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
❖ "God is not mocked"「神は、決してごまかしに乗らない」。"no more his Son ~ "「神の子も、神の子自身が願望するのでなかったら、牢獄に監禁させられることは不可能なのだ」。神の子を幻想世界に閉じこめて監禁しているのは、他でもない、神の子自身の願望である。したがって、その気にさえなれば、神の子はいつでも幻想世界という牢獄から抜け出すことが可能なのだ。しかし、あくまでも、それも、神の子の願望が先行しなくてはならない。



And it is by his own desire that he is freed. Such is his strength, and not his weakness.
  • freed [fríːd] : 「free の過去形、過去分詞形」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、弱点、欠点」
❖ "And it is by his own ~ "「そして、神の子が自由であることも、神の子自身の願望による」。自由になりたいと願わない限り、自由にはなれない。自由は、棚からぼたもちのように、勝手に降って来るのではない。"Such is his ~ "「それが、神の子の強さであって、決して弱さではない」。願わなければ叶わないということは弱さではなく、願望こそが、神の子の強さの源である。意念の力とも言えるかも知れない。ただし、願望がパワーを発揮するのは、願望自体が実相的に正しくなくてはならない。幻想を願望し、虚偽なることを意念しても、所詮つまらぬ話しではないか。



He is at his own mercy. And where he chooses to be merciful, there is he free.
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け、優しい心根」
  • at one's mercy : 「〜のなすがままに」
  • choose [tʃúːz] : 「~を選ぶ、~を選択する」
  • merciful [mə́ːrsifəl] : 「慈悲深い、情け深い、情けのある、寛大な」
❖ "He is at his ~ "「神の子は、思いのままに出来るのだ」。願望は力を持っているから、思いは実現するのである。この文章は、文字の意味だけに則して訳すと、「神の子は、神の子自身の慈悲に浴している」という意味合いになる。そこで、次の文が生まれるのだ。"And where he chooses ~ "「そして、神の子が、慈悲深くあろうと選択する中に、」"there is he ~ "「神の子の自由はある」。"mercy"と"merciful"の二語を使って、ヘレンに語りかけるイエスは言葉遊びをしているのである。遊びながら、ちゃんと真実を突いてくる。文意は、神の子が愛(慈悲)を選択したとき、神の子は自由になれる、ということだ。ロマンチックな言い方をすれば、愛は自由の翼をくれるのである(・・・少々、照れる)。



But where he chooses to condemn instead, there is he held a prisoner, waiting in chains his pardon on himself to set him free.
  • condemn [kəndém] : 「~を非難する、責める、罵倒する、糾弾する」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • hold [hóuld] : 「とどめておく、~の状態にしておく」
  • prisoner [prízənər] : 「囚人、捕虜」
  • wait [wéit] : 「~を待つ」
  • in chains : 「獄舎につながれて、鎖で縛られて、牢獄につながれて」
  • pardon [pάːrdn] : 「寛容、許し、恩赦、大赦」
  • set A free : 「Aを自由の身にする、Aを釈放する」
❖ "But where he chooses ~ "「しかし、慈悲の代わりに、神の子が非難を選択した場合は、」"there is he ~ "「神の子は、囚人として留め置かれる」。"waiting in chains ~ "分詞構文、付帯状況、「鎖に繋がれ、神の子を自由にしてくれる許しを待ちながら」。愛が自由の翼を与えてくれるなら、憎しみは両足に束縛の鎖を結びつける。あなたは幻想世界という牢獄から一歩も外に出れないのだ。ところで、愛がくれた自由の翼を使って、あなたはどこに飛んでいくのか? もちろん、幻想世界を後にして、天高く、天の王国へと羽ばたいて行くのである。大鵬のごとく、天を翔ていけばいい。燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや、の気概である。
 
 
 

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