●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.VII.9:1 ~ T-21.VII.10:8

9. This is your one decision; this the condition for what occurs.

  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • condition [kəndíʃən] : 「事情、条件、状態、状況、様子、様相」
❖ "This is your ~ "「これこそ、あなたが下すべきただ一つの決断である」。この決断とは、前文 "Is this what I would see? Do I want this?"「これは、私が見たいと思っているものなのか、私はこれが欲しいと望んでいるのか」に対する答えのこと。つまり、この幻想世界にとどまることを選択するのか、実相世界への目覚めを選択するのか、という決断のことだ。"this the condition ~ "「これが、何が起きるかという条件を作っている」。幻想世界にとどまることを決断すれば、あなたは今まで通り幻想に埋もれて生活して行くだろうし、実相世界への目覚めを決断すれば、ホーリー・スピリットがその目的に向かってあなたを導いてくれるだろう。いずれにせよ、あなたが主体となって意欲し、意思しなくてはならない。誰が強制するものでもないのだ。



It is irrelevant to how it happens, but not to why. You have control of this.
  • irrelevant [iréləvənt] : 「無関係の、不適切な、重要でない、無意味な」
  • irrelevant to : 「〜にとって無関係な、〜に対して的外れな」
  • happen [hǽpn] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
  • control [kəntróul] : 「支配、コントロール、統制」
  • have control of : 「〜を制御している、〜を管理している」
❖ "It is irrelevant ~ "「あなたの決断は、それがどのように起きるかということとは無関係であるが、」"but not ~ "「なぜ起きるかということには関係がある」。たとえば、あなたが実相世界に目覚めることを決断したなら、それがどのように起きるかということを思慮する必要はない。ホーリー・スピリットがすべての段取りを整えて、あなたを導いてくれるからだ。ただ、なぜそれが起きるのか、それは思慮しておく必要はある。それが起きるには、あなたが主体となって意思し、意欲し、選択し、決断しなくてはならないからだ。棚からぼたもちが落ちてくるわけではないのだ。つまり、"You have control ~ "「このことに関しては、あなたがコントロールしているのである」。あなたが主体となって、起こすか起こさないかを決定出来るのである。もちろん、これにはもう一つ奥があって、実相世界では、実は、起こることのすべては、すでに起きている。無時間の実相世界では、すべてが一瞬にして起き、その一瞬が永遠に続くのである。ただし、『一瞬』という言葉も『永遠』という言葉も、時間という枠組みの中の言葉であるので、無時間の実相世界には、そもそもそんな概念はない。時間にたとえて言えば、『一瞬』であり『永遠』だという意味合いでしかないのだ。表現のしようがないのである。いわば、不立文字である。ところで、実相世界で起きたことを、あなたは、この幻想世界で追体験していくのだが、運命的に決定した体験を強いられるのではない。実相世界では、あらゆることが起きたのだ。そのあらゆることの中から、いわばすべての可能性の中から、あなたが自分の自由意思で選択していくのである。それが、あなたの意思であり、意欲であり、決断であり、究極、神聖な選択を下すということなのだ。



And if you choose to see a world without an enemy, in which you are not helpless, the means to see it will be given you.
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • helpless [hélpləs] : 「無力な、頼りない、助けを得られない」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
❖ "And if you choose ~ "「そして、もしあなたが、敵のいない世界を見ることを選択するなら、」"in which you ~ "「その世界では、あなたは無力ではないのだが、その世界を選択したなら、」"the means to see ~ "「その世界を目にするための手段は、あなたに与えられるだろう」。もしあなたが、実相世界を選択したなら、ホーリー・スピリットがあなたを導いてくれて、あなたはヴィジョンを、つまり、心の目を獲得して、実相世界を見ることが出来るようになる。"means"「手段」とは、ヴィジョンのこと。"be given you"「あなたは与えられる」とは、ホーリー・スピリットが与えてくれる、ということ。蛇足になるが、"vision"という言葉は、は"reason"同様、ACIMでは実相世界の用語であって、単に「洞察力」とか「理性」と訳してしまうと的を外してしまう。"reason"は、あなたの心の最も純粋で神聖な部分に宿るところの、真実を見極めることの出来る力(パワー)であり、この精読では「正気さ」と訳している(madnessやinsanity、つまり、狂気の反意語としての正気)。その正気さをもった心の目で見ること、あるいは、正気な心の目に映ってくる光景、それがヴィジョンである。では、"reason"と"vision"は同じものではないか、と思われるかも知れない。その見方は、実は正しいのだ。一元論実相世界では、すべての想念、概念が、単一なるものへと収斂していく。結局、"reason"も"vision"も、融合して、単一となるのだ。したがって、"knowledge"「叡智」も"mind"「心」も、同様に単一なるものへ収斂していく。実相世界とは、そういう世界なのである。さらに蛇足になるが、"mind"「心」は、四六時中あなたの頭の中でおしゃべりしているヤツのことではない。このおしゃべりが止み、静謐の中で聞こえてくる囁きこそ、あなたの"mind"だと思っていい。むしろ、"mind"は言葉を持っていないと考えた方がいいかもしれない(厳密に言えば、おしゃべりをもっていない、となるか)。つまり、単なる言葉や思考を生み出すものではなく、愛や喜びや平和を感じる、その張本人が"mind"だということだ。ここまでくどくどと書けば、ACIMの"knowledge"「叡智」も、単なる知識でも知恵でもないことがわかってもらえると思う。仏教でも、特別に『般若』という言葉を使って表現しているではないか。そういうレベルの言葉達なのである。言葉のよって立つレベルが、まるで違うのだ。したがって、使われるその言葉が、幻想世界の中の言葉なのか実相世界の中の言葉なのか、十分注意して見ていく必要があるのだ。



10. Why is the final question so important? Reason will tell you why. It is the same as are the other three, except in time.
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
  • important [impɔ́ːrtənt] : 「重要な、重大な、大切な」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • tell [tél] : 「 〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
❖ "Why is the final ~ "「なぜ、最後の問い掛けがそんなに重要なのだろうか」。"Reason will tell you ~ "「正気さはあなたに、その理由を教えてくれる」。"It is the same ~ "「最後の問い掛けは、時間という枠組みを考えなければ、他の三つの問い掛けと同じなのだ」。さて、四つの問い掛けを思い出そう。"Do I desire a world I rule instead of one that rules me?Do I desire a world where I am powerful instead of helpless?Do I desire a world in which I have no enemies and cannot sin?And do I want to see what I denied because it is the truth?"「私を支配する世界の代わりに、私が主導する世界を、私は(本当に)希望するか」。「無力である代わりに、パワフルでいられる世界を、私は本当に希望するか」。「敵を持つこともなく、罪を犯すこともない世界を、私は本当に希望するか」。「そして、私は、それが真実であるからという理由で拒絶した世界を、本当に見てみたいと望むか」。初めの三つは、幻想世界を離れて実相世界を希求するという、いわば前向きの、未来志向の問い掛けである。対して、四つ目の問い掛けは、過去において一度否定し、神から分離しする形で天の王国を捨てたあなたが、再びその世界へ回帰したいのかどうか、という問い掛けである。過去への回帰を促す内容なのだ。神からの分離という過去の、さらに過去へと回帰し、天の王国という生まれ故郷へ戻りたいのかどうか、という問い掛けなのだ。過去へ遡(さかのぼ)ることで、未来を決めるのである。しかし、実相世界を希求するという点においては、四つの問い掛けはすべて等しい。未来を見るか、過去を見るかの違いがあるだけだ。もちろん、その違いは大きく、また重要なのだが・・・。



The others are decisions that can be made, and then unmade and made again.
  • other [ʌ́ðər] : 「その他、ほかのもの、他方」
  • decision [disíʒən] : 「解決、決定、決意、決心、決議、裁決」
  • unmake : 「元に戻す、損なう、破壊する、変質させる」
  • again [əgén] : 「再び、かさねて」
❖ "The others are ~ "「他の問い掛けは、決定したり、取り消したり、再び決定したり出来る決断である」。新年の決心(new year decision)のように、未来だけを見ているから、取り消したり、また決心し直したり出来るのだ。いわば、差し障りのない、お気軽な決断の部類に属する。だが、四つ目の問い掛けは、過去を向いているから、表面的には取り消しは出来ないのだ。神から分離した事実は、あなたは取り消し出来ない出来事だと思っているのである。だから、もし、あなたが未来に向かって実相世界を希求するなら、まず第一に、取り消し不能と信じている過去を、それが幻想に過ぎなかったのだと、つまり夢の出来事だったのだと認識して、赦し、流してしまわなくてはならないのである。その作業が、実に難しい。イエスの死後2000年経っても、神の子はその作業を完了していないのが現実である。



But truth is constant, and implies a state where vacillations are impossible.
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • constant [kάnstənt] : 「持続する、絶えず続く、不変の、一定な」
  • imply [implái] : 「暗に伝える、暗示する、ほのめかす」
  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • vacillation [væ̀səléiʃən] : 「動揺、ぐらつき、変動、揺れ、ためらい」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "But truth is ~ "「しかし、真実は一定不変のものである」。"and implies a state ~ "「真実は、ぐらつきが許されない状態を意味しているのだ」。あなたの決断が真実であるには、その決断が揺らぐようではいけない。先にも言ったのだが、繰り返し、もう一度言おう。実相を選ぶのであれば、強い意思をもってそれを選択する必要がある。遊び心ではいけない。覚悟の問題である。熱い心をもって、実相を選べばなくてはならないのだ。それが出来ないのであれば、即刻、このACIMから立ち去るべきだ。なぜなら、中途半端は怪我の元だからである。立ち去って、忘れ、安寧(あんねい)の中で暮らす方がいいだろう。下手に傷を負って生きるより、そっちの方がましかもしれない。それもまた、人生ではないか。幻想の中で、しかし、立派に生きている人は大勢いるのだから。



You can desire a world you rule that rules you not, and change your mind.
  • desire [dizáiər] : 「〜を望む、希望する、欲する」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "You can desire ~ "「あなたは、あなたを支配する世界ではなく、あなたが主導する世界を望むことが出来る」。"and change ~ "「そして、しかし、あなたは心を変えてしまうのだ」。"and"と書いているが、これは"but"の強調だと思っていい。諦めの気持ちが入っているのかも知れない。



You can desire to exchange your helplessness for power, and lose this same desire as a little glint of sin attracts you.
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「〜を交換する、〜を両替する」
  • helplessness [hélplisnis] : 「どうすることもできないこと、無力」
  • power [páuər] : 「力、能力、勢力、権限、権威、支配権」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、喪失する、なくす、遺失する」
  • glint [glínt] : 「輝き、閃光」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • attract [ətrǽkt] : 「魅惑する、魅了する、引く、引き込む、引き付ける」
❖ "You can desire to ~ "「あなたは、無力さをパワーに換えたいと望むことが出来る」。"and lose this same desire ~ "「そして、しかし、罪というネオンに誘われて、その望みを失ってしまうのだ」。"a little glint of sin"を「罪というネオン」と訳してみた。意味合いは伝わると思うのだが・・・。



And you can want to see a sinless world, and let an "enemy" tempt you to use the body's eyes and change what you desire.
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白の」
  • tempt [témpt] : 「〜を誘惑する、〜する気にさせる」
  • desire [dizáiər] : 「欲望、欲求、願望、念願」
❖ "And you can want ~ "「あなたは、罪なき世界を見たいと望むことが出来る」。"and let an "enemy" tempt ~ "「そして、しかし、『敵なる者』の誘惑に乗って、肉体の目を使って見るようになり、あなたが望んだことを変えてしまうのだ」。あなたが望んだこととは、罪なき世界を見たいということ。罪なき世界を見るには、ヴィジョンが、つまり、心の目が必要であるのに、あなたはエゴの誘いに乗って、肉体の目を使って見てしまう。だから、他者の中に罪が見えてしまうのだ。あなたの願いは、三日坊主になってしまう。何においても、三日坊主ほどだらしのないものはない。覚悟がないなら、最初からやらない方がましではないか。イエスの、お叱りの声が聞こえてきそうだ。
 
 
 

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