8. The "cost" of your serenity is his. This is the "price" the Holy Spirit and the world interpret differently.
- cost [kɔ́st] : 「コスト、費用、経費、犠牲、代償、損失」
- serenity [sərénəti] : 「静穏、平静」
- price [práis] : 「値段、価格、相場、市価」
- interpret [intə́ːrprit] : 「解釈する、解明する、説明する、通訳する」
- differently [dífərəntli] : 「異なって、違って、そうではなく、別に」
❖ "The "cost" of your ~ "「あなたの静穏さのために支払われる『代償』は、同胞の支払う代償となっている」。あなたは、心の平静さを保つために、何らかの代償を支払っているのだが、それはあなた個人の支払いにとどまることなく、あなたの同胞にも負荷をかけている。つまり、同胞を犠牲にすることによって、あなたは、心の平静さを保とうとしているのである。"This is the "price" the Holy Spirit ~ "「この支払う代償の値段に関しては、」心の平静さを保つために何をもってどれだけの支払いをするかに関しては、「ホーリー・スピリットとこの世界は、まったく異なった解釈をしている」。ホーリー・スピリットは、他者を犠牲にすることなく、逆に、他者を癒し救うことで、心の平静さを確保する方法をとる。つまり、この世界では、心の平静さを保つために、ますます幻想にのめり込み、逆に、ホーリー・スピリットは、この幻想世界から目覚めることで、心の平静さを回復させようとする。心のヒーリングである。
The world perceives it as a statement of the "fact" that your salvation sacrifices his.
- perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
- statement [stéitmənt] : 「声明、発言、供述、記述、明細書」
- fact [fǽkt] : 「事実、現実、真実、実際、真相」
- salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "The world perceives it ~ "「この世界は、心の静穏さを保つための支払いを、あなたの救いは同胞の救いを犠牲にするという『事実』を表明するものとして、知覚している」。この幻想世界にあっては、心の平静さを保つには他者を犠牲にし、他者に対して優位にあるという特別性を確保することが肝要とされる。他者の罪を暴き、他者を攻撃することで、自分の生存の安定性を確保しようとするのだ。
The Holy Spirit knows your healing is the witness unto his, and cannot be apart from his at all.
- healing [híːliŋ] : 「治療、回復、治癒、癒やし」
- witness [wítnəs] : 「目撃者、証人、参考人、証拠、証言」
- apart from : 「〜から離れて、〜は別として、〜はさておき」
- at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "The Holy Spirit knows ~ "「ホーリー・スピリットは、あなたが癒されることは、同胞の癒しの証拠だと知っている」。"and cannot be ~ "「ヒーリングは、同胞を離れてはまったく成り立たないと知っているのだ」。実相的な真実のヒーリングは、一個人が癒されるという種類のものではなく、普遍的なものであって、一人の癒しが他の多くの者達の癒しに繋がるものなのだ。あなたが癒されことで同胞も癒され、同胞が癒されることであなたも癒されるのである。
As long as he consents to suffer, you will be unhealed.
- as long as : 「〜さえすれば、〜する限りは、〜する以上は」
- consent [kənsént] : 「承諾する、同意する、納得する」
- suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、被る、嫌なことに耐える」
- unhealed : 「治癒していない、未治癒の」
❖ "As long as he consents ~ "「同胞が苦しみを受け入れている限り、あなたは癒されない」。同胞が癒しを拒否して苦しみの中に留まろうとする限り、あなたも癒されることはない。
Yet you can show him that his suffering is purposeless and wholly without cause. Show him your healing, and he will consent no more to suffer.
- show [ʃóu] : 「見せる、示す、表す、表示する」
- suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
- purposeless [pə́ːrpəslis] : 「目的のない、無益な、無意義な」
- wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
- without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
- cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
- no more : 「それ以上〜ない 」
❖ "Yet you can show him ~ "「しかし、あなたは、そんな同胞にthat以下を示すことが出来るのだ」。"that his suffering is ~ "「彼の苦しみは目的などなく、完全に原因もないのだ」と、同胞に示すことが出来るのである。苦しみに安住することは、いわゆる、独り芝居に過ぎないと、その同胞に教えることが出来る。"Show him your ~ "「そんな同胞に、あなたの癒しを教えなさい」。"and he will consent ~ "「そうすれば、彼はそれ以上、苦しみを受け入れることはなくなるだろう」。苦しみを受け入れることは真実ではなく、苦しみから解放してくれるヒーリングを受け入れることこそが真実だと気付くだろう。
For his innocence has been established in your sight and his.
- innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無邪気、無垢、純潔、純真」
- establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる、達成する」
- sight [sáit] : 「視界、景色、光景、視覚、視力」
❖ "For his innocence has ~ "「なぜなら、その同胞の潔白性は、あなたの目にも、彼の目にも、はっきりと確立されるからだ」。ヒーリングされることで、これまで苦しんできた罪は幻想だと知り、本当の自分は完全に潔白であると確信を持てるのだ。その事実が、彼の目にも、あなたの目にもはっきりと分かるのである。
And laughter will replace your sighs, because God's Son remembered that he is God's Son.
- laughter [lǽftər] : 「笑い、笑い声」
- replace [ripléis] : 「〜を取り換える、交換する、差し替える」
- sigh [sái] : 「ため息」
- remember [rimémbər] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
❖ "And laughter will ~ "「笑いが、ため息に置き換わるだろう」。"because God's Son ~ "「なぜなら、神の子は、自分が神の子であると思い出すからである」。罪深い虫けらに過ぎないと思っていた自分は、実は神に愛される神の子であると知って、喜びが笑顔に表れる。
9. Who, then, fears healing? Only those to whom their brother's sacrifice and pain are seen to represent their own serenity.
- fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
- sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、犠牲にすること、いけにえ」
- pain [péin] : 「痛み、痛覚、疼痛、苦痛、骨折り、苦労」
- seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
- represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く、描写する、意味する、象徴する」
- serenity [sərénəti] : 「静穏、平静」
❖ "Who, then, fears ~ "「それなら、いったい誰がヒーリングを恐れるだろうか」。"Only those to whom ~ "「同胞の犠牲と痛みが、彼ら自身の心の平静さを表すものどと思っている者たちだけである」。同胞の犠牲と痛みの上に乗って、心の平静さを保とうとする者だけが、ヒーリングを恐れるのだ。なぜなら、同胞が犠牲や痛みから解放されたら、彼らの心の平静さのより所を失ってしまうからだ。
Their helplessness and weakness represent the grounds on which they justify his pain.
- helplessness [hélplisnis] : 「どうすることもできないこと、無力」
- weakness [wíːknəs] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性」
- ground [gráund] : 「地面、地盤、根拠、原因、理由」
- justify [dʒʌ́stəfài] : 「弁明する、正当化する、正当だと説明する」
❖ "Their helplessness and ~ "「彼らの無力さと弱さは、同胞の痛みを正当化する理由を表している」。同胞の痛みは、同胞に罪があるからだと正当化し、その同胞を犠牲にして自分の心の平静さを保とうとするところに、彼らの平穏さの脆弱性がある。要するに、他人の不幸の上に自分の幸福をうち建てようとする魂胆は、心の弱さの証拠なのだ。
The constant sting of guilt he suffers serves to prove that he is slave, but they are free.
- constant [kάnstənt] : 「持続する、絶えず続く、不変の、一定」
- sting [stíŋ] : 「刺すこと、針、とげ、心の痛み」
- guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜に役立つ」
- prove [prúːv] : 「証明する、立証する」
- slave [sléiv] : 「奴隷、捕らわれている人」
❖ 彼らの論に従えば、"The constant sting ~ "「同胞が苦しむ不断のトゲの痛みは、その同胞が奴隷であり、彼らこそが自由なのだと証明することに役立っているのだ」。罪の意識に苦しんでいるのは自分自身のせいであって、当然の報いだと了解し、罪のない自分たちは罪の奴隷などではなく、自由そのものだと、自分の幸運に安堵するのだ。それが、何よりも心の平静さを保ってくれるというわけである。こんな心境を笑う古い歌があった、『世の中に何の楽しみなけれども、隣の貧乏、それが楽しみ』。
The constant pain they suffer demonstrates that they are free because they hold him bound.
- demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、明らかにする、実演する」
- hold [hóuld] : 「〜の状態にしておく、維持する、持続する」
- bound [báund] : 「bind の過去過去分詞形、縛られた、束縛された」
❖ "The constant pain ~ "「そんな彼らが感じる不断の痛みは、彼らが同胞を拘束された状態にしておくがために、彼らは自由でいられるのだということを実証しているのだ」。同胞の痛みの上に安住する彼らではあるが、彼らの心の無力さと弱さ故に、彼らも痛みを感じている。同胞を罪の奴隷に仕立て上げ、その鎖につなぎ止めておくことで、自分の自由を確保しようとする魂胆の無力さと弱さである。その無力さと膳弱性が、彼らの不断の痛みとして、彼らに跳ね返ってくるのだ。他人の不幸の上に自分の幸福を打ち建てようとしても、結局は、心の弱さや後ろめたさが勝って、彼らは痛みに嘖(さいな)まれることになる。
And sickness is desired to prevent a shift of balance in the sacrifice.
- sickness [síknəs] : 「病気」
- desire [dizáiər] : 「〜を望む、希望する、欲する」
- prevent [privént] : 「防ぐ、妨げる、防止する、阻む、阻止する」
- shift [ʃíft] : 「交代、変更、変化、転換」
- balance [bǽləns] : 「バランス、釣り合い、均衡、平衡」
❖ "And sickness is desired ~ "「そして、犠牲というもののバランスを崩さないために、病が呼び出されるわけである」。同胞を罪の奴隷に仕立て上げ、その同胞の心の痛みの上に自分の心の平静さを求めはしたが、そんな道理が通じるわけもなく、心の弱さと後ろめたさが勝って、心は痛みに嘖まれる。あたかも、同胞だけを犠牲にすれば、犠牲のバランスは崩れてしまうとでも言うかのように、同胞を犠牲にしようと目論んだ者もまた、犠牲を強いられる。心の弱さと後ろめたさが心の痛みを呼び、そして、心の痛みは病を生み出すことになるのである。
How could the Holy Spirit be deterred an instant, even less, to reason with an argument for sickness such as this?
- deter [ditə́ːr] : 「阻む、阻止する、思いとどまらせる、防ぐ、防止する、抑止する」
- instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
- less [lés] : 「より少ない、より少数の、より小さい」
- reason [ríːzn] : 「弁明、言い訳、理由、動機」
- argument [άːrɡjumənt] : 「議論、討論、討議」
❖ "How could the Holy Spirit ~ "「このような病に関する議論をする理由に、一瞬たりとも、いやそれより短い時間でも、ホーリー・スピリットを留め置くことがどうして出来ようか」。難しい言い回しをしているが、要するに、犠牲のバランスを保つために病が発症するなどといった馬鹿げた幻想に、そして、それを正当化するような議論に、ホーリー・スピリットは巻き込まれたりしない、ということ。幻想世界の病など、ホーリー・スピリットにとっては茶番劇であり、偽りであり、狂気の沙汰に過ぎないのだ。
And need your healing be delayed because you pause to listen to insanity?
- need [níːd] : 「〜する必要がある」
- delay [diléi] : 「〜を遅らせる、延期する、滞らせる」
- pause [pɔ́ːz] : 「中止する、ためらう、休止する」
- listen to : 「耳を傾ける、〜を聞く」
- insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
❖ "And need your healing ~ "「狂気に耳を傾けるために立ち止まることを理由に、あなたのヒーリングを遅らせる必要があるだろうか」。幻想世界の狂気的な茶番劇に付き合うことなく、さっさとヒーリングされなさい、ということ。夢に翻弄されるより、夢から目覚める方が優先されるべきであり、正当なのだ。嘘偽りに拘泥するよりも、目の前の真実を素直に受け入れる方がずっといいに決まっている。